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議会報告「発言と答弁」全文
2022年度決算特別委員会
倉元達朗市議の総会質疑 発言と答弁 全文
音声をもとに党市議団が文字起こししたものです
倉元市議私は日本共産党市議団を代表して物価高騰のもとでの中小企業・小規模事業者対策と低所得者対策、福祉・暮らし・教育優先の市政への転換について質疑を行います。
中小企業支援
倉元市議まず、コロナと物価高騰で痛めつけられた暮らしと営業の回復についてです。決算年度である2022年度は新型コロナウイルス感染症がまだ猛威を振るい、暮らしや経済に大きな影響を与えました。またロシアのウクライナ侵攻をきっかけに物価が大きく跳ね上がる事態も起き、その影響は現在に至っています。この年度、福岡市内の倒産件数は、111件に上り前年度と比べて13件増えました。この件数は負債総額1000万円以上のものを集計したものであり、その他にも多くの業者が廃業に追い込まれたのであります。その多くは中小企業・小規模事業者です。にもかかわらず、国の支援は乏しく、要件があったとしても「不備ループ」という言葉が話題になったように、必要な業者に必要な支援が届かないという状態でした。そういう中、一番身近な行政である本市がどのような支援を行ってきたのか検証したいと思います。
そこでまず、中小企業の経営基盤の強化と持続的発展を促進するための2022年度の決算額を答弁してください。
経済観光文化局長令和4年度決算額につきましては、2120億9302万円余でございます。以上でございます。
倉元市議コロナ前よりも大きな金額になっていますが、その多くは金融対策と商品券事業に当てられています。商品券事業はこれまでにもたびたび指摘してきたように景気の先食いに過ぎない、財布に余裕がないと購入できない、大手の量販店でも使えるために地元の商店がどれだけ潤うかがはっきりしないという問題を孕んでいます。そうした中、苦境に喘ぐ中小企業・小規模事業者に求められていたのは、直接支援です。そこで本市が創設した燃料費等高騰の影響を受けた事業者支援事業についてご説明願います。
経済観光文化局長この事業は、原油価格物価高騰により影響を受けた。市内中小企業等の事業継続と雇用を支えるため、燃料費および光熱費について、価格高騰分の一部を助成するものでございます。以上でございます。
倉元市議電気、ガソリン、ガスなどの値上がりは多くの業者を直撃しました。その影響額の半分を支援するという制度を本市は作ったわけです。では、22年11月から申請を受け付けた、いわゆる第一弾の予算額と実績、利用事業者の想定数と実績について答弁を求めます。
経済観光文化局長令和4年4月から9月を対象として実施した第1弾当初の支援につきましては、支援金の予算額28億2600万円に対し、支給額は3億8923万円余。想定の支給件数1万8000件に対し、支給件数2601件となっております。以上でございます。
倉元市議予算の13%、利用事業者も14%にとどまりました。物価高騰の影響額を補填してほしいという思いは多くの業者にあったはずなのに、なぜこのように制度が使われなかったのか、お尋ねします。
経済観光文化局長支援を全ての市内中小企業に拡充した現在の申請状況が、拡充前とあまり変化がないこと等から考えますと、当時想定した支給件数の規模が主な要因であると思われ、今後、事業費の積算に当たりましては、見積もりの精度を高めるよう努めてまいりたいと考えております。以上でございます。
倉元市議そのように言われるんですが実際はですね、影響額が10万円以上という条件が高いハードルになっていたんです。比較的規模の大きな中小企業であるならば、要件を満たす企業もあったものの、その数は少なかったんです。経済振興委員会でもそのことを私はこれまでも指摘してきましたし、市内の小規模事業者が加入する民主商工会や福岡県建設労働組合からも改善が求められてきました。そこで本市は影響額を5万円以上と条件を変更し、制度を拡充しました。その制度の予算額と実績利用事業者の想定数と実績について答弁を願います。
経済観光文化局長令和4年4月から12月を対象に実施した第1弾拡充の支援につきましては、支援金の予算額22億9500万円に対し、支給額は7億5882万円余。想定の支給件数8000件に対し、支給件数4100件となっております。以上でございます。
倉元市議予算の33%、利用事業者も51%とこれもふるいませんでした。そこで本市はさらに制度を拡充しました。その内容と理由についてお尋ねします。
経済観光文化局長令和5年1月から9月を対象とする第二弾の支援につきましては、より広く市内中小企業を支援するため、支援対象期間において、原油価格物価高騰等の影響を受けた全ての市内中小企業を支援の対象としたものでございます。以上でございます。
倉元市議全てということですから、影響額の範囲をですね、撤廃したんです。そして、少しでも物価高騰の影響が出た業者に支援ができるようにしたのであります。そこで、進捗について答弁を求めます。
経済観光文化局長第二弾の支援は、令和5年1月から9月の燃料費等を対象としておりますが、できるだけ早く市内中小企業支援するため、1月から6月の燃料費等を対象に7月14日から9月14日まで申請を受け付け、現在、順次審査、支給を行っているところでございます。また、7月から9月の燃料費等については、10月中旬以降に受け付けを開始する予定でございまして、その期間に1月から9月までをまとめて申請することも可能としております。以上でございます。
