議会報告
2026年予算議会
「米国とイスラエルによるイラン攻撃に関する意見書案」への賛成討論
2026年3月27日 倉元達朗議員
私は日本共産党市議団を代表して、ただいま議題となっております、意見書案第1号、「米国とイスラエルによるイラン攻撃に関する意見書案」に賛成し、討論を行います。
2月28日の米国とイスラエルによるイランへの先制攻撃から、明日で1か月となります。トランプ米大統領は、「イラン政権がもたらす差し迫った脅威を除去する」と述べ、長期戦も辞さない姿勢を示しています。これに対しイランも報復攻撃に乗り出し、中東全体を巻き込む軍事的緊張が急速に高まっています。
国連のグテーレス事務総長は「米国とイスラエルによる武力行使とイランの報復はいずれも国際平和と安全を損なう」と非難し、戦闘が続けば民間人と地域の安定に深刻な結果をもたらすと警告しました。速やかな停戦と交渉への復帰を求める声が、多くの国ぐにや市民社会から広がっています。
今回の問題の核心は、どの国が相手であれ国際法違反の先制攻撃を許すのかどうかという点にあります。イランの政治や人権状況、核開発をめぐってさまざまな懸念があることは事実ですが、それを理由に、米国とイスラエルが先制的軍事攻撃で多数の民間人を犠牲にすることは決して正当化できません。
「相手にも問題があるから、先に叩いても仕方ない」という発想が広がれば、国際社会には終わりのない報復と憎悪の連鎖しか残りません。いま問われているのは、国と国との紛争を、力ではなく話し合いで解決するという、戦後世界が積み重ねてきた最低限のルールを守るかどうかです。
戦争は、戦場となる地域の住民だけでなく、遠く離れた私たちの暮らしにも確実に影響を及ぼします。とりわけ、わが国のような輸入エネルギーと国際的な物流に大きく依存している社会では、中東での軍事的緊張の高まりは、燃料費や物価のさらなる上昇、景気の悪化につながり市民生活を苦しめることになります。
電気・ガス料金、ガソリン代の上昇は、家計だけでなく、バスや地下鉄など公共交通、福祉や医療、学校給食や上下水道といった市の事業のコストにも直結します。 戦争に歯止めをかけることは、市民の暮らしを守るきわめて現実的な課題です。
高市政権は、今回の攻撃について、イラン側の行為のみを問題視し、米国とイスラエルの軍事行動そのものへの正面からの批判を避けています。その背景には、「日米軍事同盟絶対」の姿勢があり、相手が米国であれば国際法上問題のある行為にも目をつぶるという、危険なダブルスタンダードがあります。
いま日本政府がなすべきことは、同盟国の行動を無批判に追認することではなく、国際社会の一員として、いかなる国にも自制と対話を求める、公正な外交姿勢を示すことです。
わが国は日本国憲法9条をもち、戦争を放棄し、武力による威嚇と行使を永久にこれを放棄すると定めています。「どこの国の戦争であっても参加しない」「先制攻撃というやり方は認めない」という、筋の通った原則を掲げる国が世界に存在することは、軍事的緊張が高まる中東情勢においても大きな意味を持ちます。いまこそ憲法9条の精神で、対話と仲介、国際世論の形成に力を尽くすべきです。
本意見書案について、議会運営委員会理事会において一部会派から、「今は政府の対応を見守るべき」という意見が出されています。しかし、先日行われた日米首脳会談において、高市首相は、今回の戦争を仕掛けた張本人であるトランプ米大統領に対し「世界中に平和と繁栄をもたらせるのはドナルドだけ」などと礼賛し、国際秩序を壊すような米国の動きについては一切言及せず、「応援したい」とまで述べ、国際法が求める立場に反する許しがたい態度をとりました。
また、別の会派からは「米国やイスラエルだけでなくイランにも問題があるので、この意見書には同意できない」との意見が出されています。しかし、相手国に問題があるからといって、先制的な軍事攻撃や指導者暗殺、多数の民間人の犠牲を容認してよいということにはならず、「双方に問題がある」とだけ言って批判の矛先をぼかすことは、実際には力の強い側である米国とイスラエルに白紙委任状を渡す結果になりかねません。
今回のイラン攻撃について、朝日新聞が行った世論調査では「支持しない」が82%に上っており、国民の意思は明確です。一昨日、国会前では2万4千人が集まった緊急アクションが行われ、「イラン攻撃やめよ」「憲法9条守れ」などの声をあげました。本市でも先日300人が天神に集まりアピール行動をするなど、全国各地でイランへの先制攻撃を非難し、戦争を許さないという声がひろがっています。
平和憲法を持つ国の地方議会として、国際社会が積み上げてきた最低限のルールが破られたときには、相手がどの国であれ明確に反対の意思を示すべきであり、日本政府に対してもこのことを求めるべきです。
以上のことを申し述べて、本意見書案に対するわが党の賛成討論といたします。