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議会報告「発言と答弁」全文
2024年9月議会
綿貫康代市議の一般質問 発言と答弁 全文
音声をもとに党市議団が文字起こししたものです
綿貫市議おはようございます。私は日本共産党市議団を代表して、介護保険について、九大箱崎キャンパス跡地について質問を行います。
介護保険について
綿貫市議まず、介護保険についてです。介護保険事業計画は3年ごとに改定され、本市においても、2024年度から2026年度までの第9期福岡市介護保険事業計画が策定されています。この中では、保険料について定められています。昨今、保険料が高すぎるという声が多くの高齢者からあがっています。保険料は所得に応じて15段階に設定されています。お尋ねしますが、基準額となる第5段階の保険料は、前期のときと比べいくら上がっているか、あわせて前期と比べて保険料が下がっている段階はあるのか、答弁を求めます。以上で1問目の質問を終わり、2本目以降は自席にて行います。
福祉局長第9期介護保険事業計画における第1号被保険者の第5段階の介護保険料は月額6899円としており、第8期から674円の増額となっております。なお、保険料が減額となった段階はございません。以上でございます。
綿貫市議15段階全てで値上げになっています。私が声を聞いた70代のご夫婦は、お2人とも年収が125万円以下という6段階の方ですが、月々6847円だった保険料が7589円と742円も上がり、年間9万1068円もの保険料で、お2人で18万2136円です。引き上げ幅は1万7808円にもなります。そこで第8期においても高い保険料が高齢者の生活を圧迫していたにもかかわらず、9期で下げるならまだしも、更なる引き上げを行ったことは、なおさら高齢者の生活を苦しめることになったと思いますが、ご所見を伺います。
福祉局長介護保険料につきましては、3年ごとに介護保険事業計画を策定する中で、必要な介護サービス費用等を見込み、関係法令に基づき適切に設定しております。なお、介介護給付費準備基金を最大限活用し、保険料の上昇抑制を図っているところでございます。以上でございます。
綿貫市議基金を活用したとおっしゃいますが、間尺に合いません。4月10日の朝日新聞が65歳以上の保険料の引き上げについて報じています。報道によると本市の保険料は政令市で5番目、県内で2番目の高さとなっています。本市が2022年度調査した「福岡市高齢者実態調査報告書」によると「介護保険制度で不満に思うこと」では、介護保険在宅サービス利用者で「介護保険料が高いこと」が2番目に多く、未利用者では1番多い回答となっています。2年前でさえこれだけの負担感だったのに9期計画で更なる引き上げを行ったことは、負担軽減どころかまともな手立てをとってないと思いますが、ご所見を伺います。
福祉局長本市におきましては、介護給付費準備基金を最大限活用し、保険料の上昇抑制を図っているところでございます。また、介護サービス費用の低減に向けて、介護予防や重度化の防止に取り組んでおります。さらに、低所得者の負担軽減として、介護保険料の減免制度を設けるとともに、保険料の所得段階を国の基準より多い段階数で設定している他、全国共通の制度を活用して、平成27年度から給付費のおおむね5割の公費とは別枠で、国の定める割合の上限まで、国費、県費、市費を投入しております。以上でございます。
綿貫市議いろいろ言われますが、年金は目減りし、物価高騰が襲う中、保険料を上げるのは許されません。6月議会でわが党の中山議員が、保険料引き下げを一般会計から繰り入れをして行うべきと求めましたが、福祉局長は「国の判断では制度上困難である」と答弁されました。しかしこれはごまかしであって実際には可能です。厚生労働省が「不適切」と示しているのは単なる「助言」に過ぎず、「自治体がそれに従うべき義務はないこと」を2002年3月19日の参院厚生労働委員会でわが党の井上美代参院議員が明らかにし、大臣に明言をさせています。一般会計から繰り入れたからといって罰則はありません。従って、一般会計からの繰り入れを行い、保険料を引き下げることは可能であると思いますが、ご所見を伺います。
福祉局長介護保険料につきましては、国が定める割合の上限まで、国費、県費と合わせ一般会計から市費を繰り入れ上昇抑制を図っているところでございます。介護保険制度は全国共通の制度であり、制度の枠外で一般財源を繰り入れることは適切でないとの国の判断は示されておりますことから、一般会計からの更なる繰入については、制度上困難であると考えております。以上でございます。
