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議会報告

2017年予算議会

予算諸議案に対する反対討論

2017年3月28日 倉元達朗議員

私は、日本共産党市議団を代表して、本議会に上程されております諸議案のうち、議案第40号ないし43号および46号、47号、49号、50号、52号、54号ないし63号、65号、69号ないし71号、73号、74号、78号、80号、88号、90号、92号、94号、95号、97号、98号、並びに104号ないし106号に反対し、討論を行います。わが党の意見については、代表質疑および補足質疑、分科会審査ならびに総会における質疑で述べておりますので、ここではその基本点について述べます。


周知のとおり、南スーダンPKOへ派遣され「駆け付け警護」など新任務が付与されている陸上自衛隊の撤収が決定され、安倍政権が強行した安保法制・戦争法の具体化、「戦争できる国づくり」の路線は大きな破たんを迎えています。一方、安倍政権は国民の内心を処罰する違憲立法である「共謀罪」法案を、国民の批判が高まっているにもかかわらず閣議決定し、国民監視を強める危険な道を進んでいます。この間、国政の大問題となっている学校法人「森友学園」への国有地格安払い下げ問題では、籠池理事長の証人喚問も行われ、安倍首相自身を含め政治家の関与の疑いがますます強まっているにも関わらず、首相は調査も説明責任も果たそうとしておらず、また幼稚園児に「教育勅語」を暗唱させるような特異な教育方針を持ち上げ、昭恵夫人ともども広告塔となってきた道義的責任は免れません。また、安倍内閣の大臣が次々と、国会審議を封じる態度を示したり虚偽答弁を繰り返したりしており、まさに「モラルハザード」政権というほかない状況となっております。暴走する安倍政権に対し、野党と市民の共闘でストップさせ、立憲主義、民主主義、平和主義を貫く新しい政治、すべての国民の「個人の尊厳」を擁護する新しい日本への道を開くことが、いよいよ求められております。

そうしたなか、高島市長は安倍政権が進めるアベノミクスの実験場として、地元財界とまさに一体となって、「天神ビッグバン」や「ウォーターフロントネクスト」などの民間営利企業が儲けるための巨大開発プロジェクトを打ち上げ、人や企業を外から呼び込むためには規制緩和も何でもするという、市民そっちのけの路線を突き進んでいます。さらに、安倍政権による社会保障切り捨てや国民負担増の政治から市民生活を守るどころか、新年度も敬老金の廃止など福祉や教育の予算を削り、民でできることは行政はしないなどといって行政サービスを放棄する、市民いじめを加速させております。

わが党は、この路線を進めば大企業は栄える一方、本市の深刻な借金財政を招き、市民生活への悪影響は必至だと批判してきました。これに対し、市長は市債残高が減っており、開発が生活の質の向上につながると強弁されました。しかしながら、市債残高は3会計合計で2兆1,623億円にのぼっており、またこれには含まれない、外郭団体などに肩代わりさせている借金いわゆる「隠れ借金」が340億円あり、さらに高島市長のもとで着手した総合体育館や科学館など6つの公共施設整備にかかるPFIの後年度負担380億円も事実上の借金です。これらを含めれば、市民一人当たりの借金は150万円近くに上るのであり、本市の借金財政は依然として深刻であります。そのうえ、人工島事業の推進と破たん救済を続け、500億円もかける都市高速道路の福岡空港延伸、事業規模も財政負担も一切明らかにしない「天神ビッグバン」と「ウォーターフロントネクスト」など、高島市長の開発路線によって市債残高は再び急上昇することは間違いなく、そのツケは孫子の代へ押し付けることになるのであります。市長が新年度策定しようとしている新たな財政運営プランなどは、これまでの路線に無反省で、ムダづかいと大型開発を聖域にして、その財源づくりのために市民いじめ、福祉切り捨てをさらに強化するものに他ならず、きっぱり撤回すべきであります。

いま市長がしなければならないのは、国追随の姿勢を改め、福祉や教育の充実を図るための予算増額、貧困対策の強化、家計を直接あたためる経済対策、安定雇用と地元中小業者の仕事を増やし地域でお金が回る経済対策に取り組むことであります。わが党はこの立場から高島市政を厳しく批判するとともに、抜本的な市政転換と予算組み替えを提案しましたが、市長は拒否しました。

したがって、わが党は、高島市長の露骨な財界優遇、市民犠牲の路線を突き進む新年度予算案と関係議案に反対するものであります。


次に、わが党が反対する議案のうち、いくつかの問題について、その理由を明らかにしておきます。


第1に、財界奉仕の開発路線をいっそう突き進む予算だということです。

市長が目玉プロジェクトとする「天神ビッグバン」関連として大名小学校跡地のまちづくりや「にぎわいの創出」、創業支援施設などに新年度9億円余、ウォーターフロント再整備関連として大型クルーズ船対応の岸壁建設、第2期展示場と立体駐車場の整備検討、新たな道路整備などに18億円余をあてていますが、いずれも総事業費や本市財政負担を明らかにせず隠す態度は許されません。人工島事業は、需要のない土地をさらに造り続けるための基盤整備に36億円余、都市高速道路の延伸事業の着手で25億円、住宅補助金となっている住宅市街地総合整備事業6億円余など、94億円もかけて破たん救済のムダづかいであります。人工島の企業立地交付金は、新年度も14億円余、今後の見込みを含めた総額で248億円にのぼりますが、土地を売るだけのために特定の企業に数億円もの税金を投げ渡すなど市民の理解は得られません。

