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議会報告「発言と答弁」全文
2023年9月議会
倉元達朗市議の議案質疑 発言と答弁 全文
音声をもとに党市議団が文字起こしし、順番をわかりやすく組み替えたものです
倉元市議私は日本共産党市議団を代表して、議案第184号令和5年度一般会計補正予算案のうち、中学校建設費、小学校建設費並びに議案第192号、福岡市子ども医療費助成条例等の一部を改正する条例案について質疑を行います。
不登校特例校
不登校の要因
倉元市議質問の第1は、不登校特例校と不登校対策についてです。本市の不登校児童生徒数は5年間で増え続け、2018年1814人だったのが、2022年の速報値では4400人になり、2.4倍に増加しております。そこでお尋ねしますが、なぜこのように本市で不登校児童生徒が急増しているのか、ご所見をお伺いします。
教育長不登校児童生徒数の増加につきましては、国において、コロナ禍による生活環境の変化により生活リズムが乱れやすい状況であったこと、学校生活において様々な制限がある中で、うまく交友関係が築けないなど登校する意欲がわきにくい状況であったことなどが背景にあるとされておりまして、福岡市も同様であると考えてございます。
倉元市議不登校児童生徒が、本市において急増していることについて、教育長は国と同じコロナの影響を挙げられました。
先ほど教育長も述べられた通り、文科省も昨今の不登校増加の背景として、新型コロナウイルスによる生活環境の変化、この中のもと、学校生活において様々な制限がある中で、登校する意欲がわきにくい状況などが考えられると見解を出しており、私も否定するものではありません。
コロナ感染者数は未だなお高い水準で推移しているものを、5類学校生活が感染対策をやりながら、コロナ前に戻りつつあることから、児童生徒の苦しさが少しでも軽減されることを願うばかりです。しかしながら、コロナ前から不登校児童生徒は多数存在しています。感染が広がり始めた2020年は、小学校では1059人、中学校では1660人が不登校でした。ですから、これまでの本市の教育政策を検証する必要があります。
わが党は、議会でこれまで指摘してきたように、本市では理不尽な校則が存在します。下着検査、ポニーテール・ツーブロックを認めない、眉毛を整えてはならないなど、子どもの個性や多様性を押し潰すような行為が現場で行われ、教育委員会もそれを是認してきました。このような行き過ぎた管理教育が未だなくなっていません。
また、全国一斉学力テストや、本市独自の生活習慣・学習定着度調査は、子どもと学校に管理と競争を押し付け、前年度平均点を1点でも上回ることを追求するものとなっています。これは子どもたちを疲弊させ、精神的ストレスを増大させています。
そこでお尋ねしますが、このような子どもたちの個性を押しつぶし、ストレスを与える本市の教育施策が、不登校児童生徒を多く生み出しているのではないかと思いますが、ご所見をお伺いします。
教育長不登校の要因に関するお尋ねですが近年の増加につきましては、先ほどご答弁申し上げました通り、国において、コロナ禍による生活環境の変化により、生活のリズムが乱れやすい状況であったこと等が背景にあるとされております他、児童生徒の休養の必要性に関する考えが浸透したこと、SNSやゲーム等の普及により家庭にいても容易に外部に繋がることができ、様々な経験が可能となったという社会の変化も影響しているという意見もございます。福岡市においても同様に不登校の要因や背景は個々の状況によって多様であると考えております。
不登校特例校設置
倉元市議2点目は、不登校特例校設置についてです。不登校特例校は文部科学大臣が指定する学校で、正式名称は、不登校児童生徒を対象とする特別の教育課程を編成して教育を実施する学校です。2017年教育機会確保法が成立し、国および地方公共団体は不登校特例校の整備や特例校における教育の充実のために必要な措置を講ずるよう努めることとなっております。今年4月現在、全国で24校が設置されております。そこでお尋ねしますが、法が成立した6年前から、本市でも多くの不登校児童生徒がいたにもかかわらず、設置が今回ようやく決まったのはなぜなのか、これまでの経緯について答弁を求めます。