綿貫市議否定されますが当時の坂口厚生労働大臣は「自治体の中で、この原則を乗り越えてやるというところも百幾つもあるわけで、それは私達の言うことからはみ出ているから絶対駄目だと、やめろとまで私達は言ってない」と答弁し、自治体の裁量を認めていますよ。一般会計、財政調整基金などあらゆる手段を講じて保険料の引き下げを図るべきと思いますが、重ねてご所見を伺います。
福祉局長介護保険制度は全国共通の制度であり、制度の枠外で一般財源を繰り入れることは適切でないとの国と判断が示されております。介護保険料につきましては関係法令に基づき適切に設定しつつ、制度の枠内で公費を投入することなどにより、可能な限りの負担軽減を図っているところでございます。なお、保険料の支払いが困難となった方については事情を十分にお聞きした上で、減免措置を適用するなどの対応を行っております。以上でございます。
綿貫市議国会で大臣が良いと認めているのですから保険料を引き下げるべきと強く求めておきます。
次に必要な介護サービスが保障されているのかという問題についてです。今社会問題になっている訪問介護事業についてただしてまいります。7月26日の朝日新聞によると、1月から6月の介護事業所の倒産件数が前年同期の1.5倍に達し、そのうち訪問介護が約半数を占め、人材不足や物価高騰に加え、この春の訪問介護事業所への基本報酬引き下げが影響した可能性も指摘されていると報じています。本市の訪問介護も、この影響で経営が大きく圧迫されています。そこで訪問介護の報酬が改定前と後でどれだけ下がったのか、お尋ねします。
福祉局長訪問介護の基本方針につきましては、身体介護や生活援助等の所要時間の区分ごとに報酬の基礎となる単位が設定されており、令和6年度の介護報酬改定では、改定前と比較し、各区分の平均で約2.3%のマイナスとなっております。なお、介護職員の処遇改善に充てられる処遇改善加算は、他の介護サービスと比べて高い加算率とされております。以上でございます。
綿貫市議この引き下げが大きいんです。国はこの引き下げをごまかすために特定事業所加算という新たな制度を作りました。私が伺った小規模の訪問介護事業所では、この特定加算を受けるために利用者のサービス単位を減らさなければならず、重度の方などはその単位を超えると10割負担となります。そもそも特定事業加算を受けた事業所からサービスを受ける利用者は利用料が上がります。さらに事業所は研修の実施や会議の開催などの負担が増えるため、この制度の利用率は大変低くなっています。つまりこの特定事業所加算は利用者のサービス削減や利用料引き上げ、事業所の負担増大と一体のものです。そこでこの特定加算を受けなければ立ち行かなくなるような今回の報酬改定は、利用者にも事業者にも大きな負担を強いるものと思いますが、ご所見を伺います。
福祉局長訪問介護につきましては、基本報酬がマイナス改定となった一方で、処遇改善加算は他の介護サービスと比べて高い加算率とされたところでございます。利用者の自己負担は事業者が受領する介護報酬に応じて増減することとなります。以上でございます。
綿貫市議正面からお答えになりませんが特定加算も大きな負担になるんです。今回の報酬改定は、訪問介護事業所に悪影響を及ぼしています。そもそもコロナ後も続く物価高騰で経営状況が厳しい中、コロナの補助や物価高騰対策が打ち切られ、さらにコロナの蔓延が介護現場を襲っています。この経営危機を何とかしてほしいと悲痛な叫びが寄せられているのにこのまま報酬が下がることを放置したら、サービスの縮小などで帳尻を合わせようとしても立ち行かず、やむなく倒産するという事業所が出てくるのではないかと思いますが、ご所見を伺います。
福祉局長本市における今年度の訪問介護事業所の廃止数は前年同期とほぼ同じであり、現時点では介護報酬改定の影響が出ているとは言えませんが、今後とも状況を注視してまいります。なお、訪問介護事業所の総数は増加しております。以上でございます。
綿貫市議全く危機感がないと言わざるを得ません。訪問介護事業所の大きな悩みは、報酬引き下げだけではありません。人材不足の問題も深刻です。元々介護人材については重労働に比して処遇が悪すぎることにより慢性的な不足に陥り、社会問題化してきました。とりわけ訪問介護は深刻です。ここに報酬改定引き下げが襲いかかり、更なる人材不足が起き始めています。そこで訪問介護職員の第9期計画のニーズの見込みと必要な訪問介護職員数をお尋ねします。
福祉局長第9期計画における訪問介護サービスの必要見込み量につきましては令和6年度が1回1ヶ月当たり31万3280回、計画最終年度である8年度が33万2650回でございます。また、介護職員全体の必要数については国のデータをもとに推計しておりますがサービス種別ごとの内訳がないため、訪問介護員の必要数は把握しておりません。なお、全体の必要数については、7年度が約2万6200人と推計しております。以上でございます。
