2004年予算議会
2004年度代表質問(質問のみ)
2004年3月8日 原田祥一議員
私は、日本共産党市議団を代表して、山崎市長の施政方針と二〇〇四年度予算案、及びその他の諸議案について、市長並びに教育委員会に質問いたします。
自民党政治の経済政策の行き詰まりと破綻のもとで、いま国民の暮らしは未曽有の危機にさらされています。自民・公明の小泉内閣はこの三年間、「構造改革」の名で、医療や年金の改悪など巨額の国民負担増の押しつけ、大企業のリストラ応援、中小企業つぶしを横行させ、国民生活のあらゆる分野での荒廃と破壊を加速させました。失業率は五%台の高水準、不況型倒産は過去最悪、勤労者世帯の年収は三年間で四十三万円も落ち込み、自殺者も五年連続で三万人を超えています。生活保護世帯も九十四万と過去最多です。政府の「国民生活に関する世論調査」では「生活の不安」を訴える人は六七%と、史上空前となっています。「痛みに耐えれば未来がある」どころか、痛みに耐えてもその先にはさらに大きな痛みしかないということが今や明瞭となっております。また、小泉内閣が国民の強い反対を無視し憲法を踏み破って自衛隊のイラク派兵を強行し、さらに憲法九条そのものの改悪に向けて突き進んでいることは極めて危険で重大だと言わなければなりません。
日本共産党は、現在の日本の異常な対米従属の状態と利潤第一主義の大企業・財界による支配を抜本的に改革する道筋を提起しています。すなわち、真の独立と自主性を確立する平和外交、憲法遵守と政治・社会・教育の民主主義的な改革、国民の生活と権利を守る経済ルールの確立などですが、こうした政治変革こそ、日本社会の明るい未来を切り開くものではないでしょうか。
そこでまず初めに、二〇〇四年度政府予算案について、お尋ねします。
小泉内閣の二〇〇四年度予算案は、年金大改悪をはじめ庶民増税などによって、今後毎年一兆円以上の負担を国民に押しつけるものとなっています。この結果、これまでの四兆円とあわせて二〇〇六年度には負担増が七兆円以上にものぼります。さらに政府与党は、定率減税の廃止や消費税大増税を目論んでいます。その一方で、公共事業は聖域にして巨大開発を引き続き推進し、改革するとした道路公団問題でも浪費と無駄を温存しようとしています。また「三位一体の改革」による国庫補助負担金の一兆円削減と地方交付税の縮小による地方財政への影響も深刻です。小泉政治のもとで、国民の暮らしと日本経済はますます深刻な事態へと進行するのは必至であります。今求められているのは、大企業応援の「構造改革」ではなく、日本経済の六割を占める家計をあたため、中小企業を応援するなど国民生活を守る方向に経済政策を転換することです。
したがって市長は、市民生活を守り、地域経済を立て直す立場から、政府に対し、公共事業や軍事費などの浪費の削減や大企業減税の中止、道路特定財源の一般財源化を行うとともに、社会保障関係をはじめ教育、雇用、中小企業、地方財源拡充などの予算を増やし、また庶民増税をやめるなど、景気回復と財政再建に踏み出す予算に抜本的に組み替えるよう要求すべきだと思いますが、ご所見をお尋ねします。併せて、消費税の大増税にはきっぱり反対すべきだと思いますが、所見を求めるものであります。
次に、市長の施政方針と予算案について、お尋ねします。
市長は所信表明で、「市民のために、市民とともに」などと述べられましたが、市民とは一体誰なのかが問題です。市長は「選択と集中」として、人工島など巨大開発をさらに推進する開発会社化の道を突き進み、また「民でできることは民で行う」などと言って、大企業のために仕事をつくり儲けさせることに熱中しています。その一方、住民に対しては「市民との共働」と称して、清掃や防災から教育、福祉、介護まであらゆる行政サービスの肩代わりと下請けを自治会・町内会に押しつけようとしています。こうしたやり方は、本来行政が担うべき責任や役割を放棄するものであり、自治体を営利企業と化してしまうものです。まさに、市長の言う「市民のため」とは、住民ではなく、銀行と大企業・ゼネコンのためではありませんか。「効率化」「適正化」の名で福祉や暮らしに関わる補助金カットや職員減らしの一方、無駄な人工島事業は計画性も採算性も無視して推進する。これでは地域経済と市民生活を疲弊させ、財政も破綻の一途をたどるのは避けられません。
そもそも住民の安全、健康、福祉を守るというのが地方自治の本旨であり、利潤優先の企業による横暴勝手から住民を守るのが自治体の役割です。その責務を投げ出して、住民の暮らしよりも企業利潤を優先するなど、山崎市長の市長としての資格が厳しく問われるところであります。
したがって、市長は、開発会社化と営利企業化の道を突き進むのではなく、福祉や教育など市民生活の充実に責任を持って真剣に取り組む「自治体らしい自治体」づくりへきっぱりと転換すべきであります。市長の所見をお尋ねいたします。
次に、二〇〇四年度予算案の基調についてお尋ねします。
新年度予算案の特徴は、限られた財源のなかで、福祉や教育など生活関連予算は抑制・削減する一方、最大の開発である人工島へ予算を一極集中させるなど、まさに破滅型予算となっていることであります。新聞各紙は「財政健全化なお遠く」などと厳しく報じております。
