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議会報告「発言と答弁」全文

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2024年予算議会

倉元達朗市議の議案質疑 発言と答弁 全文

音声をもとに党市議団が文字起こしし、順番をわかりやすく組み替えたものです

  1. 物価高騰緊急支援給付金
  2. 「あいれふ」の施設
  3. コロナ対策

倉元市議質疑に入る前に、能登半島地震で亡くなられた方々に心からの哀悼の意を表するとともに、被災された方々に心からのお見舞いを申し上げます。自らも被災しながら、懸命の救援活動を行っている地元自治体を初め、関係者の方々に心からの敬意と感謝を申し上げます。

私は、日本共産党市議団を代表して、議案第1号一般会計補正予算案中、物価高騰緊急支援給付金、保健所費の繰越明許、新型コロナウイルス感染症対策予備費について質疑を行います。


物価高騰緊急支援給付金
住民税均等割のみ課税対象の給付金

倉元市議まず、物価高騰緊急支援給付金についてです。

政府はエネルギー、食料品価格などの物価高騰の影響を踏まえ、支援金を給付します。本市の対象世帯にこの給付金を届けるために、今回補正で約45億円が計上されております。

質問の第1は、住民税均等割のみ課税世帯に対しての給付金についてです。「失われた30年」とも言われる、長きにわたる経済の停滞により、すでに暮らしが疲弊しきり。経済の先行きへの展望が持てないところに、物価高騰がのしかかり、市民の暮らしは困窮を極めています。こうした中、今回政府は、住民税均等割のみ課税世帯を対象に1世帯当たり、10万円の給付金を支給するとしています。

そこでお尋ねしますが、この制度の目的並びに本市の対象世帯数について答弁を求めます。

福祉局長物価高騰緊急支援給付金についてのご質問にお答えいたします。給付金につきましては、国において、物価高騰の負担感が大きい低所得世帯への支援として、これまでの住民税非課税世帯を対象とした給付に加え、均等割のみ課税される世帯への給付が新たに決定されたことに伴い、令和5年度における均等割のみ課税世帯に対し、1世帯当たり10万円を支給するものでございます。対象世帯については2万1000世帯と見込んでおります。


こども加算

倉元市議質問の第2は、こども加算についてです。今回の給付金では、18歳以下の児童を扶養している低所得者の子育て世帯に対して、児童1人当たり5万円子供加算を支給するとしています。

昨今の市民の暮らしの困難に加え、子育て世帯は重すぎる教育費の負担がさらにのしかかり、深刻な状態です。日本共産党市議団は、この質問にあたって、低所得の子育て世帯に聞き取りを行いました。南区に住む中学生と高校生を抱えるご家庭は、日々の生活が大変と言われます。高校生の教科書は価格が高く、毎年大きな出費になります。体がどんどん大きくなるので、制服や体操服の買い直しもしなければなりません。食事は月にお米が20キロなくなるといいます。服を買い与えたり、お小遣いもやらなければなりませんから、先日届いた7万円の給付金もあっという間になくなったとのことでした。

この事例のように、どの低所得の家庭も、暮らしが大変厳しい状態です。そこでお尋ねしますが、本市の低所得の子育て世帯の生活実態について、どのような所見をお持ちか、答弁を求めます。

福祉局長低所得の子育て世帯につきましても、物価高騰の影響を受けているものと認識しております。

倉元市議今回の給付金は、物価高騰対策だと言われました。しかし、その効果が出ていないことは、市民の大多数の声であります。そこで、こども加算についてです。子育て世帯について、物価高騰の影響を受けていると、局長言われました。サラッと言われたわけですけれども、話を聞けば聞くほど大変な状況だというのが私の実感です。