倉元市議これからという感じでありますけれども、市内の業者からはやはり影響額の枠がなくなったんでね、歓迎の声が上がっています。しかしながら、支給される額が少ないために、わざわざ書類を揃えて申請に至らなかったっていうケースも見受けられます。例えば、建設業の方はガソリンの値上げで経費がかさんで困っておられました。しかし、試算したところわずかな額にしかならず、手間と金額を天秤にかけた結果、申請を断念したそうです。現在の制度では上昇単価をガソリンの場合13円と設定しています。しかし現在13円どころか、それ以上の値上がりで実態に合ってないという声が上がっています。そこで上昇単価の設定を実態に見合うよう改定すべきと思いますが、ご所見を伺います。また、影響額の2分の1の支援では間尺に合わないという声も上がっています。補助率についても見直すべきと思いますが、あわせて答弁を求めます。
経済観光文化局長支援金額の算出根拠となる燃料費等の上昇単価については、電気やガソリンなどの種類ごとに令和3年と令和5年の実勢価格を比較することなどにより設定したものでございまして、適切なものであると考えております。また、本来は上昇したコストは価格に転嫁し、賃金の上昇に繋げることが肝要であることなどを踏まえ、支援額は、影響額の2分の1としているものでございます。以上でございます。
倉元市議まあね、上昇額を価格に転嫁できたらいいけど、できない業者がほとんどなんですよ。今後もっと物価は上がっていくとの予測があります。見直すべきです。さらに多くの業者の皆さんがおっしゃられているのが燃料費だけでいいのかという問題です。原材料費、建設資材の高騰は業者を直撃しています。従って、燃料費に限らず「資材」「材料」の高騰にも対応できるように助成の対象を広げる必要があると思いますが、ご所見をお伺いします。あわせて、このような直接支援について業者は切望しており今後また新年度についても継続すべきと思いますが、お尋ねいたします。
経済観光文化局長支援対象経費については、様々な業種において価格高騰の影響が生じていることから、幅広く市内中小企業を支援するため、多くの事業者に共通する経費で、価格高騰の影響が大きい燃料費および光熱費について支援しているものでございます。市内中小企業の支援については、これまで国や県の対策も踏まえながら、燃料費等や生産性向上の支援、市内需要の喚起等に取り組んできたところでございます。現在、国において、物価高対策や持続的な賃上げ、国内投資促進などの経済対策が検討されており、その動向を注視いたしますとともに、事業者の置かれている状況等を踏まえ、今後とも市内中小企業をしっかりと支えてまいります。以上でございます。
倉元市議実態に合う制度にすべきです。そして、今後また新年度でも拡充して事業を継続するよう求めておきます。
次に、インボイス制度についてです。ただでさえ、コロナや物価高騰の影響が中小企業・小規模事業者を襲っているにもかかわらず、国は10月1日からインボイス制度の導入を強行しました。これまで消費税の納税を免除されていた小規模事業者や個人事業主に新たな税負担がのしかかることになります。そこで、インボイス制度導入における本市の小規模事業者や個人事業主への影響をどのようにお考えなのか、ご所見をお伺いします。
経済観光文化局長影響は事業者が置かれている状況等によって異なるものと考えますが、消費税の免税事業者がインボイス発行事業者として登録した場合、消費税の申告、納付など新たな事務が生じることや、インボイス発行事業者として登録しなかった場合、取引から排除されることなどが懸念されているものと認識しております。また、この機会を捉え、会計事務の効率化など、生産性向上に取り組む事業者もいらっしゃるものと考えております。以上でございます。
倉元市議なんかまるでね、他人ごとのような答弁ですよ。免税業者は、取引先からインボイス登録をするのか、それとも、消費税相当分の値引きをするのかという地獄の二者択一が今、迫られています。このように、インボイス制度は、今後本市においても既に経営状況が苦しい事業者の倒産や廃業を引き起こす懸念があると思いますが、ご所見をお伺いします。
経済観光文化局長制度の導入に当たりましては、免税事業者がインボイス発行事業者として登録した場合、税負担・事務負担の軽減のため、納税額を売上税額の2割とすることが可能な経過措置や、激変緩和の観点から、免税事業者からの仕入れに一定の税額控除を認める経過措置が設けられるなど、国において、中小企業等の事務負担や取引への影響に配慮した対応がなされているものと認識しております。以上でございます。
倉元市議経過措置があるとか言うけどね、経過措置ってねいつか終わるんですよ。事態は深刻です。「インボイス制度を考えるフリーランスの会」が呼びかけている。インボイス制度に反対する署名が日本のオンライン署名としてはこれまでの最多を更新し続けており54万人にも上っています。今政府がやるべきことは中小企業や小規模事業者を支援するために消費税を5%に引き下げることです。そうすれば、複数税率もなくなるし、インボイスも必要なくなります。したがって、福岡市として今からでも政府に対して本市の中小企業や小規模事業者を倒産・廃業に追い込むインボイス制度の中止を求めるべきと思いますが、ご所見を伺います。