綿貫市議正確にはその必要数をつかまれていないと。必要性をつかまないと始まらないと思います。第9期計画の「第8期介護保険事業計画の進捗状況」では、訪問介護、訪問入浴介護、訪問リハビリで、2021年から2023年度全てで計画よりも実績の方が上回っており、さらにどれも年々増加をしています。つまり、最初の見込みよりも訪問介護のニーズは増え続けています。前期でもそういう状況なのに、今期も訪問介護職員の実態をつかまず、人材獲得の計画目標のその目標すらもない。あまりに無責任な対応だと思いますが、ご所見を伺います。
福祉局長介護人材の必要性につきましては、訪問介護員も含めた全体で推計をしております。また、訪問介護員の状況につきましては、アンケート調査等により事業所において一定の不足感があることは把握しております。以上でございます。
綿貫市議いろいろ言われますけど、東区のある訪問介護事業所は、毎年応募をかけても人が集まらず、6年前の2018年の登録ヘルパー数95人が今年は2024年71人にまで減っています。この介護事業所では職員の平均年齢は62歳、最高年齢は79歳。ベテランがリタイヤしているが平均年齢が下がらないと言われています。主力は60代、70代が多いところもあります。人材の減少と高齢化が進んでおり、既に新規サービスを提供できなくなっています。そういった状況の中で必要数を把握しないなどあり得ません。このままでは訪問介護が成り立たなくなるのではないかと思いますが、ご所見を伺います。
福祉局長訪問介護に限らず、安定的に介護サービスを提供していくため、事業所における人材確保の支援に取り組んでいるところでございます。以上でございます。
綿貫市議いろいろ言われましたけど的外れだと言っておきます。専門職であり重労働であるにも関わらずその処遇があまりに低いことが、訪問介護職員の不足に繋がっています。施設の介護職員に比べ、地域の高齢者の自宅へ訪問する訪問介護は1対1の対応であり、閉鎖された空間でハラスメントなどのリスクも高くなります。訪問介護には特段の専門性が求められ、困難性が多いために人材不足になるのではないかと思いますが、ご所見を伺います。
福祉局長訪問介護につきましては、介護福祉士の資格等を要することや、1人での訪問であることなどから人材確保に難しい面があると考えられます。処遇については、処遇改善加算が他の介護サービスと比べて高い加算率とされているところでございます。処遇の改善が図られるよう、引き続き国に要望してまいります。以上でございます。
綿貫市議その「処遇が改善されている」っていうのはごまかしなんです。専門職が訪問するからこそできる役割をもっと評価するべきだと思います。訪問介護職員は本人の表情、動作で体調の変化をつかみ、部屋の状態や冷蔵庫の中身を見て異常がないか確認します。この生活援助が削られれば利用者の全体像が見えなくなり、介護の質にも関わります。国が目玉とする処遇改善加算は1人当たり月6000円を見込んでいますが、全産業平均より7万円低いと言われる中、「桁が一つ違う」というのが現場の声です。そこで専門性を求められるのに低い処遇である現状を抜本的に改善しなければ人材確保は改善されないと思いますが、ご所見を伺います。
福祉局長介護職員の処遇改善等につきましては、加算の取得促進などに取り組むとともに介護業界のDX推進やコンサルタントの派遣による経営支援など、処遇改善に資する取り組みを進めてまいります。以上でございます。
綿貫市議いろいろやっていると言われますが今のままでは焼け石に水です。公益財団法人九州経済調査協会が発表した2024年九州経済白書では、2030年までの職業別人手不足数で介護サービスでは1900人と衝撃的な数字となっています。また第9期計画で介護人材の確保に外国人を挙げていますが、同調査では在留外国人専用転職サイトにおける地域別募集件数で関東では1858件であるのに比べ、九州ではわずか74件です。年収の高い関東への流出が想定されており、今後の九州での外国人人材確保の難しさが浮き彫りになっています。つまり外国人労働者で賄えるというのは幻想にすぎません。このように現状も含め予測されるべき将来を見据えて、訪問介護事業所や訪問介護職員とともに、介護に関わる全ての職員の処遇改善のために市独自の補助金を出すべきと思いますが、ご所見を伺います。
