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議会報告

2021年12月議会

12月議会反対討論(一般会計補正予算案)

2021年12月23日 綿貫英彦市議

私は日本共産党市議団を代表して本議会に提案されております議案第216号に反対し、討論を行います。

本議案は、国の経済対策関連、新型コロナウイルス感染症関連、災害対応、給与費などの予算補正を盛り込んでいます。

補正予算案のうち、国の経済対策関連の事業および新型コロナウイルス感染症関連として計上されている事業については一刻も早く市民に届けるべきであるというのがわが党の立場でありますが、他方でそれ以外の部分には市民の立場から看過できない問題点が含まれております。

ここではその2つの問題点について述べます。


第一は、職員の給与費に関わる補正についてです。

今回の補正は、市人事委員会の勧告にもとづき、2021年の基本給の引上げをせず、今年の冬のボーナスについては0.15か月分の引下げを行うものとなっています。

長引く新型コロナウイルス感染症の対応、豪雨災害への対応など、必死に頑張ってきた職員に対して、基本給を据え置いた上に2年連続のボーナスカットはあまりにひどい仕打ちであります。職員給与は、委託業務に関わる労働者、保育士や福祉関係など幅広い労働者の給与に連動し、民間企業の給与にも影響を与えるものであります。コロナ禍のもとで経済が停滞する中、家計を温め、地域経済活性化につながる賃上げこそ必要です。また、ボーナスの引下げにより、市職員の年間平均給与が5万7000円引き下がることになり、生活設計や地域の景気にも深刻な影響を与えることになります。この20年間で市職員の年間給与は約100万円も引き下げられており、子育てや親の介護が必要な職員には特に重い打撃となってきました。職員のモチベーション低下にもつながる、このような補正を、わが党は認めることはできません。


第二に、マイナンバーカード申請出張サポート事業に関わる補正についてです。

そもそもマイナンバー制度について、プライバシー権の侵害の危険や個人情報の漏洩、カードの紛失や盗難が起こる可能性があるなか、制度そのものに不安を持っている国民が少なくありません。政府は不安に応えないまま、国民が必要としない制度に固執し、国民にマイナンバーカードを押し付けようとしています。福岡市も買い物に使えるポイントの付与や、健康保険証の代わりに使えるといったお得感や利便性を宣伝するなど、あの手この手でマイナンバーカードを普及させようとしています。しかし、市民へのカード交付率は11月末現在41.4%であり、半分にもいきわたっていません。国言いなりに、この事業を推し進めるための補正に、わが党は賛成することはできません。


以上の理由から、わが党は本議案に反対をするものであります。


次に、補正予算案に含まれているもののうち、わが党が賛成する事業についても意見を述べておきます。


一つ目は、子育て世帯への臨時特別給付事業についてです。

今回のこの給付金事業をめぐっては、政府・与党の迷走で自治体・市民が振り回されました。そのことについて、政府に対して厳しく抗議する必要があります。また、この事業は株式会社パソナに委託していますが、大規模業務委託はやめるべきです。給付金事業などについて、巨大派遣会社や大企業に丸投げし、再委託を容認することは、子会社等の多重の中抜きにより支出を増大させることにつながります。税金の無駄づかいに他なりません。大規模業務委託は縮小・廃止し労働者の適切な賃金や待遇を保障する直接雇用に転換すべきであると、改めて求めておきます。

また、中学生以下への給付については9月30日時点の児童手当の受給者の世帯主に対して支給することになっていますが、10月1日以降に離婚をした場合、子どもと同居していない元配偶者に対して給付金が支給されるケースが生じてしまいます。国はこの問題についての対応を考えておらず、自治体まかせとなっています。わが党は、委員会審議において市としてこの問題に対応すべきだと迫りましたが、国の制度設計を理由に冷たく拒否をする答弁がされております。

それに加えて、市はDV等で子どもを連れて避難した人に対しての給付については、申し出をすれば対応するとしていますが、加害者に給付決定が行われた場合には、子どもを連れた被害者には給付することはできないとしています。

今回の給付金は子育て支援のための給付金であり、実際に子育てをしている世帯に届かなければ意味がありません。こういった実態を把握したうえで、対象者にもれなく給付金が支給されるよう、市として独自の救済策をつくることを強く求めます。


二つ目は、中小・小規模事業者への支援についてです。

今回の補正では福岡商工会議所などが行うプレミアム付商品券事業を市として支援するなど、いくつかの支援策が提案されておりますが、今の中小零細業者の現状から見れば総じて不十分であります。

わが党は議案質疑で、プレミアム付商品券事業について、商品券によって一時的に消費が喚起されたとしても、その後の反動減は避けられないという弱点や、電子版商品券に対応できない中小業者や市民を排除することになる問題などを指摘しました。また、全市版プレミアム付商品券事業に関して、福岡商工会議所などの会員でない場合は換金手数料がかかるという問題について質しましたが、委員会審議で当局は福岡商工会議所などと協議すると答弁をされました。わが党は換金手数料をなくすよう改めて求めておきます。

国が進めようとしている「事業復活支援金」の事前確認については、今回の補正で提案されている「事業者向け支援金申請サポート事業」によって無料で行うようにしたことは一歩前進です。しかし、この「事業復活支援金」の給付額については持続化給付金の半分に過ぎず、コロナ禍で苦しむ中小零細業者の減収補填の役割には不十分です。よって、本市独自に上乗せの支援金制度をつくり、事業規模に応じた加算を行うとともに、対象拡大と要件緩和を行うよう求めます。


以上でわが党の反対討論を終わります。


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