経済観光文化局長インボイス制度については、国において円滑な移行のための経過措置などが設けられている他、制度に関する広報やITの導入支援など、様々な取り組みが進められており、加えて、現在、国において検討されている新たな経済対策において、インボイス制度を取引のデジタル化や、自動処理に繋げるような支援策が検討されていると聞き及んでおります。福岡市においても、国や関係団体と連携し、制度の周知や事業者からの相談対応などに引き続き組んでまいります。以上でございます。
倉元市議本市中小企業のインボイスの影響をね、全く考えてない答弁ですよ。厳しく批判しておきたいと思います。先日行われた福岡市中小企業振興審議会では委員から「景況感の回復基調にある企業と経営状況が厳しい企業との格差が生じている」との意見が出され、規模の小さな業者が苦境に立たされていることがうかがえます。また本市が7月に発表した「中小企業振興に関するアンケート」でも76.7%の事業者が原油価格・物価高騰の影響でマイナスの影響が出ていると答えています。その上にインボイス制度が導入され多くの業者が増税となるか仕事が減らされるかを迫られています。さらにコロナ禍で売り上げが急減した中小企業にとって倒産の歯止めになっていた「ゼロゼロ融資」の返済も今年7月から本格化しています。さらなる中小企業・小規模事業者への支援は不可欠です。この問題の最後に市長にお尋ねしますが、中小企業・小規模事業者が元気にならないと経済は活発にならず、支援策を拡充させ、新年度においてはさらに拡充すべきと思いますが、ご所見を伺います。
市長市内企業の99%を占め、地域経済を支えていただいている中小企業・小規模事業者の振興は大変重要であると考えておりまして、これまでの国や県の対策も踏まえながら、燃料費等の支援や需要の喚起などに取り組んできたところでございます。現在国において検討されている物価高や、またインボイス対応を含む新たな経済対策の動向も注視しつつ、今後とも生産性の向上など、市内中小企業の経営基盤の強化に加え、グローバルなスタートアップ都市づくり、本社機能や国際金融機能の誘致観光MICEの振興など、多様で活力のある都市の設置を促進してまいります。以上です。
倉元市議市長はね、重要だと言われますけどそれに見合った施策になっていないと指摘しておきたいと思います。
生活保護
倉元市議次に、物価高騰の影響を大きく受けている低所得世帯についてです。とりわけ、生活保護世帯について質していきます。そこでまず22年度の生活保護世帯数を答弁してください。合わせて18年度からの推移もお尋ねします。
福祉局長各年度の平均でお答えいたしますと平成30年度が3万3687世帯、令和元年度が3万3570世帯、2年度が3万3648世帯、3年度が3万3813世帯、4年度が3万3953世帯となっております。以上でございます。
倉元市議生活保護世帯が本市でも毎年増えています。何が原因なのか、お尋ねします。
福祉局長生活保護世帯数につきましては、社会全体の高齢化を背景として、高齢者世帯が増加するとともに、令和2年度からは、新型コロナウイルス感染症の影響により、就労可能な世帯も増加に転じていることが全国的にも増加の原因とされており、福岡市も同様の状況でございます。以上でございます。
倉元市議厚生労働省もコロナと物価高騰が原因で市民の暮らしが厳しくなっていると、こう分析しています。そこで、生活保護制度の周知を徹底して多くの人に利用してもらえるようにすべきと思いますが、ご所見をお伺いします。
福祉局長生活保護につきましては、制度内容や相談窓口を市のホームページで周知するとともに、生活自立支援センターや生活保護ホットラインにおける相談時に説明を行うなど、周知に努めているところでございます。以上でございます。
倉元市議いやそれだけじゃね、必要な人が利用できていないから質問してるわけですよ。もっと今までにない大胆なやり方を模索すべきです。例えば、市政だよりの一面を使って、市長が「こんな制度がありますよ、生活に困っている人があれば、ぜひ利用してください」呼びかけてはどうですか、ご所見を伺います。
福祉局長生活保護制度に関しましては、必要としている人にわかりやすく、効果的な周知・広報に努めてまいります。以上でございます。
倉元市議いやそれがね、わかりやすくないからね、受けられない人たちがいるんですよ。生活に困窮している人が今までよりも増えているわけですから、今までと同じような周知方法じゃ駄目です。問題は利用できる要件があるにもかかわらず、生活保護の申請をしない人がいる。まあ、できない人と言ってもいいでしょう。そこで、これらの人たちはどんな理由で申請をしないとお考えか。所見を求めます。
福祉局長生活保護の相談があった場合、生活保護制度について十分にご説明するとともに、他施策の活用などについて助言を行っておりますが、預貯金等の資産の活用により、当面の生活を維持することとして申請を見送られる場合もございます。以上でございます。
倉元市議まあね、いろいろと言われているんですが。扶養義務調査、すなわち、扶養照会が申請をためらわせている現実があります。そこで、扶養照会とは何か答弁を求めます。
福祉局長生活保護法においては、扶養義務者による扶養は保護に優先して行われるものと規定されております。扶養能力調査の対象者につきましては、原則として、直系血族や配偶者および兄弟姉妹とされており、金銭的な扶養の関係性の他、定期的な交流について調査することとなっております。以上でございます。
倉元市議主には金銭的援助ができませんかね、と親兄弟に問い合わせるっていうことです。「親や兄弟に生活保護を利用していることを知られてない、知られたくない」という方は少なくなく、申請のためらいの大きな要因になっています。そこで扶養照会を行った22年度の実績についてお尋ねします。
