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議会報告「発言と答弁」全文

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2024年予算議会

綿貫康代市議の補足質疑 発言と答弁 全文

音声をもとに党市議団が文字起こしし、順番をわかりやすく組み替えたものです

  1. 教員不足
  2. 九大箱崎キャンパス跡地
  3. 生理の貧困

綿貫市議私は、日本共産党市議団を代表して、わが党の中山郁美議員の代表質疑のうち、教員不足、九大箱崎キャンパス跡地、生理用品の学校や公共施設への設置について補足して質疑を行います。


教員不足

綿貫市議まず初めに教員の不足についてです。教員の抜本的増員を求めたわが党の代表質問に対して、教育長は計画的に増員しているかのような答弁をされました。しかし現場では、必要な数の増員にはほど遠く、学校が崩壊する危機だと、現場から悲鳴が上がるほどの実態になっていること。およそ直視しておりません。具体的に質してまいります。


クラス担任

綿貫市議質問の第1は、クラス担任についてです。本市では、学級担任を担当すべき教師が不足した場合に、本来担任ではない職務の教師が学級担任を代替しているケースが発生しています。そもそもなぜこのような教員不足が起きているのか、また一時的にでも担任が埋まらない事態を生み出していることについて、どのようにお考えか、ご所見を伺います。

教育長学級担任の他の教員による代替につきましては、定年退職者の増加に伴う大量採用が必要な中で、特別支援学級の大幅増を初めとする学級数の増加や産休・育休取得者の増などにより任用が必要な講師の数が増加しており、その一方で、講師のなり手が減少していることなどが要因と考えております。

次に、学級担任の代替講師につきましては、一部配置に日数を要するケースがあるものの、多くの場合は速やかに配置できており、今後もできる限り早く配置できるように努めてまいります。

綿貫市議クラス担任が埋まらない理由について、教育長はいろいろ言われましたけれども、しかし実際にはですね、学級担任がいないクラスに講師をあてがって、それでも埋まらなければ、教頭や教務主任に担任の穴を埋めさせるために本来の業務がまともにできなくなっている。こういった実態がですねあちこちで起こっていると。そういうことが現場の教員からは声が上がっているんです。お尋ねしますけれども、講師で埋まらない穴を、本来担任を持たない職務の教員が代替するという歪な形で穴埋めしている実態は、問題ではないかと思いますけれども、答弁を求めます。

教育長教頭や教務主任による代替につきましては、一般的に担任が欠けた場合、少人数指導などを担当する教員が学校担任業務を担うことになりますが、それぞれの学校の状況によっては、全員で分担して学校運営を進めていく必要もあることから、教頭などが一時的に担任業務を担うこともあると認識しております。

綿貫市議教育長は教員不足など、起きてないかのように取り繕いましたけれども、文部科学省による最新の教師不足に関する実態調査によれば、本市の中学校における教師不足は、全国の20政令市の中で桁違いに最悪の状況となっており、昨年10月の西日本新聞でも大々的に報じられています。このような教員不足を招いた背景には、それ以前は教員定数用の予算は正規の教員以外使えなかったのを、非正規教員の雇用にも使えるようにした国の規制緩和があり、本市もこれを悪用して、正規教員の採用を抑えてきたのが原因です。そこでお尋ねしますが、教員定数を全て正規で採用せず、非正規雇用である講師で埋めるやり方は、この際見直すべきではありませんか。答弁を求めます。

教育長教員定数における正規教員の採用につきましては、毎年度教職員の定数が変動する中において、中長期的に採用数の平準化を図る必要があること、また、教員の質の確保の観点から、一定の競争率を維持する必要があることなどを総合的に勘案し、毎年度適切な採用数を決定しております。