福祉局長介護職員の処遇改善につきましては、加算の取得促進などに取り組むとともに、経営支援など処遇改善に資する取り組みを進めるとともに、安定的に介護サービスが提供できるように、事業所における人材の確保の支援にしっかりと取り組んでまいります。以上でございます。
綿貫市議人材確保に対する危機感全くないと思います。これまで指摘してきたように訪問介護事業所の報酬が減らされ、訪問介護職員が人材不足になっているもとで、独居や老老介護の高齢世帯の多い本市では訪問介護事業所や訪問介護職員の不足のために介護サービスを受けられない高齢者が増えているのは明らかです。第9期計画では「高齢者数、高齢化率の推移」で2030年が39万人、2040年には約47万人と高齢化率が約3割になると見込んでいます。このままでは、保険料や利用料の値上がりと、介護人材の不足により、必要な介護サービスを利用できない人が増大し、高齢者の生活を守れないのは明らかです。今手を打たなければ介護の基盤が崩れていくことになります。「保険あって介護なし」が現実のものになる。第9期計画では「高齢になっても、誰もが個人として尊重され、人生の最後まで住み慣れた地域で自立した生活を安心して送ることができる」街を目指していると書かれています。であるならば、あらゆる手段を講じて、保険料、利用料を引き下げ、訪問介護事業所支援と訪問介護職員の人材確保とともに、全ての介護事業のための処遇改善を行うべきと思いますが、この問題の最後に市長のご所見を伺います。
市長介護保険制度は介護を要する高齢者やその家族を支える重要なものであると認識をしております。介護保険料については、国が定める制度の中で可能な限りの負担軽減を図りつつ、適切に設定を行うとともに、処遇の改善に向けた介護事業所への支援や介護人材の確保を進めているところでございます。今後とも、高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らし続けられる社会の実現に向けて取り組んでまいります。以上です。
綿貫市議厳しい高齢者の生活や介護現場の現状を理解しない冷たい答弁だと思います。自治体として介護の実施責任を持つべきと強く求めておきます。
九大箱崎キャンパス跡地
綿貫市議次に九大箱崎キャンパス跡地のまちづくりについてです。九大と都市再生機構(UR)は4月18日、住友商事を筆頭にJR九州や西日本鉄道、西部ガスなどが参加する企業グループを優先交渉権者に選定したと発表しました。同グループは最先端の通信技術や人工知能(AI)を活用した「先端技術の街」を提案しています。そこで、優先交渉権者の企画提案の概要の中身についてただしてまいります。
まず企画提案の概要でうたっている「人生の質を高めるスマートサービス」とは何なのかという問題です。提案書では「スマートサービス」によって人生の質を高めると描いており、いくつかの提案がなされています。その中の一つに「安全」というカテゴリで「AI見守りカメラ」が提案されています。そこで「AI見守りカメラ」とはどのようなものなのか答弁を求めます。
住宅都市局長九州大学箱崎キャンパス跡地については、地域とともに作り上げた「グランドデザイン」に基づき、先進技術の導入などにより、安心して住み続けられ、より便利で暮らしやすいまちを目指す「Fukuoka Smart East」に向け取り組みを進めております。九州大学およびUR都市機構の事業者公募の募集要領におきましては、グランドデザインを踏まえ、「安全・安心に過ごすことができるスマートサービス」の提案が求められており、優先交渉権者から「AI見守りカメラ」により、高齢者の転倒などを検知し、見守りを行うサービスが提案されたものでございます。以上でございます。
綿貫市議安全に役立たせるという答弁をされました。千葉県柏市では「柏の葉スマートシティ」として駅周辺に29台のAIカメラを設置し、画像分析や人流解析を行っています。九大跡地地域でもこういう解析を行うならば、膨大な個人情報を蓄積することになります。つまり、転倒しそうな人を見つけるためには、常時不特定多数の人を監視しなければなりません。ではそもそも「AI見守りカメラ」の設置は住民からの要求なのか、答弁を求めます。
住宅都市局長「グランドデザイン」を踏まえまして、募集要領において、安全分野のスマートサービスの提案が求められており、優先交渉権者から提案がなされたものでございます。以上でございます。
綿貫市議住民の声を取り入れたものじゃありません。開発する企業の計画であって、しかも住民はこの事業によって自分の個人情報が蓄積されるということを知りません。そこでお尋ねしますが、集められたデータはどうなるのか。また個人情報の流出は防げるのか、答弁を求めます。