一般会計の歳入は、市税の三年連続減少に加え、地方交付税の縮減など税財源の減少が顕著ですが、その不足分を基金の百億円取り崩しや多額の市債発行で埋めあわせするものであり、財政運営の不安をさらに強めるものとなっています。歳出面では、教育費が、前年度より四・九%カットされ、一般会計にしめる構成比は史上最低の六・六%にまで落ち込みました。市営住宅の建設費は最高時の四割にも満たない三十六億円。四千人近い待機者をかかえる特別養護老人ホームの新規分はわずか三カ所で二億円、中小企業対策費は前年並みの一二億円で一般会計のわずか〇・一七%にすぎません。生活保護費をはじめ福祉予算は抑制され、国保料は介護保険分で二・二五%の値上げなど負担増が押しつけられています。一方、人工島には文字通り全庁あげて予算を集中させ三一二億円、区画整理は渡辺通駅北を含め七事業で百六十五億円、都市高速道路に四十八億円、さらに新天神地下街や高速道路公社の出資金三十億円を拠出するなど、大型開発に莫大な予算が組まれているのであります。また、イベント予算も膨れ上がったままであります。この結果、年度末の借金総額は三会計合計で二兆六八四九億円とまたも増加し、市民一人当たり百九十四万円にものぼるのであります。起債制限比率は一八・一%といっそう悪化し、また葬祭場などPFI的手法による隠れ借金も増大しております。
市長は、こうしたゼネコン浪費、市民犠牲の破滅型予算案を抜本的に見直し、暮らし、福祉、介護、医療、教育、環境を最優先する市民本位の予算に改めるべきだと思いますが所見のほど、お尋ねをいたします。
次に本市の将来をも左右する最重要問題についてお尋ねします。
質問の第一は、事業費四六〇〇億円を要する人工島事業についてです。わが党は、当初から必要性も実現性もないと指摘してきましたが、このことがまさに現実のものとなっております。市長は博多港開発工区の破綻救済のため、道路や公園の肩代わり整備など二〇〇〇億円にのぼる公金投入となる「新事業計画」を策定し、事業を強行してきました。しかるに土地処分は進まず、買ったのは福岡市と市住宅供給公社だけです。しかも、処分価格は予定を下回り、住宅用地の民間公募でも分譲予定単価を四万円も下回る七万円台での申し込みとなり、銀行への返済を肩代わりする本市の緊急融資は二〇〇三年度だけで九〇億円にのぼるなど、博多港開発の経営はいよいよ深刻になっております。このため、銀行団からさらなる見直しを迫られているのであります。また、港湾用地の土地分譲もその資金は市による移転補償金が原資であり、市工区の処分計画も見通しはないことを示しています。
市長は新年度、都市整備局や保健福祉局など他局の予算もつぎ込んで三一二億円を人工島に投入し、税金による破綻救済を強めるとともに博多港開発工区の直轄事業化の検討まで進めていますが、このような事業の継続強行は本市の将来に重大な悪影響を及ぼすものと言わなければなりません。市長による大規模事業点検と新事業計画がいずれもわずか二年で破綻したことは市長に事業を見直す能力も資格もないことを物語るものであります。したがって、市工区を含め、埋め立ては直ちに凍結するとともに、独立した第三者機関を設置して人工島事業を見直すべきだと思いますが市長の所見をお尋ねします。併せて、埋め立て事業継続の是非について住民投票で市民の意志を問う必要があると思いますが答弁を求めます。また、この際、博多港開発㈱は整理縮小や会社清算を検討すべきと思いますが所見を求めるものであります。
質問の第二は九州大学学術研究都市構想の推進と新空港建設についてであります。市長は新年度、六千三百万円の予算を付け、九州大学学術研究都市整備推進機構の設立準備など、同構想の具体化に乗り出そうとしています。しかしながら、バブルの計画とでも言うべき同構想の具体化は莫大な公金投入を前提とするものであり、しかも、人工島の二の舞になりかねないものであります。市長は予算を撤回し、同構想は白紙に戻すべきだと思いますが所見を伺います。また、新空港建設について、市長はいまだに事業化の夢をお持ちのようですが、現空港など、「既存ストックの有効活用」と「近隣空港との連携」を方針として調査検討を進めるべきと思いますが所見のほどお尋ねいたします。
質問の第三は本市財政の再建についてであります。二〇〇四年度末の起債現在高は二兆六八四九億円にのぼり、実に市税収入の十一年分にあたる途方もない額であります。山崎市長の六年間だけでも四三五三億円の増であり、これが開発市政で作り出されたことは明白であります。したがって人工島など巨大開発とその破綻救済をやめるなど大規模事業について、市民参加で再点検し見直すこと。第二に小泉内閣の地方への負担押しつけに反対するとともに、政府債の繰上償還の恒久化、本格的な低利借り換え、返済期間の延長などを勝ち取ること、歳入については、大企業、高額所得者優遇の不公平税制を是正する必要があり、この立場で新規財源を見いだすべきだと思いますが市長の所見を伺うものであります。
質問の第四は本市行政にはびこる汚職・腐敗の一掃についてであります。自民党パーティ券事件、総務企画局長が関わった河本建設談合贈収賄事件、副議長の斡旋収賄事件、ケヤキ庭石事件、本市の開発行政のもとで、次々と汚職腐敗事件が起きました。こうしたなかで、政治倫理条例や職員倫理条例を制定し、入札制度改革、職員への不正な働きかけ等に対する組織的対応などが具体化されてきたところであります。しかしながら、その後も塗装業者などによる談合事件、港湾局計画課長の収賄事件、港湾局理事のタクシークーポン券不正入手などが発覚し、警察等による家宅捜索は毎年という、まさに全国に例のない異常な事態となっているのであります。この一掃は緊急かつ欠くことのできない重要課題です。
そこでまず、ケヤキ・庭石事件については、告発に基づく処分を早急に行うよう県警に要請するとともに、関係者に損害賠償を求めるべきではないかと思いますが所見をお尋ねします。また、落札率が下がっておらず、「改革」の効果が薄い入札制度については、談合を防止するため、一定数の入札参加者の除外や予定価格の決定に抽選くじを導入するなど思い切った改革を進めるべきと思いますがお尋ねいたします。