講師の登録数

綿貫市議質問の第2は、講師の登録数についてです。福岡市では、財政負担を抑えるために、教員定数内の採用をできるだけ正規教員ではなく、講師に頼ろうとしています。2023年度の本市の正規教員の採用人数が630人なのに対し、定数内講師任用人数は541人で、実に新しく任用する半数近くを、講師という形で賄っています。さらにこの定数内講師の採用とは別に、福岡市におけるもう一つの講師の役割は、年度途中で産休や育休、病休などが生じた場合、臨時の講師に代替を務めさせるということがあります。教育委員会は、採用試験を受けて不合格になった方々や、教員免許保持者など、病休などの代替として待機している登録数としてカウントしています。そこでお尋ねですが、今現在、急な病休などが生じた場合、登録している講師はすぐに現場に入れるのか、答弁を求めます。

教育長教員の急な病休等への対応につきましては、講師の任用に当たって、就業する講師の区勤務に関する希望と学校側の条件が合致する必要があるため積極的に調整に取り組み、早期の配置に努めてまいります。

綿貫市議臨時の講師の確保について、教育長はいろいろと言われましたけれども、実態とはあまりにもかけ離れた答弁です。病休の代替を相談しても、2週間くらいだと配置してもらえず、ひどいときは1ヶ月2ヶ月の病休でもそのままにされているなど、結局は現場の教員にしわ寄せが行くとの声が多数寄せられています。このように実際には代替講師は確保できておらず、現場で必死にカバーしているというのが実態です。なぜこんなことになっているのか。教育委員会は、採用試験で不合格になった方々や、教員免許を持っている人が代替要員として待機しているかのように扱っているのですが、その方々は当然他に就職を探すので、不足したときの要員としてプールしていくことはできません。年度途中で穴が空いたときに、現場に入れる講師はほとんどいません。講師登録制度は既に機能不全に陥っています。そこでお尋ねしますが、年度当初から講師の採用枠も余裕を持って増やすべきと思いますが、ご所見を伺います。

教育長あらかじめ講師を確保する取り組みにつきましては、年度途中での産休育休に対応するため、年度当初から非常勤講習を前倒しして任用する取り組みを令和5年度から実施しているところでございます。


教員の働き方

綿貫市議質問の第3は、教員の働き方についてです。福岡市の小学校で働いていた当時40歳の教員が過労死し、遺族は長時間労働などが原因だとして、福岡市に対し賠償を求める裁判が昨年末に福岡地方裁判所で始まりました。教員不足の背景には、今や尋常でない長時間過密労働が指摘をされています。国の実態調査によれば、小学校教員は授業関連の仕事に平均1日7時間16分かけています。教員は教科を教えることが基本的な仕事ですが、現在の1日5時間6時間という授業時間では、1日の勤務時間は、授業関連の仕事でほとんど終わってしまうのです。60年ほど前、当時の文部省は、教員の労働時間は、受け持つ授業量に左右されると考え、1日8時間労働に収めるために、例えば小学校教員の受け持ち授業数は1日4コマと定めていました。本来ならば、授業時間と同等の教材研究の時間が労働時間として必要だということです。さらに、教員の仕事はそれだけではありません。給食や掃除の指導、学級運営、各種の会議や打ち合わせ、保護者対応と様々です。これに加えて、不登校、いじめ、虐待への対応までが求められ、こうした結果、同じく国の調査では、中学校教諭が学校にいる時間は1日平均11時間を超えるほど長時間になっています。お尋ねしますが、本市の教員は長時間労働に苦しめられていると思いますが、ご所見を伺います。また、複雑な問題への対応能力や専門性を求められているのが教員の実態だと思いますが、ご所見を伺います。

教育長教員の長時間労働につきましては、近年教員の時間外在校等時間の状況は一定程度改善してきているものの、依然として長時間勤務の教員が多い実態があるため、引き続き働き方改革の取り組みを推進してまいります。

次に、教員の勤務実態につきましては、国においても、昨今、児童生徒の抱える困難が多様化・複雑化するとともに、社会の変化に伴う新たな教育課程の対応が学校に求められている状況にあるとされておりまして、学校全体として対応能力を高めていくことが重要と考えております。

