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議会報告

2024年予算議会

2月議会 反対討論

2024年2月22日 堀内徹夫市議

私は日本共産党市議団を代表して本議会に提案されております議案第1号ないし3号、5号、8号ないし10号、13号、15号、16号、18号、19号、22号、30号、31号に反対し、討論を行います。


まず、議案第1号「令和5年度福岡市一般会計補正予算案(第5号)」のうち、保健所費管理運営費の繰越明許についてです。

これは、7つの行政区にある保健所を健康づくりサポートセンター「あいれふ」に一元化、つまり、7つの保健所を1つに統廃合するための工事が年度内に完了しないためのものであります。

新しい保健所の設置によって健康づくりサポートセンター「あいれふ」の講堂、3つの研修室、和室の1つがつぶされることになります。これらは2022年度2万7000人が利用するなど、多くの市民が活用している大事な施設ですが、市は利用団体に対し、統廃合が可決された昨年12月20日まで相談も説明も一切しておらず、可決された後も、受付での説明やホームページでの周知だけで、まともな説明・周知も行っていません。あまりにも独断的なやり方であります。

わが党が議案質疑で、これまで「あいれふ」の講堂や研修室などを利用してきた方々に大きな影響が出ることは必至であり、どのような代替措置を講じるのかについて質したところ、局長は「あいれふ」の他の部屋や近隣の施設を案内すると答弁しました。しかし、「あいれふ」のホールも近隣の施設も稼働率が高く、借りることは非常に難しい状態であり、全く代替措置になりません。また、「あいれふ」利用の約6割にのぼる市関連の催事についても同様の状態であり、あまりにも無責任です。この問題に関して、委員会審議の中で当局が「多大なる迷惑をかけて申し訳ない」と謝罪するというきわめて異例の事態となりましたが、この点だけとっても道理がないことは明らかであり、進め方に瑕疵があると言わざるを得ません。

そもそも市長は、保健所統廃合について、各区に窓口は残すのでこれまでと変わらないと強弁しますが、精神保健福祉などの業務が一本化され、サービスは後退します。また、地域住民の健康状態などを分析し、病気の予防・対策を行い、市民の健康増進をはかるという公衆衛生の機能が弱まることは明白です。この一元化の狙いは、合理化、人員・経費削減に他ならず、市民からも多くの批判の声が上がっています。

このように市民の声を無視し、「あいれふ」を利用している市民には多大なる困難を押し付けて進めている保健所統廃合と「あいれふ」への新保健所設置はきっぱりとやめ、関連議案、繰越明許を撤回すべきだということを強く求めておきます。


次に、同補正予算案のうち、新型コロナウイルス感染症対策予備費の減額についてです。

昨年5月8日から新型コロナウイルス感染症が5類に変更され、医療費の公費助成などの関連施策が縮小され、4月からは原則廃止の方向が打ち出されています。しかし、医療・介護施設では5類移行後もコロナの集団発生が多数見受けられ、重症化リスクが高い入院患者や高齢者を守るために、医療従事者や介護従事者は懸命に奮闘しておられます。また、この冬全国では11週連続で新型コロナの患者数が増加しておりコロナ感染が完全に終結したという状況には未だ程遠いものがあります。その上で、4月から医療・介護従事者への市が行う無料のスクリーニング検査がなくなると、検査を継続する場合に施設が全額費用を負担しなければならず、経営に大きな影響が出てくることになります。わが党は議案質疑で、今回補正で減額されようとしている新型コロナウイルス感染症対策予備費の20億円を活かし、4月から廃止されるコロナ病床への補助を市として独自に新設し、医療・介護従事者への市の無料スクリーニング検査を継続すべきだと要求しましたが、市長は通常の医療提供体制への完全移行という国の方針を述べるだけで、市内の病院や介護施設の困難に一切応えようとしませんでした。市民の命を守るためにも、補正予算案を組みなおし、必要なコロナ対策を継続すべきです。


