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2021年度決算特別委員会
姪浜北団地等の交通不便地解消、生活保護世帯エアコン購入補助を求め、
GIGAスクール構想や部活動の地域移行問題について質す
2022年9月21日 山口湧人市議の総会質疑
2022年9月21日、日本共産党の山口湧人市議は、2021年度決算特別委員会の総会質疑で、西区姪浜北団地をはじめとする市内の交通不便地の解消、生活保護利用者の命を守るエアコン購入費用の助成制度創設を求め、小中学校で「1人1台タブレット端末」などをすすめるGIGAスクール構想や、部活動の地域移行問題について質しました。
西区の姪浜北団地および小戸1丁目地域は、バス停から500メートル以上、鉄道駅から1キロメートル以上離れた「交通不便地」となっています。山口市議は、以前はバス停が近くにあり「不便地」ではなかったのに、現在はバス停がマリノアシティ福岡の結婚式場の近くまで移動したことによって「不便地」になったことを指摘。これは、「生活交通確保のために最大限の配慮を払うよう努めること」を求めた生活交通条例に反しているのではと質しました。
また、山口市議は、「交通不便地」などにおける生活交通を確保するためのとりくみである生活交通支援事業について、地域住民の「自助」「共助」ありきになっていることを批判し、地域の苦悩を紹介しながら、行政が主体的に取り組む責任を明確にすべきだと質しました。その上で、山口市議が姪浜北団地地域の「交通不便地」を解消するため、バス事業者と協議をするよう求めたところ、市は、地域の実情を踏まえて事業者と協議すると答弁しました。
近年の異常な猛暑による熱中症が増え続けているなか、命を守るためにも、エアコンは必要不可欠です。しかし、生活保護利用中にエアコンが故障し、買い替えたいと思っても、購入費の支給は認められていません。
山口市議は、生活費ギリギリしか出ていない保護費をやりくりしてエアコンの購入資金を貯めることは非現実的であり、さらには県社会福祉協議会の貸付も手続きがあまりにも煩雑すぎて多くの方があきらめて、猛暑の中でもエアコンを我慢している保護利用者がいることを告発。命を守り、最低限度の生活を営む権利を保障するためにも、国にエアコン購入費全額を支給することを求めるとともに、市独自の購入補助制度を創設すべきだと求めました。
市は、国にも求めず独自支援も検討しないという冷たい態度に終始しました。
「1人1台のタブレット端末やクラウド活用を踏まえたネットワーク環境の整備により、個別最適化された教育を実現する」というGIGAスクール構想が進められていますが、小中学校の現場では「AIドリルをつかったゲーム感覚での学びは学びといえるのか」「タブレットの使用時間が授業や教員の評価につながるのでは」などの懸念の声が出されています。
山口市議は、教育現場でICT活用の無理な押し付けが起きていると指摘。ICTはあくまで補助であり、子どもの実態に合わせた教員の自由で主体的な授業づくりこそ奨励し、事実上の強制は見直すべきだと求めました。教育長はICTの活用について手放しで称賛し、問題点については背を向けました。
また、山口市議は、教室内に設置されているタブレットの「充電保管庫」がほとんど使用されておらず、ある中学校では「充電保管庫」を設置したために、給食の配膳台を廊下に置かざるを得ない状況があると告発。しかし、教育長は「そのような実態は聞いていない」と告発を無視しました。
中学校などでの部活動は、子どもたちの文化やスポーツへの権利にこたえるとともに、自発的な活動であることによって思春期の人間形成を豊かにする意義があります。しかし「部活動の過熱化」で活動時間が大幅に増え、教員の過重負担などの課題が顕在化しています。
山口市議は、文科省が行った「全国体力・運動能力、運動習慣等調査」によると、福岡市の部活動の活動時間は政令市のなかで2位となっていることを示し、部活動の活動時間や休養日を定めた「部活動ガイドライン」が守られてないことを告発。また、部活動の顧問を事実上強制する「全員顧問制」はやめるべきだと質しました。しかし、教育長は実態を見ない答弁を繰り返しました。
山口市議は、文科省主導で進められている、部活動を地域のスポーツ産業・業界に委託する「部活動の地域移行」について、子どもたちのスポーツや文化活動をお金で買うサービスになってしまえば、学校教育の一環としての部活動の意義は失われてしまう危険があり、慎重に検討すべきだと求めました。
以上