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議会報告「発言と答弁」全文
2023年12月議会
綿貫康代市議の一般質問 発言と答弁 全文
音声をもとに党市議団が文字起こししたものです
綿貫市議私は日本共産党市議団を代表して、中高年シングル女性の支援について、放課後児童クラブ・民間の学童保育所について、介護保険について、並びに市長の政治資金パーティーについて質問いたします。
中高年シングル女性への支援
綿貫市議質問の第一は、コロナ禍を経て更なる物価高騰のもと、困窮する中高年シングル女性への支援についてです。中高年シングル女性とは、独身者、離婚、死別、非婚、未婚の母、別居により配偶者やパートナーと同居していない世帯です。20歳未満の子どもと同居、親・子ども・兄弟姉妹などの同居人がいない単独世帯も含みます。関東圏を中心に集まっている任意団体である「わくわくシニアシングルズ」が2022年8月に、中高年シングル女性の生活状況実態調査を行っています。同団体では、中高年シングル女性が生き抜くため、雇用、社会福祉、介護保険のセミナー実施や、国の女性支援から外れている中高年女性の実態調査に力を入れています。社会的、経済的に脆弱な女性たちを直撃したコロナ禍では、子どもがいない、非課税でもない生活保護の一歩手前で困窮しているこの世帯への支援はほぼなく、支援から置き去りだったと指摘しています。関東のみならず、本市でも同じような状況があると思います。従って、本市での中高年シングル女性の置かれている現状をどのように認識しておられるか、ご所見を伺います。以上で1問目を終わり、2問目以降は自席にて行います。
福祉局長生活にお困りの方の相談窓口として、生活自立支援センターを設置しており、いわゆる中高年シングル女性を対象とした統計はございませんが、令和5年度の新規支援対象者数は10月末時点で858人で、その内訳は、男女別では女性が43%、男性が57%、年代別では、39歳までが42%、40歳~59歳が37%、60歳以上が21%となっております。以上でございます。
綿貫市議中高年シングル女性というカテゴリはまだないと思います。しかしながら先ほど述べたような困難さを多くの女性が抱えております。具体的にただしてまいります。本市の40歳以上のシングル女性世帯の数と、全世帯に占める割合について答弁を求めます。
総務企画局長令和2年国勢調査における福岡市の40歳以上の女性の単身世帯の数は、10万5372世帯で、総世帯数83万51世帯に対する割合は、12.7%となっております。以上でございます。
綿貫市議本市には1割以上の世帯、10万5000人を超える方々がおられます。では40歳以上のシングル女性世帯のうち、年収300万円以下の世帯の割合はどれぐらいか。答弁を求めます。
経済観光文化局長令和4年の就業構造基本調査によりますと、40歳以上、かつ結婚したことのない女性の有業者の中での割合で世帯ではなく個人の年間所得になりますが、300万円未満の方の割合は52.3%となっております。以上でございます。
綿貫市議数字がないとのことですが、任意団体「わくわくシニアシングルズ」が2022年8月から9月にかけて行った調査によると、年収200万未満が30%、300万未満は54%で半数を超えています。私もこの質問を準備するにあたり、同じ項目でアンケートを実施しましたが、収入で200万未満が35%、300万未満60%でした。「わくわくシングルズ」が行った後の全国調査と同じ傾向が福岡市でも見られました。同団体でこの収入状況から「日本は女性が単独で経済的に自立することの困難な国だ」と結論をつけています。さらに生活状況について、「やや苦しい、大変苦しい」が7割、50万円未満の資産しかない人が40代で4割、50代で3割、市内アンケートでも「やや苦しい、大変苦しい」が6割、そして自由記載で「日々の暮らしで精一杯で貯金ができない」「お金がなく生活や将来が不安」「年金だけでは生活できない」「親の介護や親の亡き後の生活の不安」「将来不安しかない」という、低賃金から貯金がないこと、年金が低いことによる生活や将来不安がほとんど書かれています。中には「60歳になったら首をくくりたい」「楽に死ねない、長生きしてしまうことが不安」と、まさに切実で悲痛な声が寄せられました。このような実態から見ると中高年シングル女性の多くが経済的に困窮していると思いますが、ご所見を伺います。
