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議会報告

2023年予算議会

2月議会 反対討論

2023年2月21日 松尾りつ子市議

私は日本共産党市議団を代表して本議会に提案されております議案第1号ないし3号、5号、7号、8号、10号ないし12号、16号、17号、21号、26号に反対し、討論を行います。


まず、議案第1号「令和4年度福岡市一般会計補正予算案(第6号)」のうち、スポーツ振興基金積立金の補正についてです。

この補正は、今年7月開催予定の「世界水泳選手権2023福岡大会」開催に伴う財政負担の平準化を図るためとして、「福岡市ユニバーシアード福岡大会記念スポーツ振興基金」へ35億円の積み立てを行うものです。

世界水泳福岡大会については、新型コロナウイルス感染症のパンデミックが収束の見通しもないもとで、開催を強行すべきではないという声が広範な市民からあがっており、わが党も以前から中止を求めてきました。しかし、髙島市長は耳を貸さず、その結果、2回の延期と物価高騰の影響で、大会経費が約2.5倍に膨れ上がり、市の負担も120億円ないし130億円という当初計画の約3倍に膨れ上がりました。市長は経費の削減を言い出しましたが、それでもたった1億円、全体予算のわずか0.4%の削減に過ぎません。大会経費が増大しているにも関わらず協賛金・寄附金の目標も増やそうとしないなか、市は、市民にさらなる負担が押し付けられる可能性を否定しませんでした。また、市が世界水泳の招致理由にあげている経済波及効果について、福岡市域で540億円という数字を示していますが、わが党がこの算定根拠を求めたところ、市は、検証不可能な黒塗りの資料を提出してきました。このように市民と議会に対して明確な根拠を示すことができないということは、この経済波及効果の数字は、市の意図に合わせて操作したものである疑いが濃厚となったと言わざるをえません。さらには、世界水泳を取り仕切っているのはマーケティング専任代理店業務を受託している株式会社電通であり、東京オリンピックで数々の不正をおこしてきた問題のある企業です。わが党が電通との契約内容について求めたところ、市が出してきた契約書は黒塗りにされていました。契約内容も秘密のままで、国や他都市のような不正防止の指針も作成しないまま押し切ろうとしており、これでは、東京オリンピックと同じようなことが起こりかねません。問題だらけの世界水泳福岡大会はきっぱり中止を決断すべきです。


次に、議案第5号「令和4年度福岡市港湾整備事業特別会計補正予算案(第2号)」についてです。

この補正は、港湾整備特別会計から一般会計へと繰り出すものですが、そもそも、このような特別会計の原則を逸脱したやり方はこれまでにもなく、許されるものではありません。今回の補正は、髙島市長が人工島の土地処分のために莫大な税金を投入してきたことを隠し、市民からの批判をかわすために、「人工島は完売し150億円の黒字が出た」と宣伝する材料として行うものであると言わざるをえません。子ども施策をダシにしてルール破りをすることは許されず、本議案は撤回し、あわせて、一般会計で子ども施策を充実すべきだということを強く求めておきます。


次に、議案第26号「第9次福岡市基本計画の変更について」です。

本議案は、2022年度が目標年次であった第9次福岡市基本計画について、目標年次を2024年まで2年間延長するなどの変更をおこなうものですが、これは、コロナ感染が広がる中、髙島市長が第9次基本計画の柱としてきた呼び込み路線が破綻し、呼び込みをすすめるための巨大開発をする前提が成り立たなくなり、新たな計画を策定できなくなったがために行う延長です。市は、総合計画審議会で出ている、この変更案に対しての様々な異論や批判に耳を傾け、基本計画をそのまま延長することはきっぱりやめるべきです。そして、コロナ対応、気候危機打開、ジェンダー平等など新たな課題を入れた基本計画へ、抜本的な見直しをおこなうことを要求しておきます。


続いて、わが党が賛成するもののうち、いくつかの議案について意見を述べておきます。

まず、議案第1号「令和4年度福岡市一般会計補正予算案(第6号)」のうち、「医療・介護従事者への給付金」についてです。

本補正は、介護施設等で感染者の介護等を行った従事者に対する支援の追加として、1億3390万円が計上されています。感染者1人当たり1日1万円の給付額ですが、これでは十分とは言えません。わが党が調査した施設では、職員への手当てが1日あたり700円ほどにしかならない状況がありました。また、物価高騰の影響で経営がますます厳しくなっている高齢者施設への減収補填については、市は何も手を打とうとはしていません。あまりにも不十分であり、従事者への給付額を増やし、減収補填など施設への支援を抜本的に強めることを求めておきます。

次に、議案第18号「福岡市拠点文化施設整備及び須崎公園再整備事業に係る契約の一部変更について」です。

この議案は、新たに整備する拠点文化施設等に対して、地球温暖化対策の強化と新型コロナウイルス感染症対策を講じるために、契約価額の増額と履行期間の延長を行うためのものです。

今回、整備期間等が延長されることにより拠点文化施設の供用開始が1年遅れることになりますが、多くの文化芸術関係者や市民から期待されていることと、市内の慢性的なホール不足のため、少しでも早く利用できるようにすることを求めておきます。


以上でわが党の反対討論を終わります。


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