福祉局長申し分けありません。先ほどの答弁を一部修正させていただきます。扶養調査の中で「金銭的な扶養の関係性の他」というふうにご答弁申し上げましたが、「金銭的な扶養の可能性の他、定期的な交流について調査」でございましたお詫びして訂正させていただきます。今のご質問についてお答えいたします。令和4年度に生活保護の申請があった5564世帯のうち、扶養能力調査を行った世帯数は1193世帯でございます。また、3年度以前に生活保護の申請があった世帯のうち943世帯の調査も行っており、合計で2136世帯でございます。以上でございます。
倉元市議2136。で、当局の資料によると答弁いただいたこの数字のうち1193世帯が新規で申請したときに行われたものです。これが申請時に大変大きなプレッシャーになるんですよ。では、扶養照会の目的である経済的援助、金銭的援助が履行された件数についてお尋ねします。
福祉局長令和4年度の扶養能力調査により、経済的援助が履行された件数は6件でございます。以上でございます。
倉元市議2136件の扶養照会を行って、たった6件しか金銭的援助に繋がってないんです。効果があまりにも薄いと思いますが、ご所見をお伺いします。
福祉局長扶養能力調査の結果経済的援助が行われることで、自立に結び付いたものもあり一定の効果があったものと考えております。また仕送りなどの経済的な援助だけでなく、扶養義務者との交流の継続や再開による精神的な支援にも繋がっているものと認識しております。以上でございます。
倉元市議何を言ってますか。効果は薄いですよ。2000件やってたった6件ですよ。では、その扶養照会のための費用はいくらかかっているんですか。22年度の決算額答えてください。
福祉局長令和4年度の扶養能力調査に係る会計年度任用職員の人件費および事務費の決算額は、合計で1230万円余でございます。以上でございます。
倉元市議1200万円かかっているんです。では、経済的援助がなされた6件の金額はいくらですか。答えてください。
福祉局長令和4年度の扶養能力調査により、元となった当該年度の保護費の合計額でお答えしますと、381万3000円余でございます。以上でございます。
倉元市議6件の直接の額はわからないですよね。そして効果額、これが381万円程度です。でも381万円の効果があったとしても、かかった費用は1200万円ですよ。費用対効果を考えると全くありません。この扶養照会があるがために生活保護を申請しなくても申請できなかった人を私は自身の生活相談活動を通じてたくさん見てきました。今、物価高騰で市民の暮らしが苦しく、生活保護制度に助けを求めている人が増えています。従って、経済的援助にほとんど繋がらず、申請をためらわせる原因となる扶養照会をやめて、制度にアクセスしやすくして、必要な人が利用できるようにすべきと思いますが、ご所見を伺います。
福祉局長先ほど申し上げました単年度の減額の効果につきましては、次年度以降も継続するものであることから、扶養能力調査は一定の効果があるものと考えております。なお、調査に当たっては、交流状況や関係性を十分に確認の上、扶養の可能性がある方に限定して実施することとしております。以上でございます。
倉元市議今後も続けるという答弁ですけどね。これを止めない限り「扶養照会があるから」「身内に知られたくないから」というためらいは消えません。改めてやめるように要求しておきます。
では、支給される保護費についてです。利用者は、少ない保護費でギリギリの生活を強いられています。安倍政権のときに生活保護の切り下げが決定されました。さらに2018年10月から3年間かけて生活扶助基準を引き下げることを決めました。段階的に保護費は下がっています。そこで福岡市における世帯別の生活保護基準額を見たいと思います。標準3人世帯と母子3人世帯の基準額を、2013年と2023年4月現在で比較してください。
福祉局長家賃や医療費などを除く生活扶助の基準額につきましては、国において、ほぼ受けていない低所得世帯との均衡を図るため原則として5年に一度改定することとされております。国が示している標準的な世帯で、3人世帯につきましては、平成25年4月が16万2970円。令和5年4月が15万2120円となっております。また、母子3人世帯につきましては、平成25年4月が19万2150円。令和5年4月が18万3980円となっております。以上でございます。
倉元市議標準3人世帯は1万850円。母子3人世帯は8170円下がっています。高齢者の世帯もほんのわずかばかりの増額で、基本的に10年前と同じ基準で生活しなければなりません。こうした中「夏休みに子どもをどこにも連れて行ってやれなかった」「いつも買うもやしまで値上げ。何をこれから切り詰めれば良いのか」と生活保護利用者は悲鳴を上げています。お尋ねしますが、ただでさえ少ない保護費の上にこの間の物価高騰のあおりを受け生活保護利用者は以前に増して厳しい生活を強いられていると思いますが、ご所見をお伺いします。
福祉局長生活保護世帯においては、物価高騰により、光熱費や食料品などの支出が増加するなどの影響を受けており、その状況を踏まえ、本年10月の生活扶助基準額の改定において、特例的な加算を行うなど、必要な見直しが行われております。なお、生活保護世帯を含む低所得世帯に対しては、国の交付金を活用し物価高騰等に対する給付金の支給を行っているところでございます。以上でございます。
