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議会報告

2018年度決算特別委員会

加齢性難聴者の補聴器補助、幼稚園類似施設の無償化、
世界水泳のあり方を質問

2019年10月3日 倉元達朗市議の総会質疑

倉元達朗議員

日本共産党の倉元達朗市議は2019年10月3日、2018年度決算特別委員会総会で質問を行い、加齢性難聴者への補聴器購入補助、幼稚園類似施設の無償化、世界水泳の予算のあり方をただしました。


加齢性難聴(年をとることによる聞こえの悪さ)について、倉元市議は、「耳が聞こえにくくなると意思疎通に手間がかかり、結果的に孤立しがちになる」「父が難聴で会話が聞き取りづらくなり、かなりストレスがあったようだ」など独自に集めた住民アンケートの声を紹介。補聴器を購入しなかった理由のトップがダントツで「価格が高い」とされていることなどを指摘し、補聴器の購入補助と機器の調整支援を市として行うよう求めました。保健福祉局長は「国で研究がされており、国や他都市の動向を見守る」と述べるにとどまりました。


幼稚園類似施設は幼稚園として設置の基準を満たしていない施設ですが、少人数で質の高い教育をしている施設の場合でも、幼稚園や保育園の「無償化」の対象から外されています。そうした市内の施設の一つを取り上げ、保護者・子どもが信頼を寄せている様子や、障害児の療育などの受け皿になっている実態を示し、支援が必要ではないかとただしました。

こども未来局長は「基本的制度設計は国においてなされている」と無責任な答弁をしたため、倉元市議は「東京都では国が出さない分、都が補助している」と批判。幼稚園類似施設の役割を認め、補助をせよと迫りましたが、高島市長は「無償化の対象範囲については国の動向を注視する」と答え、消極的な姿勢を示しました。


福岡市は2021年世界水泳選手権大会の開催市になりましたが、予算の見込みが100億円から140億円へと異常な膨張をしています。質問によって、それでも確定していないことが明らかになり、倉元市議は「どこまでふくれあがるかわからないではないか」と厳しく批判しました。

さらに、当て込んでいる協賛金・寄付金収入の到達を聞かれ、到達金額を答えずにごまかそうとした市民局長に議場が騒然となり、しぶしぶ再答弁に立つ一幕も。その結果、収入は協賛金・寄付金収入は未だゼロ、放映権収入もないという驚くべき事実が発覚しました。「穴が空いたら市が負担するのではないか」と追及すると局長は「負担が増加しないようしっかり取り組む」と苦しい答弁をしました。

世界水泳関連の業務委託3件のうち2件を電通と電通九州が特命随意契約で受注しています。市は、特命随契にした理由を、これらの企業は大会準備委員会とマーケティング専任代理店の業務委託契約を結んでおり、マーケティングの観点から必要だったと説明しました。

しかし、質問の中で、準備委の会長が市民局長の下川氏であり、専任代理店契約の審査を行う審査会の委員も下川氏が入っていることがわかり、倉元市議は、契約者が審査に入って契約が適正かどうかを審査するなど「非常識だ」と指摘。しかも、説明会には11社来ながら、応募したのは電通と電通九州の共同企業体1者だけであることも判明しました。倉元市議は「最初から電通に決めて、その後の特命随契の委託も電通に任せるシナリオがあったのではないか」と追及しましたが、局長は「ご指摘のような事実はない」と答えるのが精一杯でした。

倉元市議は、経費・収支の見込みもずさんな世界水泳から手を引いて、市民のためのスポーツ環境整備にこそ税金を使うよう市長に求めましたが、市長は応ぜず、「世界水泳にしっかりと取り組む」と背を向けました。


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