住宅都市局長データの取り扱いについては、募集要領において、関係法令の遵守を前提とした提案が求められており、優先交渉権者の提案においても、個人情報保護法等の関係法令を遵守することとされております。詳細につきましては、優先交渉権者において検討中であり、今後協議をしていくこととしております。以上でございます。
綿貫市議住民の個人情報が本当に守られるのか、その保障が曖昧な中で本市の姿勢は、全く企業任せで無責任すぎます。同じように「スマートサービス」の「健康」というカテゴリでは「健康情報を一元管理するPHR基盤」とありますが、これは一体どういったことをするものなのか答弁を求めます。
住宅都市局長募集要領において、「健康維持や生活改善、介護予防に繋がるスマートサービス」の提案が求められており、優先交渉権者から本人同意のもとに取得される健康情報を一元管理することにより、1人1人の健康状態に合わせたヘルスケアサービスの提供を可能とする提案がなされたものでございます。以上でございます。
綿貫市議一人ひとりの日常的な健康情報が蓄積され、極めて個人的なデータが営利活動に利用される可能性があります。サプリメントや健康食品の購入、栄養指導など新たなサービスをコントロールすることもできるわけです。そもそも「健康情報を一元管理するPHR基盤」とは企業側からするとこの地域の健康情報をもとに商品を販売することも可能になります。そこで、これは住民からの要求なのか答弁を求めます。
住宅都市局長「グランドデザイン」を踏まえまして、募集要領において、健康分野のスマートサービスの提案が求められておりまして、優先交渉権者から提案がなされたものでございます。以上でございます。
綿貫市議住民要求でなく企業の要求です。先に述べたように「PHR」も膨大で極めて個人的なデータが企業に集められます。個人情報の流出は防げるのか答弁を求めます。
住宅都市局長募集要領において、関係法令の遵守を前提とした提案が求められており、優先交渉権者の提案においても、個人情報保護法等の関係法令を遵守することとされております。詳細につきましては優先交渉権者において検討中であり、今後協議していくこととしております。以上でございます。
綿貫市議いろいろ言われますがこれも防げる保証はありません。法令により守られると言われますが、世界的にもほとんどの政府・自治体にはスマートシティ開発を規制する政策がないと言われる中、現状の個人情報保護法では、厳格に個人情報が守られるという保証はないのではありませんか、答弁を求めます。
住宅都市局長「PHR(パーソナルヘルスレコード)」を活用した健康づくりの取り組みにつきましては、岡山県吉備中央町や、石川県加賀市などでも進められておりますが、個人情報の取り扱いに関しましては、こうした先行事例も参考としながら、優先交渉権者と協議していくこととしております。以上でございます。
綿貫市議ごまかされますけれども「スマートサービス」として行われようとしていることはですね、個人情報を握りそれをもとに商売をしようとするものであり、この地域と住民が新しい技術の実験場とされるということです。カナダのトロントではGoogleによるスマートシティが計画されていましたが、データの利活用について住民のプライバシーの保護や公共の利益という価値が十分に検討されていないことが露呈をし、2020年に住民要求で撤退に追い込まれています。住民が参加するシステムの中で、デジタル技術の導入も住民と行政が時間をかけて話し合い検討するという合意形成が作られています。この視点が今回の提案には全くありません。優先交渉権者の提案は個人情報を利活用するものであり、本市はこれに対し個人情報を守る立場に立ち、住民へ情報を開示し、合意形成を図るべきと思いますが、ご所見を伺います。
住宅都市局長少子高齢化の進展などによって社会のあり方が変わっていく中で、様々な社会問題を解決し、持続可能な社会を実現していくためには、先進技術などを積極的に活用していくことが大切であると考えております。また、先進技術の活用にあたっては、個人情報が適切に取り扱われることが前提と考えており、関係法令を遵守するとともに、他都市の先行事例等も参考に、地域のご意見をお伺いしながら、優先交渉権者と協議を進めてまいります。以上でございます。
綿貫市議もっともらしいことを言われますが、個人情報がたくさん集積されるにもかかわらず、企業のやりたい放題に関与せず、市民の個人情報を守る立場に立っていません。許されないことを強く指摘しておきます。
次に具体的な街づくりについて伺います。まず学校についてです。事前にお尋ねしたところ人口予測5400人とのことでした。そこで子どもの数とどこの小学校へ行くことになるのか答弁を求めます。