福祉局長ご指摘の中高年シングル女性に限らず、生活にお困りの方の状況は様々でございますが、生活困窮者への支援は重要と考えており、女性に限らず、生活自立支援センターにおいて就労支援などそれぞれの方の状況に応じた支援を行ってまいります。ありがとうございます。
綿貫市議いろいろ言われましたけれども、中高年シングル女性は非正規で働いている方の割合が多く、それに伴い退職後も少ない年金で生活せざるを得ないため、生活に困窮している人が少なくありません。ではこういった方にどんな支援が必要かただしていきたいと思います。まず第1に賃金を上げることです。本来国が行うべきことですが、市でもやれることがあります。例えば、本市の会計年度任用職員で、福岡市が募集している学校生活支援員の賃金をホームページで見てみますと、1日5時間勤務で、4705円から4873円と示されています。時給にすると941円から975円、まさに最賃ギリギリの低賃金です。このように低い待遇で働かされている人々の中にも、中高年シングルの女性は言っておられます。従って、本市の会計年度任用職員の賃金を、時給1500円に見合うものにすべきと思いますが、ご所見をお伺いします。あわせて国に最低賃金を時給1500円に早急に引き上げることを求めるべきと思いますが、ご所見を伺います。
総務企画局長会計年度任用職員を含む福岡市職員の給与については、地方公務員法に基づき、市内民間給与の状況を反映した人事委員会の報告および勧告を尊重し、国および他の地方公共団体の職員との均衡などを考慮しながら決定する必要があり、今後とも適切に対処してまいります。以上でございます。
経済観光文化局長民間における最低賃金については、最低賃金法に基づき、厚生労働大臣または都道府県労働局長において、中央または地方の最低賃金審議会に調査審議を求め、その意見を聞いて適切に決定されているものと認識しております。以上でございます。
綿貫市議賃上げをやろうともしないし、国に求めようともしません。では、角度を変えてお尋ねします。40歳以上のシングル女性世帯の居住の実態についてお尋ねします。持ち家と賃貸の比率を答弁してください。
総務企画局長令和2年国勢調査における、福岡市の40歳以上の女性の単身世帯の持ち家と賃貸の比率は、持ち家が39%、賃貸が61%となっております。以上でございます。
綿貫市議60%は賃貸住宅に住んでおり家賃を払っています。そこで、住居費支払いの後の生活についてアンケートをとってみました。「あまり、また全く余裕がない」という回答が80%に上ります。中高生シングル女性の場合、居住費が家計を圧迫しているという回答が伺えます。従ってこの世帯には住宅支援が必要です。住宅支援と言えば良好で低廉な市営住宅への入居が挙げられます。ではまず市営住宅の中高年シングル女性の応募倍率はどうなっていますか。あわせて単身者は公募対象になるのか、答弁を求めます。
住宅都市局長市営住宅の入居には、抽選方式など、公平な入居者選考が求められているところであり、別枠で募集する、いわゆる優先入居については、住宅に困窮する低額所得者の中でも、特に困窮度が高い方に対して、地域の実情を踏まえて取り扱うものとされております。応募倍率につきましては、福岡市では40歳以上の単身女性に限定した募集をしていないため、データはございません。また、単身世帯の入居要件につきましては、収入要件の他、60歳以上の者、身体障害者1級から4級までの者、精神障害者1級から3級までの者、災害被災者や犯罪、DV被害者などとしており、要件に合致する方であれば、年齢や性別に関わらず申し込みが可能となっております。以上でございます。
綿貫市議市営住宅は高齢単身者の枠はあっても倍率は高く、なかなか入れません。そもそも高齢でない中年女性の単身者枠はありません。低廉な市営住宅に多くの中高年シングル女性は入居できず、民間の高い家賃を払い続けています。この方々が入居できるよう応募枠を拡充し、市営住宅の管理戸数を増やし、入居しやすいようにすべきと思いますが、ご所見を伺います。