教育長不登校特例校の設置に至った経緯につきましては、不登校児童生徒数は全国で増加しており、福岡市においても同様に増加いたしております。そのような中、令和4年10月に開催された市長と教育委員会が教育に関して協議調整を行う、総合教育会議の場において、不登校児童生徒の現状をしっかり分析し対応を検討するように市長からの要請もあったところでございます。そのため、教育委員会といたしましてもオンラインルームの開設など、令和5年度には新たな取り組みに着手するとともに、更なる支援策を検討するため、不登校児童生徒等に対するアンケート調査を実施したところであります。その調査において、不登校特例校のニーズを確認できたこと等から、設置に向けて取り組むものとしたものでございます。
倉元市議私は、この質疑に当たって、不登校の子どもを持つ保護者の方々を中心にアンケートを行いました。福岡市が不登校特例校を新設することについての感想、そして福岡市の不登校対策への要望を回答してもらいました。どれも切実な声ばかりですので、紹介しながら質していきたいと思います。
まず、特例校の設置決定までの経緯についてです。
これまでも様々な不登校対策をやってきたが、今回新たな取り組みを行うといった答弁でしたが、アンケートでは対応が遅すぎるという意見が出ています。国が特例校の方針を出して6年たっているわけですから、このような声が上がるのは当然です。
開校が再来年なので、もっと早く作れたら、通える子がいるのにと感じましたという意見もありました。したがって、不登校の児童生徒や保護者が一つでも多くの学びの選択肢を求めている状況があった中で、特例校設置の決定は、もっと早い時期にやるべきだったのではないかと思いますが、ご所見をお伺いいたします。
教育長不登校特例校設置の決定時期に関するお尋ねでございますが、不登校特例校の検討を開始するにあたり、ニーズを確認する必要があったため不登校児童生徒になどにアンケート調査を実施し、その結果を踏まえ速やかに対応いたしております。
倉元市議生徒数について教育委員会は、40人から60人と想定していますが、その根拠についてお尋ねします。さらに、小学生の不登校児童は2022年度1997人いるにもかかわらず、特例校の対象者を中学生に限定したのはなぜなのか、ご所見をお伺いします。あわせて、設置場所について、早良区百道にある。教育センターを選んだ理由について答弁を求めます。
教育長想定人員につきましては他都市の不登校特例校の状況などから40人から60人としております。次に対象中学生とした理由につきましては、中学生は学齢期の出口で義務教育後の進路を決定する時期でもあり、またアンケート調査によると中学生の方が勉強や進路についての不安が大きいことから、まずは中学生に対して学びの場を提供していきたいと考えております。次に、設置場所につきましては、市内各地からアクセスしやすいこと、学校以外の施設の方が不登校生徒が通いやすいこと、また、適応指導教室の「まつ松学級」や、公立夜間中学の福岡きぼう中学との連携が図りやすいことなどを勘案し、教育センターを想定しております。
倉元市議設置場所を教育センターにしたことについて、市内各地からアクセスしやすいことを理由として挙げられました。しかし、実はアンケートでは、この場所についての懸念が一番でています。「教育センターでは不便、アクセスしにくい」「遠い場所に1個あっても魅力を感じない」「教育センター内だと、学校っぽくて、今学校に行けない子にはハードルが高いと思います」「発達障害の子は、親が働いている場合、1人だとバスに乗れない子もいるので、通いたくても遠くて行けない子も多い」という意見が挙げられていました。そこで、これだけの不登校児童生徒を抱えている本市の場合、特例校が、早良区百道の教育センター1ヶ所では、通いたくても物理的に通えない子どもが出てくると思いますが、ご所見をお伺いいたします。
教育長設置数につきましては他都市の不登校特例校の状況などから入学者を40人から60人と想定しているため、1ヶ所と考えてございます。なお、設置場所につきましては、市内各地からアクセスしやすい教育センターを想定しているところであります。
倉元市議生徒数に関しては、他都市の状況から想定しているという答弁ですが、やはり中学生の不登校生徒が2403人いる中で、40人から60人という想定人数は、定員の少なさに愕然としていると。アンケートでも声が上がるのは当然です。
