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2020年4月臨時議会
医療・福祉現場への財政支援、PCR検査や相談の改善を求める
2020年4月30日 中山郁美市議の議案質疑
2020年4月30日、日本共産党の中山郁美市議は福岡市臨時議会で議案質疑を行い、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、髙島市長が打ち出した医療・福祉現場への支援策、PCR検査や相談体制の問題点についてただしました。
市が病院・介護・保育職員などに対し支給する「特別給付金」について、1人あたり1万円であることを明らかにし、「『感染リスクの最前線で従事されている』方々への手当としてはお粗末すぎる」と厳しく指摘しました。しかも、留守家庭子ども会や公立保育所の職員を市の職員であることを理由に除外している問題も暴露。会見で「市役所として工夫できることはたくさんあるので全部やる」と述べた高島市長を厳しく批判し、不要不急の開発を凍結して財源を生み出し、医療・福祉現場への給付を抜本的に充実するよう要求しました。
感染者を受け入れた医療機関への給付について、中山市議は「医療器材の確保や消毒体制等、膨大な費用がかかる一方、感染者受入れのためにベッドを空けておくことにより収入は大幅に減少するため、1カ月で数千万円の減収になっている」と医療機関から聞き取った声を示し、「感染者の人数かける30万円の給付では間尺にあわない」と指摘しました。また、医療用マスクや防護服等、資材不足が深刻になっている実態も示し、「このままでは院内感染を起こしたり、資金ショートに陥り医療活動ができなくなったりしてしまう」と述べ、国まかせではなく市として医療機関の経営支援や医療資材確保に責任を持つよう提案しました。
さらに、感染防止や効率的な作業のため、医療スタッフが自家用車で通勤したり、ホテルに宿泊したりしていることも紹介し、宿泊先や駐車場の利用料金の補てんにも乗り出すよう求めました。市長は「今後も迅速かつ適切に対応していきたい」なとど、これまでの延長線上の域を出ない答弁をしました。
PCR検査体制について、中山市議は、相談は4万3000件を超えているのに、検査数が3500件程度に抑えられている実態を示し、ドライブスルーやウォークスルーも含め、PCR検査センターを1か所でも多く増設するよう迫りました。また、かかりつけ医の判断で保健所を通さずに検査を受けられるようにして、検査数を抜本的に増やし、科学的な判断をするよう求めました。答弁で保健福祉局長は、ドライブスルー方式も可能な検査センターの設置を約束しました。
さらに、中山市議はこの問題にかかわって、4月25日に高島市長が動画で市民に「自粛の効果が出ている」などと伝えたことについて「少ない検査数のまま、感染者が減ってきているかのような発言をしている」と厳しく追及。「学校一斉休校を決めたときに続き、またも科学的裏付けもないまま、市長が独断で発信した」と述べ、このようなやり方を改めるよう要求しました。
「電話がつながらない」など、市民から不安の声が寄せられている相談センターについては、民間委託によって当初、50回線あったものが7割に縮小されている問題を指摘し、専門医師の配置など体制の充実を提案しました。
緊急対策として、加入者に傷病手当金が給付されることになった国民健康保険については、対象を新型コロナに限定せず、事業主やフリーランスの人も含めた恒常的なものにするよう求めました。