住宅都市局長住宅に困窮する世帯の居住の安定を確保するため、市営住宅の入居には一定の要件を設けております。その中で特に困窮度が高い方に対して別枠募集の運用を行っておりますので、心身障害などの要件に合致すれば、40歳以上の単身女性も含め、年齢や性別に関わらず申し込むことが可能でございます。また、住宅確保要配慮者向けの住宅の確保につきましては、市営住宅を中核としつつ、その他の公的住宅や民間住宅も含めた賃貸住宅市場全体で対応することを基本としており、市営住宅の管理戸数は将来にわたって長期安定的な運営を図っていくため現状程度にとどめ、居住水準などの向上に向け、計画的かつ効率的な機能更新や維持保全に取り組んでいるところでございます。以上でございます。
綿貫市議中高年シングル女性の住宅の実態を把握し改善すべきです。市営住宅も、住宅に困窮している人向けのセーフティ住宅も全く足らない状態です。日本では家賃負担が特に低所得者で突出して重くなっており、例えばイギリスでは、全世帯の14.6%が家賃補助を受けているとのことですが、家賃という固定費を支援されるということは、低所得者世帯にとって大変助かります。従って中高年シングル女性家賃補助制度を創設すべきと思いますがご所見を伺います。
住宅都市局長住宅確保要配慮者の居住の安定確保につきましては、要配慮者の入居を拒まないセーフティーネット住宅の登録促進や、要配慮者に対する家賃低廉化補助等の経済的支援を行うなど、引き続き要配慮者が民間賃貸住宅に円滑に入居できるよう支援をしてまいります。以上でございます。
綿貫市議中高年シングル女性にとって住宅問題は深刻です。ぜひ検討をしていただきたい。次に相談体制についてです。今まで見てきた問題で、さらに中高年シングル女性は住宅の確保や高齢になり入院や施設への入所に際して、医療や介護からのアクセスから外れないようにするなど特有の悩みが存在します。そこで、中高年シングル女性に対応する相談体制はどうなっていますか答弁を求めます。
福祉局長福岡市では年齢・性別に関わらず、生活にお困りの方の相談窓口として、生活自立支援センターを設置しております。以上でございます。
市民局長悩みを抱えた女性の相談につきましては、男女共同参画推進センター「アミカス」の総合相談窓口、各区家庭児童相談室などで受けております。以上です。
綿貫市議いろいろ言われましたけれども、生活実態などですね、これといった窓口があるわけではありません。これでは中高年シングル女性が困って悩みがあっても、公的な相談支援には繋がりにくいのではないかと思います。「わくわくシングルズ」の調査でも、多くの悩みがあるのに相談できる場がないことが浮き彫りとなっています。私の調査でもほとんど公的な機関に繋がっておりません。そこで、公的相談機関に中高年シングル女性相談のカテゴリを作り、周知すべきと思いますが、意見を伺います。
市民局長悩みを抱えた方の相談につきましては、住宅や就労、生活困窮などをそれぞれの相談窓口において対応いたしております。ご指摘の女性からの相談につきましても、それぞれの相談窓口において、相談内容や相談者の状況に応じて、関係機関と連携を図るなど適切に対応してまいります。以上です。
綿貫市議行政や男女共同参画センターなどから「中高年シングル女性も相談できますよ」というメッセージをぜひ送っていただいて、公的相談支援に繋がるようにしていただきたい。ぜひそうすべきだと思います。中高年シングル女性について質疑を行ってまいりましたが、シングル女性の貧困率はどの年代でも男性よりも高く、とりわけ高齢になると拡大します。「夫が働き妻は家事育児を担い子どもは2人」という標準世帯モデルで、雇用・税制・社会保障の制度設計がなされてきたため、この枠から外れるシングル女性の多くは、あたかも社会にないかのように扱われ、社会保障の制度の恩恵を受けることなく困窮しています。今述べてきた中高年シングル女性の置かれている現状は、彼女たちの責任ではありません。女性を安く使おうとする社会的構造が女性を貧困へと追い詰めています。そこで日本が立ち遅れているジェンダー平等を実現するためにも、中高年シングル女性の生活困窮に向き合って、住宅支援や、会計年度任用職員への最賃1500円の引き上げ、相談機関の創設など、支援を抜本的に強めるべきと思いますが、この問題の最後に市長のご所見を伺います。
市長女性は暮らし方や働き方に関わる固定的な性別の役割分担意識や、また雇用環境などを背景として、正規労働につきにくく生活上の困難に陥りやすい状況があります。このため、男女共同参画の普及啓発を図りつつ、女性に対しては就労支援や能力向上機会の提供を行うとともに、様々な相談に応じ、関係部署機関が連携をしながら必要な支援を実施してきたところでございます。今後とも引き続き女性が安心して生き生きと輝いて暮らせる社会の実現に向けて取り組んでまいります。以上です。