聞き取りをした例を、さらに紹介したいと思います。南区に住む高校生と小学生がいるご家庭は、新年度に進級するたび、靴や洋服、制服、習字道具など、いろんなものを買い揃えなければならず、お金がどんどん出ていくとのことです。こちらもお米が1週間に5キロあっても足らない上に、洗濯をしょっちゅうしなければならず、水道代が2ヶ月で一万五、六千円。他にも、電気、ガス代など、光熱費もかかってしょうがないと漏らしておられました。

城南区の小学生2人と3歳の子供を抱えるお父さんは、毎月生活費はカツカツで、子どもにゲームや携帯も買ってやれないため、子供は友達の中で孤立感を感じているといいます。塾も行かしてやりたいが、市の制度の範囲では、1教科しかやることができない。食品の支出も大きい。いろんな面で節約に努めているが、節約するにも限度があると語っておられました。私は聞いていて切なくなりましたが、一番切なく思っておられるのは当事者ではないでしょうか?いずれの家庭も、5万円をもらったとしてもすぐなくなってしまいますと語っておられます。

そこで、子供に与えるべきものが与えられないなど、家計が底をついている家庭が少なくない中、今回のこども加算の給付額は、不十分ではないかと思いますが、ご所見をお伺いします。

福祉局長低所得の子育て世帯への給付額については、国において、世帯人員の多い子育て世帯を支援するため、児童1人当たり5万円と示されており、速やかな支給を進めてまいりたいと考えております。


業務委託

倉元市議質問の第3は、給付方法についてです。当局への聞き取りによれば、今回の給付についても、1月末に給付を開始した7万円の給付金と同じJTB福岡支店を代表企業とする共同事業体に委託しようとしています。給付金の大規模業務委託については、日本共産党市議団は常々、問題点を指摘してまいりました。適切な人員が配置されずに、大幅に給付が遅れたこと、市民からの問い合わせに対する杜撰な対応も大きな問題でした。特に、市が行っている業務であるにもかかわらず、適正な賃金が支払われているのか、市が把握していない問題は重大であります。

新型コロナウイルス感染症が拡大し、市民生活や経済に大きな影響を与えました。国や自治体はその影響を補完するために、不十分ではありましたが、様々な制度を作り、中でも給付金制度は大きな柱でした。数々の給付金について、本市は市職員や直接雇用した人員が作業を行わずに、大規模業務委託によって行ってきたのであります。

そこでお尋ねしますが、これまで行ってきた給付金の大規模業務委託の契約金額の総計について明らかにしてください。

福祉局長物価高騰の対策としての国の給付金に係る委託につきましては、福祉局と市民局で実施したものについて申し上げますと、令和2年度から5年度までの4ヶ年の総額で47億4000万円余でございます。

倉元市議答弁によれば、これまで様々な給付金事業において巨額の委託金が支払われてきました。事業者別の契約金額を、当局の資料に基づいて計算してみました。今回の契約先JTB・凸版を中心とした共同事業体に12億2522万円余、日本トータルテレマーケティング株式会社13億2008万円余、株式会社パソナには21億5797万円という実績です。コロナ以降、切れ目なく、給付金事業が行われ、総額約47億円がわずか三つの企業・グループに本市が流していった。圧倒的に大企業にこれらの事業を独占させてきたことがわかります。あまりにもいびつです。

問題はこれだけの巨額の公金を投入しておきながら、市は給付事業を行うにあたっての労働者の処遇に関して全く無関心だということです。あなた方は、私たちが求人案内に出ていた賃金と、設計単価に開きがあることを具体的に示してもなお「従事者に対しては相応の賃金が支払われるものと考えます」判で押したように答弁してきました。「支払われるものと考えます」というのは、どういう意味ですか。市が委託した事業であり、極めて公共性が高い仕事にも関わらず、あまりにも無責任な態度ではないでしょうか?