倉元市議10月のね、改定のことを局長は言われたんですが、保護費の国全体の総額は年間3.7兆円ですよ。今回の改定の増額分は60億円に過ぎず、わずか0.2%に過ぎません。すずめの涙なんですよ。これでは物価高騰に追いつきません。このままでは憲法25条が明記する「健康で文化的な最低限度の生活」を保障することはできません。あなた方はいつも生活保護基準は国において適切に定められているなどと冷たい答弁を繰り返していますが、実態を全く見ていません。保護費の減額に対して「もう黙ってはいられない。声を上げて、生活保護基準という命の砦を守っていこう」と、引き下げは「違法」だと訴訟が全国で行われています。そして多くの裁判所が「違法」だと断じています。そもそも、国の不十分さを補うのは地方自治体の役目であるのに本市は国に追随しています。そこで以前、市の独自政策として行っていた盆と暮れの一時金である、夏季見舞金、年末見舞金を復活させて国の不十分な基準額を補い、生活保護利用者が人間らしく生活できるようにすべきと思いますが、この問題の最後に市長の答弁を求めます。
市長生活保護制度は最低限度の生活を保障するために、全国一律の基準で実施をされているものであり、保護基準については、国において適切に定められているものと考えております。今後とも生活保護制度を適切に実施するとともに、生活に困窮する方の状況に応じたきめ細かな支援を行ってまいります。以上です。
倉元市議先ほども言ったように、適切な基準じゃないと、今、司法も断じてるんですよ。生活保護利用者の実態をもっと真剣に考えるべきです。
高齢者施策
倉元市議時間の関係で次に進みます。福祉・暮らし・教育優先の市政への転換についてです。まず、高齢者施策についてただしてまいります。そこで、老人福祉センターの決算額と、設立の趣旨これまでの評価について答弁を求めます。
福祉局長老人福祉センターは、高齢者に対して各種の相談に応じるとともに、健康の増進、教養の向上およびレクリエーションのための便宜を総合的に供与するため設置しているものでございます。囲碁、将棋、フラダンスなど趣味の活動や健康づくりなどの場として活用されており、高齢者の福祉の増進に寄与しているものと考えております。令和4年度決算額は3億4091万円余となっております。以上でございます。
倉元市議囲碁、将棋、太極拳、フラダンス、カラオケ、詩吟、生け花。楽しそうに高齢者が集っておられるのが各区に設置されている老人福祉センターであり、高齢者の憩いの場所であります。先日、福祉都市委員会に福祉局から「老人福祉センターの機能強化について」という報告がなされました。その中に「入浴事業を廃止し、必要な設備に改修」という取り組みの方向が示されています。そこで、当施設においての入浴事業の意義と、廃止の理由について答弁を求めます。
福祉局長昭和43年度に、老人福祉センターを設置して以降、入浴事業につきましては、高齢者の福祉の増進に一定の役割を果たしてきたものと考えております。しかしながら、施設の設置から50年以上が経過し、各家庭における浴室設置率の大幅な向上など、生活環境が大きく変化していることや、設備が老朽化していることなどを踏まえ、高齢者の社会参加の支援に必要な設備への改修を行うこととしたものでございます。以上でございます。
倉元市議風呂が各家庭に付いているからなどと言われましたが、入浴事業というのは家に風呂がある人でも老人福祉センターの大きな風呂でゆっくりと足を伸ばして入浴する、また一緒になった人と懇談するといった役割を果たしてきました。私が時々行くスーパー銭湯の入浴料は850円です。しかし老人福祉センターでは、登録さえすれば無料で利用できるところも魅力です。そこで、どれだけの人がセンターのお風呂を利用していたのか。コロナ前の2018年の実績を答弁してください。
福祉局長平成30年度の入浴事業の利用者数は延べ21万6000人余となっております。以上でございます。
倉元市議計算すると1施設当たり1日で約100人。西区はね、毎日200人ぐらいが利用されています。それだけの事業を機能強化などと言って廃止することはあまりにも乱暴です。南区の若久園のお風呂を利用している男性は「お風呂でいろんな話ができて友人もたくさんできた。お風呂はなくさないでほしい」と語っていました。西区では「お風呂はいつ再開するのか」と問い合わせがずっと続いているそうです。そこで、入浴事業は高齢者の楽しみであり廃止すべきではないと思いますが、ご所見をお伺いします。
福祉局長少子高齢化が急激に進み、要介護リスクが高い年齢層が急速に増加する中、健康寿命を延伸し、高齢期を元気に活動的に過ごせるよう支援することが重要となっております。入浴事業につきましては、生活環境の変化や設備の老朽化などを踏まえて廃止することとしたものであり、今後、高齢者の社会参加や活躍を応援する拠点施設としての必要な設備への改修を行ってまいります。以上でございます。
倉元市議あなた方は高齢者の楽しみまで奪おうとしています。入浴事業をなくしてしまい、何を行おうとしているのかが報告書には書かれています「今後の方向」「コーディネーターを配置し、社会参加に関わる様々な支援を実施」「就業、特技を生かした創業ボランティアなどの支援」「社会参加に係る相談、コーディネート、人材育成・サポート」――何ですかこれは。結局、高齢者に「もっと働け」「今までのようにくつろいでいる場合やないぞ」と言っているようなもんじゃないですか。失礼です。この話を高齢者の皆さんにいたしますと、顔を曇らせる人。「いらんこったい」と腹かく人、喜んだ人なんか1人もいませんよ。就労セミナーもね、今やってるものはあるんですが、人が集まらなくて大変だと現場から聞いています。したがって、こんな老人福祉センターの趣旨を根本から変質させ高齢者の楽しみを奪う計画は撤回すべきと思いますが、ご所見をお伺いします。
