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2016年度決算特別委員会(2017年10月)
障害者差別禁止条例など障害者施策の拡充を。
第3給食センター問題についてただす
2017年10月6日 中山いくみ市議の総会質疑
日本共産党の中山いくみ市議は、福岡市議会2016年度決算特別委員会で、障害者差別禁止条例、手話言語条例の制定、特別な支援が必要な子どもたちへの進路保障、第3給食センターの用地選定について質問しました。
福岡市は「障害者差別禁止条例」の制定にむけて、検討会議を行い、条例原案について報告書をまとめていますが、当事者の思いや意見が完全に反映されたものにはなっていません。中山市議は、「基本給も残業代も健常者より低い」などの差別事例を示し、お店や企業等の事業者に対して「合理的配慮」(障害者の人権を守るために行われる最善の配慮)を義務とするよう求めました。あわせて原案に「何人も合理的配慮を行う必要がある」と盛り込むなど、関係団体や当事者の意見を反映させ、充実させるよう求めました。
高島市長は「障害を理由とするさまざまな差別を解消していくことは重要と認識している」と述べるにとどまりました。
聴覚障害者への支援について、中山市議は、福岡市が手話通訳派遣事業の利用範囲を通院など狭いものに限っている問題についてただしました。また、関係団体も請願し求めているにもかかわらず、市長が定例会見等で手話通訳をいまだに行っていない問題についても「市長が指示すればすぐやれる」と厳しく指摘。手話言語条例については他市での制定状況も紹介し、福岡市での制定を強く求めました。
人工呼吸器の使用やたんの吸引といった医療的ケアが必要な子どもや障害を持つ子どもに対する就学前の保育や療育の場の保障が、福岡市では大変遅れている問題について取り上げました。医療的ケア児や障害児の受け皿になっている通園施設はすでに空きがなく、施設不足で入園できない子をうみだしています。保育園については、障害のあるなしにかかわらずそもそも入園が困難で、医療的ケア児は「ケアが必要」という理由で、希望する子どもが入れない事態となっています。中山市議は「子どもたちにとって、成長著しいこの時期に適切な支援を逃せば、取り戻すことはできない」と指摘。通園施設の抜本的な整備・拡充、保育園への看護師の配置や保育士の加配等を行い、新年度から医療的ケアや支援の必要な子どもを一人残らず希望園で受け入れる手立てを取るよう要求しました。
医療的ケア児の受け入れについて、保健福祉局長は「国の新たなモデル事業の詳細がしめされ次第検討していく」と前向きな答弁をしました。
第3給食センターの用地選定については、もともと山林で使い道がなかった土地が選定された過程に、市長や政治家が関与したのではないかという疑惑が取りざたされています。落選した候補地が審査の途中で「農地なので転用できない」とされた問題について追及しました。教育委員会は農林水産局と協議した結果、転用できないと判断したとしています。しかし、農水局が教育委員会に出した回答書をみると、転用はできないと明言されていないことが明らかに。さらに、教育委員会が問い合わせた日と農水局が回答した日が同じであることや検討や協議の経過を示す文書もメモもないこと等、杜撰で強引な判断で候補地が1つに絞られたことが中山市議の質疑で浮き彫りになりました。
中山市議は、農地転用を許可する県の担当者の「教育施設を行政がつくる場合なら転用する道はある」という回答や価格評価では落選した候補地のほうが圧倒的に有利だったこと等を示し、「当初から出来レースだったという疑念はますます大きくなった」と述べ、選定を白紙に戻すよう求めました。