綿貫市議教育長は、教員の長時間労働という課題があることは、かろうじてお認めになりましたけれども、手立てをとっているから問題ないというような答弁をされました。これもまた無責任です。教員不足や教員の長時間過密労働により現場にどのような弊害が現れているのか見ていきます。昨年4月に文部科学省が6年ぶりに行った教員の勤務実態調査によると、国が残業の上限とする月45時間を超えるとみられる教員が、中学校で77.1%、小学校で64.5%に上ります。また、過労死ラインと言われる月80時間の残業に相当する可能性のある教員は、中学校で36.6%、小学校で14.2%です。忙しすぎる学校運営は、児童生徒へのしわ寄せが出てきます。そこでお尋ねですが、過労死ギリギリまで働き、メンタルなどで病んで辞めていく若い教員が後を絶たないのは、このような働かせ方に問題があり、教員不足の要因ではないかと思いますが、ご所見を伺います。また、過労死さえ生み出すような現場の実態を直ちに変えるべきと思いますが、あわせてご所見を伺います。

教育長教員不足の要因につきましては、定年による多数の退職者を補うための大量採用が必要な中で、児童生徒数の増に伴う学級数の増加や特別支援学級の増、加えて、産休・育休取得者の増などにより、採用が必要な教員の数が増加している一方で、全国的な教員離れの傾向などもあり、志願者が減少していることなどが要因と考えております。

次に、教員の負担軽減につきましては、令和4年度に策定した福岡市立学校における働き方改革推進プログラムに基づき、多様な支援スタッフの配置拡充やICTを活用した業務効率化などに取り組んでおり、今後とも取り組みを着実に進めてまいります。


3問目・教育長答弁

綿貫市議結局教育長は、クラス担任も講師も、そして教員そのものも、いずれも不足しているという実態をまともにお認めになっておりません。どれも現場が疲弊しながら必死でカバーしていることにあぐらをかいて、教育委員会として何ら有効な手立てを打たず、その結果、とうとう過労死まで起きてしまったんです。先ほど紹介した40歳で過労死した福岡市内の男性教諭は、教務主任としての業務に加え、病休中や産休中の教員に代わり、担任代行も務めていました。発症前5週間の週あたりの時間外勤務は22時間2分と算定されており、過重な勤務に従事したものとなっています。遺族は、福岡市が安全配慮義務を怠ったとして、市に対して損害賠償を求めています。これがまさに教育現場の今の実態なんです。本市の教育行政の怠慢で、人の命が失われる事態が生み出されてしまったことへの反省が足りなさ過ぎます。このような悲しい事件を2度と生まないためにも、この教訓を生かすのがあなた方の役割ではないですか。そこでお尋ねしますが、講師頼みの定数確保方式をやめ、長時間労働と教員不足を解消するために、正規教員を抜本的に増やすべきではありませんか。教育長の明確な答弁を求めます。

教育長正規教員につきましては、学校教育の充実を図るため、これまで毎年増員してきたところでありまして、令和6年度も小学校高学年の教科担任制の強化や、教育課題に対応するための定数改善が予定されているところであります。本市といたしましても今後も更なる教員定数の充実について、引き続き国に要望していくとともに、教員以外の支援スタッフも含めた学校の指導運営体制の充実に取り組んでまいります。以上でございます。


九大箱崎キャンパス跡地

綿貫市議次に、九大箱崎キャンパス跡地についてです。同跡地利用については、市長はわが党の代表質疑に対し、グランドデザインにもとづいてまちづくりを進めているかのような答弁をされましたが、全くのごまかしであると言わざるを得ません。具体的に質していきたいと思います。


巨大アリーナ・IT都市

綿貫市議質問の第1は、巨大アリーナの建設計画案についてです。跡地の南側エリア28.5ヘクタールの再開発計画は、1月30日の2事業者の公募が締め切られ、九州電力を中心とした大企業グループは、同地に2万人を収容できる巨大なアリーナを建設する計画を打ち出したと報道されています。そこでお尋ねしますが、九電を中心とする大企業グループが進めるアリーナ案とはどういうものなのか、答弁を求めます。

