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2024年6月議会

堀内徹夫市議の一般質問 発言と答弁 全文

音声をもとに党市議団が文字起こししたものです

  1. 熱中症対策
  2. 博多港の軍事利用
  3. 市長の政治資金パーティー

堀内市議私は日本共産党市議団を代表して、熱中症対策について博多港の軍事利用について髙島市長の政治資金パーティーについて質問をいたします。


熱中症対策

堀内市議質問の第1は、熱中症対策についてです。今年の夏は全国的に気温が高くなる見込みで、充分な熱中症対策を行ってほしいと気象庁は呼びかけています。今日は具体的に3点提案して参ります。まず1点目は、電気代への市独自の助成についてです。環境局も熱中症予防のために、室内でのエアコンの使用を推奨しておられると思いますが、ご所見をお伺いいたします。以上で1問目終わり、2問目以降は自席にて行います。

環境局長福岡市では、熱中症の危険度を判断する指標、いわゆる「暑さ指数」が高いときはエアコンなどを使用するなど、適切な予防行動を行っていただくよう、LINEや防災メール、市政だより等で呼びかけております。以上でございます。

堀内市議エアコンの使用を予防の一番に環境局も掲げています。しかし今年の電気代の高騰の予想は尋常じゃありません。お尋ねいたしますが、九州電力は、6月に使った電気代から、平均的な家庭でいくら上がるとしていますか。答弁を求めます。

経済観光文化局長九州電力が令和6年5月に公表した資料によりますと、6月使用分の家庭向け電気料金は、5月使用分と比べて450円上昇するとされております。以上でございます。

堀内市議政府が物価高騰対策として続けてきた電気料金への補助が5月で終わったことにより、去年の同じ月と比べた値上げ幅40%を超えると報道されています。また、夏は電気代が増える時期であり、九州電力によれば、2022年の7月から9月の時期が年平均の14%増の電気使用量となっています。そうなると、冷房を我慢するのが増えるんじゃないかと思いますが、ご所見をお伺いいたします。

環境局長電気代が高くなることで、冷房の使用を控える人が出てくる可能性はございますが、熱中症による健康被害を防止するためにも、エアコン等を適切に使用していただくよう呼びかけております。以上でございます。

堀内市議増えるということですね。電気代を考えて使用せず、熱中症になる市民が、特に低所得世帯を中心に急増する可能性があると思いますが、答弁を求めます。

環境局長市民の皆様には、命を守るために、エアコン等を適切に使用していただきたいと考えております。以上でございます。

堀内市議自宅で我慢して熱中症が急増する可能性が高いんです。南区で生活保護を利用している母子家庭では、エアコンは帰宅後1時間だけという家庭内ルールを作り、あとは扇風機の風でしのぎ、子どもたちは保冷剤を頭に張っているといいます。低所得世帯など支援が必要な方々がエアコンを安心して使用できるよう、電気代への支援が必要だと思いますが、答弁を求めます。

環境局長電気料金につきましては、国の「電力・ガス価格激変緩和対策事業」の補助金が5月で終了いたしましたが、国民の負担を緩和するため、6月以降「定額減税」や低所得者に対する「物価高騰緊急支援給付金」の支給などが実施されるものと承知いたしております。以上でございます。

堀内市議もう給付金は使い切り、そして所得税の控除は低所得に関係ありません。今、沖縄県では国の電気代補助制度が始まったときから独自の上乗せをしていたので使用料が一般的な家庭でひと月あたりおよそ1300円安いとのことです。そして現在、6月議会の議案として、低所得者や生活困窮者への電気代の支援策を検討しているそうです。本市も低所得世帯などの電気代への経済的支援制度をつくるべきだと思いますが、答弁を求めます。

福祉局長低所得世帯への支援につきましては、令和5年度から住民税非課税世帯等を対象に「物価高騰緊急支援給付金」を支給してきたところであり、6年度においても新たに非課税となった世帯に対し支給を行うこととしております。今後とも国の動向を注視しながら必要な支援を行ってまいります。以上でございます。