一方で、アンケートでは期待の声も上がっています。「学校へ行けなくなり、フリースクールへ通わすお金もなく、ただ家にいるだけになっているので、とても助かります」「選択肢が増えるので嬉しい」「学校に行けなくなった子どもたちの選択肢が学校以外にないことが、子どもにとっても親にとってもきついと思うので、設置は必要」「うちの子の課題は、コミュニケーションが苦手というところなので、外に出て人に会うという経験を重ねて、自分に自信を持ってほしい」こういった声が上がっています。そこで、特例校の設置を心待ちにしていた生徒、保護者も多いと予想される中、想定人数を大幅に超える就学希望者が出た場合、どのように対処されるのかお尋ねします。
教育長想定人員を大幅に超える希望者が出た場合につきましては、不登校の子どもたちの状況や求める支援は様々であり、不登校の子どもが全て不登校特例校を希望するものではないと考えておりますが、現在想定している60人以上が入学を希望した場合は、不登校特例校への適性も確認した上で工夫して対応してまいりたいと考えております。
倉元市議小学生を対象にしていないことについては、まずは中学生からといったことを言われました。しかし小学校の不登校児童は、5年前から本市の場合、約4倍化しています。深刻な状態です。コロナ禍での家庭内の変化や学校生活の変化に大きく影響を受けているのが小学生だと言われています。他都市の特例校を見てみますと、八王子市立高尾山学園では、小学4年生から中学3年生までを受け入れています。そこで今後、小学生も不登校特例校で学べるように検討すべきと思いますが、ご所見をお伺いします。
教育長小学生に関するお尋ねですが小学生につきましては、通学の負担安全などを考慮すべきことがあるため、アンケート結果を踏まえ、さらにどのような支援が必要か検討してまいります。
倉元市議既に開校している特例校を見てみますと、少人数学級、個別指導など、子どもの状況に寄り添ったカリキュラムが用意されています。これを可能にするのが教員の配置です。先に紹介した高尾山学園は67人の児童生徒に対して、教員15人、中学部専任教諭4人、補助指導員8人、スクールサポートスタッフ2人、心理相談員4人、プレイルーム担当4人など、総勢40人のスタッフを揃えています。そこで、本市での特例校でも、子ども1人1人に合ったサポート指導ができる教員の配置は不可欠だと思いますが、ご所見をお伺いします。
教育長教員の配置につきましては、不登校の子どもたちが希望を持って安心に学ぶことができる学校となるよう、教員を適切に配置してまいりたいと考えております。
倉元市議一般的な学校では、学校教育の目的に沿って、学年ごとに授業や、学習計画が決められている教育課程があります。そのため、児童生徒の理解度や習熟度に関わらず、一定のペースで授業が進められていきます。一方で、不登校特例校では、この教育課程に沿った教育をする必要はないため、不登校の子どもに合った特別の教育課程を実施することができます。
そこで今後、独自の教育課程を策定するにあたって、専門家や児童生徒、保護者の意見を反映させる仕組みを検討されるのか、ご所見を伺います。
教育長教育課程の編成についてのお尋ねですが、教育課程を不登校児童生徒の実態に配慮したものとするためにアンケート調査で把握した児童生徒や保護者の意見を参考にするとともに専門家などの意見を伺いながら検討してまいりたいと考えております。
倉元市議設置の決定時期について、速やかに行ったと答弁されますけれども、多くの児童生徒と保護者が悩み苦しんでいるわけですから、国の方針が出てからこの日まで6年かかったのは、悠長だったと言わなければなりません。先に述べたように、特例校に対する期待は大きいわけです。設置場所についても、いろんな意見にいろんな意見が耳に入ってきています。その根っこは、身近なところに設置してほしい。すなわち、今回の1ヶ所だけでは駄目ですよという思いだと受け止めていただきたい。教育課程も独自に作るというのが特例校の特徴なのですから、いろんな児童生徒に合わせたカリキュラムを作っていただいて、特例校なら行ってみようかなと思う児童生徒を少しでも増やすべきであります。したがって、当事者や専門家の意見を取り入れて、教育課程を作り、不登校児童生徒に寄り添った不登校特例校になるようにすべきだと思いますが、ご所見をお伺いします。また、今回の1校だけでなく、今後2校目、3校目と不登校児童生徒に学校で学ぶ選択肢を増やすべきと思いますが、ご所見を伺います。
