2016年9月議会
2016年9月議会 請願について
「生活保護受給世帯への下水道使用料減免制度廃止の撤回について」
の賛成討論
2016年9月20日 ひえじま俊和議員
私は日本共産党市議団を代表して、28年請願第10号「生活保護受給世帯への下水道使用料減免制度廃止の撤回について」に賛成し、討論を行います。
今年6月分から、福岡市で生活保護を受けている3万3000世帯のうち7割に及ぶ2万3655世帯が減免を廃止され、2か月ごとに4人世帯で5千円以上の新たな負担を押し付けられました。特に子どもの多い保護世帯では負担が大きくなり、「毎日汗まみれで帰ってきても満足に洗濯もできない」「フロもがまん」など、深刻な影響が出ています。
市は、あたかも生活保護費の中に下水道使用料が含まれており“二重払い”がされているかのように主張しております。しかし、わが党が厚生労働省に問い合わせてみたところ、そもそも生活保護費は「下水道使用料がいくら」「被服費がいくら」などと積み上げて計算するものではないと回答しました。すなわち、保護費の中に下水道使用料が含まれているわけではないことが、請願審査の中で明らかになったのであります。
それでもなお市は「含まれている」と繰り返しましたが、それならば、60年間本市が続けてきた減免制度は、誤りだったのかと質すと、市は「間違った制度ではなかった」と認めざるをえませんでした。
また、“二重払い”だと国の方が制度の廃止を求めたのかという質問に対しても、市は、減免廃止は高島市長による「行革」の一環であると認めたのであります。
さらに、廃止を決める前に市として保護世帯の意見を聞いておらず、廃止後も影響調査を全く行っていないことも、請願審査の中で判明しました。市が方針を打ち出した後で福岡市の「生活と健康を守る会」と市との話し合いの場が設けられましたが、市民の追及の前に回答できなくなり、持ち帰らざるをえなくなりました。ところが、市民団体の疑問に何ら答えることなく、市は廃止決定を保護世帯に通知したのであります。これは、市民の意見を聞くことも、まともに説明することもできないということではありませんか。
下水道会計の収益的収支は単年度で54億円以上の黒字見込であり、年間3億4000万円の減免廃止を急ぐ必要はどこにもありません。
さらに言えば、この間、安倍政権によって史上空前の生活保護基準切り下げが行われ、これに加えて住宅扶助・冬季加算引き下げ、障害者の重度加算カットなど、「いじめ」ともいうべき過酷な狙い撃ちが生活保護世帯に襲いかかっております。本市がそれに加えて減免廃止をするなど、まさに貧困を広げ、生存権を脅かすものであり、言語道断という他ありません。
人工島や福岡空港への高速道路延伸など、ゼネコンを潤わせるだけのムダな大型事業には数百億円をポンと投げ渡す一方で、生存権を脅かす今回の減免廃止はどれだけ反対の声が起きても冷酷に強行する――こんな逆立ちした高島市長のやり方を断じて認めことはできません。よって、日本共産党市議団は、高島市長に対し、生活保護世帯に対する下水道使用料減免の廃止撤回を強く求めるものです。
以上で請願第10号に対する賛成討論を終わります。