綿貫市議中高年シングル女性の生活実態に心を寄せない冷たい答弁です。独自の支援を強く求めます。
放課後児童クラブ・民間学童保育
綿貫市議次は放課後児童クラブ、民間学童保育所についてです。本市においては物価高騰のもと共働き世帯がますます増加する中、放課後児童クラブや学童保育所のニーズがさらに高まっています。ところが本市において様々な課題も浮き彫りになっていますのでただしてまいります。まず放課後児童クラブの面積基準や人数規模の最低基準はどうなっていますか。答弁を求めます。
教育長福岡市放課後児童健全育成事業の設備および運営の基準を定める条例におきまして、専用区分の面積は児童1人につきおおむね1.65平米以上を確保すること、職員の配置は、児童数おおむね40人ごとに2人以上の支援員を配置することと定められております。以上でございます。
綿貫市議市内には登録が200名を超している児童クラブが18校ありますが、長期休暇などで登録している児童が100%近く来た場合、面積基準の確保ができませんがどういう対応しているか、答弁を求めます。
教育長放課後児童クラブの専用施設が1人当たりの面積基準を満たすことが難しい場合は学校と連携しまして、余裕教室や特別教室を活用するなどすることなどによりまして、基準を満たした運営を行っております。以上でございます。
綿貫市議特別教室は理科室や音楽室などその目的のための教室であり、いわば苦肉の策で現状のまま面積を確保するならばこのような対応になってしまいますが、放課後児童クラブの児童の生活や遊びに適した環境ではありません。そもそもこのような状況は学校を過大規模化させた市長と教育委員会の責任です。劣悪な環境を改めるために、施設整備を早急に行うべきと思いますが、ご所見を伺います。
教育長国の新放課後子ども総合プランにおいて児童の安全・安心な放課後等の居場所の確保に向けて特別教室等を積極的に活用することが示されておりまして、引き続き学校と連携しながら適切に対応してまいりたいと考えております。以上でございます。
綿貫市議基準に合致するよう整備をするべきです。次にトイレ不足の問題です。児童クラブにおけるトイレの設置基準はどうなっていますか。答弁を求めます。
教育長放課後児童クラブのトイレの設置基準は法令等にはございませんが、本市では施設1棟につき2基以上のトイレを設置することとしております。以上でございます。
綿貫市議基準がないこと自体が適切ではないと思います。現在児童クラブに設置されているのは、男女兼用の洋式便器です。私は児童クラブの便器の設置数を登録人数で割ってみました。そうすると40人以上に1つが28校あり、そのうち50人以上に1つは15校です。一番多い児童クラブは66人に1つでした。そこでお尋ねしますが、トイレはこれで足りていると考えているのか、答弁を求めます。
教育長4月は入会児童数が多くなることや、利用するタイミングが重なることなどによりまして、一時的に順番待ちの列ができることもありますが、児童クラブのトイレも児童数に応じて必要数を整備していること、また、休み時間に利用が集中します学校とは異なって、いつでも利用できますことから、特に不足している状況にあるものとは考えておりません。以上でございます。
綿貫市議いろいろ言われますけれども、ある児童クラブではですね、低学年が多いゆえトイレは1人が行くことをきっかけに集団で行きはじめるため、いつも行列になっていると言っています。ここは25人に1つのトイレです。しかしながら厚生労働省は職場における労働衛生基準で例として、男女それぞれ65人ずつである場合、男性用大便所2個、男性用小便所3ヶ所、女性用便所4個としています。これは19人~22人に一つのトイレということになりますが、大人の職場環境の基準ですから、子どもたちにはこれ以上に数を保障しなければなりません。従って放課後児童クラブに設置しているトイレの数は不足しており、適切な基準を作り早急に十分な整備を行うべきと思いますが、ご所見を伺います。
教育長放課後児童クラブについては、利用児童数の見込みや学校施設の状況などを踏まえ、計画的に施設の増改築を実施しており、今後とも利用児童の状況や現場の意見を踏まえながら必要な機能を整備してまいります。以上でございます。