堀内市議支援制度を強く求めておきます。支援が求められるのは家庭だけではありません。高齢者が入所する福祉施設の電気代も大変です。入所者の外出が少ない施設では、熱中症対策のために、終日のエアコン稼働となるため、電気料金の値上げは経営に大きな影響を与えています。119人の入居者がいる市内のある高齢者施設は、電気代の試算をしています。昨年と同じ使用量として、今年の7月の電気代を計算したところ、月27万8千円、年間では340万円の負担増になると予想となったそうです。そこで、高齢者施設にも電気代への補助を行うべきだと思いますが、ご所見をお伺いいたします。

福祉局長高齢者福祉施設に対しましては、国の交付金を活用し、電気料金などを対象とした「物価高騰対策支援金」を本年4月分まで支給しております。今後とも国の動向を注視してまいります。また、施設には環境局が実施するエネルギー診断の専門家派遣や省エネ設備の設置経費の助成など、各種事業の案内を行っております。以上でございます。

堀内市議もう終わっている制度のことを言われても仕方ありません。電気代高騰の影響を過小評価しています。支援を強く求めておきます。次に、2点目の低所得者層へのエアコン設置助成についてです。熱中症予防のために、エアコンの電気代がかかりすぎる問題とあわせて深刻なのが、エアコンのない世帯がまだ多く残されているということです。内閣府の2023年度消費動向調査によれば、年収300万円以下の世帯では17%でエアコンがありません。エアコンの購入設置は約9万円かかり、低所得世帯にとっては、入手は困難です。そこで、本市の保護利用世帯でエアコン未設置は5月末時点で何世帯あるのか、答弁を求めます。

福祉局長生活保護受給世帯約3万4千世帯のうち冷房器具未設置の世帯数は、令和6年5月末現在418世帯でございます。以上でございます。

堀内市議大きな市民の運動もあり、2018年4月以降に生活保護を利用し始めた世帯には、国の通知により家具什器費の名目でエアコン設置費用が支給されています。しかし、それ以前から生活保護を利用していた人たちだから、そういう手立てが講じられていないんです。お尋ねいたしますが、熱中症対策が求められる中、先ほどのエアコン未設置の418世帯では、エアコンがなくても安全に暮らしていけると思ってらっしゃいますか。答弁を求めます。

福祉局長エアコン等の適切な使用は、熱中症を予防するためには重要であると認識しております。生活保護を受給されている方の冷房器具の購入につきましては、家庭訪問などの機会に、毎月の保護費のやりくりによって計画的に購入するよう助言しております。以上でございます。

堀内市議「やりくり」して買えと局長は答弁されましたが、最低生活費しか渡していない生活保護世帯で、どうやって「やりくり」などできますか。生活保護法第8条の2項では、生活保護は「最低限度の生活の需要を満たすものに十分なものであって、且つ、これを超えてはならない」と定めているじゃありませんか。保護利用の方に聞いても「貯金するお金なんてない」と言われいてますよ、エアコン購入のためにやりくりするなんてことはできないと思いますが答弁を求めます。

福祉局長生活保護を受給されている方には、日常生活に必要な冷房器具などの生活用品の購入費用を含め、生活費を支給していることから、計画的に生活費をやりくりしていただくよう、適宜助言を行っているところでございます。なお、緊急に購入する必要があって、購入費用がない場合は、福岡県社会福祉協議会が実施する。生活福祉資金貸付制度を紹介し、その申請手続きのサポートなどを行っております。以上でございます。

堀内市議貸付があると言われますけどね、それは行政が借金を背負わせるということでしょう。通常、借金はしてはいけないと利用者に指導してるじゃないですか。大矛盾してますよ。さらに今言われましたけど、エアコン購入設置費用があなた方の言う「やりくり」の中に、いくら含まれていると考えているんですか。またそれは何年たてばエアコンを購入できると考えるのが答弁を求めます。

福祉局長生活保護制度におきましては、日常生活に必要な費用として支給している生活扶助費に冷房器具などの生活用品の購入費用が含まれており、それぞれの世帯の状況に応じて必要な支出が行われているものと認識しております。以上でございます。

堀内市議ろくに計算もしてないのに「やりくり」せよとはあまりにも無責任すぎます。練馬区では、住民税非課税、児童扶養手当受給、生活保護利用のいずれかの世帯で、自宅に1台も動くエアコンがないところには、10万5千円の助成をする制度を作っていますよ。見倣うべきです。従って、本市でもエアコン未設置の低所得世帯への助成制度を独自に作るべきだと思いますが、ご所見を伺います。

