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2015年度決算特別委員会(2016年10月)
天神ビッグバン構想をやめよ、旧大名小跡地は住民のために活用を
2016年10月7日 星野美恵子市議の総会質疑
日本共産党の星野美恵子市議は、2016年10月7日、福岡市議会の2015年度決算特別委員会総会で質問し、天神ビッグバンや旧大名小跡地(中央区)の問題で高島市長を追及しました。
天神ビッグバンは国家戦略特区の高さ制限の緩和を使いながら、容積率緩和などによって天神地区の建て替えを促進し民間ビルの床面積を1.7倍にしようとする市の構想です。
天神ビッグバンの一環である水上公園(中央区)の改装工事では、都市公園法で公園内施設は公園面積の2%しか許されていないのに、公園の37%も使って西鉄に土地を貸してレストラン建設をさせていることを暴露。川をはさんだ「西中洲公園」と合算して規制をクリアする「魔法」を使っていると厳しく批判しました。
西鉄には平米あたり900円で貸しているが、同社がどれだけの利益を得るかとただすと、市側は西鉄が提出した収支計画書の公表を拒否。髙島市政の大企業優遇・利権擁護ぶりが浮き彫りになりました。
星野市議は、容積率の緩和による天神地域への大量の人の呼び込みが、渋滞、避難スペース不足、地価上昇による住民・中小業者追い出しなどの弊害をもたらすと指摘。
渋滞については、ビッグバンで増大する自動車交通について市が具体的な予測試算をしていないこと、開発にともなう附置義務駐車場の免除で大幅に不足すること、対策とされる「公共交通への転換」の効果に裏付けがないことが判明しました。
また、人口集中が起き避難場所が確保できるのかという問いにも、総務企画局長は地区の滞在人口の予測は「困難」としたにもかかわらず、避難対策は「十分配慮しながら進める」というだけで具体的な根拠を示せない答弁を行いました。
地価高騰についても実際に10%前後の上昇が起きているのに、「居住機能をバランス良く配置する」などと述べて、すでに大名校区から子育て世代などが追い出されているという実態も無視した答弁に終始しました。
さらに、髙島市政になって市内の事業所の床面積が3%増加したのに、雇用は減り、非正規が1万5000人増大、労働者が貧しくなっている事実を示し、天神ビッグバンで「雇用が2.4倍」「毎年8500億円の経済波及効果」などとする市の宣伝は何の根拠もないことが明確になりました。
星野市議は、市民にコストや借金だけを押しつけ、防災や安全上の問題を引き起こし、特定大企業の優遇のみを図る天神ビッグバン構想を「やめるべきだ」とただしましたが、市長は「しっかりと取り組みを進める」と答弁し推進にしがみつきました。
旧大名小跡地について、地元住民組織は夏祭りなどの地域の交流ができ、避難場所となる「広場」の確保など、市と正式な約束を取り交わしています。
ところが民間事業者から出された11の提案では、ほとんどの案が住民の要望を無視して、観光客や来訪者が行き交うような商業スペースの一部にしています。
さらに、そのうちの案「I」では現在西鉄グランドホテルの場所も含めた開発計画で、「ハイグレードホテル」になっています。星野市議は「これが大名小跡地にホテルを建て替える西鉄のプランではないか」「数年も前から西鉄が欲しいと言ってきた。もう決まっているのではないか」と追及しました。
星野市議は、住民要望通りの広場の確保、保育園や特養ホーム整備での活用を迫りましたが、市長は「民間の活力を最大限引き出す」などと公的利用に背を向ける答弁しました。