議会報告
2026年予算議会
予算議会を終えて
2026年4月6日 日本共産党福岡市議団
福岡市の予算議会が3月27日に閉会しました。
今議会は、2月の総選挙の結果、高市自民・維新政権が衆議院の3分の2を大きく超える議席を占め、他の多くの政党も政権への迎合・協力を強めるもとで、平和・暮らし・人権を脅かし、議会制民主主義を踏みにじる、戦後かつてない危険が生じているさなかに行われました。わが党は、高市自民・維新政権と一体になって市民切り捨てを進めようとする髙島市政と正面から対決し、市民の立場に立った論戦を繰り広げました。
「物価高無策」「住めない街」「移動できない街」… 暮らしの困難を増大させる市政を告発
市長は新年度予算の特徴は「成長の果実をあなたの暮らしへ」と言いました。しかし、市が物価高対策として行っている全市版プレミアム付商品券事業は、生活に困窮している人や地域の中小事業者にはほとんど恩恵がありません。1世帯あたり6千円ほどの支援にしかならない下水道料金減免も不十分であり、「物価高に無策」だと言われても仕方のない有様です。また、市は新年度、家賃が高騰していることなどを理由に「子育て世帯」「三世代同居・近居」の転居費用などを補助する制度を打ち出しました。しかしそもそも、家賃高騰の原因は市長が進めてきた天神ビッグバンなどの都心再開発であり、それによって「庶民の住めない街」になっているのが実態です。さらには、西鉄バスが減便や路線廃止を進め、「市民が移動できない街」になりつつありますが、市は採算の取れない地下鉄の空港国際線への延伸など都心部の大規模交通についての検討・調査には熱心な一方、コミュニティバスやバス減便対策など市民の交通手段の確保にはほとんど手を付けようとしません。
わが党は庶民の暮らしを応援するどころか一部大企業や富裕層にさらに富を集中させるような予算になっていることを告発。予算を組み替えて、困っている市民に行き渡る物価高対策や家賃補助制度の創設、地域の生活交通確保こそおこなうべきだと要求しました。
命を守る避難所充実、医療環境改善などを提案
県が警固断層などで震度7の大地震が起きた際の想定避難者数を見直したことを受け、市の災害避難所充実をすみやかに行うことが求められています。この問題は市民の中で昨年夏より請願署名運動がくり広げられ、わが党も一昨年以降くり返し議会で取り上げてきたものです。その結果、市も新年度から災害対策の強化を打ち出さざるを得なくなりました。しかし予算には、これまで水や食料など公的備蓄は想定避難者数の3日分とされていたものが1日分となるなど重大な逆行が含まれています。わが党はこの問題とあわせ、避難所の体制と準備の不十分さや高齢者・障害者など支援が必要な避難者の対応も間に合っていないことなど指摘し、命を守るために災害避難所充実の予算を抜本的に増やすよう要求しました。
またわが党は、「命を守る」という点で、移転方針が決定した市民病院の医療・労働環境を守る課題を取り上げ、史上最高額となった国民健康保険料の大幅引き下げを求めました。
教育、保育など子どもをめぐる課題で論戦
市は、児童生徒の学習状況や出欠、心の健康観察など生活面のデータを一元的に管理・集約し、AIが分析できるようにしようとしています。わが党はプライバシー侵害のリスクや教育のあり方が歪められ、その根幹である「人格の完成」という目的を脅かす懸念があることなどを指摘し、中止を要求しました。
障害などで社会生活への適応に困難さがある児童生徒が受ける通級指導教室について、市は新年度より「拠点校方式」に加えて「巡回通級」を導入しようとしています。わが党は教育の質の低下など様々な問題があることを指摘し、まともな準備も行わず新年度から実施するという拙速なやり方を改めるよう求めました。
保育現場における保育士不足が深刻となるなか、市は、単発・短時間で働く「スキマバイト」の保育士に頼らざるを得ない現状を事実上容認し、実技試験が免除されている地域限定保育士を新年度から導入しようとするなど、保育の質を落としかねない対症療法的なやり方を進めています。また、保育園に通う外国籍の子どもが増え、様々な個別的対応が必要となり、現場の負担が増大しています。わが党は保育士不足解消のために、市が人的配置を行って負担を軽減することや保育士など処遇改善をはかるよう要求しました。
その他、南区をはじめとした市民から長年要求が出されている中央区に1か所しかない「児童館」についても論戦し、すべての行政区に設置し、積極的に増やすよう求めました。
新年度予算にわが党の論戦が一定反映
新年度予算には、市民の運動やわが党の論戦が一定反映されました。昨年秋より実施されている学校給食費の無償化が新年度も継続し、学校体育館へのエアコン設置も進められています。また、わが党が昨年求めた医療的ケア児・者家族への支援や「子ども食堂」への支援拡充も実現しました。
米国などに「イラン攻撃中止」を日本政府として求めるよう要求する意見書を起案
今回の予算議会のさなか、「力による支配」を掲げる米国・トランプ政権とイスラエルがイランに国際法違反の先制攻撃をおこなうという重大事態が起こりました。わが党は日本政府に対して「米国とイスラエルにイラン攻撃中止を求めよ」と要求する意見書案を起案(市民クラブと共同提出)し、賛成討論も行いました。しかし自民、公明、維新が「政府の対応を見守るべき」「イランも悪い」などと言って賛同せず、否決されました。
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国会で「戦争国家づくり」を推進する勢力が圧倒的多数となるなか、国政では憲法を真ん中においた共闘の新しい発展が求められています。福岡市でも同様に、この新しい情勢のなかで、共闘の再構築をしていくことが必要です。秋の市長選挙に向けて、今回の予算議会を通じて明らかになった髙島市政の問題点や市長選挙で問われるべき争点を市民のなかに大きく広げながら、市民と野党の共闘を発展させ、市民が主人公の福岡市政を実現するために、引き続き奮闘する決意です。