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議会報告

2024年9月議会

9月議会反対討論

2024年9月12日 中山郁美議員

私は日本共産党市議団を代表して本議会に提案されております議案第155号、156号、159号、160号、163号、169号に反対し、討論を行います。


まず、議案第159号「福岡市スポーツ振興基金条例案」についてです。本議案は世界水泳選手権2023福岡大会組織委員会贈与金等を活用し、市民のスポーツ・レクリエーションの振興に関する施策を総合的かつ効果的に推進するため、基金を設置するものです。なお、議案155号一般会計補正予算案のうちスポーツ振興推進費の追加約19億円は組織委員会から贈与された額をこの基金に積み立てるものであります。

今回、市はこの基金の設置と一体に福岡ユニバーシアード福岡大会記念スポーツ振興基金を廃止すると表明しています。わが党は、ユニバーシアード基金を廃止して新しい基金を設置することは、大規模スポーツイベントに道を開くものではないかとただしましたが、局長はこれを否定しませんでした。昨今、オリンピックをはじめ、世界水泳選手権のような大規模スポーツイベントには大会の肥大化や商業主義優先など様々な課題が山積しており、世界的に市民の批判の声が大きくなっております。そんななかでユニバーシアード基金に世界水泳組織委員会からの贈与金を積み立てることになれば、露骨に今後の大規模スポーツイベントに使うことを宣誓するようなものであるため、市民の批判から逃れるために新しい基金を設置したものだと言わざるを得ません。

昨年の世界水泳選手権は、「電通」やテレビ朝日などの大企業に大もうけをあげさせる一方、市の負担額が当初計画の3倍となる約107億円へと膨らみ、市民に多大な負担を押し付けるものとなりました。物価高騰で市民生活が苦境に立たされているいま、大規模スポーツイベントの火種を残そうとする新しい基金の設置はやめ、贈与金は市民の暮らしに還元する方策に使うべきです。

したがって、わが党は本議案に賛成することはできません。


次に、議案第160号「国民健康保険条例の一部を改正する条例案」、および議案第163号福岡県後期高齢者医療広域連合規約の一部を改正する条例案についてです。これらの議案は現在の紙の保険証を廃止し、マイナンバーカードの健康保険証のみの利用にすることを前提とした議案であります。

マイナ保険証をめぐる深刻なトラブルが本市でも全国でも多発しており、個人情報漏えいなどへの不安も払しょくされていません。わが党の質疑で本市のマイナ保険証の利用率が国民健康保険加入者では約14%、後期高齢者医療保険加入者ではわずか6%であることが明らかになりました。さらに、福岡医療団のアンケートで紙の保険証廃止に否定的な回答が8割を超えたことからも明白なように、高齢者をはじめ、多くの市民はマイナ保険証に不安を感じており、紙の保険証廃止を望んでいません。また、マイナ保険証の導入にあたって医療機関や本市職員に大きな負担が覆いかぶさることも判明しており、いよいよ紙の保険証を廃止してマイナ保険証を強要することに道理がないことは明らかです。現在行われている自民党総裁選の候補者でさえ紙の保険証廃止の延期を口にせざるを得ない状況になっています。市民の不安の声に背を向け、国に追随するこれらの議案を提出することは許されません。

以上の理由から、わが党はこの議案に賛成できません。


次に、わが党が賛成する議案についても意見を述べておきます。

議案第166号「舞鶴小中学校校舎増築工事請負契約の締結について」および、議案第168号「小学校増築校舎の取得について」です。本議案は、舞鶴小学校および舞鶴中学校の校舎を増築するための工事請負契約の締結を議会にはかるものと千早小学校の増築校舎を福岡市施設整備公社から取得するものであります。

本市では一部地域で人口が急増したことにより児童・生徒数が増加し、新たな過大規模校が生み出され続けています。過大規模校となった学校では、子どもたちをプレハブ教室に押し込み、休み時間に運動場が混雑して児童のケガが絶えない、自分の学校で運動会ができないなど異常な事態となっています。子どもたちにこのような不便をかけてきた原因は、学校周辺の開発事業を規制せずに、ただただ放置していた市長と教育長の責任があります。わが党は質疑で開発を時限的にも規制して、適正な児童・生徒数を保つべきであると求めましたが、市長は民間企業の開発行為に規制をかけることは困難であると冷たく答弁し、子どもたちへ不便をかけていることについて全く反省がない態度に終始しました。このままではまた新たな過大規模校が生み出され、さらに多くの子どもたちから適切な教育環境を奪うことになってしまいます。子どもたちに良好な学校環境を提供するために、児童・生徒数が多い地域の開発に対して制限をかける条例を早急に制定すべきであり、このことを強く求めておきます。


以上でわが党の反対討論を終わります。

以上

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