腐敗の根底に政官業の構造癒着があることは明らかであり、ここにメスを入れなければなりません。この問題では、市長の政治姿勢が何より問われています。したがって、企業団体献金の禁止、少なくとも本市公共事業受注企業からの献金やパーティ券購入は直ちに禁止すべきと考えますが所見を伺います。また、退職幹部の三セクを含む外郭団体や、利害関係のある民間企業への天下りや、口利き・斡旋の規制措置を講ずるべきだと思うが答弁を求めます。併せて、内部告発制度については、通報案件を三セク等も加え、告発者が調査状況や結果報告を受ける権利の明記、告発者保護の徹底、弁護士など第三者を受理・調査機関とし、守秘義務違反への罰則規定などを盛り込んだ実効あるものとし、内部要項でなく条例で制度化すべきだと思いますが明確な答弁を求めます。
次に、雇用、営業、暮らし、医療・福祉を守る問題について質問いたします。
質問の第一は、雇用対策であります。
雇用情勢は、正規雇用が減り続けていることをはじめ深刻で危機的状況にあり、雇用対策充実は、市民の暮らしと社会の安定を図るうえで、重要な政治の課題であります。
したがって、労働者の権利を守るために、大企業のリストラの野放し、派遣労働の規制緩和政策を改め実効ある雇用対策に切り替えさせること、違法なサービス残業の規制、異常な長時間労働の禁止などを図るための法制定と労働基準行政の強化、及び失業者へのつなぎ就労の場、仕事を確保するために緊急地域雇用創出制度を延長することなどを国に働きかけるべきだと思いますが、所見をお伺いします。
また、公的分野の雇用拡大を図るために、本市職員を増員するとともに、特に教育、福祉、防災などの分野で雇用の拡大に積極的に取り組むこと。併せて、市内の企業に新規採用枠の拡大を要請することなど、特別の手立てを取るべきだと思いますが、ご所見をお伺いいたします。
質問の第二は中小企業対策についてであります。本市経済の主役である中小企業は、長引く不況に加え、「不良債権処理」などで、倒産・廃業が後を絶たず、自殺する中小業者も増えています。地域経済を建て直すうえで、中小企業対策を抜本的に拡充することは、まったなしの緊急課題です。しかるに新年度の中小企業対策費はわずか一二億円程度にすぎません。市長が「足腰の強い地域経済の確立」が必要と言われるなら、予算を大幅に増額するとともに、全庁あげた取り組みが必要だと思いますが所見をお尋ねします。併せて、観光コンベンションや新規企業誘致に特化した経済振興策を改め既存産業の保護・育成を基本にすべきと思うが市長の所見をお伺いします。公共事業については大型開発中心から市民生活密着型に転換し、四割台に落ち込んだ中小企業向け発注率を七割に引き上げることで仕事確保を図るべきと思いますが明確な答弁を求めます。宮崎県の日南市や都城市では、不況対策として住宅リフォーム助成制度を設け、地場中小零細建設業者等の仕事作りを行い地域経済に大きな波及効果を及ぼしております。本市でも同様の制度をつくり、仕事起こしを図ることを提案しますが所見を伺います。本市の制度融資については、制度の主旨が生かされるよう関係機関に徹底するとともに、営業が困難な場合の返済凍結や延長、小口の直貸し制度の新設を急ぐべきと思いますが答弁を求めます。また、商店街の再生を図るため、個別商店街ごとに行政が援助に入り、新たな支援策を含む必要な商店街対策を講じるなど商店街の振興対策を強化すべきだと思いますが所見を伺います。
質問の第三は農業の再建についてであります。農産物の輸入自由化や市場原理のいっそうの推進など政府による日本農業の切り捨てによって、本市農業も衰退の一途をたどっています。市長は市内農業を守る立場から、農産物の完全輸入自由化に反対するとともに、農家に負担を押しつけるだけの「農業構造改革」の撤回、政府による農産物の価格保証制度の確立を要求すべきと思いますが所見を伺います。また、公共事業中心の農業政策を転換し、所得保障を含む市独自の農業育成、助成策を講ずるべきと思いますが答弁を求めます。
質問の第四は、年金、医療など連続する大改悪から市民の健康・福祉を守る問題についてであります。
政府の年金改革法案は、厚生年金は保険料を年収の一八・三〇%まで毎年引き上げて、給付水準を大幅に削減し、国民年金は今でもわずか月四〜五万円程度の給付水準を二〇二三年度までに実質十五%も切り下げるという、極めてひどい内容であります。市長は、国民の老後の生活をも脅かす年金改悪に反対するとともに、国庫負担を早急に二分の一に引き上げ、雇用政策の拡充で安定した年金の支え手を増やし、一七五兆円もの年金積立金の計画的有効活用などを国に強く要求すべきではありませんか。併せて、「最低保障年金制度」の創設や障害基礎年金の支給要件緩和など低年金者や無年金者の救済対策が必要だと思いますが、ご所見をお伺いします。
また、政府が実施した老人医療改悪や健保本人三割負担は深刻な受診抑制と病気悪化を招いており元に戻し、国民健康保険の患者負担を二割に引き下げるなど安心して医療が受けられるように国に求めるとともに、国庫負担の引き上げ、高過ぎる薬価にメスを入れるなど医療保険財政の健全化を図るよう、要求すべきと思いますが、お尋ねをいたします。
質問の第五は、国民健康保険行政及び市立病院統合移転問題についてであります。
市長は、新年度、国保料を介護分二・二五% 、一人当たり八万八四六一円への値上げを提案し、低所得者の負担を増やす「応益割」の引き上げをしようとしております。相次ぐ値上げが滞納者を増やし、払えない人から保険証を取り上げ、一万四千件以上も「資格証明書」を発行して市民の医療を受ける権利を奪い、まさに「金の切れ目が命の切れ目」となっています。市長は、市費を大幅に繰り入れて保険料を引き下げるとともに、保険証の取り上げをやめて原則交付し、減免制度を拡充するなど、市民が安心して医療を受けることができるようにすべきだと思いますが、お尋ねをいたします。