そこでお尋ねしますが、このような無責任な態度を改めて、委託先に対して、労働者の処遇を公開するように求めるべきと思いますが、所見を求めます。

福祉局長委託先の従事者の処遇については、相応の賃金が支払われるものと考えております。以上でございます。


市長答弁

倉元市議物価高騰のもと、政府は、給付金事業を繰り返す一方で、社会保障制度や税制の改革には手をつけず、恒常的な負担軽減には繋がっていません。こんなやり方を続けていても、暮らしの困難は解決できません。とりわけ子育て支援というならば、本来的には重すぎる教育費の負担軽減が急務です。給食費を含む義務教育の完全無償化は、憲法26条の要請です。国際的に異常に高い大学や専門学校の学費の是正などが求められます。政府がやらないならば、補完する制度を作るのが地方自治体の役目であります。そこで、こども加算についてですが、児童1人当たりの単価が5万円で足りるのかという問いに、局長は適正だという旨の答弁を行われました。しかし、これは、実態を見ない答弁と言わなければなりません。低所得の子育て世帯は、給付金が届く以前から借金の返済や、使い道が決まっていたりするために届いたとしてもすぐなくなってしまうというご家庭が少なくありません。今回の5万円という単価は全く不十分です。

給付作業を行う委託先での賃金については、相変わらず企業任せで、処遇について、市が把握していないことの重要性もわかっていません。この間、全国で給付金を巡っては、委託業者の中抜き、不正が相次いでおり、本市の委託を受けた企業が、他都市で契約金額の詐取を行うということも起こっています。にもかかわらず、旧態依然の態度は異常というしかありません。コロナ以降、給付金事業がずっとあったわけですから、市の仕事としてやればよかったんです。それを大規模業務委託に委ねてしまった。そもそも47億円もの委託費を払うよりも、市が直接雇用した職員に作業をさせれば、適正な賃金が労働者に渡り、地域経済の発展にも寄与していたのであります。

したがって、今回の給付は、大規模業務委託ではなく、適正賃金で直接雇用した臨時職員体制によって行うべきではないか。あわせてこども加算については単価を上乗せして困窮している子育て世帯の実態に見合った額にすべきと思いますが、市長の答弁を求めます。

市長給付金は全国的に実施されるものであり、国から示された内容に沿って適切に実施をしてまいります。また給付の実施に当たっては、民間の優れた能力やノウハウを生かすことで、市民サービスの向上が図られることから、市による適切な管理監督のもと、積極的に民間の活用を図ってまいります。1日でも早く給付金を市民の皆様のお手元にお届けできるようにしっかりと取り組んでまいります。


保健所統廃合であいれふの施設が使えなくなる

倉元市議次に、保健所統廃合による「あいれふ」の施設が使えなくなる問題についてです。今回補正で、保健所費管理運営費6891万円が繰越明許として計上されています。これは、7つの行政区にある保健所を健康づくりサポートセンター「あいれふ」に一元化、つまり、7つの保健所を1つに統廃合するための工事が年度内に完了しないためのものであります。市長は、保健所統廃合について、窓口は残すので、これまでと変わらないと強弁しますが、これまで各保健所で行われていた精神保健福祉や難病等の業務が一本化されるなど、サービスは後退します。7行政区の保健所がなくなることで、地域の隅々まで、乳児から高齢者まで病気を予防し、対策を行い、健康を増進させる機能が失われます。感染症などの危機管理能力の低下も懸念されます。一元化の狙いは、合理化、人員、経費削減に他ならず、全く道理が通りません。市民からも多くの批判の声が上がっています。

市長は「各区の保健所残せ」の声を無視して、「あいれふ」の講堂、3つの研修室、和室の1つを潰して、新しい保健所を設置しようとしています。「あいれふ」は、生活習慣病予防を初めとする市民の総合的な健康作りへの支援等を通じて、その健康の保持および増進を図るという目的と併せて、豊かな生活文化の創造の場を提供し、もって市民の福祉の向上に資するための施設です。今回廃止しようとしている講堂、4つの研修室、和室の年間使用人数は、2022年度約2万7000人であり、多くの市民が活用している大事な施設です。