綿貫市議大事な子供の発達の場です。トイレについて早急に必要な整備をするよう求めておきます。次に民間学童保育所についてです。本市の非営利民間学童保育所の数、また入所数はどれぐらいか、答弁を求めます。
教育長令和5年5月時点で5事業所でありそれらの利用児童数の合計は188名でございます。以上でございます。
綿貫市議市内に5ヶ所もあり、1 88人が在籍します。この民間学童保育所に対し本市の支援はどのようになっていますか、答弁を求めます。
教育長福岡市では、子どもの安全の配慮から、小学校の敷地内に全ての放課後児童クラブを設置するとともに、地域や保護者、学校と連携を密にしながら運営しておりまして、待機児童も生じていないことから、民間の放課後児童クラブへの助成は行っておりません。以上でございます。
綿貫市議支援が何もないということは問題です。20年近く運営しているある民間学童保育所は、保護者の負担をこれ以上増やせないと、寄付やバザーで事業をやりくりしていますが、ほとんどが人件費のため大変苦しい運営を強いられています。しかし専門の指導員のもと、低学年から高学年まで、異年齢の交流を築き、卒業後も居場所として子どもたちが集う場となっています。そこでコロナ禍においても役割を果たした非営利団体運営の学童保育所へ財政支援を行うべきと思いますが、ご所見を伺います。
教育長繰り返しになりますが、子どもの安全の配慮から、福岡市では小学校の敷地内に全ての放課後児童クラブを設置いたしておりますとともに、地域や保護者、学校と連携を密にしながら運営してございまして、待機児童も生じておりませんことから、民間の放課後児童クラブへの助成が必要とまでは考えておりません。以上でございます。
綿貫市議民間学童に通う子どもたちには1円もお金を出さないという本当に冷たい態度です。私は民間学童保育所の現場を直接見せていただいたことがあります。子どもの発達を見据えて素晴らしい保育をやっておられました。今や学校については、公立や私立など多様な選択肢があります。放課後児童育成事業も、非営利団体が行っているものを、保護者や子どもたちの選択肢にできるよう、行政がその役割を認めるべきです。決して儲けのためにやっているわけではありません。放課後児童クラブと非営利団体運営の学童保育所に格差をつけることはすべきではないと考えます。両施設とも、子育て世帯を支える必要不可欠な事業であり、子どもたちが生活や休息、様々な遊びを通して発達する場です。従って、放課後児童クラブには、子どもの発達に応じた早急な施設整備を行い、社会福祉法人など非営利団体が運営する学童保育所には、市として財政支援を行うべきと思いますが、この質問の最後に教育長のご所見を伺います。
教育長放課後児童クラブにつきましては、利用児童数の見込みや学校施設の状況などを踏まえまして、計画的に施設の増改築を実施するとともに、余裕教室等も活用して、基準を満たした運営を行っているところでございます。また、福岡市では小学校の敷地内で子どもの安全に配慮しながら運営しておりまして、待機児童も生じていないことから、民間の放課後児童クラブを奨励するための助成や支援が必要とまでは考えてございません。以上でございます。
綿貫市議子どもと保護者の願いに耳を傾けるべきです。
介護保険について
綿貫市議次に介護保険についてです。現在本市の第9期福岡市介護保険事業計画の策定作業が行われています。介護保険については、保険料やサービスのあり方について様々な問題が指摘されており、次期計画が注目されています。これらについてただしてまいります。まず介護保険料についてですが、次期介護保険料事業計画における保険料の標準額について見込みはいくらになりますか。答弁を求めます。
福祉局長第1号被保険者の介護保険料の基準月額につきましては、計画の原案において、6580円~6980円を見込んでおります。以上でございます。
綿貫市議最高額で年間9060円も上がることになります。上がり続けた保険料がさらにとんでもなく値上がりをします。本市では、介護給付費準備基金を取り崩し、保険料上昇のために充当すると言っていますが、基金残高はいくらでそのうち次期保険料の値上げ分にどれくらい充当するのか、答弁を求めます。