教育長居住機能として分譲住宅2,000戸の供給が予定されております。これらをもとに児童・生徒の出現率を用いて推計いたしますと、全体で600人程度の児童の増加が見込まれます。現時点で九大箱崎キャンパス跡地は東箱崎小学校の校区となっておりますが、令和6年8月末に通学区域協議会を設置し、東箱崎小学校、箱崎小学校の教育環境確保のための協議を開始しております。以上でございます。
綿貫市議児童数600人とのことです。では学校用地確保しているのか答弁を求めます。
教育長九州大学箱崎キャンパス跡地内には箱崎中学校の移転予定地を確保いたしておりますが、九州大学とUR都市機構が行った公募において総供給戸数2000戸の制限が設けられましたため、跡地内に小学校の用地は確保いたしておりません。以上でございます。
綿貫市議また校区調整で子どもと地域に混乱をもたらすもので、とんでもないですよ。街づくりが進めば周りの地域も誘発されて、人口が増えて子どもの数も増えることは間違いありません。そこで新たな学校用地を確保しなければならないと思いますが、ご所見を伺います。
教育長繰り返しになりますが、教育環境を維持するため居住機能につきましては総供給戸数に加え、毎年の供給戸数の制限を付してもらっているため、九州大学箱崎キャンパス跡地内に新たに小学校用地を確保するまでの必要はないと考えております。以上でございます。
綿貫市議またそうやって学校をパンクさせて過大規模校を生もうとしています。学校用地確保は絶対に必要と、ここで強く指摘しておきます。
次に緑の空間の確保についてです。提案概要では「緑空間の確保・『箱崎創造の森』」をつくるとしております。そこでまず「緑化率40%、樹木1万本以上による圧倒的な緑量の確保」と書かれていますが、そもそも九大があったころの緑化率はどれぐらいであったのか、ご所見を伺います。
住宅都市局長九州大学からは移転前の緑化率は持ち合わせていないと伺っておりますが、箱崎キャンパス内の既存樹木につきましては、高さ2m以上の樹木を対象に、平成26年度に九州大学が実施した調査によりますと、跡地全体で約3,400本と伺っております。以上でございます。
綿貫市議九大のあった頃の緑化率がわからないということで、緑化率40%が圧倒的な緑量なのかわかりません。では次に「1万本以上の樹木」について伺います。天神のアクロスの屋上庭園の樹木は何本植わっているのか、答弁を求めます。
住宅都市局長公益財団法人アクロス福岡に問い合わせたところ、現在の樹木の本数は把握できていないとのことでありますが、建設当時には、高木150本の他、中低木や地被類を含め3万7,000本株を植樹されたと伺っております。以上でございます。
綿貫市議3万7,000本と。今、1万本とされている九大跡地の面積はアクロスの屋上庭園の100倍です。圧倒的な緑量というのであれば、樹木量も桁違いに増やさなければ、圧倒的な緑量にならないと思いますが、ご所見を伺います。
住宅都市局長優先交渉権者からは、公募区域において緑化率約40%、樹木1万本以上を確保すること建物屋上まで緑を繋ぎ、緑地率の高い景観形成を図ること、歩道空間などに隣接する敷地内に緑地帯を設けること、保全樹林・既存樹木を活用すること、などの提案がなされており、「グランドデザイン」の実現に向けて引き続き優先交渉権者と協議を進めてまいります。以上でございます。
綿貫市議先ほど言われていました、そもそも九大があった頃の箱崎キャンパスには100年の歴史を経て立派な樹木がたくさんあったんです。ですけど住民の意見も聞かずに伐採されているんです。住民が望む以前のような街を構築するためにも、表面的な緑化でなく、樹木量を抜本的に増やすよう優先交渉権者に求めるべきではありませんか、ご所見を伺います。
住宅都市局長「グランドデザイン」では、公園や広場、歩行者空間、道路等において、緑豊かな空間を確保するとともに、有機的に繋いだ緑のネットワークを形成することとしております。優先交渉権者からは、緑化率40%という圧倒的な力量で「まちかど広場」や歩行者ネットワークとしての5つのメインストリートを整備することや、街全体に緑環境を提供する、箱崎創造の森として広場等を緑のネットワークで繋ぎ、町全体に緑を広げる提案がなされており、「グランドデザイン」の実現に向けて引き続き優先交渉権者と協議を進めてまいります。以上でございます。
綿貫市議表面的な緑化じゃなくてですね、樹木量を抜本的に増やすように見直させるよう求めておきます。
次に防災公園についてです。住民はたくさんの人が住むこの地域に一貫して広大な防災公園を求めてきましたが、今回の提案にはそれは見られません。防災公園は作らないのか、答弁を求めます。