福祉局長繰り返しになりますが、少子高齢化が急激に進み、要介護リスクが高い年齢層が急速に増加する中、高齢期を元気に活動的に過ごせるよう支援することが重要となっております。老人福祉センターは開設から50年以上が経過しており、時代に合わせた活用を図ることが必要であり、人生100年時代における高齢者の社会参加の拠点施設として機能強化を図ってまいります。以上でございます。
倉元市議市民はこのまま黙って高齢者いじめを容認しないことを申し述べておきたいと思います。次に、加齢性難聴者の補聴器購入に対する公的補助制度についてです。まず、補聴器購入補助の22年度の決算額についてお尋ねします。
福祉局長障害者総合支援法に基づく補装具費支給制度により、補聴器に係る助成を行っており、令和4年度決算額は4539万円余となっております。以上でございます。
倉元市議しかし、この制度は障害手帳を持っておられる難聴者に限られており、軽度や中等度の加齢性難聴の方は対象となりません。しかし、難聴は人との会話や外出が億劫になり消極的になったり、聞こえないため、相手が大声を出すと怒鳴られているような気持ちになったり、車の音や警報のサイレンなどが聞こえず不安になるなど与える影響は小さくありません。また難聴と認知症の関連も指摘されているところです。このように、難聴を放置すると、その人の生活の質が低下したり、新たな機能障害に繋がると思いますが、ご所見をお伺いします。
福祉局長一般に、加齢に伴って視力聴力などの様々な身体機能の低下が生じてまいりますが、このような変化が、日常生活の不便に繋がることはあるものと認識しております。また、難聴は国の認知症施策推進総合戦略において、認知症の危険因子の一つであるとされております。なお、補聴器を用いた聞こえ方の補正による認知機能低下の予防効果については知見が確立されていない状況でございます。以上でございます。
倉元市議難聴に有効なのが補聴器です。しかし補聴器は値段が高く、10万円程度から50万円以上の商品もあり、両耳揃えると100万円を超すなど高額で、購入を諦める方もいらっしゃいます。全国保険医団体連合会の調査では、今年6月の時点で、補聴器補助を行っている自治体数は191と公表しています。このように多くの自治体が足を踏み出す中で、兵庫県と相模原市がどちらも上限2万円のモデル事業を行ったのは、いよいよ県や政令指定都市レベルでも実施され始めたこととして注目されます。私も過去2度にわたってこの問題で質疑を行い公的補助制度の創設を求めてきました。しかし、市長はなかなか首を縦に振ろうとしません。あなた方は、これまでの私の質疑に対して、加齢に伴う身体能力の低下は、誰の身にも起こりうることだと、制度創設に背を向けてきました。そこで、誰の身にも起こりうることだからこそ、聞こえの悪さをサポートする補聴器を必要な人が手にできるようにするのが行政の役目だと思いますが、ご所見を伺います。
福祉局長加齢による聞こえづらさや見えづらさなど、老化に伴う身体機能の低下は、誰の身にも起こりうることであり、これに対応した社会生活上の支援を行うことにつきましては、その効果を見極めながら、慎重に検討していく必要があるものと考えております。以上でございます。
倉元市議お認めになりません。加齢性難聴の方への補聴器購入補助は待ったなしの高齢者の切実な願いです。しかし冷たい答弁を繰り返されます。一方で、先ほどただした老人福祉センターの機能強化であなたたちは何て言っているか。社会参加に関わる様々な支援を実施と、高齢者の社会参加を促しています。聞こえが悪いままだったら、社会参加もままなりません。結局、健康な高齢者には働いてもらいたい、身体能力が低下した高齢者は自己責任でどうぞ、これがあなたたちの態度です。難聴の問題は今日、高齢者の社会参加にとって一層深刻なバリアになっており生きづらさや人権の問題でもあります。したがって、市長は難聴があっても生活の質を向上できるように本市独自の補聴器購入補助制度を作るべきと思いますが、ご所見を伺います。
市長難聴の方の補聴器購入につきましては身体障害者手帳を取得されている方に対し、費用の助成を行っているところでございます。いわゆる加齢性難聴につきましては加齢に伴って誰の身にも起こり得ることであり、補聴器購入の費用の助成につきましては、国や他都市の動向を注視してまいりたいと考えております。以上です。
倉元市議本当に高齢者に冷たい市政であるということを指摘しておきます。
学校施設改修
倉元市議次に、学校の施設改修についてただしてまいります。まず、校舎校地等維持補修費の22年度の決算額をお尋ねします。
教育長お尋ねの決算額は19億2236万円余でございます。以上でございます。
倉元市議学校の改修、修繕に使った金額です。5年間の推移を見てみますと、2018年度は約22億円あったのですが、22年度は約19億円と3億円減っています。その理由について答弁を求めます。
教育長校舎校地等維持補修費は例年20億円程度を確保いたしておりますが、年度によって各学校からの要望を受ける修繕項目の内容や件数が異なり、また建築物の定期点検や樹木管理の対象も異なりますことから、年度ごとに増減がございます。以上でございます。