教育長不登校特例校の設置数につきましては、繰り返しになりますが他都市の不登校特例校の状況などから、入学者を40人から60人と想定しておりますため、まずは1ヶ所の開設を考えてございます。次に当事者や専門家の意見についてのお尋ねですが、これも繰り返しになりますが、アンケート調査で把握した児童生徒や保護者の意見を参考にするとともに、専門家等の意見を伺いながら、不登校生徒が安心して学ぶことができる学校となるよう取り組んでまいります。
不登校対策、相談体制、フリースクール
倉元市議3点目は、不登校対策についてです。先に述べたように、本市の不登校児童生徒は4400人になっており、特例校での受け入れが多くて60人というのであれば、その割合は1.4%に過ぎません。残りの98.6%の不登校で悩み苦しむ子どもたちに何をすべきかを考えるのは、教育委員会の当然の責務であります。まず、これまでの適応指導教室についてです。本市は、不登校児童生徒の学校復帰および社会的自立のため校外適応指導教室を設置してきました。
えがお館に「はまかぜ学級」、教育センター内に「まつ風学級」、東箱崎・東住吉小に「すまいる学級」の4ヶ所を設置しています。そこで、これまでの校外適応指導教室と、今回新設する特例校はどう違うのか。答弁を求めます。
教育長校外適応指導教室と不登校特例校の違いにつきましては、校外適応指導教室は、在籍校に籍を置いたまま通級する形で支援を受けるものであるのに対しまして、不登校特例校は当該学校が在籍校となります。また、校外適応指導教室は、通級してくる児童生徒が固定されていないため、一律の教育課程に則った授業は行っておらず、集団活動や個別学習などを行っているのに対して、不登校特例校は特別に編成された教育課程に基づく事授業を実施することとなります。
倉元市議教育長の答弁で言えば、特例校に通うことは、居住地の学校から転校すること、すなわち、学校は違えど、学校に復帰することになるということです。学校復帰は大事なことですが、近年そのことにこだわらない動きもあります。
文科省は2019年10月25日、不登校児童への支援のあり方についてという通知を出し、不登校児童生徒への支援は、学校に登校するという結果のみを目標にするのではなく、児童生徒が自らの進路を主体的に捉えて、社会的に自立することを目指す必要があることと、これまでの学校復帰を前提にした不登校対策の方針を改めました。
今回の特例校は、学校で学ぶことを望んでいる生徒の受け皿になりますが、多くの不登校生徒は学校に復帰しなくても、良い学び方を望んでいることも考えられます。そこで、学校復帰を前提にしない。不登校対策の必要性について、ご所見をお伺いします。
教育長学校復帰を前提としない支援につきましては、文部科学省の通知でも、不登校児童生徒の支援は学校に登校するという結果のみを目標にするのではなく、児童生徒が自らの進路を主体的に捉えて社会的に自立することを目指す必要があるとされておりまして、福岡市でも同様に考えております。
倉元市議本市の教育振興基本計画には、不登校児童生徒の復帰率、すなわち指導の結果登校するまたはできるようになった児童生徒の割合を、49.2%から65%に引き上げる評価指標が定められていますが、文科省も新たな見解を示している中、この評価指標を追求することは、不登校問題になじまないのでやめるべきと思いますが、ご所見をお伺いします。
教育長不登校対策に関する評価指標につきましては、現在次期教育振興基本計画の策定に着手しており、その中で検討してまいります。
倉元市議特例校に通えない、不登校児童生徒の対策の充実も極めて重要です。学校復帰を前提にしない対象の必要性についてお認めになりながら、不登校児童生徒の学校復帰率はそのまま評価指標として残すというのは、ことの本質がわかっていないと言わざるを得ません。ぜひ次の計画で見直していただきたいと思います。これは、ただでさえ苦しい思いをしている児童生徒や保護者にプレッシャーを与えることになっている。数字を追求すれば、必ず間違った対応が生じ、児童生徒をさらに傷つけることにもなりかねません。やめるべきです。改めて要求しておきたいと思います。
教育長不登校特例校に通えない児童生徒の対策の充実につきましては、アンケート調査で得られたデータを分析し、今後検討してまいります。
倉元市議次に相談体制についてです。子どもと親が安心して相談できる窓口は不可欠な対策です。本市はこの間、スクールカウンセラーとスクールソーシャルワーカーを全ての学校に配置。全ての中学校に校内適応指導教室を設置し、教育相談コーディネーターを配置するなどを行っています。