質問の第2は、IT都市の計画案についてです。応募されたもう一つの案は、JR九州や西鉄などのグループによるもので、元旦の西日本新聞の記事によれば、高速通信や人工知能を活用したオフィスや生活サービスを提供するIT都市づくりの計画だとされています。さらに、トライアルホールディングスも応募し、FBSの報道などでは、DXを活用した新たなまちづくりを目指すとされ、やはりIT都市構想を掲げています。お尋ねしますが、公募に名乗りを上げているJR九州や西鉄グループ、あるいはトライアルのグループが進めようとしているIT都市構想とは、どのようなものなのか、答弁を求めます。

住宅都市局長2つの案に関する情報ということでございますが、現在、土地所有者である九州大学とUR都市機構において、まさに公募中であることから、福岡市としては提案内容を知りうる立場になく、把握しているものもございません。

綿貫市議まずアリーナについてです。局長は、アリーナとはどういうものか、お答えになりませんでした。元旦の西日本新聞の報道によると、九電を中心とするグループは、2万人規模を収容する巨大なアリーナを構想していることや、九州電力幹部は米国に渡って巨大なアリーナを目の当たりにした興奮が止まないなどと書かれています。ここで「資料1」を投影してください。この地球儀のような、このアリーナ、これがですね、ラスベガスに昨年9月にオープンした。MSGスフィアです。球体構造としては世界最大で、収容規模が1万8000人で、ちょうど箱崎で想定されているアリーナとぴったり同じものとなります。それでは次に、「資料2」の写真を投影してください。同じアリーナですけれども、今度はバスケットボールが投影されています。この巨大な球体は、全体がLEDスクリーンに包み込まれています。次に「資料3」の写真を投影してください。今度は大きな目玉が投影されています。このように映像がくるくる変わるようになっています。画像を消してくださいありがとうございました。先ほど紹介した記事には、企業幹部は飛行機から箱崎を見下ろしたとき、アリーナのようなわかりやすいものがないとこぼしたと報道されています。財界が望むものがよくわかる記事です。しかしこんなものは住民の願いとは全くかけ離れています。3月6日付の西日本新聞では、全国各地の巨大アリーナに押し寄せる膨大な観客で、大混雑し、地域住民とトラブルを起こしている問題が報じられていました。そこでお尋ねしますが、もしもこんな巨大なアリーナができたら、街全体の一体感、周辺地域との調和というグランドデザインのコンセプトと矛盾してしまうと思いますが、ご所見を伺います。

次に、IT都市構想についてです。これについても、局長はまともにお答えになりませんでした。先ほど紹介した西日本新聞の記事で、跡地にできる街の街灯などに、監視カメラなどを付けられるようにするという中身が書いてあります。スマートシティのデメリットとしてよく挙げられているトップが、この住民への監視社会になるということが言われています。中国では、上海や天津などいくつかの都市で、いたるところに監視カメラが張り巡らされ、完全な住民監視社会になっていると言われています。米国のトロントでは、IT都市構想を進めたGoogleの姉妹会社が、監視社会化を危惧する住民の反対で、撤退に追い込まれています。また、都市開発にITなどのデジタルを組み合わせることは大きなリスクがあります。都市開発のライフサイクルは50年から70年単位ですが、他方でデジタルは技術も流行も移り変わりが激しいため、現在使用されているものであっても、5年後には陳腐化している可能性が高いからです。そこでお尋ねしますが、住民監視社会をもたらす可能性があり、同時に早期に陳腐化をしてしまう恐れがある。IT都市構想の事業企画提案は、100年後に誇れるまちをつくるというグランドデザインのコンセプトに合わないと思いますが、ご所見を伺います。

