トップ > 議会報告 > 2016年12月議会> 博多駅前の道路陥没事故の問題で市長を追及よ

議会報告

2016年12月議会

博多駅前の道路陥没事故の問題で市長を追及

2016年12月15日 中山いくみ市議の一般質問

中山いくみ議員

日本共産党の中山いくみ市議は2016年12月15日、福岡市議会で博多駅前の陥没事故の問題をとりあげ、原因究明や補償のあり方について高島市長をただしました。


最初に中山市議は、事故直後の市長による「はらわたが煮えくり返る」という発言、事故復旧「感謝状」をJV下請企業に授与した問題、市長による道路復旧セレモニーなどをとりあげ、市長が自らの責任を棚に上げパフォーマンスをくり返していることを批判しました。

過去の七隈線延伸工事での道路陥没事故で、国から警告を受けていたのに、市は交通局の内部メンバーだけの検討委員会を設け、「地盤改良不足」が起きた理由や、施工体制・方法・経費などの背後要因を明らかにせず、適切な再発防止策をつくらないままでいたことが、質問で判明。過去の事故や警告から何も学ばなかった結果、大規模な事故を起こしたことが浮き彫りになりました。

続いて、事故を起こした場所で市が「ナトム工法」を採用した経緯を質問。中山市議は市の内部文書を示して、市がこの地域でナトムを採用する危険性を専門家から指摘されて認識しつつ、それをうまくやれる企業を選んだことを明らかにしました。その上で、受注企業体である大成JVとの間で確認した「技術提案等に係る特記仕様書」の内容の説明を求めたところ、市側は公表を拒否。中山市議は黒塗りにされた資料を掲げ、「議会のチェックを拒否するということか」と追及しました。また、事故当時現場にいた作業員9人からの聞き取り内容も、市は国の第三者委員会での審議にかかわるとして「非公開とする」と答弁し、議場は騒然となりました。

中山市議は、工事方法などの検討をした「地下鉄七隈線建設技術専門委員会」で、「地盤が抜け落ちることがある」「なんらかの外乱を与えるとどんな亀裂が入るかはミクロに言うことが難しい」「(土砂と地下水が)万が一つながっていた場合、危ない話になる」などと、今回の事故を予見するかのような意見が多数出ていたことを紹介。「ナトム工法そのものについて、立ち止まって検証すべきではなかったか」とただしましたが、市側は「ナトム工法の選択自体は適切だった」と答弁しました。

また、市は薬剤注入による地盤改良から、鋼材を打ち込む方式へと、重大な設計変更をしていましたが、市は国に変更届を出さず、国もそれを追認したことが質問でわかりました。

国が設置した第三者委員会については、12名のメンバーの中に、福岡市のナトム工法採用を承認してきた専門家が2名、重大な設計変更を見逃した国土交通省の役人が複数入っています。中山市議は「客観的検証になりえないではないか」とただしましたが、市は「バランスのとれた人選」「適当である」などと答えました。

さらに、信号機・投光器・ガソリン入り発電機などが埋められたままになっている問題で、市は「緊急避難的」などと答えましたが、中山市議は環境省の通知も示しながら「廃棄物処理法に違反するのではないか」と指摘。市長が急がせたあまり、現場で無法が押しつけられた実態が浮かび上がりました。

被害にあった市民や業者への補償についても、12月12日時点で351件の相談に対しわずか3件しか仮払いされていないことが判明しました。

中山市議は市長に対し、「あれこれ条件をつけてはねつけるのではなく、全額補償すべきだ」と求めるとともに、責任ある専門家集団の検証を要求しました。

市長は補償について「誠意を持って対応するよう指示した」などとしたものの、期限は示しませんでした。また、事故検証のための国の第三者委員会を「最高の知見」などと持ち上げるとともに、事故原因を自ら解明する意思・意欲を全く示しませんでした。

中山市議は、市長答弁を「まったく納得できない」として、必要な資料が議会に提出されない現状を踏まえ、強力な権限を持つ、地方自治法100条調査特別委員会の設置を議長と各会派に再度呼びかけました。

>>>「2016年12月議会」トップへ戻る

>>>「議会報告」一覧ページへ戻る

政策と活動
議員の紹介
トピックス
議会報告
市議会ニュース
リンク
お問い合せ

↑上へ