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議会報告

2019年予算議会

2019年予算諸議案に対する意見開陳

2019年3月12日 中山いくみ議員

私は、日本共産党市議団を代表して、本議会に上程されております諸議案のうち、議案第30号ないし33号、35号ないし37号、39号、40号、42号、44号ないし53号、55号、58号ないし67号、69号ないし77号、79号、81号、82号、84号ないし86号、88号、90号ないし92号に反対し、意見開陳を行います。わが党の意見については、代表質疑、分科会審査および総会における質疑で述べておりますので、ここではその基本点について述べます。


安倍政権は10月に消費税の税率を10%に引き上げようとしています。消費税はもともと逆進性の強い、社会保障の財源としてふさわしくない税金ですが、実質家計消費支出が前回の増税時から落ち込んだままとなっている上に、官邸までかかわっての、実質賃金に関する統計の不正・偽装が発覚し、増税の根拠は総崩れとなりました。加えて、内閣府の景気判断が「足踏み」から「下方への局面変化」に引き下げられ、もはや増税はひとかけらの道理もなくなりました。

このようなときにこそ、市民の暮らしを守るべく自治体のトップは消費税の増税中止を政府に働きかけねばならないはずですが、髙島市長はわが党の追及に対して「消費税率の引上げにつきましては社会保障の充実・強化の観点から実施される」などと引上げを当然視する態度をとり、この予算議会にも10%への引上げを盛り込んだ予算案、条例案を大量に提案してきたのであります。

また、安倍政権が全国の自治体に押しつけている大型開発と規制緩和の路線に対して、それに抗するどころか、本市をその実験場とし、尖兵の役割を買って出ているというのが、髙島市長の新年度予算案と市政運営方針の特徴であります。

従来の人工島事業への税金投入などに加え、「天神ビッグバン」を博多駅周辺にも広げる「博多コネクティッド」、ウオーターフロント地区の再整備とあわせて、博多港全体の再編につなげる箱崎ふ頭の埋立てが新たに進められようとしています。

そして、このムダな大型開発の象徴が、博多駅と博多港を結ぶロープウエー計画です。今議会でわが党だけでなく他の野党からも、そして与党からも予算修正の提案や動議が出されようとしていることは、単に市長の議会工作が失敗したという話ではありません。これはまさしく市民の世論であり、民意そのものです。この議会で明らかになったように、わが党だけでなく様々な会派が市民にアンケートをとり、いずれも多数がロープウエーは「不必要」だという結果を得たことがそれを証明しています。

市長は市長選で公開討論から逃げ回り、知名度頼みの姑息な戦術で選挙は逃げ切ったかもしれませんが、今まさに圧倒的な民意の前に敗れようとしているのであります。この事実を見誤ることなく、ロープウエー導入はきっぱりと断念すべきであることを厳しく指摘しておくものです。


市長は「借金は減っている」などと自慢していますが、実際には大型開発が市財政を圧迫し、もう一つの借金である債務負担行為は年々増え続けてきました。髙島市政のスタート時と現在を比べると、普通会計決算ベースでは市債現在高と債務負担行為の合計額は逆に60億円も多くなっていたのであります。

このような大型開発・規制緩和の道を進んでも、市内の大企業の内部留保や法人企業所得だけが膨れ上がり、家計の可処分所得や一人当たりの雇用者報酬など市民の暮らしはますます貧しくなっています。最新の統計では可処分所得は1世帯あたり1割も減っています。そして、福岡市が定義する年収300万円未満の「低額所得世帯」は髙島市政になって数も率も増加し、今や世帯の半分近くに増えてしまっています。市長のいう「都市の成長と生活の質の向上の好循環」など全く起きていないのであります。市長は市政運営方針で「誰一人取り残さないSDGs(エスディージーズ)の理念を踏まえ」などと言いましたが、実態は大企業の繁栄の陰で、ほとんどの市民が取り残されつつあります。

他方で、社会保障については、髙島市長はこれまで、安倍政権に追随して「配る福祉から支える福祉へ」と称して、公的な責任を解体し、地域や市民に仕事を押しつけようとしてきましたが、その一環であった高齢者乗車券の廃止・削減計画は、4万1000もの削減反対・拡充要求署名の前に挫折を余儀なくされ、「当面、事業を継続し、使いづらいとの声を踏まえ改善する」と答弁せざるを得なくなりました。

ところが市長は「見守り、支え合う、共創の地域づくり」などという装いでこの路線を引き続き狙おうとしており、障害者の福祉乗車証については、当事者の切なる願いを踏みにじり廃止に向けて突き進んでおります。

しかし、この問題でも障害者のみなさんたちが新たに反対運動を始めており、安倍政権に追随する市長の思惑はここでも手痛い反撃に遭うだろうということを指摘しておきます。

今なすべきことは、国の悪政から市民を守るために、大型開発・規制緩和の路線を抜本的に見直し、福祉や教育など市民の暮らしを応援する市政に切り替えることです。そうすれば地域でお金がまわり、地元の中小業者の仕事や雇用がふえ、市財政も立て直せます。わが党は、この立場から髙島市政に対して予算の組み替えを代表質疑で提案しましたが、市長は応じようとしませんでした。

したがって、わが党は、安倍政権の暴走に追随し、一部の大企業だけをもうけさせ、市民を貧しくさせるだけの市長の新年度予算案と関係議案に反対するとともに、わが党が提案した予算組替え動議へのご賛同を議員各位にお願いいたします。


以上でわが党の意見開陳を終わります。


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