2016年6月議会
第3給食センター用地をめぐる疑惑、保育所不足などを追及
2016年6月16日 中山いくみ市議の一般質問
日本共産党の中山いくみ市議は、2016年6月16日、福岡市議会で一般質問を行い、保育所不足、第3給食センター用地をめぐる問題、市立病院の労働環境について追及しました。
保育所不足問題では、市長が安倍政権の国家戦略特区を活用し、都市公園法などで本来厳しく制限されている公園(博多区・中比恵公園)内に保育所を建設しようとしていることを質問。16人が参加しただけの地元説明会を1度行っただけで、公園利用者・周辺住民への意向調査などをまともにしていないことが判明しました。また、周辺には学校跡地があることを指摘するとともに、保育所新設のための民有地については探す努力さえしてないことが明らかになりました。中山市議は市長による「特区」の実績づくりだと厳しく批判。拙速な規制緩和ではなく、公有地も活用して認可保育所の新築を抜本的に増やす手立てを取るよう求めました。
市長は「特区を活用した保育所整備など、多様な手法での保育所整備に努める」などと答弁し、開き直りました。
中山市議は、保育士の処遇改善・賃上げ、3年間で5400人分の認可保育園の緊急新設などを提案しました。
市教育委員会は3月に、第3給食センターの建設用地として、アスミオ.株式会社が所有する西区の山林を決定しましたが、その選定過程が不透明ではないかと中山市議はただしました。
6つの候補地のうち、決定した同社だけ市教委の部長が訪問(他は課長か、係員のみ)。また、結局アスミオ以外に応募したのは早良区に土地を持つ不動産会社1社だけで、不動産会社は「(自社の扱う早良区の土地は)エリア外ではないか」「農地なので転用できないのでは」という懸念を事前に伝えたものの、市側から公募要件を満たしているという通知を受け取ったので応募しました。ところが、結果は落選し、その理由が「エリア外」「農地なので転用できない」というものでした。
また、アスミオに事前訪問に行った部長も参加する行政内部の審査委員会で確認を反故にして、×の評価が1つもなかったのに、同不動産会社の候補地を落選させました。両用地の評価額を尋ねると、落選させた候補地(2億1450万円)の方が決定したアスミオの土地(6億3000万円)よりもはるかに安いものであることが、質疑で初めて明らかにされました。
中山市議は、質問の中でこうした事実を明らかにし、「公募の体裁だけを整えたが、最初からアスミオに決まっていたのではないか」と質問。教育長は「公正かつ客観的に評価をした」とくり返しましたが、経過の不自然さが浮き彫りになりました。また、同社との私的な関係や市教委への働きかけについて問われた市長はこれを否定。同じく、他に政治家からの口利きはなかったかとの問いにも、教育長は否定しました。
「疑惑は深まった」として、中山市議は地方自治法第100条に基づく調査特別委員会(百条委員会)の設置を要求しました。
市立病院(こども病院・市民病院)の労働環境については、タイムカードさえない労働時間管理になっている実態が明らかに。中山市議が、所属長による労働時間の現認は機能していないと批判しタイムカードの導入を求めたのに対し、保健福祉局長は「病院機構に確認する」と答弁しました。
また、組合側が学習会での会議室使用を求めたのに対して、当初病院側が拒否をし、結果的に開かれた学習会には課長が入り込んで「監視」していた事実を突きつけ、「不当な組合干渉ではないか」と追及しました。局長は「誤解を生じるもので配慮が不足していた」と答えました。