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議会報告

2018年12月議会

12月議会反対討論

2018年12月19日 熊谷敦子議員

私は、日本共産党市議団を代表して、本議会に提案されております諸議案のうち、議案第189号、194号、198号、203号、206号、207号、219号、220号、225号ないし226号、228号ないし231号、235号ないし238号、240号に反対し、討論を行います。


まず、議案第238号、「東部資源化センタープラント設備更新工事請負契約の締結について」です。

本議案は、鉄・アルミの回収を目的として「燃えないごみ」の破砕・選別をおこなう設備更新工事のための契約を株式会社タクマと締結するものです。

このプラントについては1984年の建設工事とその後の2度の設備更新工事とをあわせて3度の工事契約を取り交わしていますが、すべてタクマが落札受注しています。しかも今回はタクマ1社の入札となりました。

これでは随意契約と同じではないかとのわが党の指摘に対して、環境局長はもともと3社の入札があったものの2社が辞退したと言い訳しました。辞退の理由として環境局があげたのは“今回プラントの建屋を再利用するために建屋にあわせてプラントを再設計し、プラントはメーカーごとに異なるから”ということでしたが、そんなことは初めから分かっていることです。にもかかわらず、他の2社はあえて入札し、わざわざ仕様書を確認し、検討まで行ってようやく辞退したとされており、全体として1社入札の不自然さがいっそう浮き彫りになりました。

さらに、プラントの処理能力は前回1基あたり日量125トンだったものが、今回100トンに縮小しているにもかかわらず、契約金額は逆に15億円から24億円に膨れ上がっております。なぜ処理能力とコストが逆になるのかというわが党の追及に対して、局長は「設備仕様の見直し」「更新範囲の違い」「材料費や労務費の上昇」といった理由をあげましたが、その根拠となる前回更新時との比較資料を一切提示できませんでした。24億円もの高額の契約を、こんなずさんな説明で「信用しろ」という方がどうかしています。

タクマは本市でも談合にかかわって何度も指名停止を受けています。しかし、その間に談合再発を防止する手立ては取られたのか、談合体質は見直され改革されたのか――そうした保証は何もないまま、同社は指名停止期間の終了とともに粛々と入札に参加してきたのであります。

先に述べたとおり、事実上の随意契約であることや、契約金額の水ぶくれの問題とあわせて、今回も談合が行われた可能性を拭い去ることはできません。

よってわが党は本議案に反対いたします。


次に、議案第240号「土地及び建物の処分について」です。

この議案は、博多区那珂6丁目の旧青果市場跡地、約87ヘクタールを、三井不動産・九州電力・西鉄で構成する「博多那珂6開発特定目的会社」に約190億円で売却するものです。

同跡地をめぐっては、2017年に「青果市場跡地を考える会」から3000筆を超える請願署名が市議会に提出されており、その請願趣旨には、大型商業施設ではなく、保育所、児童館、文化施設、特養ホームなどを望む住民の声が紹介されています。

特定目的会社、いわゆるSPCが提案した計画に、住民が求めるこれらの施設が入っているかという質問に対して、住宅都市局長は答えることができず、計画のどこにも入っていないことが明らかになりました。こうした住民の望む公共施設のかわりに、住民が拒否している大型商業施設が計画されていることを局長は答弁で認めました。この大型商業施設の進出のために、地元の竹下商店街からは大きな不安の声が上がっています。

また、住民が求めていた避難場所としての機能も、SPCの提案では、観光客や自動車でごった返す駐車場が当てられることになっており、いざという時に機能しないのではないかとのわが党の指摘に対しても、局長は反論することができませんでした。

さらに、SPCが今後示す実施計画や運営計画などで、住民が望まない施設ができた場合に拒否できるかどうかを尋ねましたが、農水局長は市や住民がコントロールできることを示せませんでした。

このように、住民本位の跡地利用に反し、特定企業のもうけのために高島市政が市民の財産を売り渡すものであり、本議案に賛成することはできません。


次に、議案第236号、「福岡市第2期展示場等整備事業に係る契約の締結について」です。

本議案は、福岡市第2期展示場と立体駐車場をPFI方式で整備・維持管理するために、九電工を代表企業とする「株式会社にきてんPFI」との間で約102 億円の契約を締結するものです。

第2期展示場を建設する理由として高島市政が宣伝しているのは「既存の施設の稼働率が非常に高く、お断りが発生しているから」というものですが、福岡市において展示会でどれほどの「お断り」が生じているのか、具体的な統計根拠がありません。

日本展示会協会の統計では、日本での展示会開催件数は約600件台で推移しており、前年より減っている都市もあり、それほど伸びていないのが実態です。全国の自治体でも展示会受け入れのため、MICE施設の建設を行い、すべて造られた場合、2025年には面積で現在の2.8倍にも達します。アジアでは同様に建設ラッシュが見られ、都市間競争が世界的に激化しています。

自治体政策学が専門である奈良女子大学の中山徹教授は、展示場の面積上位100位についてドイツ、アメリカ、中国がその多くを占めており、そこに食い込もうとする日本の自治体の無理さを指摘しています。その上で、日本の特定の都市で需要が増えると予測するのは「希望的観測に基づいた需要予測」だとし、「冷静に考えるとそのような需要が日本各地で発生することはあり得ません。もし自治体が競争のように巨大なMICE施設整備を進めると、過剰供給という事態がもたらされるでしょう」と警告しています。

そもそも、MICE施設など大型プロジェクトをやって外から人を呼び込む、高島市政のようなやり方をしても、儲かるのは一部の大企業だけで市民の家計は貧しくなっていったのが実態です。仮に利用が伸びたとしても、その利益が市民には還元されてこなかったのが、これまでの統計上の結果です。そこに莫大な税金を投入するのは、市民の暮らし・福祉を犠牲にして、大企業を儲けさせるためだけのものだと言わねばなりません。

よって、わが党は本議案に反対いたします。


次に、議案第237号、「第3給食センター整備運営に係る契約の締結について」です。

本議案は、第3給食センターの整備・運営をPFI方式で行うために、約137億円で株式会社福岡スクールランチパートナーズと契約を締結するものです。

給食センター整備は、給食公社の廃止、職員のリストラ、企業の儲けづくりと一体のものです。調理部門の民間委託によって異物混入も後を絶たないなど、質においても問題が浮上しています。

さらに第3センターについては、「アスミオ.株式会社」からの不透明な土地の取得が大きな問題になってきました。アスミオだけ部長級の職員が事前に訪問し、競争の結果落選した候補地のほうは、価格が安かったにもかかわらず、途中で「農地なので転用できない」などとされ、その根拠となる検討・協議の文書もメモもないなど、ずさんで強引な判断によって外されたことが、わが党の質問で明らかになってきました。

こうした異常な選定過程をみると、政治家が関与しているという疑惑を払拭することはできず、そのような土地取得を前提にしている本議案に、わが党は賛成することはできません。


以上でわが党の反対討論を終わります。



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