市長は2月1日から4つの研修室・和室をすでに閉鎖して使用できないようにしましたが、利用者に対してどんな意見を聞いて、閉鎖を決定されたのか。あわせて、どんな説明をなさったのか、明確な答弁を求めます。

保健医療局長健康づくりサポートセンターの研修室等につきましては、広く一般の方が利用できる施設であり、研修室等の一部を廃止するにあたって、個別にアンケートなどは実施いたしておりません。利用者への説明については、令和5年12月に12月議会において、健康づくりサポートセンター条例の一部を改正する条例案が可決された後、速やかにホームページや予約システム内施設の受付窓口でお知らせをいたしております。

倉元市議局長の答弁によれば、周知を開始したのは12月20日。12月議会の議決の次の日です。つまり、それまでは、利用者に使えなくなるのだけれどもと意見を求めることも周知さえもやっていなかったということは先ほどの答弁でも明らかになりました。全くひどい対応です。ホームページで周知したり、受付に来た人に説明しましたと言われますが、逆に、それくらいのことしかやっていないということです。利用者の意見を一切聞くことなく、廃止の方向性を勝手に決定して、議案が通れば形だけの周知を行う。髙島市長らしい、独断的なやり方ですよ。やり方が。

そもそも、今回の保健所統廃合を決めるにあたって市長は、12月議会に突然議案を提案し、事前に市民にも議員にも、各区にある保健所運営協議会にも知らせませんでした。福岡市医師会にもわずかな幹部にしか知らせず、多くの医師が知らなかったと述べています。このような重要な議案をわずか1週間の議会で結論を出すという、だまし討ちのようなやり方は、明らかに進め方が問題、問題があるにも関わらず、市長は一元化を進めようとしています。

このように、市民の意見を聞くこともなく、保健所統廃合や、「あいれふ」の施設を廃止することはあまりにも乱暴であり、許せないと思いますが、ご所見をお伺いします。

4月1日から研修室・和室に続いて講堂が廃止になります。ここは定員が120人で、様々な催事が行われています。2022年度の講堂の利用状況を調べてもらいました。年間の利用数のうち約6割が市関連の催事です。こころの病気ピアサポート講座、高齢者虐待対応研修、依存症支援者連携会議、ひきこもりを理解するための市民講習会など、市民生活に関わる必要な催事が行われており、中には、農業委員会総会や、消防局昇任試験などにも使用されており、幅広く使われていることがわかります。

新しい保健所を設置した後の残された貸室で、一番多い定員は、視聴覚室A36人です。ここに入りきれない37人以上の利用があった講堂を使った催しは、22年度市関連だけで71件ありました。つまり、この71件の催事は、講堂がなくなったために、「あいれふ」以外のところでやらなければなりません。

このように、新しい保健所を作ることによって、施設が使えなくなり、市民の文化活動、学習活動を行ってきたこれまでの「あいれふ」の利用者に大きな影響が出ることは必至であり、市はどのような代替措置をとるのか、答弁を求めます。また、これまで、「あいれふ」で行ってきた市民にとって必要な保健福祉関連の市の催事が、行えなくなる恐れが出てくると思いますが、今後どこで行おうとお考えなのか、ご所見をお伺いします。

保健医療局長健康づくりサポートセンターの希望する研修室等の利用ができない場合につきましては、現在もセンター内の他の研修室等や他の施設をご案内しているところであり、引き続き丁寧に対応してまいります。