このような財界奉仕の開発路線に湯水のように税金、公金をつぎ込む予算に、わが党は断固反対するものです。


第2に、子どもと教育に関する問題です。

保育所待機児問題は2017年度も深刻であります。市長は新年度2000人分の整備をすると胸を張られますが、昨年12月時点の未入所児童が3007人にのぼり、新年度も2次決定の時点で約1500人の行き先が決まらず、この4月、多くの子どもが保育所に入れそうにありません。認可保育所を抜本的に増やす対策、足りない保育士を増やすための賃上げなど処遇改善の手立ては不十分です。市当局は「多様な手法」などと言って、職員の半数しか保育士資格を持たなくてもよいなど、規制緩和と企業主導型保育事業の導入、営利企業の保育参入を推進していますが、保護者、関係者は子どもの豊かな発達保障と福祉としての保育の質を守ってほしいと願っており、これに背く保育行政は許されません。

教育費は、県費負担教職員に係る権限移譲分を除けば、一般会計の6.2%とまたも最低レベルにとどめたことは重大であります。少人数学級の全学年実施のための教員配置が強く求められるところですが、高島市長のもとでまったく拡充されず、新年度実施の予定もありません。老朽校舎の改善や特別教室のエアコン設置にも背を向けています。また、全国の自治体で実施が広がる給食費無償化についてもやる気がありません。教育委員会が住民に説明もせず、教育委員会会議でまともな議論もしないまま、能古小学校・中学校に小中一貫教育を導入しようとする強引なやり方は認められません。

このように、新年度予算は子どもと教育に冷たい予算だと言わなければなりません。


第3に、貧困対策、高齢者など社会保障と暮らしに関する問題です。

高島市長が打ち出した敬老金廃止は2億1000万円の経費削減を狙ったもので高齢者から怒りの声が上がっています。わが党は存続を強く求めましたが、市長は高齢者いじめを平然と強行し、高齢者乗車券の改悪、縮小も狙っています。また、高すぎる国保料、介護保険料の引き下げを拒否し、重い負担を押し付け続ける態度は許されません。

市民の所得が減少するなか貧困対策の強化・充実が強く求められており、わが党が提案した通り、生活保護以下でありながら保護を受けていない生活困窮世帯を把握し、総合的な支援策を行うべきです。とりわけ住宅の困窮は深刻であり、わが党は市営住宅の抜本的増設と、家賃補助制度の創設を提案しました。市長は拒否しましたが、一方で住宅市街地総合整備事業を適用した人工島のマンションには、285戸のマンションに12億1,000万円など、これまでに19件で約100億円、今後の見込みを含めると160億円もの税金を差し出す特別扱いをしていること、さらに分譲への補助だけでなく賃貸マンションの事実上の家賃補助にもなっていることが分科会審査で明らかになりました。困窮世帯の家賃補助制度を導入しないことは明らかな矛盾であり、早急な創設を求めるものです。

貧困対策とともに、安定した正規雇用の拡大、社会保障の負担軽減と給付拡大など市民所得の拡大が重要であります。市内でお金が回る経済対策としても、公契約条例の制定や住宅リフォーム助成制度・商店リフォーム助成制度の創設を強く求めるものです。

このように、市民の暮らしを応援する役割を放棄する高島市長の予算は、わが党の認めがたいところです。


第4に、地下鉄七隈線延伸工事に伴う博多駅前陥没事故については、ナトム工法という慎重を要する掘削工事であることから厳重な計測管理と、異常発生時の事故防止の万全の連絡体制が求められていたにも関わらず、交通局が事実上大成建設JVに任せきりにしていたことが前代未聞の大事故を引き起こした背景にあることが浮き彫りになりました。さらに高島市長が、事故の前日から計測データが基準を超えていたという重要な報告を受けても、交通局に任せきりにして、基準があることすら知らなかったと記者会見で発言するなど、その無責任ぶりは言語道断です。事故によって被害を受けた事業者への賠償が異常に遅れていることも重大問題です。国の第3者委員会が近く出すとしている報告で終わりとせず、徹底した事故原因の究明を行うとともに、賠償を急ぐことを改めて要求するものです。


最後に、議案第107号、活力ある福岡空港づくり基金条例案について、わが党の意見を述べます。

自民党市議団が提案し、福岡市民クラブの提案によって条例予算特別委員会で賛成多数で修正された本条例案は、福岡空港の運営に関する出資を通じて、福岡空港の活性化、安全性の確保等及び福岡空港の周辺における地域振興に関し、本市に求められる責任を果たすことを目的に基金を設置するものであります。

わが党は、国が推進している空港の民間委託化について、民間資本の儲けのために国民の共有財産である空港を利用しようとするものであり反対してまいりました。福岡空港についても滑走路など重要施設は本来、国が責任をもって管理すべきであります。そのうえで、国、県、市と地元財界によって滑走路も含めた福岡空港全体の民間委託化が進められているなか、今後、運営を民間に丸投げするのではなく、公共性と安全性をしっかり確保する仕組みをどう作るかが重要になります。この点、先の条例予算特別委員会第3分科会でのわが党の質問に対し、提案会派から「空港運営に対する公的な関与を福岡市が継続していくことこそ本市が果たすべき公共の責任である」との答弁がありました。すなわち、福岡空港の運営の公共性を保障するために行う措置であることが明確になりました。また、修正によって運用益の処理のあり方も明確にされました。

したがって、わが党は、議案第107号に賛成します。市長は、成立するであろう本条例が自らの意思に反するからと言ってこれを無視することは許されず、この際、議会軽視、独断専行のこれまでの態度を改めるべきであります。


以上で、わが党の討論を終わります。

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