福祉局長介護給付費準備基金の残高につきましては、令和4年度末時点で約20億円となっており、第9期の保険料の算定に当たりましては、必要と認める額を除いて介護給付費に充当することにより保険料の抑制を図ることといたしております。以上でございます。
綿貫市議保険料の引き上げ額が今後3年間続くとして上昇分を補填するには全く足らないと言われますが、それだけで済まされるわけではありません。今の高齢者の実態は、年金は下がり、物価は上がり、病院の窓口負担も2倍になった後期高齢者もいます。収入は減るのに負担が増える。このような中で介護保険料まで引き上げれば暮らしが成り立たなくなると思いますが、ご所見を伺います。
福祉局長保険料につきましては、原則5割の公費とは別枠で、国が定める割合の上限まで公費を投入することなどにより、可能な限りの負担軽減を図っているところでございます。また、何らかの理由で保険料の支払いが困難になった方については、事情を十分にお聞きした上で、減免などの措置を行っており、引き続き適切な対応を行ってまいります。以上でございます。
綿貫市議高齢者の暮らしはひっ迫をしています。その主要な原因は高すぎる保険料にあります。基金を入れて値下げにならないなら、一般会計を繰り入れてでも引き下げを図るべきではないかと思いますが、ご所見を伺います。
福祉局長介護保険制度は全国共通の制度であり、制度の枠外で一般財源を繰り入れることは適切でないとの国の判断が示されていることから、福岡市が独自に保険料の引き下げを行うことは制度上困難であると考えております。今後とも、介護保険制度を適正に運用するとともに、国の負担割合を引き上げるなど必要な措置を講ずるよう引き続き国に対し要望してまいります。以上でございます。
綿貫市議できないと言われるが、やってもらわないと困ります。あらゆる手立てをとって引き下げを図るべきです。高すぎる介護保険料のために今何が起こっているのか。保険料の滞納が生じ、サービスから排除される方々が、今年度も176名にも達しています。保険料が天引きでない低年金、無年金、低収入の人たちが保険料を滞納し、サービスから排除されているんです。そもそも介護保険料は改定のたびに引き上げを繰り返し、このような高齢者の負担能力を大きく超えています。なのに今後3年間さらに保険料が値上げされれば、こういった方々を増やすことになります。低所得の人たちを介護保険の利用から事実上締め出す過酷なやり方を改め、あらゆる手立てをとり、保険料を引き下げるべきと思いますが、ご所見を伺います。
福祉局長介護保険料につきましては、3年ごとに必要な介護サービス費用等を見込み、関係法令に基づき設定しております。介護給付費準備基金を充当するとともに、国が定める割合の上限まで公費を投入することなどにより、可能な限りの負担軽減を図ってまいります。以上でございます。
綿貫市議保険料引き上げはとんでもないことです。重ねて引き下げを求めておきます。さらに国は利用料2割負担の対象拡大、多床室の有料化、所得410万円以上の値上げなども検討しています。また人材確保の問題も、次期計画では何ら具体的な手立てもなされていないことも指摘をしておきます。本来ならばこのような国の計画から、市民を救わなければならない中、9期計画は、保険料改悪に拍車をかけるものとなっています。従って、これ以上の保険料の引き上げは行わず、介護従事者の賃金の引き上げも盛り込んだ第9期福岡市介護保険事業計画へと抜本的に見直すべきと思いますが、この質問の最後に市長のご所見を伺います。
市長介護保険制度は、介護を要する高齢者やその家族を支える重要なものであると認識をしております。第9期介護保険事業計画の策定に当たっては、介護保険料について、国が定める制度の中で、可能な限りの負担軽減を図りつつ、適切に設定を行うとともに、介護人材の確保も含め、高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らし続けることができるように取り組んでまいります。以上です。
綿貫市議今あなた方の次期計画案では、もっとひどい状況を生み出すことになります。強く見直しを求めておきます。
市長の政治資金パーティー