また、こども病院と市民病院の統合移転は、人工島の破綻救済のための巨額の無駄づかいに他ならず、白紙撤回すべきだと思うが、明確な答弁を求めるものであります。
質問の第六は、介護保険制度の改善と高齢者対策についてであります。
高い保険料や重い利用料負担のために、在宅サービスは対象者の三割がサービスを利用できず、支給限度額の利用率も三十%台にとどまっております。介護の必要な人が必要なサービスを受けられないという深刻な事態の改善は急務です。したがって、市長は国に対し、介護保険の国庫負担割合を二十五%から五十%まで拡大するよう要求するとともに、市費も繰り入れて保険料や利用料の負担軽減を図るべきだと思いますが、所見を求めるものであります。併せて、本市の低所得者のための保険料減免制度は、第二段階の人のわずか一・三%程度しか実施されておらず、預貯金・資産等の厳しい要件をなくして第一段階は全額免除、第二段階は半額以下にするなど拡充するとともに、利用料についても、第一段階無料、第二段階は三%に軽減するなど低所得者の利用料減免・助成制度を設けるべきだと思うが、答弁を求めます。
また、本市の特別養護老人ホームの待機者は、三千八百九十五人にのぼる深刻な実態になっているにもかかわらず、新規分は三ヵ所二百三十九人分しか予定されていません。市長は、予算を大幅に増額して特養ホームを増設し直ちに待機者を解消すべきだと思いますが、所見のほどをお伺いします。市民福祉サービス公社については、独立採算制の一事業所扱いを改め、市民の「最後のよりどころ」となるよう利用者を選別することなく、必要な予算措置をしてヘルパーの増員や労働条件の改善を図るなど、体制拡充を行い公的責任を果たすべきだと思いますが、市長の答弁を求めます。さらに、老人医療費助成制度については、所得制限を大幅に緩和し、制度も拡充するとともに、お年寄りの社会参加を促進するため、高齢者乗車券制度は所得制限を撤廃し、七十歳以上の全ての高齢者に給付額も増額して交付すべきだと思うが、明確な答弁を求めるものであります。
質問の第七は、生活保護行政及びホームレス対策についてであります。
長引く不況や雇用情勢の悪化のもと、「最後のよりどころ」である生活保護行政の充実が急務となっています。こうしたなか、政府の生活保護支給費の切り下げや老齢・母子加算の廃止は憲法で保障された最低限度の生活をいっそう悪化させるものであり、撤回を要求するとともに、国庫負担を四分の三から三分の二に削減する計画に反対を表明すべきだと思うが、市長の所見をお伺いします。
本市においては、「面接」と称して不当に保護申請を排除したり、「適正化対策」を口実に、人権侵害に及ぶ扶養義務や就労の強制、実態を無視した資産活用や辞退届の強要、予告なしの訪問調査等をやめるべきであります。併せて、必要な人が誰でも自由に取れるように申請書類や「生活保護のしおり」を窓口カウンターに置くとともに、貴重な生活補給金であった夏期・年末の福祉見舞金を復活すべきだと思いますが、市長の明確な答弁を求めます。
中嶋学資保険裁判については、福岡高裁判決を受け入れて上告を直ちに取り下げるとともに、保護費の使い方が原則として自由でなければならないとした同判決に従い、学資保険の保有を認めるべきだと思いますが、市長の所見をお尋ねします。
また、市内のホームレスは六百人以上に急増しており、市長は、「自立支援法」に基づき、民間ボランティアやNPO支援団体等に必要な補助を行うだけでなく、公的な自立支援センター等の建設など行政責任を果たすべきではないのか、お尋ねをします。
質問の第八は、障害者・児対策についてであります。
障害者支援費制度がスタートして一年、必要なサービスが受けられないなど深刻な事態を招いており、ホームヘルプサービス、ショートステイ事業や施設整備の拡充を図るとともに、各区相談窓口に専門のケースワーカーを増員配置してケアプラン等を作成するなど実効ある体制を確立すべきであります。併せて、サービス水準を後退させないために支給量の上限は定めず、支援費額を国基準に上乗せし、施設への重度障害者加算や低所得者の負担の減免などを実施すべきだと思いますが、お尋ねをいたします。
東部療育センターの整備については、前倒しして二〇〇五年度までに開設し、運営は民間委託せず市が責任を持つべきだと思うが、所見をお伺いいたします。
また、国に対し、障害者小規模作業所への補助費削減を撤回するよう強く要求するとともに、市の責任で障害者の雇用促進施策を講じるべきだと思いますが、市長の答弁を求めます。
質問の第九は、市民の保健・衛生の向上及び食品の安全問題についてです。
今日、新型肺炎SARSやO-一五七、結核の急増など、市民の保健・予防・衛生に責任を持つ保健所行政の本来の機能と役割が問われております。したがって、市長は、「保健福祉センター」の体制を見直し、所長を医師にして保健婦や放射線技師等を増員配置するなど健診、相談、指導体制を拡充強化すべきであります。併せて、食品の安全確保についても、BSE、鳥インフルエンザの発生、輸入・遺伝子食品、偽装食品問題等が相次いでおり、食品衛生監視員等の専門家を大幅に増員して食品検査、監視、研究体制を確立するとともに、本市の総合的な食品安全基本方針を策定し、市民・消費者等が参加する「食の安全」のための常設委員会を設置する必要があると思いますが、ご所見を伺います。
質問の第十は、福岡市葬祭場の建て替え問題です。