次に、同補正予算案のうち、障害者相談支援事業等の業務委託に係る消費税支払いについてです。

本件は、福岡市が社会福祉事業団に委託する事業について、本来消費税の課税対象とすべき事業の一部を非課税として取り扱っていたため、当該消費税相当額について追加で支払いを行う目的で、2億1874万円を増額補正するものです。

わが党はそもそも消費税自体、とりわけそれを人権保障にとって不可欠な福祉事業に課税することには反対であります。ただ、そうした論点を措くとしても、今回の取扱いには大きな問題があります。

市が本来負担するはずだった過去5年分の消費税分を本市が追加で支払うのはやむを得ないと考えます。しかし、消費税を支払わなかったことによる延滞税475万円余について、本補正にはこの延滞税の分は含まれておらず、委託先であった社会福祉事業団に本市が負担させようとしていることが委員会審議の中で明らかとなりました。このような負担転嫁はあまりに不公正であると指摘せざるを得ません。

わが党は当時の業務委託契約書を取り寄せて検証しましたが、業務委託料の但書として「うち取引に係る消費税及び地方消費税の額」という記載欄があり、明確に「非課税」と書かれているものがありました。

本市から明文で「消費税は払わなくていい」という契約を事業団と結んでおきながら、いざ課税すべきだった事実が明るみに出ると、相手に対して“延滞したペナルティはお前が払え”というのでは、まったく道理がありません。社会福祉事業団を市と対等な法人として見ず、あたかも市の一部局であるかのように扱うやり方は許されません。

他の政令市では延滞税分は委託をした市側が支払っております。本市の対応は契約違反で悪質であり、委員会審議でも複数の議員が「市が支払うべきだ」と指摘したにも関わらず、全く受け入れようとしませんでした。あまりにも異常です。延滞税分を市側が負担するよう厳しく求めておきます。


次に、同補正予算案に含まれているもののうち、わが党が賛成をする事業についても意見を述べておきます。

物価高騰緊急支援給付金についてです。今回の給付金は18歳以下の児童を扶養している低所得者の子育て世帯に対して、児童1人あたり5万円の「こども加算」を支給する事業、ならびに住民税均等割のみ課税世帯を対象に1世帯あたり10万円を支給する事業が含まれています。

とりわけ子育て世帯は物価高騰による暮らしの困難に加えて重すぎる教育費負担がのしかかっており、大変厳しい状態です。わが党は議案質疑で、子どもが成長期であるため制服や体操服を買い直す必要があることや食費・水光熱費の負担が重いこと、子どもに与えるべきものが与えられないといった厳しい実態を具体的に紹介し、今回の「こども加算」について5万円という金額では不十分であり、市独自に上乗せすべきだと求めました、しかし、市長は「給付金は全国的に実施されるもの」であると、冷たく拒否しました。

今回の給付金事業は1月末に給付を開始した7万円の給付金と同じJTB福岡支店を代表企業とする共同事業体に委託しようとしています。しかしわが党がたびたび指摘しているように、業務従事者を低い賃金で働かせることで、市が自ら貧困を再生産しようとしていることは重大です。わが党は議案質疑で、2020年度から繰り返されてきた給付金事業の大規模業務委託を通じて、今回の契約先であるJTB・TOPPANを中心とした共同事業体をはじめ、日本トータルテレマーケティング株式会社、株式会社パソナの3つの企業・グループに、市が総額約47億円もの巨額の税金を投入してきたことを指摘しました。その上で、市は給付事業を行うにあたっての労働者の処遇について無関心であってはならず、委託先に対して労働者の処遇を公開すべきだと要求しましたが、局長は「相応の賃金が支払われるものと考える」などと無責任な答弁に終始しました。市が給付金事業の大規模業務委託を行ってきたこれらの企業・グループは、全国で委託業者の中抜き、不正が相次いでおり、他都市では契約金額の詐取を行うといったことも起きています。このような大規模業務委託はもうやめるべきです。あわせて、困窮している世帯に1日でも早く給付金が届くよう、市として最大限の手立てを取ることを求めます。


以上でわが党の反対討論を終わります。


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