福祉局長冷房器具の購入費を含め、生活保護制度は国において一定の基準を定め、実施されているものでございますので、今後も国の動向を注視してまいります。冷房器具の購入につきましては、保護費のやりくりによって計画的に購入いただくよう、適宜助言を行うとともに、やりくりが難しい場合には、貸付制度の紹介や申請のサポートを行っているところでございます。今後とも生活保護を受給されている方の支援にしっかりと取り組んでまいります。以上でございます。

堀内市議冷たい答弁です。低所得者世帯への支援を求めておきます。次に3点目、私が昨年提案したクーリングシェルターについてです。これは改正気候変動適応法に基づいて、熱中症のリスクを減らすために、危険な暑さから避難できる場所として、市が指定する施設です。本市の今年度の計画では、どんなところに、そして何ヶ所設置する予定ですか答弁を求めます。

環境局長クーリングシェルターにつきましては、気候変動適応法に基づき県内全ての予測地点が「暑さ指数」35以上のときに、熱中症特別警戒アラートが発表され市民へ開放する義務が生じる施設のことですが、現時点で公民館や市民体育館等の公共施設の他、商業施設や薬局などの民間施設も合わせて計273施設を指定いたしております。なお、福岡市におきましては、熱中症特別警戒アラート発表時以外においても、公民館等の公共施設や商業施設等の民間施設を「涼み処」としてご活用いただける「クールシェアふくおか」の取り組みを平成24年度からコロナ時期を除き、コロナの時期を除き継続的に実施しており、令和6年度はクーリングシェルター指定施設を含め、現時点で計424施設にご協力いただくことといたしております。以上でございます。

堀内市議クーリングシェルターの設置について、環境省は「運営に関する事例」や「手引き」を出しています。その中で設置されている物品として、休憩のためのイス、水分補給のための水、体調不良者のための清涼飲料水、タオル、保冷剤などの例示があります。これらの物品はクーリングシェルターに設置されているのですか。答弁を求めます。

環境局長イスやウォーターサーバーなどの設備につきましては、クーリングシェルターとして必ず備えるべき要件には含まれておりませんが、施設によっては設置しているところもございます。以上でございます。

堀内市議その物品の設置費用は誰が負担するのですか。答弁を求めます。

環境局長施設に元々設置している設備を活用していただくことを基本としておりますが、新たにイスなどを設置する場合は施設にて準備していただくこととなります。以上でございます。

堀内市議お聞きいただいたように、本市に負担の義務はないと言われ、協力事業者の負担を前提とされています。市民の命を守るための施設です。予算もつけ、助成を実施すべきではないですか、答弁求めます。

環境局長飲料水や冷却材などを一部の消耗品等につきましては、希望する施設に対して福岡市からお渡しすることといたしております。以上でございます。

堀内市議実施を強く求めておきます。現時点で、シェルターには薬局などが想定されているようですが、やはり暑くなって倒れそうになって駆け込むのでは遅いのです。暑くなる前に寝転べて、そしてそういう広い空間がある避難施設として求められます。したがって、今公民館などは言われていますけど、図書館などもそれに含めて一定の空間ある公共施設にクーリングシェルターを広げるべきだと思いますが、答弁を求めます。

環境局長クーリングシェルターにつきましては、公民館や市民体育館などの公共施設の他、商業施設や薬局などの民間施設もあわせまして、現時点で計273施設を指定いたしております。なお現在も協力施設を募集しており、引き続き市民が利用しやすい施設の指定に努めてまいりたいと考えております。以上でございます。

堀内市議私、具体的に図書館などの例も挙げていますので、充実を求めておきます。ここまで熱中症対策についてただしてまいりました。電気代を気にしてエアコンの利用を我慢する人が出るとわかっていても電気代支援はしない。低所得者へのエアコン設置費用の助成はやらない。クーリングシェルターもやっているようで中身はまだ伴っていない。熱中症による救急搬送人員は毎年数万人を超え、死者数は年間千人を超える水準であり、国民の命に直結する深刻な問題です。従って、本市として、熱中症対策を市民への啓発で終わりとせず、具体的に電気代の支援、エアコン設置の助成、そして広いスペースをとったクーリングシェルターの設置と物品の充実など、急いで実施すべきだと思いますが、この問題の最後に、市長のご所見をお伺いいたします。