倉元市議年度ごとに変化があるということなんですが、20億円前後を行ったり来たりしています。問題は子どもの教育環境を整える決算額がこの程度でいいのかということです。福岡市の学校校舎は昭和40年代後半から50年代前半に集中して建設されています。つまり、その多くが築50年が経っており老朽化しているわけです。したがって維持補修費は減ったり、現状維持ではなく大きく増えていかなければ良好な教育環境を作ることはできないと思いますが、ご所見をお伺いします。
教育長学校施設の維持補修は、緊急的な修繕などのための校舎校地等維持補修費だけではなくて、計画的に実施しております大規模改造や付帯施設等の校舎等整備費も活用して行ってございます。校舎等整備費を含めました決算額では平成30年度と比較して、令和4年度は大幅に増加いたしておりまして、着実に学校施設の改修や維持補修に取り組んでいくと考えております。以上でございます。
倉元市議必要な維持補修は適切にやっていると言われますが、先日の中山委員の総会質疑で学校が教育委員会に提出した22年度の施設改善要望書351件のうち、対応済みは25%、対応中も含めても31%に過ぎないことが教育長の答弁で明らかになりました。私もこの夏に城南区にある小学校を施設調査させてもらいましたけれども、理科室のシンクが見積もりしていて修理されていないので人数制限して実験をやっているとか、観察池のポンプが壊れたままで池の水は濁りきって生物が住めない状態、観察どころではありませんでした。子どもたちの出入りする昇降口に急勾配があってバリアフリーも実現していない。子どもたちがよくけつまずいて転びそうです。先日の総会質疑でも、脇山小学校でブロック片が落下した事件も学校は修繕要望を出していたのに教育委員会が放置していたことが明らかになりました。子どもの命に関わる問題なのですからもっと真剣に取り組むべきです。そこでもっと維持補修費を増やして、せめて学校から要望が出された箇所は早急に修繕すべきではありませんか、ご所見を伺います。
教育長学校からの修繕要望に対しましては、必要に応じて現地確認や学校へのヒアリング等を行って状況を確認し、緊急性のあるものは速やかに対応するとともに、他の改修とあわせて実施することが効果的・効率的であるものなどにつきましては、それらの機会を捉えて適宜実施いたしております。以上でございます。
倉元市議他の改修とあわせてやるなどと言って先延ばしにしてはダメです。子ども時代は1回しかないんですから良い環境で学び過ごさせていただきたいと思います。強く要望します。もう一つ正したいのが学校のアスベスト含有建材への対応についてです。22年3月31日にアスベスト含有建材について学校に依頼文を送っておられますが内容について説明を求めます。
教育長学校施設の日常点検で非飛散性のアスベスト含有成形板等に破損が見られた場合には、直ちに教育委員会の担当課に連絡するとともに破損等確認した場合には、破損箇所、破損部分を養生テープ等で覆うようにする等の応急措置を行うこと、また、破損させないよう児童生徒への指導を行うこと等を通知いたしております。以上でございます。
倉元市議アスベストが含まれる可能性があるとしているのはどういうものがあるのか答弁を求めます。
教育長学校施設で使用されているアスベスト含有の可能性がある材料は、波型スレート屋根材、珪酸カルシウム板、塩ビタイル、配管保温材、煙突断熱材などが考えられまして、学校への通知文書に記載いたしております。以上でございます。
倉元市議今の答弁にあった波型スレートが、これです。皆さんも学校に行ったら見たことがあると思いますが、体育館に続く渡り廊下、それから自転車置き場や飼育小屋の屋根とかによく使われているものです。私もある中学校の自転車置き場の波型スレートを使っている屋根に、アスベストアナライザーという石綿の含有の有無を短時間で確認することができる測定器を当ててみると、見事含有が認められました。答弁にあった塩ビタイルも職員室や特別教室で現在も使われています。そこで、学校の中のどこにアスベスト含有建材が存在しているのか、教職員や子どもたちは把握しているのかお尋ねします。
教育長学校への通知におきまして、アスベスト含有の可能性がある材料や使用箇所などを、写真を用いてわかりやすく例示するとともに、破損が見受けられた場合の応急対応や児童生徒への指導の依頼などを出しております。
倉元市議周知しているとのことですが、私がお話をした多くの先生はどれがアスベスト含有建材かを知りませんでした。「これがそうですよ」と教えると「そうなんですか」という感じです。昔自転車置き場の屋根に登ってそれ言ったという人もいましたが、アスベストの話をしたら驚いておられました。そこで、取り扱いに注意して何かあったら教育委員会に連絡してくれと、学校には教育委員会依頼してるんですけれども、どのぐらいの報告が来ているのか決算年度で答弁してください。
教育長毎年6月に提出を求めております学校施設等改良要望では、非飛散性のアスベスト含有成形板などに該当する可能性があるものはございませんでした。以上でございます。