市長は、住民合意を得ないまま、過大な火葬件数予測のもと七十億円もかけ葬祭場の全面建て替えを強行しようとしております。しかしながら、BCS(日本建築業協会)賞を受けた建築文化財でもある同葬祭場は、築二十三年しか経ておらず、建て替える緊急性はありません。しかも、財団「丸投げ」や随意契約のあり方にも大きな問題があり、契約は白紙撤回して計画を見直し改築・改修で対応すべきだと思うが、市長の明確な答弁を求めます。
質問の第十一は、青年の雇用及び文化・スポーツの問題についてであります。
青年の雇用問題は極めて深刻で、福岡県の高校生の就職内定率は五二・二%と全国ワースト二位となっており、市として市内の企業に新規採用枠の拡大の要請や鳥取県などで行われている雇用創出支援奨励金制度を導入するなど、国まかせにせず、独自に特別の手だてを取るべきと思いますが、ご所見を伺います。
また、青年のための文化・スポーツ施設は不足しており、青年が安価で文化芸術・スポーツやサークル活動等に活用できる施設を市内各地に整備すべきと思いますが、所見の程、お尋ねをいたします。
次に、子どもの健やかな成長と教育の問題について質問いたします。
質問の第一は、保育行政についてであります。
政府は、新年度、公立保育所への約千七百億円にのぼる補助金削減と運営費、施設整備費の一般財源化を強行しようとしています。加えて、市長も民間保育所への補助金の大幅削減を計画しております。こうした補助金削減は保育所運営を困難にし、少子化時代の子育て支援に逆行するものであり、国に撤回を求めるとともに本市の削減もキッパリやめるべきだと思いますが、明確な答弁を求めます。
現在、本市の待機児は七百人を超え、今なお深刻な実態にあります。三ヵ年十一箇所の「新設計画」だけでは足りず、市長は、不足する全ての地域に適正配置して新・増設し詰め込み保育や待機児を直ちに解消すべきではありませんか。併せて、夜間・休日・延長保育など多様な保育を行っている認可外保育所に対して、健康診断だけにとどめず大幅な助成措置を講じるとともに、条件の整った所は積極的に認可を促進すべきだと思いますが、答弁を求めるものであります。
また、高過ぎる保育料は、子育て世代にとって大きな負担となっています。市長は、他都市並に市費を繰り入れ、保育料を引き下げるとともに、第二子以降の減免は保育料の高い方を減免し、第三子以降は無料とすべきではありませんか。お尋ねをいたします。
質問の第二は、乳幼児医療費助成制度についてです。
本市の乳幼児医療費助成制度は初診料を取るなど他都市と比較しても不充分であります。市長は、子育て世代の負担を軽減するため、直ちに初診料や往診料を無料にするとともに、助成対象を入院だけでなく通院も就学前まで拡大すべきだと思いますが、ご所見をお伺いします。また、乳幼児医療費無料化を国の制度として実施するよう申し入れるべきではありませんか。市長の答弁を求めます。
質問の第三は、留守家庭子ども会についてであります。
働く親の増加のもとで留守家庭子ども会の役割が高まっていますが、施設の狭隘・老朽化や指導員不足、入会制限が大きな問題になっています。ところが、市長はこうした問題には応えず、新年度から「留守家庭子どもクラブ」と称して留守家庭児童を幼稚園に移管させることを強行しようとしております。しかしながら、今回の措置は、長年培ってきた留守家庭子ども会の運営を崩壊させかねないものであります。留守家庭子ども会事業は、学校内で行うのが原則であります。市長は、希望者を全員受け入れるために、施設の改築・拡充や未設置校区の解消、正規指導員の増員をこそ行うべきだと思いますが、市長の明確な答弁を求めるものであります。
また、子ども行政の保健福祉局への一元化の下、様々な問題が生じており、同事業は直ちに教育委員会に戻すべきではありませんか。ご所見をお伺いします。
質問の第四は、児童館建設についてであります。
子どもたちが安心してのびのび遊び、社会性を培う児童館に対する期待と必要性はさらに高まっており、本市でのこれまでの二十三万筆以上もの請願署名は今、いっそう大きな輪となって広がっております。児童館の重要性は国も認め、各政令市や県内の各自治体でも数多く設置されており、本市の「児童館」無視の行政姿勢の異常さは際立っております。市長は子育て交流サロンや、子どもプラザ等でごまかすのでなく、専門職員のいる児童館を小学校区ごとに早急に設置すべきだと思いますが所見をお伺いいたします。
質問の第五は、児童虐待を含む児童相談体制等についてであります。
児童虐待が後を絶たず、深刻な子どもの養育・保護・育成についての相談件数も急増しています。予防、救済そして事後のケアのためには児童だけでなく虐待者への指導と援助も欠かせず、心理療法士や児童福祉司などを増員、配置し、相談事業の充実と対策を早急に推進すべきだと思いますがご所見をお伺いします。また一時保護所や児童養護施設を増設するとともに、個別援助体制の充実や虐待を未然に防ぎ、虐待を受けた子どもを早期に発見・保護する児童虐待通告システムなどが必要だと思いますが、併せて答弁を求めます
質問の第六は、教育行政についてであります。
第一点は教育政策のゆがみをただし、憲法と教育基本法に基づく教育を実現する問題についてであります。
日本政府が長年続けてきた異常な競争主義・管理主義の教育は、子どもたちの心と成長を深刻に傷つけています。政府は、今日の教育の矛盾と困難の原因を教育基本法に求め、その改悪を進めようとしていますが、これはまったく根拠も道理もないものであります。逆に政府が長年にわたって、教育基本法に明記された民主主義的な理念や原則を踏みにじってきたことこそが今日の教育をめぐる矛盾と困難を作り出しているのであります。教育基本法は前文で、憲法の理想の実現における教育の役割を示し、「真理と平和を希求する人間の育成」をうたっています。一人ひとりが大事にされ、人格の個性的な開花を進めることが、今日ほど求められているときはありません。市長は、「人格の完成」、「人間の育成」から、財界の要求する「人材の育成」へと根本から覆そうとする教育基本法改悪にきっぱり反対するべきだと思いますが、所見を求めます。また、子どもの内心の自由をおかす「心のノート」などによる愛国心教育や、子どもたちを勉強のできる子とできない子に差別・選別する習熟度別授業の固定化はやめるべきだと思いますが、教育長の所見を伺います。
