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議会報告

2025年予算議会

「高額療養費制度の自己負担限度引上げ撤回を求める意見書」
に対する賛成討論

2025年3月26日 倉元達朗議員

私は日本共産党市議団を代表して、ただいま議題となっております、意見書案第3号、高額療養費制度の自己負担限度額引上げ撤回を求める意見書案に賛成し、討論を行います。


高額療養費制度限度額の引上げについて政府の当初案は、今年8月、2026年度、27年度の3段階で負担上限額を引上げるものでした。年収650万ないし770万円の場合、現行の上限額は8万100円です。27年度には上限額を13万8600円に引き上げて、5万8500円もの負担増を強いるものでした。 また案文で述べているように、厚生労働省はこの引上げによって約2270億円分の受診抑制が起きることを想定していました。本市の国民健康保険だけでも2023年度17万3463件が同制度で使われており、その影響は大きいと予測されます。

石破茂首相は3月7日、高額療養費制度で患者に大幅な負担増を強いる負担上限額の引上げを断念しました。これは、がんや難病の患者を中心とする広範な世論と、日本共産党をはじめとした野党の国会論戦が、政府を追い込んだものです。

一方で、石破首相は「秋までに改めて方針を検討する」とした上で「引き下げる方向での検討は考えていない」などと述べ、今後の引き上げを否定していません。

全国がん患者団体連合会の天野慎介理事長は日本共産党国会議員団との懇談で「引き上げ凍結となったが、いつ解凍されるかわからない状況だ。秋の検討でまた同じような案が出てきて、一気に決めてしまうのではないか」と発言しています。日本難病・疾病団体協議会の辻邦夫常務理事は「病気やけがで困っている方の給付を何段階にも分けて削減していくのは鬼のような所業だ」と述べています。また、同団体の大坪恵太事務局長は「難病は診断までに時間がかかり、初期治療で多額のお金がかかることが多い。早期治療をするかしないかで予後が全く変わってくるものであり受診控えが起きないようにしてほしい」と語っています。

このように患者団体や個人が今回の凍結に対して引き続き不安を抱いていることは明らかであります。だからこそ、本議会として政府に対してキッパリと撤回を求めることは安心して医療を受けたいという多くの患者の気持ちと合致するところです。

しかしながら、議会運営委員会運営理事会において自民党をはじめ多くの会派は「政府が一旦取り下げているから」と言って本意見書案に賛同しないことを表明しております。先に述べたように、首相が再検討を表明しているもとで今、撤回を求めずしてどうして患者の願いに応えられるのでしょうか。

さらに同制度を持続可能な制度にするためには見直しは避けて通れない、という議論もありました。政府は医療費を抑制しようという思惑ですが、医療を充実させるためには今行おうとしている大軍拡や特定大企業への補助金こそ見直すべきです。例えば、今回政府が行おうとした負担増は約100億円であります。これに対して国の新年度予算案で計上されているF35戦闘機は1機あたり200億円、これを11機取得しようとしていますが、このような税金の使い方を見直すなど予算のやりくりで十分制度を持続することは可能です。 

本意見書案に背を向ける会派には「治療が続けられない」「命綱を断ち切るものだ」という、がん患者や難病患者らの切実な怒りの声が届いていないのでしょうか。お金のない者は治療を諦めよと言うのでしょうか。今回の意見書は国に提出し撤回を求めるべきであります。そのことを申し述べて、本意見書案に対するわが党の賛成討論といたします。


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