2017年6月議会
中小企業振興条例、保育問題、水上公園の西鉄の借地料問題について
2017年6月13日 熊谷敦子市議の議案質疑
日本共産党の熊谷敦子市議は福岡市6月議会で、中小企業振興条例、保育所整備と保育士確保の問題、西鉄の水上公園借地料問題について、議案質疑を行いました。
中小企業振興条例については、日本共産党も以前から中小業者の声にもとづいて、抜本改正を求めてきました。今回の条例案には、「市の責務」「大企業・金融機関の社会的責任」「小規模事業者への配慮」などをはじめ、日本共産党の提案が一定盛り込まれました。熊谷市議は小規模企業者の役割を前文に明記し、地域でお金がまわる循環型経済をつくることを条例の中心に据えることや、中小企業や小規模企業者の意見を反映できるよう中小企業振興審議会を充実することを求めました。
一方で、他都市には見られない「海外市場への事業展開」「観光・MICE」「企業立地及び産業集積の促進」などが条文に盛り込まれている点については「グローバル企業の応援でしかない」と指摘。市が2016年11月に行った「中小企業振興に関するアンケート」の結果を示し、「中小業者や小規模事業者が望んでいるものではない」として、条例案からの削除を求めました。
福岡市では毎年保育所の入所申し込みが増えているにもかかわらず、市の保育所整備が不十分なため、未入所児童数は年度当初としては過去最多の1812人にのぼっています。高島市長は保育ニーズ対応として、新たな保育所の整備費約6億円の補正予算を提案しましたが、わずか500人分という極めて消極的な姿勢です。熊谷市議は「高島市長には未入所児童を解消する気はさらさらない。口では子どものためといいながら、整備費のほとんどは国からの補助金で、わずか6660万円しか使わない」と厳しく批判し、市有地の無償貸与などで認可保育所を新築を中心に増やすよう求めました。
また、保育士を確保するためとして市内で働く正規の保育士に毎月1万円の家賃補助を3年間に限り支給する提案については「この金額では十分な効果は期待できない」と批判し、非正規にも適用し期限をなくすよう求めました。また、保育士の大幅賃上げの手立てを求めました。
公園の使用料(借地料)を改定する議案については、「天神ビッグバン」の目玉の一つとして天神水上公園に西鉄が建設した商業施設の借地料の問題を取り上げました。現在1㎡あたり月900円の借地料を1915円にするという市の方針について、熊谷市議は2016年10月の決算第4分科会で住宅都市局が市の規則どおり算定すると4500円になると答弁したこと、さらに、天神周辺の平均の土地価格から算定すると5319円になることを示し、「値上げしたとしても安すぎる」と厳しく批判、適正な価格に引き上げるよう求めました。
さらに、福岡市は西鉄との間で「借地料を協議の上、市長が決める」という内容の協定を結んでおり、条例が改定されたとしても、水上公園の施設に適用される保障はありません。熊谷市議は「実は引き上げは考えていないのではないか」と追及、「西鉄のことを慮って適用しないとすれば、絶対に許されない」と、ただちに適用するよう要求しましたが、高島市長は「管理運営事業者(西鉄)と協議する」などと答弁し、あくまでも西鉄の利益優先の姿勢を示しました。