また、市関連事業での利用につきましても、事業に参加する市民の皆様への影響が極力生じないよう、各市民センターなどの他の市有施設の活用などにより対応してまいります。

倉元市議施設を廃止する過程に問題はなかったと言われますが、市民に対して傲慢な態度です。あの施設はあなたたちの持ち物ですか。違いますよ。市民のものです。勝手に決めることはなりません。元々この施設の前身は婦人会館でした。婦人の文化と教養を高め、婦人の社会生活の向上に寄与するとして、無くなった2012年当時714団体が利用しており、婦人問題を解決する交流活動の他、語学や、子育てなどの学習活動、書道や料理などの生活・文化活動、職域団体による勉強会など、幅広い利用があったのです。しかし、市民の反対の声をよそに、市は同会館を廃止しましたが、あなた方は当時議会でなんて言ったか。「婦人会館を廃止する場合でも、利用実態を踏まえ、会議室などの貸し出しについては継続する方策を検討していく」と答弁しています。今回の措置は、この約束をほごにしているわけです。局長は答弁で、代替措置について、近隣の施設を使う。また「あいれふ」の施設を使ってもらう、こういう答弁をされました。近隣の施設、中央市民センターの各部屋の利用状況を調べてみました。どの会議室も稼働率70%以上。借りること、非常に難しい状態です。「あいれふ」のホール、これも調べてみました。365日のうち、ホールを使用しているのは256日。これも代替措置というふうには言えません。結局、何の代替措置もなく、この施設を廃止しようとしているのが、市長のやっていることです。

したがって市長は、市民の声を全く聞かずに進めている。保健所統廃合と「あいれふ」への新保健所設置はやめるとともに、関連議案、繰越明許を撤回すべきと思いますが、ご所見をお伺いします。

市長保健所につきましては、感染症や食中毒への対応など、広域的専門的な機能を集約し、健康危機管理体制の強化を図るものであり、引き続き、市民の生命と健康を守ることを最優先に、しっかりと取り組んでまいります。


コロナ対策
4月以降の制度

倉元市議次に、新型コロナウイルス感染症対策予備費についてです。この補正は20億円の予算が計上されていた同予備費を20億円全額減額するものであります。

同予備費は、新型コロナウイルス感染症の急拡大において、速やかに対策を講じられるよう、同対策に使途を限定するもので、2021年度より予算計上されてきたものです。

質問の第1は、コロナの感染状況についてです。厚生労働省によると、2月4日までの1週間に、全国およそ5000の医療機関から報告された。新型コロナの患者数は、前の週から5998人増えて7万9605人となりました。また、1つの医療機関当たりの平均の患者数は16.15人で、前の週の1.08倍となりました。前の週から増加が続くのは11週連続となります。

しかしながら、政府は昨年5月8日から新型コロナウイルス感染症を5類に変更し、それまで実施してきた医療費の公費助成など、関連施策を縮小し、10月以降はさらに大幅に削減、2024年4月以降は原則廃止の方向を打ち出しています。

そこで、本市のコロナ関連の制度で、4月以降なくなるものはあるのか、答弁を求めます。

保健医療局長国の方針を踏まえ、令和6年3月末で終了する事業は、医療介護施設の従事者等に対するスクリーニング検査事業発熱時に受診できる医療機関を案内する新型コロナウイルス感染症専用相談ダイヤル事業でございます。

倉元市議今年4月以降なくなる政策について述べていただきましたが、まるでコロナは終結したかのような態度です。制度をなくして本当に市民の命と健康を守ることができるのかが問われています。昨年5月に、コロナの感染症法上の位置付けが5類になって、関連政策は、大幅に縮小されてきました。それでも「当面の間継続」という政策が残されてきたのは、コロナ感染が完全に終結しているわけではないからです。

先ほど、最近のコロナ感染状況について述べました。さらに付け加えますと、2月4日までの1週間に全国およそ500の医療機関から報告された、新たに入院した患者数の患者、患者の数は、3459人で、前の週と比べて135人の増加でした。厚生労働省は、全国の流行状況について、引き続き増加傾向が続いていて、対策を徹底してほしいとしています。このようにコロナの感染は過去のものではなく、現在進行形であることを私達は認識する必要があると思います。

そこで、医療機関・介護施設に従事する人への検査についてです。感染拡大防止のために行ってきた無料検査がなくなればどうなるのか。従事者の検査回数が減り、入院患者や施設入居者への感染が増える恐れが高くなるのではないかという問いに、局長は、極めて楽観的な答弁をされました。

