議会報告

2015年予算議会

予算議会を終えて

2015年3月16日 日本共産党福岡市議団

福岡市の2015年予算議会が3月16日閉会しました。


入院の中3までの無料化など、市民の要求が実った

今回、市民の運動と日本共産党の論戦が実り、①入院の無料化が中3まで拡大、②小学校のエアコン設置が完了、③高齢者乗車券利用がタクシーにも拡大、④教室不足の特別支援学校の増築、⑤非婚母子家庭の保育料や市営住宅家賃などの軽減、⑥留守家庭子ども会の夏休みが朝8時からに、などが実現します。

とりわけ①は、全市で6万7790筆の署名が集められ、わが党市議団も市長の公約違反追及、財源提示、他都市比較などくり返し論戦をしてきたことが実ったものです。今議会で、星野美恵子市議が、入院の実施時期を来年1月から今年の夏休み前に前倒しするよう求めるとともに、県が助成を拡大することなども示して、通院も中3まで拡大するよう市長に迫りましたが、市長は「引き続き検討する」と述べるにとどまりました。早期実現へ全力をつくします。


安倍政権の暴走と一体になった髙島市政の新年度予算に反対

安倍政権が消費税増税、原発再稼働、「戦争できる国づくり」への暴走を続けるなかで、高島市長が提案した2015年度予算案は、市民のくらしを守るどころか、安倍政権と一体になって貧困と格差を広げ、ムダな開発につきすすむ「破滅的予算」となりました。すでに重い負担となっている高齢者の介護保険料の引き上げ、多くの待機者を生み出す貧弱な保育所・特養ホーム整備数、抑制された中小企業対策予算や教育予算、「行革」と称しての市営渡船志賀島航路の大岳廃止や公立保育所民営化などの一方で、5年連続で100億円を超える人工島事業、莫大な公金・税金の投入に道を開くウォーターフロント地区の再整備や「天神ビッグバン」と称する天神地区の再開発などをすすめ、財界奉仕、財政破たんの道をひた走っています。

これに対し日本共産党は、今期で勇退する宮本秀国市議が、代表質問を行いました。2000通をこえる市民アンケートの結果も示しながら、こうした予算案に反対するとともに、安倍政権の暴走と対決して市民のくらし・営業を守る、自治体本来の立場に立った予算の組み替えを提案しました。国保料・介護保険料の引き下げや住宅リフォーム助成の創設、保育所・特養ホームの抜本的整備、35人学級の全学年実施、ブラック企業規制条例の制定など、大企業呼び込み型ではなく、地域循環型の経済成長への転換をしめして市長を追及しました。予算案は自民、公明、市民ク(民主・みんな)、みらい、社民、維新などが賛成し、日本共産党を除く「オール与党」体制で成立しました。

また、今議会では教育委員会制度改悪にともない、市長任命の教育長が教育委員会のトップとなる条例改定も提案されました。わが党は、綿貫英彦市議が討論に立ち、侵略戦争美化の「愛国心」教育、異常な競争主義の教育をすすめるために教育を政治の支配のもとにおくことは許されないとして反対の論陣をはりました。


「特区」の「解雇指南センター」の実態が明らかに

髙島市政と安倍政権との一体ぶりの象徴ともいえるのが「国家戦略特区」ですが、その一つである「雇用労働相談センター」でのセミナーにおいて、使用者むけの解雇指南が行われていたことをわが党市議団の独自調査にもとづいて追及しました。代表弁護士自らが「使用者側」と公言し、解雇や脱法の手口を集まった起業家たちに具体的に教授する生々しい実態を暴露しました。市側はセミナーの内容について記録を残していないのに「問題なし」とする異常な答弁に終始しました。日本の正社員の保護法制が「岩盤規制」どころか「軟弱地盤」であり、抜け穴を国内外の起業家に教える「解雇指南センター」であることが浮き彫りになりました。


髙島市長めぐる「政治とカネ」――税金の還流、特定企業との癒着が問題に

中山いくみ市議は、市長の「政治とカネ」問題をとりあげました。株式会社麻生、九電工、福住など、市の受注大手企業の幹部が市長の政治資金パーティに軒並み参加したとみられる疑惑をつきつけました。中山市議は、これは税金の還流であり、政治倫理条例にてらして極めて問題だと市長をただしましたが、市長は「企業・団体献金ではない」「寄附ではなく対価だ」として「問題ない」とする開き直りの答弁を行いました。同時に、自分に政治資金を提供している企業の幹部が、市の受注企業であるかは「承知してない」とする重大な答弁をおこないました。また、出資法違反などに問われている企業からも参加があったのではないかと追及し、市長が自ら関係を明らかにするよう迫りましたが、市長は応じませんでした。

質問を通じて、今国会で問題となっている補助金企業からの政治献金と同じ「税金の還流」の構図が髙島市長にもあるという疑惑が深まり、麻生をはじめ特定企業との癒着を断つことが市政の喫緊の課題として浮かび上がりました。


ヘイトスピーチ根絶の法整備求める意見書を採択

わが党が立案したヘイトスピーチ根絶のための早急な法整備を求める意見書は自民・みらい・維新・無所属(中央区)が反対しつつも、賛成多数で採択されました。また、「介護報酬改定に関する意見書案」は、熊谷敦子市議が提案をおこない、国の報酬カットが特養ホームなどの運営を困難に追い込み、介護崩壊に拍車をかけることなどを明らかにし、削減をやめ増額に踏み出すよう求めましたが、自民・公明・みらい・維新などの反対で否決されました。

*     *     *     *

今議会でも日本共産党は、安倍政権・髙島市政と対決し、市民の立場で対案を示しながら共同を広げて要求を実現するという姿勢をつらぬいてたたかい、高島市政の予算に賛成し市民要求に背をむけた自民・公明・民主・みらい・社民・維新などの「オール与党」との違いが鮮明になりました。きたるべき4月12日の市議会議員選挙で7区7人の党市議団を必ずつくり、新議会では議案提案権も活用していっそうの市民要求実現へ全力をあげる決意です。

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