児童生徒のわずかな変化をないがしろにしたり、抱える悩みを見過ごすことなく、できるだけ早期に捉え、悩みが深刻化しないようにアドバイスや声かけを行うことは重要です。しかしながら、スクールカウンセラーは週2日の配置ですし、スクールソーシャルワーカーについても、週4日勤務で拠点校巡回型をとっており、いつも学校に配置されているわけではありません。
そこで、現在の体制で、子どもたちや親の相談窓口としての機能が果たせているのか。お尋ねします。
教育長スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーにつきましては市独自に国が示す重点配置校の配置時間と同等以上の時間を配置いたしております。また、不登校等の相談への対応を専任で行う教育相談コーディネーターを市独自に全中学校に配置しており、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーとの3者で学校における相談支援の体制を構築しているところでございます。
倉元市議本市の相談体制について、十分足りているという答弁でしたが、私は不十分だと思います。今や、小学生の場合、42人に1人が不登校。2クラスあれば、必ず1人はいるという状態です。中学校の場合は、21年に1人が不登校。3クラスあれば2人はいるという状態です。例えば、21学級ある中学校は36校で、全体の半数以上を占めますが、3クラスに2人の不登校生徒がいることを勘案すると、1校当たり、14人以上の不登校生徒がいることになります。
この状態で各校にスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーを配置したからといって、対応できているというのは言いがたいと思います。先に述べたようにり、こういったSSW、それからスクールカウンセラーは一日中常駐しているわけではありませんので、なおさらです。
そこで、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの体制をさらに充実させるべきと思いますが答弁を求めます。また、専門職であるスクールソーシャルワーカーは週4日勤務で、身分も会計年度任用職員であり、低待遇のため、仕事を続けたくても続けられない人が少なくありません。
一生の仕事にできない。家庭を支える給料ではないという声が未だ上がっています。全てのスクールソーシャルワーカーを正規雇用にして待遇を改善し、しっかりと不登校対策に取り組んでもらうことが必要だと思いますが、ご所見を伺います。
教育長スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーにつきましては、これまでも市独自に充実を図ってきたところであり、スクールソーシャルワーカーの7人は正規職員として採用いたしております。更なる充実については、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーを正規職員として定めるよう国に要望しているところでございます。
倉元市議相談体制の充実もマンパワーが基本ですから、スクールソーシャルワーカーなどの正規化を初めとする待遇改善を求めます。7人が正規だからといって胸を張れるものではありません。全てを正規にすべきです。
倉元市議次にフリースクールについてです。フリースクールは、2017年施行の教育機会確保法が示す校外の学び場に位置付けられています。
国は2019年の通知で、学校に登校するという結果のみを目標にせず、児童生徒が社会的に自立することを目指す必要があると、不登校への支援のあり方を示し、学校とフリースクールの連携を求めています。そこで、多くの不登校児童生徒の受け皿となっているフリースクールについて、本市はどのような評価をしているのか、ご所見をお伺いします。
教育長フリースクールにつきましては設置主体や活動内容が様々であり、福岡市では、フリースクールに通う児童生徒の自立に有効適切であると。判断した場合には指導要録において出席扱いとしております。
倉元市議学校長が適切な相談指導を受けていると判断した児童生徒については、出席扱いするなどの対応を行っていると。一定の役割を果たしていることをお認めになられました。
私が行ったアンケートでも、フリースクールを公式な教育施設にした方が、学校に行ける子が増えると思う。フリースクールへの期待が述べられています。共働きの家庭では、不登校の子どもは家に1人で取り残されることになります。
