2019年9月議会
9月議会を終えて
2019年9月27日 日本共産党福岡市議団
福岡市の9月議会が開催され、24日閉会しました。
◆消費増税など安倍政権の悪政と対決、核兵器問題での意見書採択
今議会は、高島市政が福岡市に持ち込もうとしている安倍政権の悪政に対し、日本共産党が正面から対決するものとなりました。
10月に実施が狙われている消費税増税を前提とした議案が9件提案され、わが党はいずれも反対しました。特に、保育などの「無償化」については議案質疑で取り上げ、一番切実に負担軽減を求めている低所得層はすでに保育料は無料とされているため、「無償化」の恩恵は全くなく、消費税増税の負担増だけが押しつけられること、副食費(おかず代)が新たに実費徴収されることなどを追及しました。これに関連して、補助金詐取事件で逮捕された社長が関与した企業主導型保育施設について、福岡市が調査に入りながら、保育のための調理室がないことや保育士の給料が長い間未払いだった事実を全く見抜けなかった実態が明らかになりました。委員会審議では与党議員からも当局答弁に不満の声が上がり、こども未来局長がお詫びする一幕がありました。
国民健康保険料については、引下げを求める署名運動が市内各地で始まり、わが党も一般質問で取り上げました。安倍政権は「標準保険料」を目標にした値上げを策しており、これに反対するよう市長を追及するとともに、一般会計の繰入を増やして引下げを図ること、少なくとも子どもの均等割をなくす手立てをとることを迫りました。さらに、国保法44条に基づく窓口負担減免の活用を要求しました。市は繰入については「負担の公平性の観点から最小限にとどめるべき」とし、子どもの均等割についても「全体で支え合うので応分の負担が必要」などと答え、市民の願いに背を向けました。
安倍政権が米軍基地の再編・強化を進める中、福岡空港の滑走路増設にともない、米軍板付基地の施設を空港内の別の場所に移設する工事について、福岡市も予算の一部を支出していることが判明しました。わが党はこの問題を一般質問で追及し、港湾空港局長は「説明が十分でなかった」として謝罪に追い込まれました。
こうした中、市民クラブやわが党などの提案で、国に対して核兵器禁止条約の締結を求める意見書が賛成多数(自民党などが反対)で採択され、締結を拒む安倍政権に対する痛烈な一撃となりました。
◆選挙公約の実現、切実な市民要求をかかげて
わが党が選挙中に公約したジェンダー平等の推進、旧こども病院跡地(中央区)の公共利用など切実な市民要求をかかげ、松尾りつ子市議が初質問をしました。
ジェンダー平等については、福岡市役所の女性幹部職員の登用率が15%にも満たない実態を指摘し、女性が働きにくい職場になっている問題の一つとして長時間労働とともに、ハラスメントの問題を取り上げ、ハラスメントそのものを違法とする禁止条例の制定を要求しました。
旧こども病院跡地については、周辺住民からアンケートで寄せられた声を紹介し、特養老人ホーム、認可保育園、公園などの公共利用の必要性を訴えるとともに、市長が約束したはずの「地域医療の拠点の建設」の実現についてただしました。これらを総合し、医療・福祉の複合施設など、住民の声を反映するよう提案しました。
また、障害者施設で働く職員は福祉の専門職でありながらあまりにも低い給料である実態を告発し、処遇改善を国に求めました。あわせて家賃補助などの市独自の支援を迫りました。また、障がい者スポーツセンター、早良と西の障がい者フレンドホームの管理運営から、実績があり利用者の信頼も厚い社会福祉事業団を外す問題を追及し、非公募に戻すよう要求しました。
◆市民と野党の共闘の立場で意見書を提案
前述の核兵器についての意見書だけでなく、わが党は高齢者のブレーキとアクセルの踏み間違いの防止装置などへの公的補助を求める意見書を、市民クラブや緑ネットなどとともに提案しましたが、自民・公明などの反対で否決されました。また、選択的夫婦別姓制度を求める意見書も立案し、市民クラブや緑ネットは賛同しましたが、自民党は「家族が壊れる」として、公明党は選挙で公約しているにも関わらず「世論が喚起されていない」として反対を表明したため、取り下げざるを得ませんでした。
また、天皇の即位についての賀詞決議が今議会で採択されました。わが党は憲法に定められた制度として儀礼的な祝意を表すること自体には賛成であると表明しました。同時に、主権在民の憲法にふさわしくない過剰な天皇賛美になる文言の修正を求めたところ、立案会派により修正されたため、同決議に賛成しました。
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続く10月2日から始まる決算特別委員会で徹底した審議を行うとともに、開始された国保料引下げの市民運動などに全力でとりくみ、野党連合政権の実現をめざしてがんばります。