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議会報告

2017年予算議会

再議第1号に対する討論

2017年4月13日 熊谷敦子議員

私は、日本共産党市議団を代表し、本議会に提出されている再議第1号「議案第107号に関する議決の再議について」に同意できず、議案第107号を可決すべきであることを表明し、意見を述べます。

今回の事態は、3月28日に福岡市議会で修正・議決された「活力ある福岡空港づくり基金条例案」を、髙島市長が「異議がある」として再議に付したことによるものです。


第一に、くり返し示されている議会の意思を、市長がことごとく無視していることであります。

2月議会で、市が出資しないことを前提にした「福岡空港未来基金条例案」が否決され、市の公的な関与や出資を求める「福岡空港の運営に関する出資についての決議」が採択されたにも関わらず、市長は「出資という名の投資に大切な税金を投入できない」などと即座に拒否しました。これに対し、3月議会で、出資を求める「活力ある福岡空港づくり基金条例案」が議員提案され、賛成39、反対20で、再議の要件である3分の2を実質的に満たして議決されました。つまり、議会は3度にわたって、「出資しない」という市長の方針を明確に否定したのであります。しかしながら、市長は自らの方針こそ正しいと固執し、条例案を廃案にするため拒否権を発動しましたが、これにはまったく道理がありません。

出資について、3月議会の質疑のなかで、出資の多寡ではなく比率は市長が判断すべきであることや、空港運営への公共の責任を果たすという目的が提案会派から明確に示されたにも関わらず、市長は「出資比率が示されていない」「なぜ出資するのか、説明できない」などと繰り返し発言しています。市長は、議会での議論をまるで聞いていないのではありませんか。一昨日の議案質疑でも、議員が様々な角度から「なぜ出資しないのか」と質しても、市長と当局はただただ同じ答弁を繰り返すだけでした。議論が深まらないのは議会ではなく市長の側に原因があると言わなければなりません。このような不誠実かつ議会無視の態度は断じて許されません。


第二に、市長が言う「民でできることは民で」の路線では、出資しないばかりか空港の管理運営から福岡市が完全に手を引くことになり、安全が脅かされるという問題です。

これまで福岡空港の滑走路などは国が直接管理・運営してきており、安全上の問題は何もなかったことが質疑で明らかになりました。また、経営上の問題もなぜ国管理ではできないかについて市当局は具体的に説明できませんでした。もうけ優先のために安全などへの投資が犠牲になるという懸念は当然です。「民営化ではなく民間委託」などと言われますが、国の直接関与を外して民間に委ね、市が出資せず経営に関与しないというのは、大企業がやりたい放題に利権をあさることを邪魔したくないからではありませんか。

さらに、「市の関与は法定協議会や市が独自に設ける協議の場だけで十分」と言われますが、法定協議会には何の強制力もないこと、しかも協議がととのっても「尊重」されるだけで、民間側が拒否し続ければ、それさえもないことが再確認されました。市が設けるとした「独自の協議の場」についても、具体的なことは何も決まっておらず、市の意向がどう反映されるのか、市民の声がどう生かされるのか、何の保障もないのであります。また、福岡空港ビルディングの取締役会に、ただの一度も出席しなかった髙島市長が、「出資しないが意見を言う」と言っても信用のしようがありません。

空港を大企業のもうけの場に変える安倍政権の路線、そしてそれに追随し、「民でできることは民で」と言って、空港に対する公的な関与を後退させ、公共性も安全も脅かす髙島市長のやり方にわが党は反対するものです。


第三に、市長発言のでたらめさであります。

市長は「空港への出資ではなく子育てや教育にお金を使うべきだ」などと、市民に聞こえのいい主張をしましたが、7万2000筆もの署名を踏みにじって市立幼稚園をすべて廃園したことなど、子ども・教育を冷たく切り捨ててきたのはいったい誰ですか。市長は「出資はリスクを伴う」とも言いましたけれど、リスクいっぱいの無謀な大型プロジェクトに湯水のように税金を使ってきたのは、いったい誰ですか。高島市長ではありませんか。「子どもをダシにして自分の主張をごり押しするのはやめてほしい」「市長のパフォーマンスだ」と市民が怒るのも当然であります。


最後に、市幹部も動員した、賛成議員に対する不当な圧力、切り崩し工作が明らかになったことであります。

再議では3分の1、つまり21人が反対すれば条例案が否決になりますが、3月議会での反対票は20人、再議にかけても一人足りない状況だったものを、市長はあらゆる手を使って賛成議員に圧力をかけ、一人以上、反対へと態度を変えさせて、議決をひっくり返そうとしたのであります。

11日の本会議の議案質疑では、賛成議員に対し「説明」という名の圧力をかけたのではないかとの質問に対し、中園、荒瀬両副市長は「議員一人に説明したがそれ以外はない」と答弁しました。ところが、その後の第3委員会での質疑によると、中園副市長は支援者などを介して、ある議員に翻意を迫ったということです。その議員は断りましたが、中園副市長から「あなたの将来を案じています」とのメールが来た、これは明らかな圧力ではありませんか。別の議員は、荒瀬副市長から後援会関係者を通じて、対応を変えろと言わんばかりの説得を受けたと証言しました。荒瀬副市長は「不適切だったかもしれない」などと認めざるを得なくなりました。また、別の議員が荒瀬副市長から「出席して棄権してもらえないか」と懇願されたことも明らかになりました。こうした圧力や切り崩し工作について、高島市長の指示を受け、あるいは相談や報告をするなど組織的に行ったのではないかとの質問に対し、両副市長は否定しました。議員を個別に説得するという高度な政治判断が求められることを、副市長が勝手に行い、市長に報告もしないなど、絶対にありえず、市長の関与も疑われます。まさに、前代未聞の、市長先頭に市幹部を動員した、えげつない切り崩し工作が公然と行われたのであります。

さらに、高島市長で言えば、第3委員会で、市長自身から切り崩し工作を受けたという証言が議員から出され、本会議答弁が虚偽だった疑いが濃厚になりました。真相を明らかにするため、代表者会議の総意として委員会出席を繰り返し求めましたが、市長は「出席の必要性の判断は困難」などと難癖をつけて拒否するという不誠実極まる態度をとり続けました。議会無視の異常な態度は許されません。

このような二元代表制の精神を踏みにじり、議会を冒涜して恥じない高島市長に対し、わが党は断固抗議するとともに、福岡市議会としてこのような不当な圧力に断じて屈しない意思を明確に示そうではないかということを呼びかけるものであります。


以上のように、高島市長は、空港出資条例案を何が何でも葬り去るために再議にかけ、市幹部も動員して議員に不当な圧力をかけて切り崩しに狂奔し、議会でどれだけ質問しても同じ答弁の繰り返しで、第3委員会への出席要求を拒否して議論から逃げ、市民向けには自分だけが正しいとパフォーマンスしてまわったのであります。

議会を冒涜し、横暴と独断専行の態度はあまりにもひどいもので、再議の理由はまったく道理がないことから、議案第107号は可決すべきであることを表明するとともに、市長に対し謝罪を強く求め、わが党の討論といたします。

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