また、家に閉じこもるのではなく、外部での刺激を求める保護者も少なくありません。そんな心配を解消し、要求を満たしてくれるのが、フリースクールです。市内のあるフリースクールを調べてみました。授業もあり、発達障害のお子さんにも対応しているようです。
マンツーマンで対応されているとのことで、手厚い対応だと評判です。授業料は年間38万5000円。これに施設費、教材費など10万円が上乗せされます。とても安いとはいえない金額であり、通っている保護者は、私立に行かせているのと同じぐらいと語っておられます。
また一方で、このくらいの金額で学校が運営し続けることができるのかと。心配の声も上がっているそうです。保護者も運営者も大変な負担がかかっていることがうかがえます。そこで、本市はこの不登校児童生徒の学びや生活をサポートしているフリースクールに対して、何らかの財政支援を行っているのかお尋ねします。
教育長フリースクールに対する財政支援につきましては、現在福岡県が実施しており、福岡市においては実施いたしておりません。
倉元市議フリースクールへの助成は、本市はやっておりません。しかし役割については一定認めているわけですから、何もしないというのは都合が良すぎるのではないでしょうか。多くの施設が不安定な経営を強いられ、家庭の経済的負担も軽くない。関係者からは、責任の大きさに支援が見合っていないと悲鳴があがると、読売新聞は報じていました。特例校に行きたくても行けない子のために、フリースクールも全額公費負担にすべきと。これは私のアンケートに答えてくれた方の意見です。
そこで、不登校の児童生徒が通いやすくするためにも、本市は、フリースクールへの財政的支援を行うべきと思いますが、ご所見をお伺いします。
教育長フリースクールへの公的支援につきましては、フリースクールにも様々な形態や支援内容があり、また、それに対して公的に支援する必要性なども明確になっているとは言えないことから、まずは国や他都市の動向を注視してまいりたいと考えております。
まとめ
倉元市議最後に、不登校児童生徒を生まないために何をなすべきかという問題です。もっと予算と人員を増やして、先生に余裕がある環境が必要だと思います。私のアンケートへの回答です。この方の子どもさんは自閉症ですが、小学一年生のときに先生にひどい怒られ方をして、怖い思いをして、不登校になってしまいました。やはり先生たちに余裕がなかったらこういうことがやっぱり起きてしまうわけです。手厚い生活指導。学習指導が不登校の予防になることは当然であり、そのためには教員の配置や、働き方の改善が必要です。またアンケートの回答には、学校の常識や校則が子どもを縛りすぎて、息苦しくてから通えない子も多いんです。こんなに不登校児や、学校が苦しい子が増えている理由を、学校はもっとわかってほしいですという、管理教育によるストレスを改善してほしい旨の要望も出されております。理不尽な校則。学力テスト、過大規模校など、子どものストレスを取り除くことが必要ですが、それが不登校児童の生徒を生み出す一因と認めようとしないところに、教育委員会の異常さがあります。国で増えてるから福岡市で増えるのも当然なんだ、こんな態度じゃ不登校児童生徒は減りません。そこに気づかないと、根本的な解決にはなりません。
したがって、不登校児童生徒を生まないためにも、ストレスを溜め込んだ子どもに寄り添い、憲法や子どもの権利条約に基づいて、子どもの人権と尊厳が尊重され、教育の目的である人格の完成が土台に据えられた教育計画へと抜本的に見直すべきだと思いますが、ご所見をお伺いします。
教育長第二次福岡市教育振興基本計画につきましては、教育基本法の規定に基づき、国の教育振興基本計画を参酌し、福岡市の教育の大きな方向性を示す基本的な計画として、議会からもご意見をいただきながら策定しておりまして、目指す子ども像や重視する教育の方向、推進すべき施策を定めております。
なお、現計画の対象期間が令和6年度までとなっていることから、今年度から次期計画策定に向けた検討に着手しております。
子ども医療費助成制度
倉元市議質問の第2は、子ども医療費助成制度についてです。子どもたちが家庭環境に左右されず、切れ目なく安心して医療が受けられるようにすることは行政の責務であります。子ども医療費助成制度の拡充は、多くの子どもと保護者の念願です。