市長2023年の世界の平均気温は観測史上最高を記録するなど、加速する地球温暖化の影響によって、熱中症患者の増加が懸念されていると認識をしております。福岡市では市民の熱中症による健康被害を防止することを目的として、「暑さ指数」の情報発信や、予防行動の啓発などの熱中症対策に取り組むとともに、独自にクーリングシェルターへの飲料水などの消耗品等の提供を予定しているところでございます。引き続き、熱中症予防のための効果的な啓発を行うとともに、クーリングシェルターの更なる指定に加え、特別警戒アラートの発表の有無に関わらず、涼しい施設で一休みできる「クールシェアふくおか」を推進し、官民連携して、熱中症対策に取り組んでまいります。以上です。

堀内市議熱中症対策の抜本的な強化を求めておきます。


博多港の軍事利用

堀内市議次に博多港の軍事利用についてただしてまいります。岸田政権は、自衛隊等の訓練や有事の際の展開などのために、全国の特定港湾などを整備し、機能を強化する仕組みを設けるとしました。政府は博多港を指定してよいかということを、本年3月26日に市長への文書で依頼し、市長は同日、国に質問を送付。翌27日には国交省、内閣官房等が市役所に来て、質問への回答を説明し、翌28日、市長は確認したという文書を回答。それを受け、政府は4月1日に博多港を「特定利用港湾」に指定しました。この間、市民や議会への説明はまともに行われておりません。今日は、そのごまかしについて4点ただしていきます。第1の問題は「軍事利用ではなく災害対応」だというごまかしについてです。市長は4月8日の記者会見で、特に期待されるのは災害時等の物資の支援などとして本事業の目的が、災害対応であるかのように装ってきました。お尋ねいたしますが、そもそも特定利用港湾というのは、3月26日の国からの正式な依頼文書名は何だったのか、答弁を求めます。

港湾空港局長国からの正式な依頼文書名につきましては「総合的な防衛体制の強化のための公共インフラ整備」でございます。以上でございます。

堀内市議「防衛体制の強化」だと言われました。つまり、本事業の目的は、正式依頼文書にある通り、防衛であり、これは市長の言うところの災害対策とは違うのではありませんか。答弁を求めます。

港湾空港局長今回、国との間で確認した円滑な利用に関する枠組みにつきましては、自衛隊や海上保安庁の優先利用のためのものではなく、福岡市が港湾管理者として、港湾法その他の関係法令に基づいた自衛隊の施設の利用調整について、関係者間で連携していくというものでございます。以上でございます。

堀内市議では防衛目的ではないかと確認したんですか。答弁を求めます。

港湾空港局長円滑な利用に関する枠組みにつきましては、国からの依頼文書に、武力攻撃事態および武力攻撃予測事態を除くと明記されていたことから、また、国が既に公表していたQ&Aの記載内容も踏まえ、新たに港湾管理者に義務を課したり、権利を制限するものではないことを国に確認しております。よって博多港の実情や利用実態が変わるものではございません。以上です。

堀内市議防衛目的ではないかと確認していないということが今のでわかりました。さらに防衛省は「平素における訓練のほか」として「弾道ミサイル対処」を例示しています。こうなれば、完全に防衛が目的です。あなた方はあたかもこの事業が災害対応が目的であるかのように装っていますが、実際には災害ではなく、防衛、つまり軍事を目的とした訓練が行われるのではないかと思いますが、答弁を求めます。

港湾空港局長訓練につきましては、国が公表しているQ&Aによりますと、国民保護のための輸送艦等による訓練や、災害対応訓練等が想定されております。以上でございます。

堀内市議防衛つまり軍事が事業の目的であることは否定できませんでした。
では次に「有事は別の枠組み」というごまかしについてです。そもそもこの事業は、安保3文書の一つである「国家安全保障戦略」に基づくものであり、同戦略で「総合的な防衛体制の強化の一環として、自衛隊による平素の訓練、有事の際の展開などを目的とした空港港湾の公共インフラの整備」と述べています。「平素の訓練」をもとに、「有事の際の展開」を行うと書いてあるわけですね。つまり、有事を念頭に置いた平時の訓練に博多港が使われるのではないかと思いますが、答弁を求めます。

