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2018年12月議会
箱崎ふ頭地区の埋立てについて慎重を期することを求める決議案への賛成討論
2018年12月19日 中山いくみ議員
私は、日本共産党市議団を代表して、ただ今、議題となっております決議案第6号、「箱崎ふ頭地区の埋立てについて慎重を期することを求める決議」に賛成し、討論を行います。
福岡市が、博多港における新たな価値の創出を理由として、箱崎ふ頭地区の水面貯木場約8ヘクタールと海面処分場約57ヘクタールの埋立てを検討していることが明らかになりました。埋め立て面積は最大65ヘクタール、ヤフオクドーム9個分に及ぶ大規模なものです。埋め立て事業としては、1994年の人工島事業以来、最大のものとなります。にもかかわらず、市は12月議会にむけた第3委員会の正副委員長説明で、報告もしていないのに、一般質問の2日目に港湾空港局長が突然、「貨物需要に対する土地不足に対応するためには埋立てが必要。その場所は箱崎ふ頭を候補として検討していきたい」などと与党議員の質問に答弁したのです。そして、翌日の報道ではすでに詳細な検討資料が存在することが明らかにされました。答弁にあわせて、12月18日の第3委員会で、追加で報告が行われましたが、議会を軽視したこのようなやり方は前代未聞です。一連の報道をみれば、市長サイドとごく一部の与党議員だけで、水面下でシナリオをつくり、議会には既成事実として追認させようとするもの以外の何ものでもないことは明らかであり、断じて許されないやり方であります。
第3委員会で、局長は議会への報告が遅れたことについて謝罪しましたが、許されるものではありません。しかも、同委員会の審議を通じて、市が2年前の2016年から国との間で「調査・検討」「関係者調整」など、相談しながら進めていたのに、議会には報告せず秘密にしていたことや2019年度から公有水面埋立て手続きの準備に入る意向も示しました。また、ケヤキ・庭石事件を起こし、市から4億円から64億円の増資を受け、会社2工区を市に約399億円で譲渡するなど、経営危機に陥り、廃止を含めてあり方を検討していた第3セクター「博多港開発」についても、今回の埋立てを機に存続させ、市と博多港開発が共同で事業を進めることを一方的に表明しました。委員からは「なぜ報告しなかったのか」などと市の進め方に対し、批判の声が多数あがりました。
さらに、事業費についての質問に対して、莫大な市民負担が予想されるにも関わらず「現時点で算出していない」などと、無責任極まりない答弁を繰り返しています。しかし、局長は「やはり、港湾はお金が必要になってくる。市全体の財政状況を踏まえてやっていきたい」と莫大な税金投入に踏み込む姿勢をあらわにしているのであります。
しかも、将来的には天神北の須崎ふ頭の物流機能を箱崎ふ頭に集約し、市は天神の再開発の動向に応じてにぎわい創出に向けた土地利用へと転換する方針も示しています。この埋立ては須崎ふ頭地区の再編、ウォーターフロント地区の再整備、人工島事業等を含めた博多港全体の大規模な再開発につながるものです。すでに計画化されている中央ふ頭と今回の箱崎ふ頭の埋立てにかかる経費について、当局はいっさい明らかにしていませんが、その規模からすれば、埋立てだけでもかかる費用は総額1,000億円を大幅に上回るのは明らかであります。さらに、第3のにぎわい拠点をつくるなどとして進めようとしているウォーターフロント地区の再整備と合わせれば今後の開発は数千億円規模に膨れ上がります。選択と集中などとして巨大開発を聖域にして進めることは許されません。市の財政を破綻に導き、莫大な市民負担をともなうこのような巨大開発をわが党は断じて認めるわけにはいきません。
市の将来にも関わる重大な問題であり、慎重の上にも慎重を期すことが当然です。市民や議会に対し、まともに検討する時間を与えないこのような髙島市長の乱暴なやり方は極めて問題です。政党・会派、政策的立場の違いはあっても、このような市長の独断専行を許してはなりません。議会人として大同団結しようではありませんか。議員のみなさんのご賛同を呼びかけ、わが党の賛成討論を終わります。
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