山崎市長になってから、教育予算は年々削減され、新年度は一般会計の六・六%という異常な低さに抑えられています。市長は、教育を軽視し続ける姿勢を改め大幅に増額すべきであります。また、国の義務教育の国庫負担金の廃止・削減方針は、教育の機会均等、教育の水準の維持・向上を図るべき国の責任を放棄するものであり、これに反対すべきではないかと思いますが、市長並びに教育長の答弁を求めます。
二点目は三〇人学級の実現についてです。
少人数学級は、全国の三十四都道県三政令市が独自に実施し、子ども・父母・学校関係者から歓迎され全国的な流れとなり、文部科学省は来年度、研究指定という形で少人数学級を一部導入することを決定しました。三〇人学級を求める福岡県での請願署名は五年間で二百五十万人にものぼっており、その実現が全県民的な要求となっています。市長は三〇人以下学級の即時実現を国・県に強く要求するとともに、県が自治体独自での実施を認めた今、本市の責任において、直ちに三〇人以下学級を実施すべきだと思いますが、明確な答弁を求めるものであります。
三点目は義務教育の指導内容と体制についてです。
新学習指導要領は実施後わずか二年で多くの矛盾を生み、手直しを余儀なくされました。現場に困難と混乱をもたらし、子どもと教職員からゆとりを奪っている新指導要領の見直しを国に対して要望すべきではありませんか、所見を伺います。また、子どもの成長・発達に直接責任を負う教職員の深刻な健康問題にとって長時間・過密労働の改善が極めて重要であります。したがって、教職員を大幅に増やすべきだと思いますが教育長の答弁を求めます。二〇〇四年は小学校教科書採択の年であります。教科書の選定にあたっては、教育委員会議を公開するとともに、侵略戦争を肯定し歴史の真実をゆがめる教科書は採択すべきでないと思いますが所見をお尋ねいたします。
四点目は高等教育を受ける権利の保障についてです。
長引く不況のもと、経済的理由による退学や修学旅行等への不参加の激増など、事態はいっそう深刻になっております。県に授業料補助の大幅増額を求めるとともに高校奨学金の充実を図るべきだと思いますが、教育長の答弁を求めるものであります。また、経済的理由で進学できない人や不登校児等の最後の「受け皿」となっている夜間定時制高校を通学に便利な場所に設置するとともに、県にも設置を要求すべきだと思いますが、お尋ねをいたします。
五点目は、障害児教育についてであります。
文部科学省が進めようとしている「特別支援教育」の構想は、LDやADHDなど、これまでの数倍もの子どもたちを従来の予算及び体制のままで受け持たせるものであり、教育の質の後退につながるものであります。こうした姿勢を改め、特別な教育を必要とする全ての子どもたちへの支援を本格的に前進させるよう国へ要求すべきだと思いますが市長の所見を求めます。
また、障害児が安心して通学できるよう学校施設のバリアフリー化が早急に求められており、本市でも新築及び改築校や車椅子使用児童在籍校をはじめ、エレベーターの設置を大幅に広げ介助員・補助員制度を早急に導入すべきだと思いますが、併せて所見を伺います。
六点目は、安全で快適な教育環境の実現についてであります。
子どもたちが犠牲になる事件を防止するために、学校における安全管理は、人員や予算を増やし実効性のあるものにすべきだと思いますが所見を伺います。老朽校舎の改修・改築や生徒数急増校に対する教室整備等、緊急なものについては予算を増額して実施することが必要であります。また、小中学校の教室暖房については、環境衛生検討委員会の協議結果だけを理由に先送りすることは許されず、政令市のなかで本市だけが実施していない現状を踏まえ、直ちに実施すべきだと思いますが、併せて所見を伺うものであります。
次に都市づくりの諸問題についてお尋ねします。
アジアの交流拠点都市づくりの名による開発行政は、自然環境の破壊をはじめ様々な都市問題を引き起こすとともに、財政危機をいっそう深刻にしています。市長は開発優先をやめ、市民本位のまちづくりへ転換すべきであります。
そこで、質問の第一は、渡辺通駅北土地区画整理事業及び新天神地下街の整備についてであります。
市長は新年度予算案に事業計画策定費六千万円を計上し、渡辺通駅北土地区画整理事業を行おうとしております。しかしながら、下川端地区やサンセルコなど本市の再開発事業は、いずれも失敗し破綻救済のために莫大な税金が投入されました。市長はこの失敗の教訓を生かそうとせず、懲りずに同じ道を進もうとしているのであります。同事業が、博多リバレイン等の二の舞になるのは明らかであり、やめるべきであります。答弁を求めます。また、「天神地下街延伸事業」に対する福岡地下街開発株式会社への十六億円の出資は、破綻救済であり撤回すべきだと思いますが、お尋ねをいたします。
質問の第二は、香椎駅前の区画整理事業についてであります。
同事業については、ずさんな土地利用計画や資金計画など様々な問題を引き起こしているにもかかわらず、市長は住民の意向を無視して強行しています。しかし、地価下落のおり、市街地での区画整理は成り立たなくなっているのが現状です。事業を中断し、まちづくり計画を白紙に戻して、住民参加で見直すべきだと思いますが、市長の答弁を求めます。