住宅都市局長議員お質しの2つの案と、グランドデザインとの関係性についてですが、現在公募中であることから、福岡市としては提案内容を知りうる立場になく、把握しているものもございません。また、公募における公正公平性の確保の観点から見解を示す融資する立場にもございません。なお、IT都市に関し、Fukuoka Smart Eastの考え方を、一般的な例としてご紹介いたしますと、少子高齢化など様々な社会課題に対して先進的な技術やサービスを活用することで、子どもや高齢者を初めとする地域住民の皆さんが安心して住み続けることができる、より便利で暮らしやすいまちを目指すものでございまして、個人情報を取り扱う場合でも、法律や条例に基づき適切に対応していくこととしております。また、町に導入した先進的な技術やサービスをアップデートしていく仕組みを事業者や九州大学等と連携して作ることとしております。


住民の意見は反映されるのか

綿貫市議質問の第3は、九大跡地利用に関して、住民の意見は反映されるのかということです。現在、審査委員会によって応募された3つの計画案の審査が行われており、5月に土地所有者である九州大学とURが優先交渉権者を選定する予定です。1月の九州大学移転跡地対策協議会での質問への答弁では、この審査委員会には地元住民の代表は直接入っていないことが明らかになりました。ただし、かろうじて光山裕章副市長が入っていることが判明しています。そこでお尋ねしますが、光山副市長は、グランドデザインを尊重し、地元住民の要望を実現する立場で、審査に臨むべきと思いますが、ご所見を伺います。

住宅都市局長今回の公募につきましては、地域とともに作り上げたグランドデザインに基づいた事業企画提案を求めており、審査に際しては、そのグランドデザインを踏まえた審査が行われることになっております。

綿貫市議グランドデザインの立場で審査に臨むとの趣旨の答弁をされましたが、そうであるならば、今述べてきた通り、巨大アリーナもIT都市も、およそ住民の要望や、グランドデザインのコンセプトに真っ向から反するものです。したがって、光山副市長は審査委員会の場ではっきりと、巨大アリーナ、あるいはIT都市建設を示した三つの事業計画提案のいずれにも、反対を表明すべきではありませんか。答弁を求めます。

光山副市長九州大学箱崎キャンパス跡地の公募につきましては、地域とともに作り上げましたグランドデザインに基づいた事業企画提案を求めておりまして、審査に際しましては、そのグランドデザインを踏まえた審査が行われることになっております。

綿貫市議優先交渉権者選定後に決定した計画の是非を含め、住民の代表が参加して、跡地のまちづくりについて協議できる場はあるのか、答弁を求めます。

住宅都市局長優先交渉権者決定後につきましては、公募主体である九州大学とUR都市機構が、優先交渉権者と協議を行うこととなっておりますが、福岡市もその協議に参加し、地域のご意見も伺いながら、グランドデザインの実現に向けた良好なまちづくりに取り組むこととしております。

綿貫市議住民は、まちづくりマネジメントの場において意見を述べられるという趣旨の答弁をされましたが、九大移転協議会の審議において、私がまちづくりマネジメントの場では、住民は事業者の計画を前提にして、部分的な調整や修正の意見しか言えないのではないかと質した際に、市側は、そのことを否定されませんでした。そこでお尋ねしますが、先ほどの答弁では、計画に反対の表明もできるという趣旨の回答をされました。まちづくりマネジメントの場において、住民は、巨大アリーナやIT投資などの事業企画案、事業企画提案そのものに反対することも可能だと思いますが、明確な答弁を求めます。

住宅都市局長まちづくりマネジメントとして、計画段階における協議調整を行う会議体やまちの概成段階から、まちづくり活動を行うエリアマネジメント組織、加えて、スマートサービスの継続的な実装を支援するイノベーション導入支援組織など、まちづくりの進捗に合わせ、地域を初め、関係者と連携しながらまちづくりに取り組むこととしております。お質しの事業企画提案につきましては、計画段階において、公募主体である九州大学とUR都市機構が優先交渉権者と協議を行うこととなっておりますが、福岡市もその協議に参加をして、地域のご意見も伺いながら、グランドデザインの実現に向けた良好なまちづくりに取り組むこととしております。