住宅都市局長「グランドデザイン」に基づき、南エリアに新たに近隣公園を整備し、箱崎中学校と近接して配置することで一体的なオープンスペースを創出し、防災性の向上を図ることとしております。以上でございます。
綿貫市議それは住民が求める防災公園とは違います。本市も警固断層はもとより東区には宇美断層もあり、この地域に隣接しているため、ここが揺れたら大きな打撃を受ける地域です。地震が起きれば建物の中は怖いと多くの避難者が屋外に避難します。何はともあれ逃げるところが必要です。しかしこの提案には、そういったときに避難できる防災公園はありません。避難となれば食料や水、寝る場所、トイレなどがどうなるのか。それらを兼ね備えた広大な敷地が必要だと、住民は求めているんです。今こそこの住民の声を活かした広大な防災公園が必要だと思いますが、ご所見を伺います。
住宅都市局長「グランドデザイン」に基づき、新たに整備する公園や、まとまった規模の「まちかど広場」等のオープンスペースは一時的な避難場所や応急活動の場として利用できる整備に努めることとしております。また、優先交渉権者からは、災害時に避難者の受け入れや物資供給などを実施する地域防災拠点の形成などの提案もなされており、これらと連携することにより効果的な形で防災性の向上が図られるよう協議を進めております。以上でございます。
綿貫市議住民の声に真摯に耳を傾けるよう強く求めておきます。
次は優先交渉権者決定までの本市の関わりについて伺います。優先交渉権者を決める審査委員会には、本市から光山副市長が参加されていますが、光山副市長が審査委員に選定された経緯はどういったものですか、答弁を求めます。
住宅都市局長審査委員の選定にあたっては、公募主体である九州大学およびUR都市機構と、「グランドデザイン」を踏まえた審査を行っていただく必要がある旨を協議していたところ、審査委員については、箱崎キャンパス跡地利用協議会の会長および委員、公募主体からは九州大学の副学長、UR都市機構の九州支社長、「グランドデザイン」の共同策定主体である福岡市からは光山副市長を選定したいと、九州大学およびUR都市機構から申し出があったものでございます。その後、令和5年3月8日に公募主体である九州大学とUR都市機構から、光山副市長に審査委員就任の依頼があり、所管局でございます住宅都市局から光山副市長に就任の了承を得た後に、3月9日に回答したものでございます。以上でございます。
綿貫市議普通ならこういった要請に対して「光山副市長を審査委員にしていいか」という内部の決裁文書が作られ回覧され、最終的には市長決裁が下りた後に審査委員になるのだと思いますが、決裁文書はあるのでしょうか、答弁を求めます。
住宅都市局長所管局でございます住宅都市局において、光山副市長の委員就任の了承を得た後、就任を受嘱する旨の回答にあたり決裁をいたしております。以上でございます。
綿貫市議資料①を投影してください。これがその決裁文書と言われているものです。
次に資料②を投影してください。先ほどの資料を拡大したものです。「別紙の通り回答してよろしいか」と手書きで書かれています。
資料消してください。通常の内部決裁の稟議書とは全く違うものです。九大からの依頼文を内部で回覧した判が押されていますが、これは私がこの質問のために住宅都市局に再三要求し、9月2日にようやく提出されたものです。しかも4日まではこれは決裁文書ではないと主張されていたのに、昨日の朝になって内部決裁だと態度を変えたのです。しかも最終決裁者は部長で、局長も高島市長も印鑑をついていません。つまり本当はなかった決裁文書あったように取り繕ったのではないかと疑念を持たざるを得ません。いずれにせよ、光山副市長は公式に審査委員として送り出したと言い張られるわけです。そうならば、審査委員会に臨む姿勢など方針を事前に決める必要があります。私はその文章を求めましたがそれもないということです。資料③を映してください。これが当局の私への回答です。
なんと副市長が審査委員会に臨む基本姿勢は、内部で確認されていないと、そういったことが書かれているんです。資料を消してください。そこで光山副市長は一体どういう立場で審査委員として参加されたのか、答弁を求めます。
住宅都市局長地域とともに作り上げた「グランドデザイン」を踏まえた審査が必要なため、公募主体でございます九州大学およびUR都市機構の依頼に基づき、福岡市からの審査委員として就任したものでございます。以上でございます。