質問の第三は、九大移転等についてであります。
市長は、整備が完了した工区など移転先の土地を協定どおり、早急に買い戻すよう、九大と国に要求するとともに、大学側の資金計画破綻を穴埋めする不要な土地の購入はやめるべきと思いますがお尋ねいたします。また、九大跡地を含めた六本松のまちづくりについては、情報を常に公開し、住民の参加と合意を徹底すべきだと思いますが、ご所見をお伺いします。
質問の第四は、河川・水害対策についてであります。
昨年七月十九日未明に襲った集中豪雨は、四年前の六・二九大水害を上回り都市機能も完全に麻痺するなど市民生活への深刻な影響を作り出しており、市民の生命と財産を守るための総合的で具体的な対策が求められています。したがって、御笠川対策については、「激特事業」を毎秒一千トンに対応できるように、河床掘削工事など早急に完了させるとともに、山王公園などの地下雨水貯留施設や公的施設を利用した遊水地などの整備を行うこと。また、民間ビルの施設管理者への洪水情報を迅速に伝達する方法の確立と止水板設置に助成するなど施策の充実を行うべきだと思いますが、所見のほどお尋ねをします。災害見舞金については、大幅に増額するとともに、中小零細業者にも支給すべきと思いますが答弁を求めます。
質問の第五は、交通対策についてです。
市長は、天神一極集中の是正、国道四九五号線の拡幅と博多バイパスの延伸、福岡外環状線の整備を早急に実施し、併せて、西鉄宮地岳線と地下鉄との直通運転の実現を急ぐべきと思いますが、ご所見を伺います。
質問の第六は、水問題についてであります。
福岡都市圏の水の安定供給を図るとして進めている海水淡水化事業は、需要水量の減少予測によって、日量五万トンの供給水量計画の再検討が余儀なくされています。
したがって、海水淡水化事業については、関連予算十五億円の支出をやめ、施設の縮小・見直しを行うとともに、五ヶ山ダムの工事を凍結し必要性について再検討するよう県に要求すること。また、福岡市総合計画に制御機能を盛り込むなど都市膨張政策を改め、水需給計画を抜本的に見直すべきだと思いますが、市長の答弁を求めます。
質問の第七は、住環境を守る問題についてです。
市長の開発誘導行政のもとでマンション建設紛争が多発しております。市長は、住環境を守る立場にたち、建設の際、建築主は市民の合意を得ることを建築紛争防止条例で定めるとともに、条例を強化すべきと思いますが、ご所見を伺います。用途地域等の見直しにあたっては開発誘導を改めるとともに、建築物等の高さ制限の規制強化を図ること、また、住民の要求に基づいた地区計画、建築協定を積極的に進めるべきと思いますが併せてお尋ねいたします。
用途制限の最も厳しい第一種低層住居専用地域にウィークリーマンションが建築されており、早急に国に法的整備を求め、定住を目的としない居住施設の建設並びに運営に関して規制条例をつくるべきと思いますが答弁を求めます。また、民間の建築確認検査機関に正確・公正な審査を強く要求するとともに、国に厳正な指導を行うように求めるべきではないかと思いますが、答弁を求めます。
質問の第八は、動物園の再生計画についてです。
動物園のリニューアルにあたっては、動物の生息地の景観との一体感や臨場感を醸しだす生態系展示を導入し、植物園との一体化など全体を抜本的につくり直すとともに市民、現場の意見がよく反映されるよう努めるべきと思いますがご所見をお伺いします。
質問の第九は、市営住宅の増設とマンション対策についてであります。
長引く不況、リストラ、倒産等々で、低廉な住居を求める声はさらに広がっております。こうしたなか市営住宅の公募倍率が一九・五三倍にもなっているにもかかわらず、市長は「民間を含めた住宅市場全体で受け持つ」などとして新規建設に背を向けております。建替中心の住宅政策を改め、新規市営住宅を大幅に増やすべきだと思いますが、答弁を求めるものであります。さらに、高齢者向け借り上げ住宅の戸数を早急に増やすとともに、母子世帯・心身障害者世帯の入居枠を増やすべきではありませんか、お尋ねをいたします。
また、本市の分譲マンション居住者は約三十万人、二二%を占めています。戸建て住宅に比べ、重い負担を強いられているマンション居住者の不利益をなくすために、マンション敷地内を公共性の強い空間と位置づけ、ごみ置き場や公園の固定資産税減免や維持管理費等の補助など、居住者支援策を直ちに行うべきと思いますがご所見をお伺いします。
質問の第十は環境行政についてであります。
一点目は、ごみ収集の有料化問題等についてです。市長はごみの減量や「負担の公平」と称して家庭ごみ有料化を検討していますが、有料化がごみ減量につながらないことは、他都市の実態を見てもすでに明らかです。本市の行政責任を放棄し、市民に新たな負担増を押しつける家庭ごみの有料化を撤回するとともに、粗大ごみ収集は元の無料に戻すべきと思いますが、お尋ねいたします。また、家電リサイクル法の施行によって、不法投棄や家庭内滞留が増加しています。国に対して、製造者責任を明確にするなど法の抜本改正を求めるとともに、市として低所得者のための助成制度を設けるべきだと思いますが、所見のほどお尋ねいたします。
二点目は、ごみ処理基本計画についてであります。本市のごみ処理基本計画は、東部清掃工場増設や臨海工場など、大量生産・大量消費による大規模焼却を前提にしたものであり、発生抑制、分別の徹底、リサイクルの推進などを基本にした計画に抜本的に改めるべきと思いますが市長のご所見をお伺いします。
もともと、一般廃棄物は区域内処理が原則であり、設立の経緯と住民合意に照らして、大野城・太宰府市など他都市からの臨海工場へのごみ受け入れや自己搬入は許されず、やめるべきと思いますがご所見を伺います。また、将来の南部工場建て替えにともなう広域処理の方針は撤回すべきと思いますが、市長の明確な答弁を求めるものであります。
