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政策と活動|特集

しんぶん赤旗 2001年12月14日

福岡市の保育所問題——定員緩和で保育園は詰め込み
その上ふえる待機児

「お昼寝の時もぶつかりあうほどの“過密状態”で子どものストレスが心配」———保育需要が高まる中、待機児解消にむけた国による定員の規制緩和によって、保育所の詰め込みすぎが大きな問題となっています。

定員増対応で最低基準以下が9施設

福岡市では、この15年間保育所の新設をおこなわず、既存施設の定員増と園の入所円滑化(定員の最大25%増)などをすすめてきた結果、多くの施設で「着替えを廊下でさせている」「せますぎて遊戯ができない」など、保育の質の低下につながりかねない状況がうまれています。しかも国の最低基準(注)を下回る施設が存在する重大な事態となっています。300人をこえる園もあります。

入所を待つ保育所待機児もふえつづけ、すでに500人をこえています。

厚生労働省は、日本共産党福岡市議団の要請を受け、福岡市から事情を聴取。同省は、12月4日の小沢和秋・衆院議員への説明で、10月時点の調査で2才以下のクラスすべてを1.65平方メートルの基準で計算したために最低基準以下の施設が9カ所あり、うち2カ所が改修中であることを明らかにし、今後、調査がすすめばさらに増える可能性を示唆しました。

同省の担当者は、「福岡市はやりすぎ」であり、新設すべきとの考えを示した上で、国としては増築や新設は今年度予算でも可能であると表明しました。

この問題は、国会でもとりあげられ、日本共産党の井上美代・参院議員の質問に、坂口力大臣も「個別そういう事案があったら調べる」と答弁せざるをえませんでした。

無認可保育所は待機児に含めず

詰め込みをすすめる一方で国や福岡市は、認可保育園の補完的な役割を果たしている無認可保育所に通う子どもを待機児童数には含めない上、まったく補助をおこなっていないのが現状です。

 

現在、福岡市の児童福祉審議会で、保育行政のあり方が議論(来年7月答申)されていますが、審議会委員の綿貫英彦・日本共産党市議は、「猶予はありません。市はただちに新設をふくめた対応をとるべき」と語っています。日本共産党は、国の責任で緊急に保育所の整備計画をすすめるとともに、低すぎる国の保育運営の最低基準を改善することをくりかえし求めています。

「子どもたちがのびのびできる、ゆったりした生活空間を」——基準以下の劣悪な状況を早急に改善することはもちろん、よりよい環境を、未来をになう子どもたちに行政は保障すべきです。


(注・1人当たりの施設面積がほふくしている子は3.3平方メートル、していない子は1.65平方メートルで計算)

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