市長答弁

綿貫市議局長は、グランドデザインを尊重すると言いながら、それと矛盾する巨大アリーナやIT都市構想については、やめさせる立場には立ちませんでした。副市長からも発言をもらいましたけれども、同じ立場だと思います。これでは住民の願いは実現できないと思います。100年前に箱崎に大学が来る際に当時の住民の方々が土地を提供した歴史があります。だから地域の住民の皆さんは、1998年の国有財産、九州地方審議会が、跡地は公共用優先を原則とすると打ち出した国の答申を支えに、この地は住民の財産だとして、2011年に広大な防災公園や教育福祉施設などを中心とする4校区皆さんが提案をまとめて、九大や福岡市と協議を重ねてきたのです。今年の2月24日、九大箱崎キャンパス跡地を考える会の主催で行われたワークショップには、約70名の参加があり、防災機能を持った4ヘクタール以上の公園、誰もが自由に使える300席規模のステージを含むコミュニティセンターなど、そういった希望の跡地利用案が多く出されました。ところが、こうした願いを押し潰す開発計画が、今回持ち込まれている巨大アリーナやIT都市構想です。元旦の西日本新聞でも協議に参加してきた地元代表の方が、最先端技術の実験場ではなく、1000年の歴史がある箱崎らしさを生かし、この地域の文脈を大事にしてほしいと語っておられます。能登地震を経験し、危険な警固断層を抱える本市の防災対策が正面から問われている中、住民の求める防災公園こそが、100年先をも見据えた跡地利用のあるべき姿ではありませんか。そこでお尋ねしますが、箱崎九大跡地について、巨大アリーナやIT都市建設など開発計画を許さず、防災公園など、住民の願いを反映させた計画に切り替えることを求めるべきではありませんか。また、開発計画への賛否も含めて、根本的な意見が言える住民参加の場を保障すべきではありませんか。答弁を求めます。

市長九州大学箱崎キャンパス跡地につきましては、地域とともに作り上げたグランドデザインに基づき、都市基盤の整備を着実に進めるとともに、最先端技術による快適で質の高いライフスタイルと都市空間を創出するFukuoka Smart Eastの実現に向けて、九州大学や地域などの関係者と連携をして、未来に誇れるまちづくりに取り組んでまいります。


生理の貧困

綿貫市議次に、生理用品や生理用品の学校や公共施設のトイレの設置についてです。本日は国際女性デーです。ジェンダー平等を世界中の人々が求めていますけれども、生理の貧困は、その大きなテーマの一つであり、この質疑でも、質して参りたいと思います。

生理用品を無料で公共施設や学校に置くことを求めたわが党の質問に対し、市長は設置していると答弁をしました。しかし実際には、設置した施設はわずか14施設で、教育委員会は、学校が生理用品をトイレに設置しているかどうか把握さえしていないということです。コロナの交付金がなくなったら、生理用品の無料提供はもうやらないかのような姿勢です。そもそも市長と教育長は、生理の貧困の問題の重大さを理解していないと言わざるを得ません。働く女性の約半数が、非正規雇用で低賃金を余儀なくされる中で、生理用品はもとより、薬やケアに関わる経済負担が生じ、生理用品にアクセスできない事態が起こっています。これは衛生的な環境で生活をする権利、すなわち、憲法25条が定める健康で文化的な最低限度の生活を損なうものです。また、自分で買うのが恥ずかしい、親に聞けないなど、羞恥心や生理のタブー視などによって、生理に関する知識や生理用品にアクセスできない人が少なからず存在をしています。このように、生理の貧困は、基本的人権を侵害し、社会的損失を生み出す重大な問題です。お尋ねしますが、市長は、生理の貧困とはどのような問題だという認識なのか、また、わずかとはいえ、なぜ本市が公共施設のトイレでの生理用品の無料提供を始めたのか。その意義についてご所見を伺います。