綿貫市議次は、市長の政治資金パーティーについてです。自民党主要5会派の政治資金パーティー収入の不記載が政権を揺るがす大問題となっています。高島市長も当選以来、一貫して政治資金パーティーで政治資金を作っています。そこで市長の政治資金パーティーについてただしていきます。2022年の政治資金収支報告書によると、市長の政治資金管理団体「アジアリーダー都市研究会」の政治資金パーティーの回数は2回となっています。収入の合計は7286万円、支出合計は1100万円で、何と約85%の利益率となります。まさにボロ儲けです。この85%の利益率について高すぎると思いますが、ご所見を伺います。
市長市政報告会につきましては政治資金規正法第8条の2に規定されている政治資金パーティーとして、私を応援・支援していただいている方々に対して、市政報告などを行うため、政治活動の一環として開催したものであり、法に基づき適切に対応しております。以上です。
綿貫市議問題ないとのお答えですが、その利益率が85%と高いということで言っているんです。対価性がないです。そこで、市長にお尋ねしますが、このような高いパーティー券の利益は、実質的な「寄付」に相当するのではないかと思いますが、答弁を求めます。
市長市政報告会の会費につきましては、報告会へ参加する債務の履行、すなわち対価として支払われるものであり、政治活動に関する寄附ではございません。以上です。
綿貫市議自民党のパーティー券問題でも、9割という高い利益率が問題になっています。誰がどう見ても実質的な寄付です。さらに、誰からパーティー券を買ってもらったかが問題です。市長の政治資金収支報告書には、福岡市医師連盟が30万円購入という記載がありますが、それ以外の記載は全くありません。そこで市長名で仕事を発注している企業からは、パーティー券を買ってもらっていないのか、答弁を求めます。
市長市政報告会には、市の内外から幅広い分野の皆様にご来場いただいており、その詳細は把握しておりませんが、市政報告会の会費につきましては、報告会へ参加する債務の履行、すなわち対価として支払われるものであり、政治活動に関する寄附ではないため、政治資金規正法の趣旨から問題はございません。以上です。
綿貫市議否定されますけど、医師連盟以外に記載がないので、このような疑念が生じているんです。もし市の発注企業にパーティー券を買ってもらっていたら、これ大問題なんです。市長政治倫理条例第3条には「政治倫理基準に違反する事実があるとの疑惑を持たれたときは、自ら誠実な態度を持って疑惑の解明に当たるとともに、その責任を明らかにしなければならない」とあります。よって市長は自ら癒着の疑念を明らかにするとともに、パーティー券購入者を公表すべきではないかと思いますが、答弁を求めます。
市長市政報告会につきましては、政治資金規正法に基づき適正な手続きを行い、必要な届け出および公表は全て行われております。以上です。
綿貫市議買った方々の公表を言っているんですが、公表しないのであれば、疑念は深まるばかりです。さらにもう一つの問題です。自民党の政治資金パーティーを巡り、収入を少なく記載して「裏金」になっていたことが問題となっています。市長もそのような「裏金」を作っている事実はないのか、答弁を求めます。
市長市政報告会につきましては、政治資金規正法に基づく政治資金パーティーであり、法に基づき適切に対応しております。以上です。
綿貫市議お答えにもなっておりません。市長は先ほど指摘した政治資金パーティーで、定員が1200人の会場に1600枚以上のパーティー券を販売しているという事実があります。こういった政治と金の問題が、いま大きな批判と政治不信を増大させているんです。そんな中、高島市長も20万円を超えなければ名前を出さなくていいという政治資金パーティーの抜け道を悪用して多額の金集めを行っています。本市と利害関係のある企業からパーティー券を買ってもらったかどうかも明らかにしていません。定員を大幅に超えるパーティー券の販売数から裏金を作っているのではという疑念も消えません。福岡市政を金で歪めるやり方は断じて許されず、事実上の企業団体献金である政治資金パーティーは、やめるべきと思いますが、最後に市長の答弁を求め、私の質問を終わります。
市長市政報告会につきましては、政治資金規正法に基づく適正な政治資金パーティーであり、この収入は同法で禁止されている企業団体献金とは全く異なるものでございます。今後とも法に則り適切に対応してまいります。以上です。
中高年シングル女性支援や学童保育の施設整備、介護保険料の引き下げを求め、市長の政治資金パーティーの疑惑を追及(2023年12月13日 わたぬき康代市議の一般質問)