港湾空港局長あくまでも商船の荷役等に支障がない場合を前提とした上で、今回、国との間で確認した円滑な利用に関する枠組みを踏まえ、平素における自衛隊等の広報や訓練などの場合や大規模災害時等における国民の生命財産を守る上で緊急性が高い場合、船舶の不測の事故等で緊急性が高い場合に港湾管理者として施設を利用させることになると想定しております。以上でございます。

堀内市議またごまかされました。平素からの訓練は有事に繋がっているんですよ。
では別の角度からお聞きしますが、平時の訓練が有事の際の攻撃目標になるという問題です。3月26日の参院予算委員会の公聴会で、元陸上総隊司令官は「自衛隊の艦艇に住民を乗せて国民保護をやると、国際法規上攻撃の対象になる」と口述するなど、標的となる危険性を否定できませんでした。内閣府のQ&Aでも、指定された港湾で国民保護の避難や訓練をすると書いてあります。このことは、博多港での訓練が攻撃目標となるリスクが高まることだと思いますが、答弁を求めます。

港湾空港局長今回、国との間で確認しました円滑な利用に関する枠組みにつきましては、新たに自衛隊の基地や駐屯地を作るものではないため、博多港の実情や利用実態が変わるものではなく、特定利用港湾となっても攻撃対象として結びつくものではないと考えております。以上でございます。

堀内市議いろいろ言われますが、平時からの訓練を行うことで攻撃のリスクが高まります。結局、有事のために平時から訓練を行っていることが明らかになりました。従って、市長は「有事は別の枠組み」というけど、実際には有事と平時は深く繋がっていると思いますが、ご所見を伺います。

港湾空港局長今回、国との間で確認した円滑な利用に関する枠組みにつきましては、新たに自衛隊の駐屯地や基地を作るものではございません。博多港は商港であり、自衛隊等の利用についてはこれまで通り、既存の関係法令等に基づき対応してまいります。なお、国の安全保障に関する問題は国の責任において適切に対応されるものと考えております。以上でございます。

堀内市議平時の訓練地にすることは許されません。では3番目「これまでとは何も変わらない」というごまかしについてです。市長は「これまでと運用は全く変わらない」と記者会見で述べています。大体、国が指定する代わりに、港湾整備費用まで出してやると言っているのに、何も変わらないはずがありえません。実際、平時の訓練以外にも「緊急性が高い場合」に、自衛隊が港湾を利用するとされています。お尋ねいたしますが、防衛省の言う「緊急性が高い場合」とは、どういう場合のことだと認識されていますか。答弁を求めます。

港湾空港局長博多港における港湾施設の円滑な利用に関する枠組みを確認するに当たりまして、本市から国へ行った質問に対する内閣官房、国土交通省、防衛省の連名での回答によりますと、大規模災害時等における国民の生命財産を守る上で緊急性が高い場合や、船舶の不測の事故等の安全を確認する上で緊急性が高い場合を想定されております。以上でございます。

堀内市議災害と不測の事故だと言われるんですよね。しかし、3つの港が特定利用港湾に指定された高知県は「緊急性が高い場合」とは、武力攻撃事態のような有事ではなくても、「国際情勢が緊迫した場合」も含まれるとの判断を県民に示しています。また防衛省も「北朝鮮による弾道ミサイル技術を使用した発射に対する対応」を「緊急性が高い場合」に挙げています。お尋ねいたしますが、「国際情勢が緊迫した場合」や「北朝鮮のミサイル対応」は有事ではないが「緊急性が高い場合」に含まれると思いますけど、ご所見をお伺いいたします。

港湾空港局長ご指摘のミサイル対応につきまして個別に確認はしておりませんが、今回の枠組みにおきまして、国際情勢が緊迫し、国民の生命財産を守る上で緊急性が高いかどうかの判断につきましては、国が個々の状況に応じて判断されるものと考えております。以上でございます。

堀内市議否定されるのでね、ちょっとお尋ねしますけど。災害と不測の事故以外、「緊急性が高い場合」に、今、ミサイル対応は聞いてないと言われましたけど、国際情勢の緊迫した場合とか、こういうものは含まれるのかどうか防衛省に直接本市は確認したんですか。答弁を求めます。

