2017年9月議会
核兵器廃絶に向けた取組み、
元寇防塁の保存・活用、介護保険制度の改善について
2017年9月14日 綿貫英彦市議の一般質問
日本共産党の綿貫英彦市議は福岡市議会9月議会の一般質問で、福岡市の核兵器廃絶に向けた取組み、元寇防塁跡の保存・活用、介護保険制度の改善について取り上げました。
2017年7月国連で初めて、核兵器を違法とする「核兵器禁止条約」が採択されました。わたぬき市議は高島市長に対し、条約を支持するのかをただし「安倍政権に条約を批准するよう要請すべきではないか」と求めました。市長は条約については「理念に賛同する」と述べたものの、政府に対しては「平和首長会議で要請している」として市長自ら求めようとはしませんでした。
福岡市には広島市、長崎市についで被爆者が多く住んでいますが、市の「福岡市原爆被害者の会」への運営費補助金は1997年から205万円とかわっていません。綿貫市議は「少なすぎる」と厳しく指摘し増額を求めましたが、中村総務企画局長は「増額は検討していない」と冷たい答弁に終始しました。
核兵器廃絶を求めるヒバクシャ国際署名について、被爆者団体などから福岡市職員に呼びかけてほしいとの要請が出ているにもかかわらず、福岡市は対応していません。綿貫市議は「全市的な運動にしていくために市長が署名の先頭に立つべき」と求めましたが、高島市長は「平和首長会議と国の動向を注視していきたい」と述べるにとどまりました。
元寇防塁跡は近代以前で日本が外国から侵攻を受けた唯一の遺跡で、日本で福岡市にしかない貴重な史跡です。文化庁はこのような埋蔵文化財について、地域活性化や学校教育、生涯学習の場で活用するよう求めています。ところが国指定の史跡にも関わらず、市内にある元寇防塁跡はほとんどが復元されておらず、訪れる人も少なく、地域の人でもその存在すらしらないという状態です。わたぬき市議は「文化庁が求めているように、市民や子どもが親しみ、学習もできるような状況で保存活用すべきではないか」と求めました。
また、昨年9月、九州大学箱崎キャンパス跡地で発見された元寇防塁跡とみられる石積遺構については「他の防塁遺構と比べても保存状態が非常に良好で学術的価値が高い」と評価されており、地元住民はこの防塁跡を中心に公園として整備するよう求めています。ところが福岡市は発見場所付近に道路を通そうとしています。わたぬき市議は「このまま道路計画を優先させると、地域の財産として活用することが困難になることは明らか」と指摘。今年4月に西区にオープンしたやよいの風公園で、吉武高木遺跡で発見された王墓やかめ棺の復元整備が行われていることなどをしめし、「元寇防塁跡を模型化して、大きさ・高さなど手に触れて知ってもらうようにすることもできる」と九大箱崎キャンパス跡地で元寇防塁跡を保存活用した大規模な公園を整備するよう求めました。
高島市長は「福岡市が誇るべき文化財」と答弁したものの、今後の対応については「関係機関と連携して適切に対応していく」と述べるにとどまりました。
介護保険制度については、制度発足当初と比較して保険料が2倍になり、高すぎて払えない人が厳しいペナルティによって、必要な介護が受けられないことが問題になっています。綿貫市議は市費を繰り入れて保険料を引き下げることや滞納者への「いったん保険料を全額負担してもらう」「自己負担割合を3割に引き上げる」というペナルティの中止を国に要請するよう求めました。保健福祉局長は「一定以上の所得がある方に負担していただいている」などと実態をみない答弁に終始しました。また、この他、綿貫市議は、保険料・利用料の負担軽減、介護職員の処遇改善を求めました。