市民局長生理の貧困につきましては、内閣府の女性活躍、男女共同参画の重点方針2023におきまして、経済的な理由等により生理用品を購入できない女性がいるという生理の貧困は、女性の健康や尊厳に関わる重要な課題であるとされております。

次に生理用品の提供につきましては、令和3年度に拡充された国の交付金に基づく支援事業として、新型コロナウイルスの感染拡大による望まない孤独孤立で、様々な困難や不安を抱える女性に対し、相談窓口を設置するとともに、公共施設等で生理用品の配布を行うこととしたものでございます。

綿貫市議局長はわが党の代表質疑の市長答弁と同じく、国の交付金が来ているからやっている旨のことを言われました。生理の貧困に対する認識が極めて乏しいことがよくわかりました。それでもあなた方はあたかもやっているかのように言われますが、本市でトイレ内に無料設置をし、トイレットペーパーと同じように、誰にも願い出ずに使える施設は、私が調査をしたところ、南市民センター、博多区役所、ぺらボート福岡、平和台陸上競技場、別府公民館のわずか5施設のみです。それ以外に、市が提供していると自慢している学校などの施設でも、保健室や施設受付に申請して初めて受け取れるものでしかありません。2021年のNHK報道によると、山口市のある中学校で、生理用品を無償で置いてほしい場所、子どもたちにアンケートをとると、トイレが87%と圧倒的でした。この学校の校長先生は、保健室がいいだろうと思っていたそうですが、「そうじゃない子もいるんだというのは意外でした。行こうと思っても行けない子がいることに気づかされました」と語っています。先ほど私が述べたように、羞恥心のために生理用品にアクセスできない人が少なからず存在しているのです。申請するハードルと手間をかけさせることが、いかに生理の貧困に対する無理解を露呈させてしまうのか。市長と教育長は、よくよく考え直すべきであります。お尋ねしますが、市の大多数の公共施設では、トイレに無料設置はせず、施設に設置してあるというところでも、ほとんどがわざわざ申請させて渡すようにしているのは、生理の貧困対策としてあまりにも問題が大きいと思いますが、ご所見を伺います。

市民局長生理用品の配布につきましては、国の交付金に基づくつながりサポート型の事業として、孤独孤立で、困難や不安を抱えた女性に対する相談支援の一環として行っているものであり、引き続き希望される方への配布を行ってまいります。

以上です。

綿貫市議局長は、現在の本市の取り組みで十分のような答弁をされましたけれども、果たしてそうでしょうか?私の調査では、20政令市の中で保健室ではなく、学校のトイレに配置しているのは13政令市ありました。さらに一般の市町村でもコロナ交付金終了後も、生理用品を学校トイレに設置する自治体、これだけ確認しても70以上に上っています。トイレの無料設置を行っている城南区の別府公民館では、小中学生の利用者もいて、急に生理が始まることもあるので、保護者からは、ここは安心して来られるという喜びの声が寄せられたそうです。生理は女性にとっては日常であり、この声には人権保障を喜ぶ気持ちが込められています。このような取り組みこそ本市の全体に広げるべきです。当たり前にすべきです。従って市長は、生理の貧困に対する認識を抜本的に改めるとともに、全ての小・中学校や公共施設のトイレに生理用品の無料設置を行うべきと思いますが、最後に答弁を求めて私の質問を終わります。

市長生理の貧困につきましては、経済的に困窮する方に対し、公共施設等で生理用品の配布を行っており、希望する方にお渡しできるよう努めております。今後とも、社会情勢等の変化や国の動向などを注視しながら、困難や不安を抱えている女性や子供に対し必要な支援に取り組んでまいります。以上です。

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教員不足、箱崎九大跡地利用、生理の貧困ただす(2024年3月8日 綿貫康代市議の補足質疑)

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