併せて、東部清掃工場の福岡クリーンエナジーへの委託はやめ直営で行うべきだと思いますが、お尋ねいたします。
三点目は、地球温暖化対策など足元からの環境対策についてであります。地球温暖化防止のため国に対し、「地球温暖化対策推進大綱」に炭酸ガス排出枠の個別事業者の割り当てや事業所ごとの削減計画義務付け、第三者機関による検証などの実効ある措置を盛り込むよう求めるべきではありませんか。さらに、事業活動に伴う温室効果ガス排出量の公表、新エネルギー電力買取りなどの法制化及び体制の整備を行うよう求めるべきと思いますが、ご所見を伺います。
本市としても、市民参加のもとでエネルギーの浪費や公共事業の無駄をなくし、低エネルギー生産・消費構造の転換を図るなど、実効ある施策を確立すべきではありませんか、ご所見をお伺いします。
質問の第十一は、市長の進めるイベント行政についてであります。
人工島開発破綻の救済のために四十二億円もの巨額の市費を投入する都市緑化フェアはやめるとともに、アジアマンスや新たに開催する海フェスタなど巨大イベント誘致行政を改めるべきだと思いますが、市長の答弁を求めます。また、姉妹都市交流など莫大な税金を投入して行われる国際交流事業についても、見直すべきだと思いますが、併せてお尋ねいたします。
次に、地方自治・住民自治、公正、平和の行政推進についてお尋ねいたします。
質問の第一は、地方自治と住民自治に関してであります。
もともと住民の願いにこたえることこそ地方自治体の役割であります。指定管理者制度は住民の福祉の増進を目的とした「公の施設」の管理を民間営利企業にゆだね、儲けの対象とすることに道を開くもので、個人情報漏えいの危険も伴うものであり、公的責任の保持のため、民間営利企業は「指定」の対象から除外するとともに、地方独立行政法人の適用はやめるべきだと思いますがご所見をお伺いいたします。また、市長は、情報公開条例について非公開対象を縮小し、相手先、場所など全て公開すべきだと思いますが、答弁を求めます。併せて、個人情報の漏えいが危惧される住民基本台帳ネットワークについては、接続をやめるべきだと思いますがご所見のほどお尋ねいたします。
市長が強引に押し進めようとしている一方的な校区「自治協議会」への再編は、「自治」とはまったく相反し、補助金を一本化するなどをテコに、地域自治組織を市の都合に合わせた下請け組織にするものであり、やめるべきだと思いますが明確な答弁を求めるものであります。
質問の第二は、外郭団体・第三セクター問題についてであります。
本市の百十に及ぶ外郭団体・第三セクターは、経営問題をはじめ存在意義や必要性などが厳しく問われております。したがって、「博多港開発」や「都市未来ふくおか」など開発型の第三セクターについては、廃止・縮小を積極的に行うこと。また、管理型の団体についても、その運営、事業及び予算の執行について厳正な監査・指導を行い、情報公開を徹底するとともに、業務の再委託を行っている団体などについては直営に切り替えるなど、そのあり方について抜本的に見直すべきではないかと思いますが、お尋ねをいたします。
質問の第三は、男女共同参画条例に関してであります。
男女差別の一掃は市民の強い要望でもあり、そのための条例の早期制定が望まれております。そこで本市の条例案をより実効性あるものにするために、具体化するにあたって、母性保護の特別措置や雇用における間接差別の禁止、さらに苦情・不服を迅速に処理し、権利や利益の保護を図るために独立した「苦情処理委員会」を設置するなどの措置を講じるべきだと思いますが、ご所見をお伺いいたします。
質問の第四は、同和問題についてであります。
市長は、今年度も十億円余もの同和予算を計上し、同和行政を継続しようとしております。しかしながら今日、長年の国民の努力と運動によって部落問題は基本的に解決し、法の廃止にあわせ国をはじめ多くの自治体で、同和行政の終結が図られるなど、旧身分による垣根が取り払われ、差別のない自由な社会的交流が実現する新たな段階に踏み出しているのであります。したがって市長は、同和特別対策は全面的に廃止し、解同市協議会への団体補助金をはじめ、同和関係予算は全額削除すべきだと思いますが明確な答弁を求めるものであります。また市同研等同和団体への教員の派遣は不法行為として県はすでに中止しており、本市も直ちに中止するとともに、同和教育行政はやめるべきだと思いますが、教育長のご所見をお伺いいたします。
質問の第五は、自衛隊のイラク派兵と博多港と福岡空港の軍事利用を許さない問題であります。
政府が強行した自衛隊のイラク派兵は、無法な戦争につづく不当な占領支配の一翼を担うものであり、これは明らかに交戦権を否認した憲法九条に真っ向から違反するものです。市長は、政府に自衛隊派兵の中止・即時撤退を強く要求すべきと思いますが、所見をお尋ねします。
また、福岡空港は、米軍による軍事利用が強化されつつあり、市長は市民の願いである板付基地の全面返還を強く要求するとともに、博多港については「友好・親善」「休養」「補給」など、いかなる目的であれ、米軍による博多港・港湾施設の軍事利用を許さず、「非核神戸方式」を適用すべきだと思いますが、明確な答弁を求めます。
以上、私は市民の切実な要求である不況対策、暮らし、福祉、教育、都市づくり等の諸問題について、また、公正な行政の推進や自治体らしい自治体への転換を求めて市長並びに教育長の所信を質してまいりましたが、誠意あるかつ明確な答弁を求めるものであります。
長時間のご静聴に感謝し、日本共産党市議団の代表質問を終わります。