しかし医療施設・介護施設では、5類に変更以降もコロナの集団発生が多数見受けられます。保健医療局の資料によると、医療機関において患者が多数発生した場合や、関連が否定できない死亡事例が確認された件数は、40件に上っています。また、高齢者施設においては、同一の感染症の患者、またはそれらが疑われるものが、10名以上または全利用者の半数以上発生した件数は120件です。この数字は、無料検査が行われている元でのものです。

したがって、医療・介護従事者への無料検査の重要性は5類移行、いささかも落ちていないと思いますが、ご所見をお伺いします。


コロナ病床への財政措置

倉元市議質問の第2は、コロナ病床への財政措置についてです。先に述べたように政府はコロナ関連施策を打ち切ろうとしています。その一つがコロナ病床への財政措置です。医療機関はコロナの感染拡大時に患者を受け入れ、大きな貢献を果たしてきました。しかし、コロナ患者を受け入れるためには、従来のベッド数を少なくし、専用のスペースを確保しなければならず、減収につながりました。それを補完したのがこの制度であります。

そこで、コロナ病床への財政措置がなくなった後に、コロナ患者を受け入れるならば、医療機関は大きな経済的な打撃を受けると思いますが、ご所見をお伺いします。

保健医療局長新型コロナウイルス感染症の入院医療体制の確保にあたりましては、現在一定の感染拡大を超える期間において、福岡県が病床確保料を支援しておりますが、令和6年4月からは、国の方針により、通常の医療提供体制へ完全移行するとされており、今後、新型コロナ対応を組み込んだ新たな報酬体系に移行するための診療報酬の加算が行われる予定となっております。

倉元市議福岡県の制度だから関係ないと言わんばかりの答弁です。しかし、福岡市内の医療機関がこの問題で困っているにもかかわらず、知らないふりは許されません。

厚生労働省は、医療機関での院内感染を防ぐために、ゾーニングの推奨例を示しています。5類以前のように病床を専用化することは求めていませんが、確定患者については個室が望ましいとしています。また、感染の疑いがある患者については、確定患者と別の病室になるようにして、原則として個室にすることを求めています。つまり、複数のゾーニングが必要となります。そうなると、パーテーションで1部屋を複数に区切らなければならないため、既存のベッドを減らさなければならず、減収に繋がります。

お話を聞かせてもらった医療関係者は、補助金の単価が一般病床の場合、以前は7万4000円だったんだけども、この10月以降3万円に減らされた。22年度19億円の補助金が、23年度は年度途中だけれども、2億円程度しか入ってこない。財政措置がなくなるからといって、コロナ患者の受け入れをやめるわけにはいかない。困惑されていました。

そこでお尋ねしますが、コロナ病床への財政措置は、5類になっても重要な制度であり、国や福岡県、4月以降の制度の存続を求めるべきだと思いますが、ご所見をお伺いします。

保健医療局長感染拡大時における感染症病床の確保につきましては、国に対し、短期的な医療需要に適切に対応できるよう、必要な支援を行うことを要望いたしております。


医療・介護従事者への検査

倉元市議質問の第3は、医療・介護施設従事者への検査についてです。現在、医療介護施設従事者に対して抗原検査キットが無料で配布されています。入院患者や施設入居者の感染は、外部との接触の多い従事者がウイルスを持ち込むケースが少なくないとされているからです。施設によって回数は違いますが、週に1回、あるいは2回検査を行い、感染予防に努めています。この制度の財源は国が負担し、市の実質的な負担はありませんが、国は4月以降この制度から手を引こうとしています。

そこで、この制度がなくなれば、従事者の検査回数が減り、入院患者や施設入居者への感染が増える恐れが高くなると思いますが、ご所見をお伺いします。

保健医療局長医療介護施設の従事者等に対するスクリーニング検査事業につきましては、国の方針を踏まえ、令和6年3月末で終了いたしますが、4月以降、新型コロナ対応を組み込んだ新たな報酬体系に移行するため、診療報酬、介護報酬の加算が行われる予定となっております。