本市はこれまで、通院に関しては、3歳未満は自己負担なし、3歳以上中学3年生までは1医療機関500円で受診できます。また、入院は中学3年生まで自己負担なしとなっています。今回の条例改正案では、2024年1月から高校生世代、すなわち18歳の誕生日前日以後の最初の3月31日まで子ども医療費助成の対象にするというものであります。
そこで、子ども医療費助成の対象を高校生世代まで拡大する理由と意義について答弁を求めます。
保健医療局長子ども医療費助成条例等の一部を改正する条例案についてのご質問にお答えをいたします。助成対象を高校生世代まで拡大する理由につきましては、一般的に年齢が低いほど病気になりやすく、医療費がかかる傾向にありますが、高校生世代であっても、入院や長期療養などで医療費負担が大きくなる場合がございます。
また、子育て世帯においては、小学生、中学生、高校生と子どもが成長するにつれ、教育費や食費などの支出が増加し、家計全体の負担が重くなる傾向がございます。これらを踏まえ、入院は無料、通院は自己負担を一律500円までとする福岡安心ワンコインを高校生世代まで拡大することで、子育て世帯の経済的負担を軽減し、全ての子どもが家庭環境に左右されず、安心して医療を受けられる環境作りを推進するものでございます。
倉元市議局長は、高校生世代まで対象を拡大したことについて、子育て世代の経済的負担の軽減を挙げられました。私たちもこれまで、子どもの保健の向上、福祉の増進のためだと、重要な政策であると位置づけてまいりました。本制度は、1971年のわが党の議会質問をきっかけに、1973年6月から実施されたものであります。当時は3歳未満が対象でしたが、制度導入以前の1970年には10.1%だった乳児の死亡率を大きく引き下げる役割を果たすとともに、子育て世代の経済的負担の軽減を図る役割を果たしてまいりました。
こんにちに至るまで、市民の粘り強い運動と議会論戦によって対象が拡大され、このたび、高校生世代まで広がることは喜ばしいことです。しかし、対象は広がりましたが、通院の場合、3歳から高校生世代まで、1医療機関当たり500円の自己負担はそのまま残されることとなっています。
保健医療局からいただいた子どもの医療費助成事業、政令市の状況という資料によると、既にさいたま市、横浜市、そして名古屋市で通院入院ともに、自己負担なし。つまり、子ども医療費完全無料化を果たしています。そこでお尋ねしますが、今回対象を広げるものの他都市と比較すると、福岡市の制度は決して進んでいるものとは言いがたいと思いますが、ご所見をお伺いします。
保健医療局長他の政令市の状況につきましては、本年8月1日現在、助成対象を18歳に達した日以後の最初の3月31日までいわゆる高校3年生相当といたしておりますのは、20政令市のうち8市であり、そのうち入院、通院ともに、自己負担なしで実施をしている政令市は名古屋市の1市でございます。本市では、財源を確保しつつ、将来にわたり持続可能な制度とするために、自己負担を導入しているものでございますが、3歳から高校生世代まで通院費を1医療機関につき、ひと月500円までと負担を抑えることで、高校生世代まで自己負担がない名古屋市に次ぐ手厚い支援となるものと考えております。
倉元市議局長は政令市比較で進んでいると胸を張りますが、既にもう政令市で完全無償化を実現しているところがあるわけですから、私はそうだと思えません。福岡安心ワンコインと言われますが、子どもがたくさんいたり、内科、外科、皮膚科など、複数の病院にかかれば、ワンコインところではありません。また、物価高騰の影響は当然子育て世帯に重くのしかかってきており、特にシングルマザーの負担も大変だと聞いております。試算してみますと、あと年間8億6000万円を予算に追加すれば自己負担がなくなります。従って、市長は今回の対象拡大にとどまらず、子どもの医療費を高校生世代まで、通院も自己負担をなくして、完全無料にすべきと思いますがご所見をお伺いします。
市長福岡市では安心して子どもを産み育てられるまちとするために、子育て施策の充実など、様々な取り組みを行っているところでございます。その中で本市における子育て施策の大きな柱の一つであります子ども医療費助成制度につきましては、令和3年7月から福岡安心ワンコインを実施し、負担の軽減を図ってきたところでございます。さらに令和6年1月からは、助成対象を高校生世代までに拡大し、家庭環境に左右されず、全ての子どもたちが安心して医療を受けられる環境作りを行っております。今後とも子どもの命と健康を守るために、安心して産み育てられるまちづくりにしっかりと取り組んでまいります。