港湾空港局長国に対して、内閣府および国土交通省および防衛省に対して個別に確認はいたしておりません。以上でございます。

堀内市議では、「緊急性が高い」と国が判断した場合、本市は「ちょっと待ってください、緊急性は高くないから博多港は使えません」と言えるんですか。答弁を求めます。

港湾空港局長緊急性が高いと国が判断した場合におきましても、商船の荷役等に支障がないことを確認した上で、港湾管理者として施設の利用について判断してまいります。以上でございます。

堀内市議言えると強弁されました。ここで資料①を映してください。防衛省は国会答弁で「緊急性の判断は関係省庁と管理者が連携して行う」と述べています。資料①は、市長が政府に出した質問、これが四角囲みで書かれています。それへの国の回答、それがその四角の下に書かれています。私はこれを見て驚きました。質問項目の3つ目に、私の方で赤いアンダーラインを引かせてもらいましたが、わざわざ市の方から「安保防衛は国の専掌事項」と規定するじゃありませんか。それは協議の場で、国が安全保障に関わって「緊急性」を持ち出した場合は、本市は何も権限もないですよと文章化しているということです。消してください。つまり、市長は何も変わらないと言うけど、自衛隊から「緊急性が高い」と言われれば、事実上、有事でなくても、博多港の優先使用を認めてしまうものになりかねない約束をしているのと同じだと思いますが、ご所見をお伺いします。

市長が政府に出した質問

港湾空港局長繰り返しになりますけれども、緊急性が高いと国が判断した場合におきましても、商船の荷役等に支障がないことを確認した上で、港湾管理者として施設の利用について判断してまいります。以上でございます。

堀内市議今のやり取りで、有事になる前でも、平時から博多港を自衛隊に提供せざるを得ない約束をもう本市がしてしまっているということがわかりました。では4番目のごまかしである米軍使用問題についてお聞きします。岸田政権のもとで「シームレスな統合」として、米軍と自衛隊の指揮系統や情報共有などが一体強化されてきています。4月2日付西日本新聞は、「米軍の利用を懸念する声に対し、Q&Aは『米軍が本枠組みに参加することはない』と明記」「しかし米軍は日米地位協定第5条に基づき、民間の空港や港湾を利用できる」「政府関係者は『日米地位協定を持ち出されれば拒否できない』と明かす」「日米地位協定による利用の可能性について福岡市の担当者は『そういう話は初めて聞いた』と驚く」と報道しています。お尋ねいたしますけどこの報道は間違いありませんか。

港湾空港局長今回の枠組みに米軍が参加していないということにつきましては国のQ&Aでも確認をしていたところでございます。当該取材におきまして記者から、日米地位協定と今回の枠組みを混同する質問を受けたことに対して、そのような内容は承知していないと。担当者が答えたと報告を受けております。以上でございます。

堀内市議特定利用港湾で米軍使用はないと言われます。資料②を映してください。3月27日の市長などが国の担当者から特定利用港湾について説明を受けたときの記録です。主な質疑、応答を赤線で囲んでいますが、この中に、一切市長は米軍の博多港の使用について何一つ聞いていません。資料を消してください。それは、米軍の博多港の使用可能性について市は何も検討、確認しなかったということだと思いますが、答弁を求めます。

市長が政府に出した質問

港湾空港局長あらかじめ国のホームページにおいて示されていたQ&Aにおきまして、今回の枠組みに米軍が参加していないことは確認していたところでございます。以上でございます。

堀内市議先ほどの西日本新聞も、政府が「そのような質問は市からなかった」というふうに言っていると報道されているんですよ。さらにこの記事にあるように、米軍の博多港の使用は、日米地位協定第5条に基づき、利用できると書いてあります。そうなんですよ。従って福岡市は米軍が使用を強く求めれば拒否できないと思いますけど、答弁を求めます。

港湾空港局長日米地位協定に基づく米艦の博多港への入港につきましては、国の所掌事務であり、米艦が日本の港に出入りする場合は、日本国の当局に通告すれば入港できることとなっております。博多港では、これまでも、商船の荷役等に支障がない場合に米軍の港湾施設利用を許可した実績がございます。以上でございます。