綿貫市議おかしな話ですね。市の代表として参加しながら、市の方針の決裁はない。これはどういうことなのか。大事な問題なので少し掘り下げます。5月17日付の西日本新聞には「地場企業の力学に異変」と題してこう報じています。「九州電力のグループが軸に据えたアリーナ開発は、審査にも関わる福岡市側が支持しているとの情報もあった」と。つまり福岡市は九電などのアリーナ案を推していたと報道されていますが、これは事実なのか、ご所見を伺います。
住宅都市局長お質しのような事実はございません。以上でございます
綿貫市議否定されますがFACTAという雑誌には「光山副市長はなりふり構わず、九電グループ案を推奨して回った」と書かれています。これは事実なのか、ご本人の答弁を求めます。
光山副市長お質しのような事実はございません。
綿貫市議これも否定されました。しかしですね、この雑誌には光山副市長が中心になって九電案を進めていこうとしたことが詳細に書かれております。事実と違うというなら、西日本新聞やFACTAに抗議されたのでしょうか、ご所見を伺います。
光山副市長抗議はしておりません。以上です。
綿貫市議抗議されてないと。抗議してしまったら、争いになり、光山副市長の行動が浮き彫りになってしまうからまずい。だから抗議もできないということなんでしょう。光山副市長が市の方針を持たず、審査委員として参加した背景には、報道されるような「なりふり構わぬ九電推し」があったからで、その振る舞いが問題になったとき、高島市長の責任が問われるから、光山副市長を市長決裁しないままフリーハンドで参加させるという異例の措置を取ったのではないかと思いますが、これは市長にお聞きします。答弁を求めます。
市長何を聞かれているんですか、私に。もう一度言ってください。
綿貫市議光山副市長が「なりふり構わず九電推し」があったと言われていますけれども、この振る舞いが問題になったときに高島市長に責任が問われるから、光山副市長の市長決裁をしないままフリーハンドで、この審査委員会に参加させたのではないかということを聞いています。
市長私に聞いているんですよね。そのような事実はなかったと思います。以上です。
綿貫市議否定されますけれども、一連の流れは「本市が九電推しだった」というこれらの報道を裏付けるものです。本来、光山副市長は「グランドデザイン」に沿って公正公平な立場で審査に当たるべきでした。しかしそうではなく、九電側に露骨に肩入れしたという疑念が拭えません。このような疑念を生じさせること自体が問題だと思いますが、ご所見を伺います。
光山副市長公募に当たりましては、地域とともに作り上げました「グランドデザイン」に基づいた事業企画提案が求められております。審査に際しましては、その「グランドデザイン」および公募要領における評価の視点に沿った審査を公平公正に行っているところでございます。以上です。
綿貫市議否定されますけれども、本人が言われるようにですね、光山副市長が公正公平な「グランドデザイン」実現の立場で審査委員会に臨んだかどうか、これ議事録がですね、頑なに非公開とされているため、検証ができません。したがって公正な立場で参加したというなら、議事録を含む審査過程全てを公開させるべきだと思いますが、ご所見を伺います。
住宅都市局長公募主体でございます九州大学とUR機構において、審査結果として審査委員会の開催経過や評価点、評価講評等が公表されております。以上でございます。
綿貫市議市民の財産ですから、ぜひ公開させるべきです。この九大箱崎キャンパス跡地におけるスマートシティ構想は述べてきたように、提案者に丸投げで市民の個人情報を守るどころか営利活動に利用され、街づくりにおいても、人口増が予想されながら学校用地もない。緑の確保も住民要求とかけ離れたものであり、市民の望む防災公園もない。住民の声を聞くふりをして実態は大企業のもうけのために九大跡地を差し出すもので許されません。そもそも優先交渉権者を決める審査過程は何も公開されず、市が不公正な関わりをしたとの報道が複数のメディアからなされ、怪文書までばらまかれる事態となるなど、問題が山積みです。従って優先交渉権者を決めた不透明な審査過程と高島市長の関与について情報開示を行うとともに、住民要求を基本に据えた跡地利用にするために、多くの市民が計画に参加できる仕組みを整え、「グランドデザイン」に沿った跡地利用に抜本的に見直させるため、市はこれまでの姿勢を改めるべきと思いますが、最後に市長の答弁を求め、私の質問を終わります。
市長九州大学箱崎キャンパス跡地につきましては、地域とともに作り上げた「グランドデザイン」に基づき、都市基盤の整備を着実に進めるとともに、先進最先端技術による快適で質の高いライフスタイルと都市空間を創出する「Fukuoka Smart East」の実現に向けて、九州大学や地域などの関係者と連携をして、未来に誇れる街づくりに取り組んでまいります。以上です。