また引き続き、保健所において感染対策感染症感染対策に関する助言を行うなど、関係施設の感染症への対応力強化を図ってまいります。以上でございます。

倉元市議私は市内の医療機関からお話を聞いてきました。この病院では職員の感染が疑われたときと、病棟で感染が広がったときに、抗原検査キットを使ってスクリーニング検査を行っているそうです。感染拡大状況によって使用量は大きく違ってくるのですが、昨年度で1500キットぐらい使用しているとのことです。仮に、無料制度がなくなったとしても、検査は必要ですから、4月から全額負担しなければならない。診療報酬の見直し、加算があるといいますが、それはまだ不確定なものです。納入価格は平均1000円程度として、年間150万円かかると困っておられました。

さらに市内の介護施設を経営されている法人の方にもお話を聞きました。こちらは毎週2回全職員が検査を行っています。法人独自で現行のスクリーニング検査を続けるとなると、パートを含めて職員が180名ほどいるので、月144万円ほどかかると言われます。そこで、医療・介護従事者への無料検査制度がなくなると、検査を継続する場合、施設が全額費用を負担しなければならず、経営に大きな影響が出てくると思いますが、ご所見をお伺いします。

保健医療局長医療・介護施設の従事者等に対するスクリーニング検査事業につきましては、感染拡大期においては一定の効果があったものと認識いたしておりますが、令和5年9月に示された国の方針を踏まえ、6年3月末で終了することといたしております。

また、令和6年4月以降、新型コロナ対応を組み込んだ新たな報酬体系に移行するため、診療報酬、介護報酬の加算が行われる予定となっております。


市長答弁

倉元市議コロナ病床への財政措置について、制度の存続を国や県に具体的に求めると、はっきり言われませんでした。驚くべき答弁です。市内の病院が減収になるから困っているにもかかわらず、その声を代弁すらしようとしない。なんと冷たい態度ですか。医療介護従事者に対する無料検査をやめた場合の経済的負担については、ごまかされました。全額負担などはとんでもないと、各地から悲鳴が上がっています。22年度だけで209万回、23年度は1月末現在で128万回も行われてきた無料検査を市は、4月から打ち切ろうとしている。とんでもないことです。先に述べた介護施設を経営する法人の方は、こんな費用はとても負担できないので、大幅に検査数を減らさなければならない。それでも市中感染が少ないときでも、職員が感染する可能性があり、クラスターが発生する恐れがあるので、無料検査は何とか継続してほしいと述べておられます。入院患者や、高齢者は感染すれば重症化するリスクが大きい。だから、医療・介護従事者は命を守ろうと、検査を頻回行う。市長。市民の命を守るというのはあなたの使命でもあるんですよ。現場が必要だと言っているわけですから、検査ぐらいやってもらいましょうと。予算をつけるのが市長の役目ではないでしょうか?そうだ。

今回補正で、新型コロナウイルス感染症対策予備費の20億円が減額されようとしています。この財源を生かして、必要なコロナ対策を継続すべきです。

したがって、予備費の減額をやめ、医療介護従事者への無料検査の継続、医療機関へのコロナ病床への補助の新設を行うために、補正予算案を組み直すべきと思いますが、最後に市長のご所見をお伺いして私の質問を終わります。

市長新型コロナウイルス感染症については、国が令和5年5月に感染症法上の位置付けを5類感染症へと変更するとともに、9月には、令和6年4月から通常の医療提供体制へ完全移行する方針を示しております。今後とも、新型コロナウイルス感染症を始めとした新興感染症等へ対応するため、国の方針を踏まえるとともに、新たに策定する福岡市感染症予防計画に基づき、感染症に強い街づくりに取り組んでまいります。

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子育て給付金、「あいれふ」利用、コロナ対策などただす(2024年2月19日 倉元達朗市議の議案質疑)

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