倉元市議ないということなんですが、しかし放置されている可能性もあります。実際にスレート板が破損している箇所も私は見てまいりました。市長、見てもらいたいんですが、先ほどのやつで矢印があるでしょう。ここももう割れてるでしょ。割れとったらアスベストが飛散する。だから危ない、割れてなかったらいいですよ。だけど、こういうものがある。だから教育委員会も危ないからちゃんと知らせてくださいよっていうルールになっているけれども、これ実は8月に撮った写真です。南区のある小学校ですけれどもこういうふうに放置されてるわけですね。アスベスト被害の怖さが学校現場で浸透していない可能性が考えられます。厚生労働省の石綿Q&Aでは「石綿の繊維は、じん肺、悪性中皮腫の原因になると言われ、肺がんを起こす可能性がある」と警告しています。発病するまでは長年無症状のことが多いため、少しの繊維でも軽視できないと言われています。そこでこのような危険性のある建材を使っているものは、早急に撤去するとともに、アスベストの危険性や維持の管理、維持管理の方法さらに処分方法について周知すべきと思いますがご所見を伺います。
教育長非飛散性のアスベスト含有建材につきましては、通常使用している状態ではアスベストが飛散する恐れは低いとされておりますことから、破損時に適切な対応を行うとともに全面的な撤去については大規模な改造などの機会を捉え、適切に実施することとしております。また、学校への周知は、文書通知にとどまらず、教員との打ち合わせや対話の機会に注意喚起するなど、今後ともきめ細やかに行うよう努めてまいります。以上でございます。
倉元市議これもね、適宜行っていくと言われますが、これ以上子どもを危険にさらしていけません。早急に対応を再度要求しておきます。見てきたように高齢者と子どもにお金をかけない冷たい市政運営がなされていることが明らかになりました。しかし本市の財政分析では「健全化判断比率」「実質公債費比率」「将来負担比率」全て法令が定める基準を下回っています。市民1人当たりの市債残高も、ピーク時の約半分まで減少と胸を張っておられます。このような財政状況であるならば、私がこの質疑で取り上げた暮らしや福祉、教育に関する市民の切実な要望を実現することは十分可能ではないかと思いますが財政局長の答弁を求めます。
財政局長ただいま議員がご評価いただきました通り、健全化判断比率や起債残高の指標は、毎年度改善しているところではございますが、一方で、社会保障関係費の増加や公共施設等に係る財政需要の増大、公債費の高止まりなどが見込まれることから、予算編成に当たりましては、第9次基本計画に沿って、成果指標や事業の進捗状況、社会経済情勢の変化なども踏まえ、「選択と集中」による重点化を図ってきたところでございます。これまでの取り組みの結果、市政に関する意識調査におきましても、子育てのしやすさ福祉の充実、教育環境など、様々な分野において満足度が着実に向上しており、引き続き適切な予算配分に努めてまいります。
倉元市議緊縮財政を取り「選択と集中」で「持続可能」だといいますが、「お金がない」と言っては市民の願いからは背を向け、行政サービスを後退させているというのが実態です。一方で、「都市の成長」の名で行われてきた大型開発はどうか。22年度、人工島には55億円を投入、博多コネクティッドには16億円、福岡空港関連事業には31億円、天神ビッグバンには7億円ですが、今後天神通線の道路整備に60億円使うことを計画されています。大型イベント・インバウンドはどうか。21年度のクルーズ船の寄港回数はゼロ、22年度は2回という実績から見られるように新型コロナウイルス感染症が原因で海外からの来客は大きく落ち込み本市経済に大きな影を落としたのであります。インバウンドを経済活性化の柱に据える政策が破綻したのであります。にもかかわらず22年度、世界水泳には17億円。その後大きく市の負担金が増えたのは周知の事実です。そして今度は万博に首を突っ込む。経済振興委員会では万博において誘客のプロモーションだけでなくブースの出展、イベントの開催を主催者と約束していることが私の質問で明らかになりました。議会には説明もせず、聞かれて初めて説明する。なんという議会軽視の態度ですか。福岡市民に関係のない万博のために税金を投入することなど許されません。市長は常々、「都市の成長」を「生活の質の向上」に結びつけるという名目で大型開発・大型イベントを進めてこられました。しかし、市民の生活は良くなるどころか冒頭に述べたようにコロナや物価高騰の影響を受けてさらに厳しくなっているのが現実です。したがってこれまでの大型開発・大型イベント優先の税金の使い方を改め、暮らし・福祉・教育を優先する市政に切り替えるべきと思いますが、市長のご所見をお伺いして、私の質問を終わります。
市長福岡市では多くの市民の皆様とともに策定をした第9次基本計画において、都市の成長と生活の質の向上の好循環を作り出すことを基本戦略として掲げ、街づくりを進めております。これまでの取り組みの結果、人口は164万人を超え、企業の立地や創業が進み、市税収入はコロナ前の令和元年度まで7年連続で過去最高を更新し続け、令和4年度の決算では再び過去最高を更新しております。この成長の果実を生かし、子育てしやすい環境作りや教育環境の充実、安全安心な街づくりなどに積極的に取り組み、元気な街、住みやすい街として、国内外から高い評価をいただいているところでございます。今後とも、第3次産業が9割を占める福岡市の特性も踏まえながら、国際競争力が高く、多くの人々や企業から選ばれるまち作りに取り組むとともに、次代を担う子どもたちを初め高齢者や障害者など誰もが生き生きと輝き、ぬくもりのある持続可能な街づくりを進め、人と環境と都市活力の調和がとれたアジアのリーダー都市の実現を目指してまいります。以上です。
物価高騰のもとでの中小企業・小規模事業者対策と低所得者対策をつよめ、福祉・暮らし・教育優先の福岡市政へ転換を(2023年10月3日 倉元達朗市議の総会質疑)