堀内市議だから日米地位協定に基づき拒否できないんでしょう。資料の③を映してください。これは国会で示された防衛省の2022年の資料です。この資料は特定利用港湾という制度を作る前に、防衛省の中で検討メモとして出されているものです。上から2行目、「空港・港湾などの優先利用の確保」として、3行目の終わりから赤い線を引いています。「港湾等の施設を自衛隊および米軍が優先的に利用できるよう、平素から調整を行っていくことが必要」と明記されています。防衛省は国民に対して、ごまかし続けている。そして、あなた方はそれをわかっていてし市民と議会をごまかし続けているのです。消してください。ここまで市長の言う4つのごまかしについて見てきました。「災害対応だ」というが、防衛そのものであること。「有事は別の枠組み」だと言いますけど、平素の訓練と地続きであること。「これまでと何も変わらない」といいますけど、軍事に率先してなし崩し的に優先利用を認めていること。さらに米軍の使用については抵抗さえしていないことが明らかになりました。こんなもん受け入れていったら、この町は戦争に巻き込まれることになります。絶対に許されません。そこで、この問題の最後に市長に聞きます。本市の市民の命と財産、平和の街福岡市を守るために、特定利用港湾については指定を撤回するよう政府に求めるべきだと思いますが、明確な答弁を求めます。

市長が政府に出した質問

市長博多港は福岡のみならず、九州全体の市民生活や経済活動を支える重要な役割を果たしております。特定利用港湾となっても、博多港が広く民間に利用されている商港であることは変わるものでなく、福岡市といたしましては、港湾管理者としてこれまで通り市民生活の安全を確保するという立場で、既存の関係法令等に基づき、自衛隊や海上保安庁の利用について適切に対応してまいります。以上です。

堀内市議最後までごまかし続けられました。国と一緒になって「戦争する国づくり」を進めることは許されません。


市長の政治資金パーティー

堀内市議次に、髙島市長の政治資金パーティーについて質してまいります。今、日本中で「政治とカネ」の問題が自民党裏金事件を契機に、大沸騰しています。パーティーで裏金を作ってきた。そこで作った金を、報告書にも記載もしていなかった問題です。そういう中、本日は市長の金集めのあり方についてただしてまいります。あなたの2022年の政治資金パーティーは何回開催し、年間のパーティー収入と事業費はいくらですか、答弁を求めます。

総務企画局長県のホームページに公表されている事実につきましては、私の方から答弁させていただきます。令和4年の市政報告会につきましては、2回開催し、収入の合計は7286万円、開催事業費は1100万円余となっております。以上でございます。

堀内市議2回で収入7286万円、事業費は約1100万円。収入に対する支出はわずかに約15%であり、約85%の利益率ここの利益率は高すぎると思いますが、ご所見をお伺いいたします。

市長市政報告会につきましては、政治資金規正法第8条の2に規定されている政治資金パーティーとして私を応援・支援していただいている方々に対して、市政報告などを行うため、政治活動の一環として開催されたものでございます。市政報告会の会費につきましては、報告会へ参加する債務の履行、すなわち対価として支払われるものであり、法に基づき適切に対応しております。以上です。

堀内市議駒澤大学の富崎隆教授は、「パーティーは利益率の高さからもわかるように、対価性が極めて低く、事実上の献金だ」と朝日新聞で述べられています。お尋ねいたしますが、あなたのやり方も大きな問題だと思いますが、答弁を求めます。

市長市政報告会につきましては、政治資金規正法に基づく政治資金パーティーであり、法に基づき適切に対応しております。以上です。

堀内市議「法に基づき適切」。答弁も国会での自民党と瓜二つじゃありませんか。では、パーティー券の透明性について聞きます。政治資金規正法では、政治資金パーティーは20万円以上の購入者のみの報告が義務付けられており、透明性が低くなっています。市長の政治資金団体「アジアリーダー都市研究会」の2022年のパーティー券の購入者は、福岡市医師連盟の60万円以外は不明となっています。収入7286万円に対し、公開率は0.8%です。政治資金規正法の目的は、政治活動が国民の不断の監視と批判のもとに行われるようにすることです。それに照らせば、公開率0.8%というのは、これもまた大きな問題だと思いますが、ご所見をお伺いいたします。

