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しんぶん赤旗 2001年12月21日
福岡ドームへの場外馬券場売り場計画/設置者の強引な進め方に、
「だまし討ちだ」と反発と怒りひろがる
「あまりにも唐突」「だまし討ちですすめられている」——福岡ドームへの場外馬券売り場計画が明らかになり1カ月余、設置者の強引で不透明なすすめ方に、住民の怒りが広がっています。
設置者は「地元合意」いうが、新聞報道で知った住民
場外馬券場計画は、岩手、佐賀、荒尾の各競馬組合と福岡ドームが設置者で、来春のオープンをめざしているもの。今月6日には農水省が承認しています。
公営ギャンブル場である場外馬券場設置にあたっては、住環境に大きな影響を与えるだけに、地元住民の意見をふまえるのが当然です。ところが今回の場合、住民のほとんどが「11月2日の新聞報道で計画を知った」(自治会役員)というのが実態です。
しかも、「地元同意」の取得に大きな問題があります。農水省の設置許可要件でも最低限、地元同意と警察の確認が必要です。今回、設置者は、印鑑を押すだけの「承諾書」を準備し、5校区の自治連合会長から署名をもらっています。
しかし生活環境への影響から考えても住民がまったく知らず、自治会の総会も開かれずに自治連合会長の押印でもって「地元同意」との判断には無理があります。
1997年3月の衆院予算委員会で、中央競馬会理事も、「地域調整できちっと同意がされていることが前提。それがなされない限り強引に強行することはない」とのべています。
さらに重大なのは、ドーム周辺は文教施設や病院などが集中している閑静な住宅地であり、青少年の育成などの影響が心配されることです。福岡中央養護学校は280メートルの至近距離です。場外馬券場設置における農水省告示でも、文教施設及び医療施設から適当な距離を有し、文教上又は衛生上著しい支障をきたすおそれのないこと、とされています。
承認した農水省の責任も重大
同じギャンブル場である場外舟券売り場の場合でも同様の規定があり、申請の際に周辺2千メートルの付近見取り図が必要です。2千メートルあたりが「適当な距離」の目安といえることからしても問題です。馬券場計画は、手続き上も多くの問題点があり、拙速に承認した農水省の責任は重大です。
12日の福岡市議会で日本共産党の星野美恵子市議の追及に、山崎広太郎市長も「地元自治会の要請があればその意向を関係機関に伝える」と答弁せざるをえませんでした。「馬券売り場反対の会」の諸岡敬一郎会長は「反対運動は急速に広がっている。農水省にも直訴したが、地元無視もはなはだしい。『地元合意』が成り立たない以上、きっぱりと撤回すべき」と語っています。