2018年予算議会
子どもの貧困対策、消費生活センター、
西都小学校の過大規模化など学校環境問題
2018年3月7日 熊谷敦子市議の補足質疑
福岡市の予算議会で、日本共産党の熊谷敦子市議が補足質疑を行い、子どもの貧困対策、消費生活センターの民間委託、西都小学校を中心とした西区西部地区の学校環境問題について取り上げました。
福岡市でも子どもの貧困率は高く、子どもの4人1人が貧困という深刻な実態です。党市議団はこれまでもこの問題を取り上げ、解決するよう高島市長に対して求めてきました。こうした中で市は重い腰をあげ実態調査を行ったものの、相変わらず貧困の定義や貧困率、削減目標も明らかにしていません。
熊谷市議は「貧困に関する指標を設定し削減目標を持たなければ意味がない」と厳しく指摘、内閣府が子どもの貧困対策を設定し、改善に取り組むよう求めていることを示して、貧困率を明らかにし、削減目標を設定して貧困対策に取り組むよう要求しました。
また、求められている対策については、福岡市が行っている「ひとり親家庭の実態調査」の結果によれば、行政の施策で望んでいることのトップは「手当の充実」であることを示し、家賃補助や就学援助の充実、子どもの医療費助成制度の充実など、市の責任で直接支援を行うよう迫りました。
高島市長は「児童扶養手当の支給など引き続き実施する」などと述べ、市独自の支援に背を向けました。
福岡市が消費生活センターの相談業務を民間営利企業である株式会社ビスネットに委託したことによって起きている問題についてただしました。市民から窓口に寄せられた苦情相談は、秘匿性が高く、消費者行政に役立てることが目的とされています。ところが、ビスネットはそれを「事例」として使用し「消費者トラブル防止を経営に活かす」というタイトルで企業向けの有料セミナーを行い、営利目的で使用したことが懸念されています。
熊谷市議は「懸念を生むこと自体が重大問題。公平性とも中立性とも程遠い」と厳しく批判しました。さらに、苦情相談情報を公的に収集した「全国消費生活情報ネットワークシステム(パイオネット)」にビスネットが受託業者としてアクセスできることを指摘。ビスネットが消費者の意見や消費動向を把握し、商品・サービスの改善や開発を企業にアドバイスし情報提供する企業であることも明らかにし、相談業務で得た情報を自らの営業に利用する可能性がある営利企業に委託している福岡市の責任を追及。相談業務を直営にするよう求めました。
市民局長は「長きにわたって円滑に実施してきた」などとして、民間委託を継続する姿勢を示しました。
また、ビスネットが受託して以降、時給が110円も下がり、人員不足で休みを取ることもままならないなど、相談員の処遇が悪化している問題についても市の責任で改善するよう求めました。
西区の西都小学校は付近の開発による人口増加で2017年4月に玄洋小学校から分離新設されたばかりですが、新年度も児童数が増加し、今後過大規模校になるのではないかと保護者の中で不安が広がっています。
熊谷市議は西都小学校の児童数が4年後には1340人と開校当初の1.8倍にもなるとし、早急に用地を確保して分離新設を行うこと、パンク寸前の留守家庭子ども会の拡充・適正化を求めました。また、これまで市内のいたるところで急激な児童生徒の増加によって、学校がパンクし教育環境が悪化するという事態が繰り返されてきたことについて、人口流入策を推し進め子どもたちを犠牲にする高島市長とそのやり方に追随してきた教育長の責任を追及。この地域では学園通り線沿いにさらなる開発が計画されており、これ以上の開発をやめ、教育予算を増額し教育環境を整備するよう要求しました。
教育長は「住宅開発の動向や児童数の増減を注視する」などと繰り返し、今後も開発を野放しにする態度に終始しました。