市長市政報告会につきましては、政治資金規正法に基づき適正な手続きを行い、必要な届け出および公表は全て行われております。以上です。

堀内市議政治資金規正法上問題ないというのは、もう、今日もはや通用しないんですよ。前述の富崎隆教授は、パーティーは「献金に比べ、誰が券を購入したかなどを外部から検証しにくく、匿名性の高さは不正の隠れ蓑になりかねない」と述べられています。市民の怒りの矛先は、誰が買ったか公開しない、何に使われているか不明という透明性の問題です。市長は政治家として、ご自分のパーティー券購入者を自ら明らかにするべきだと思いますが、答弁を求めます。

市長市政報告会につきましては、政治資金規正法に基づき適正な手続きを行い、必要な届け出および公表は全て行われております。以上です。

堀内市議拒まれました。なぜ公開しなければならないのか、それはあなたが市長だからですよ。パーティー券購入者の中に、市の公共事業受給企業や、例えば反社会的集団が含まれていたら大問題です。市長は市の公共事業受給企業や問題のある相手から買ってもらっていないと言い切れますか。答弁を求めます。

市長市政報告会につきましては、市内外から幅広い分野の皆様にご来場いただいており、私を応援支援いただいている方々に、市政報告などを行うため、政治活動の一環として開催したものであり、法に基づき適切に対応しております。以上です。

堀内市議言い切れておりません。22年9月議会で市長は、統一教会が市長のパーティー券を購入したか否かを問われ、「一切ない」と答弁しています。お尋ねいたしますが、同様に全容を明らかにするべきではありませんか、答弁を求めます。

市長市政報告会につきましては、政治資金規正法に基づき適正な手続きを行い、必要な届け出および公表は全て行われております。以上です。

堀内市議これも拒まれる。ではあなたの政治資金のうち、2022年の支出総額とその内訳としての組織活動費はいくらか答弁を求めます。

総務企画局長市長の資金管理団体の収支報告書によりますと、令和4年の支出総額は5850万円余で、そのうち組織活動費は2601万円余となっております。以上でございます。

堀内市議では支出の半分近くを占めるこの組織活動費というのは何に使われたのですか。答弁を求めます。

市長組織活動費については、大会費、行事費、組織対策費、交際費など団体の組織活動に要する経費を計上することとなっており、その内容を記載しております。以上です。

堀内市議これもほとんど何に使われているかわからないってことですよね。「市長もちゃんと説明すべき」などの市民からの懸念の声が出ています。「福岡市長の政治倫理に関する条例」第3条2項は、「市長は、疑惑を持たれたときは、自ら誠実な態度をもって疑惑の解明に当たるとともに、その責任を明らかにしなければならない」と規定されています。これを市長は遵守すべきです。今、自民党政治に対して、政治資金パーティーという抜け道を使い、大規模な裏金作りがシステム化されてきたこと、さらには政治資金パーティーが形を変えた企業献金であることに国民の怒りが沸騰しています。それがわからないのであれば、国会の自民党と同じです。お尋ねいたしますが、持たれている疑念を自ら明らかにすべきではありませんか。またそもそも、主権者国民の怒りが広がっている「政治とカネ」の問題を、あなたはどのように考えているのですか。答弁を求めます。

市長現在国会において審議されている政治資金規正法改正案については、その議論の推移を注視していきたいと考えております。また市政報告会につきましては、政治資金規正法に基づき適正な手続きを行い、必要な届け出および公表は全て行われております。以上です。

堀内市議従前と変わらない答弁。しかも他人事です。国民の厳しい日や視線を理解しておられません。今日は市長の政治資金問題についてただしてまいりました。しかし、市長の従前と変わらない何も変わらないという答弁を壊れたレコードのように答弁を繰り返されました。あなたのやっている金集めには、ますます厳しい市民の目が向けられますよ。「市民の政治不信を招かないよう、品位と名誉を損なう行為は慎」むというのが、市長の政治の責務であり、率先してなされるべきことだと思います。したがって、市長は政治資金パーティーについてこれまでの購入者および組織活動費を公開するとともに、今後政治資金パーティーの開催はやめるべきだと思いますが、最後に市長のご所見をお伺いして私の質問を終わります。

市長市政報告会につきましては、政治資金規正法に基づき適正な手続きを行い、必要な届け出および公表は全て行われております。今後とも、法に則り適切に対応してまいります。以上です。

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2024年6月議会 一覧

熱中症対策を具体的に求め、博多港軍事利用と髙島市長の政治資金パーティーについてただす(2024年6月14日 堀内徹夫市議の一般質問)

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