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2019年12月議会
12月議会反対討論
2019年12月18日 倉元達朗議員
私は日本共産党市議団を代表して本議会に提案されております諸議案のうち、議案第94号ないし102号、104号ないし109号、111号、113号、120号ないし122号、129号、131号、132号、135号ないし139号、142号ないし145号に反対し、討論を行います。
まず、議案第106号「福岡市職員の給与に関する条例の一部を改正する条例案」、議案第113号「福岡市立学校職員の給与に関する条例の一部を改正する条例案」、および、この改定に伴う一連の補正予算案についてです。
今回の改定は、人事委員会の勧告などにもとづいて、一般職員の給料月額および住居手当の改定などを行うものです。
給料月額は平均で243円、わずか0.06%引き上げられますが、1999年度と比べ平均給与額は年額で66万3000円もマイナスになっており、それと比べれば、今回の改定はまさに「雀の涙」です。さらに、今回の増額は40歳未満に限定され、それ以上の年齢には全く恩恵がありません。40歳以上は住宅ローンや子どもの学費が跳ね上がるとともに、この間の給与削減の影響をもっとも受けてきた人たちであり、その世代を置き去りにすることは許されません。
住居手当の改定について言えば、対象家賃額の下限と上限を引き上げるもので、比較的低廉な家賃の住宅に住んでいる若い世代が対象から外されることになります。これでは「雀の涙」の給与改定など、あっという間になくなってしまいます。
今回の議案は、政令市で最も少ない人員で住民のために奮闘している本市職員の生活を守るにはあまりに不十分であり、わが党は賛同しがたいものであります。
次に、議案第120号および121号、早良・西の「市立障がい者フレンドホームに係る指定管理者の指定について」、議案第122号「市立障がい者スポーツセンターに係る指定管理者の指定について」です。
今回の議案は、当該施設の指定管理者の指定について議会の議決を求めるものです。
これらの社会福祉施設は長らく市が直営で行い、その後社会福祉事業団が管理を担ってきました。しかし、市は“公募にかければ競争原理が働くようになる”などとして、事業団つぶしを念頭に、現場の反対を押し切って公募を強行してしまいました。ところがその結果、今回これらの施設の指定管理について公募に応じたのはいずれも1者しかありませんでした。“競争原理が働いてサービスがよくなる”などという市の言い分は無残に破綻し、社会福祉施設は競争原理になじまないことが明らかになったのであります。
社会福祉施設の公的責任を後退させる一連の議案に、わが党は反対いたします。
次に、議案第135号ないし139号、中央区・早良区・博多区・城南区・西区の「市民センターに係る指定管理者の指定について」です。
今回の議案は、来年度から5年間、市民センターの管理を行わせる指定管理者を指定することについて議会の議決を求めるものです。
2012年度に市民センターの管理を市直営から指定管理者制度に切り替えて以降、利用者の気持ちに沿った施設管理がなされていない、自主的な活動への理解がない、サービスが低下した、使い勝手が悪くなったなどの苦情が相次いでいます。
指定管理契約の前提となる「管理運営仕様書及び業務一覧」には「業務の遂行にあたっては、当該業務の目的を十分に理解し、善良なる管理者の注意を持って利用者の安全に留意し誠実かつ確実な業務遂行に努め、利用者に対しては、懇切丁寧を旨(むね)とし、不快の念を抱かせないようにしなければならない」と定められております。
ところが、わが党が審議の中で明らかにしたように、楽屋のコンセントに電気が通っていない、楽屋通路にロッカーが常設され通行の妨げになる、バリアフリーになっていない、舞台道具搬入用の大型トラックの駐車スペースがなく上演中は自分たちで探した駐車場にトラックを駐車しなければならなかったなどの苦情が放置されていました。
市民局長は「指定管理者は定期モニタリングを行い、市から必要な指示を受ける」とか、苦情には「迅速に対応するものとしている」などと答えましたが、手洗い場が壊れたままで2か月近く経った今も放置されている証拠写真を突きつけられ、反論不能になりました。
さらに、委員会審議でこの点をただされた市側は「指定管理者が指定管理料の修繕費を使い果たした」、つまり“お金をやりくりしない指定管理者の責任だ”と開き直ったのであります。指定管理料では条例や仕様書が求める市民サービスの水準を全く満たせないということを自分で白状したようなものではありませんか。返答に窮した市側は、手洗いが1つくらい壊れていても「他にも手洗い場はある」などという愚にもつかない答弁までする有様でした。あまりにも無責任な言い訳です。今のしくみでは、指定管理者は改善できない、市側は責任を一切とらない――機能不全に陥っていることが明らかになりました。
市民センターは条例で「市民の教育、文化の振興、社会福祉の増進に寄与するとともに、地域の連帯意識の高揚に資する」と定められ、教育委員会からも「専門的な社会教育施設」として位置づけられています。
ところが、指定管理者制度に切り替えられてから、市民センターの管理は、社会教育施設に対するそれではなく、もはや単なるハコモノの管理に変質しつつあり、コストカットによる利潤追求の場になり下がっています。本議案は、これを大企業の関連会社などに明け渡し、この傾向に一層の拍車を掛けるものであり、わが党は賛同できません。
以上をもちまして、わが党の反対討論を終わります。