しんぶん赤旗 2005年5月24日
被災者救済強めて 党が福岡県・市に申し入れ
日本共産党福岡県委員会は21日、福岡県西方沖地震の被害者救済対策の強化を、福岡市と福岡県に申し入れました。
申し入れは、福岡市に16項目、福岡県に18項目におよび、被災者生活再建支援法の改善、マンション被害者の救済、玄界島の復興対策、被害度認定の改善、義援金の使途、今後の防災対策の強化などを求めました。
この申し入れには、党県議団、福岡市議団など11人が参加しました。
福岡市への申し入れでは、被災者救援策の「申込件数が少ない」ことが明らかになりました。同市の調査(今月6日現在)によると、西区北崎や志賀島(東区)での特別制度への申請件数は被害住宅の3%未満で、全市に適用される制度への申請件数は1.2%と極めて少なく、その結果として適用件数もごく少数となっています。
その原因として、市は、「所得や年齢制限がある」ことを認めました。市民への制度の周知徹底も不十分であることがわかりました。
今回の地震でのマンション被害については、半壊が9棟(626戸)、一部損壊が約100棟(5千戸)におよぶことが明らかにされ(全壊マンションはすでに2棟と発表)、大規模は都市型災害であることが浮き彫りになりました。
今後の耐震診断や耐震補強の実施について、市は、「他都市の例を参考に検討中」とのべましたが、党側はその対策を急ぐよう求めました。
さらに、全国から市に寄せられた義援金3億円の配分について、被災者からは「一部損壊の住宅も対象にしてほしい」との強い要望が出されており、市は、「いま配分検討委員会をつくって検討している」と答えました。
玄界島の復興策の見通しについては、市側が「9月までに地質調査が終わる予定。そのあと島民がつくる復興委員会や全島集会などでその方向を決めていく」とのべました。
福岡県への申し入れでも、住宅応急修理の適用件数が現段階では「ゼロ」であり、現行制度の対象の幅が狭いことが明らかになりました。
さらに、建物の外壁の落下などを確認する応急危険度判定は、7自治体で127班、254人によって、3102棟の住宅に実施したことを報告。そのうち、福岡市以外では、わずかに57棟であることも明らかにされました。
被害度認定については、「市町村の報告数をそのまま国に報告するものであり、県がその適否を判断することはない」とのべましたが、これは一部の自治体の言い分と異なっています。
学校の耐震化状況について、小中学校でも県立高校でも約6割が現在の耐震基準以前の建物であり、そのうち耐震診断を行った学校数は、県立高校で15%程度とのべました。
党福岡県委員会では、今回の調査や申し入れで明らかになった内容もふまえて、25日に対政府交渉を行う予定です。