2002年11月14日
市議団のとりくみ
深まる人工島疑惑 市がケヤキを買わせていた
福岡市議会は14日、博多湾の人工島埋立事業(総事業費4600億円)をすすめてきた第3セクター「博多港開発」が、1本100万円のケヤキ600本、庭石1万トンを約10億円で購入した問題で、百条委員会を設置することを決めました。
この疑惑は西田藤二元市議の関係するファミリー企業が10億円の売買に介在していたことが明らかになり、少なくとも3億円の転売益を得ていたというもの。その時期が西田元市議の2度にわたる衆院選立候補(自民党公認)時に重なっていることや、国会議員の関与も指摘されています。
市議会は13日に、西田元市議や博多港開発の志岐真一前社長ら元幹部を参考人招致して集中審議をおこないました。ところが、「かたくなな否定は逆に疑惑を深めた格好」(西日本新聞)となり、各派が罰則規定のある百条委員会設置の合意にいたりました。
関連記事人工島(ケヤキ・庭石)疑惑、ケヤキに関する「覚書」について
人工島(ケヤキ・庭石)疑惑、ケヤキに関する「覚書」について
2002年11月14日 日本共産党福岡市議団
買い戻しの「覚書」にもとづくケヤキ購入のやり方は、
市民と議会をあざむく許しがたい行為
決算議会でわが党、原田議員が「港湾局が買い戻すという秘密文書が港湾局と博多港開発双方にあるとの話も寄せられている」と指摘したことが事実であることが明らかになった。市と博多港開発(株)との覚書によると、ケヤキ200本にかかった全ての費用を福岡市が負担することが明記されている。同覚書は博多港開発によって平成7年に購入されたケヤキ200本は、福岡市が買わせたもので、後に市が買い戻すことを約束したものである。市の物品購入については、条例で6000万円以上は議会の議決事項と定められている。ところが、2億円という高額の財産取得でありながら、議案提出はおろか、今日まで、議会には何の報告もされていない。秘密裏に博多港開発に買わせて、将来、買い戻す「密約」は市民と議会をあざむくやり方であり、言語道断の許しがたい行為である。違法性も問われている。税金投入につながる「密約」を結び、隠し続けた市の責任は重大である。
「覚書」は、目的も使い道もなしに購入したことを自ら露呈したものである
同覚書は、ケヤキを「概ね平成12年度をめどに東部地区の緑地整備に使用するものとする」としており、使う場所の特定すら、なされていない。福岡市は、当時は香椎パークポートの緑地で使う予定であった旨の説明をしたようだが、もしも、使い道が決まっていたのであれば、パークポート等、特定の場所を覚書に示したはずである。パークポート、人工島、どちらの埋め立て免許及び関係書類の中にも、「東部地区の緑地」という定義はない。「東部地区の緑地整備に使用するものとする」とは、買うための方便に他ならない。これは、200本のケヤキ購入先にありきで、使い道すら決まっていなかったということを、自ら証明したものである。
わが党への『告発』の信憑性が増し、
政治家と天下り幹部、市当局の関与の疑惑がいっそう深まった
「覚書」は「港湾局が博多港開発に買わせた」とのわが党への『告発』が真実であったことを証明した。ケヤキ、庭石の購入を含め、告発にもとづくわが党の追及と調査によって告発が内容のとおり、事実であったことが次々と証明されている。『告発』はさらに、今回のケヤキと庭石の購入の経緯について、政治家Nが圧力をかけ、最初は市(港湾局)が対応し、2回目以降は、天下り幹部が承諾したとしている。この点について、議会でのわが党の追及に市当局は「承知していない」などと答えたが、今回「覚書」の存在が明らかになったことで、政治家がらみの人工島をめぐる利権あさりの構図、疑惑がいよいよ濃厚になった。
市による調査解明は当然だが、市自身が関わった事件であり、
全ての情報公開が、市当局の責務である
福岡市(港湾局)自らが関わって、議会と市民をあざむいてきた事件であり、市当局によるまともな調査が本当にできるかどうかには疑問がある。もう一方の当事者である博多港開発による調査にも多くは期待できない。市長が選挙のための言い訳でなく、本当に「調査する」というなら、ケヤキ、庭石に関する全ての情報と証拠書類を議会と市民にただちに提示すべきである。使い道も決まっていないケヤキと庭石で10億円もの金が使われた重大疑惑である。この問題で、市民は強い怒りを持っている。博多港開発は51%市の出資であり、株主は市民である。市長が、ケヤキ、庭石に関する博多港開発の証拠書類を議会に提示するのは当然の責務である。
わが党は、100条調査特別委員会の設置による議会での疑惑解明を要求していますが、この重大疑惑の解明に全力をあげる決意です。同時に、全容解明についての共同を市民の皆さんに呼びかけるものです。