議会報告

2015年予算議会

反対討論

2015年3月16日 綿貫英彦議員

私は、日本共産党市議団を代表して、本議会に上程されている諸議案のうち、議案第27号~30号及び33号~38号、40号、42号~44号、46号、48号、52号、53号、56号、58号、63号、64号、67号、69号、70号、73号~78号、81号、82号、84号~86号、92号、95号、102号、104号、105号、108号~110号並びに112号に反対し、討論を行います。わが党の意見については、代表質疑および分科会審査ならびに総会における質疑で述べておりますので、ここではその基本点について述べます。


安倍政権は消費税の10%への増税、アベノミクス、原発の再稼働、沖縄の新基地建設強行、「海外で戦争できる国」づくりなど、国民の多数の明確な反対にもかかわらず、暴走しています。社会保障では、介護、年金、医療、生活保護など手当りしだいに切り捨てを強行しています。「財政がたいへん」と言いながら、285兆円もの内部留保がある大企業に、今後2年間で1.6兆円もの大減税をばらまこうとしています。また、戦後70年の今年、安倍首相は「憲法改定は自民党の結党以来の目標」だと公言し、憲法9条を焦点とした改憲への執念をあらわにしています。

こうした平和と暮らしを壊す暴走政治から市民を守る「防波堤」の役割がいま地方自治体に強く求められております。ところが高島市長は、集団的自衛権行使も原発再稼働も、わが党の代表質疑に対して答弁を避けたように、国に何一つモノを言わず、格差を広げるアベノミクス賛成を宣言し、社会保障の切り捨てと負担増をそのまま市民に押し付けています。この姿勢が新年度予算案と施政方針に反映しております。


まず、暮らし、福祉、子ども、中小企業に冷たい予算だということです。

すでに重い負担となっている高齢者の介護保険料を引き上げ、国民健康保険への法定外繰入を減らして保険料の大幅引き下げに背を向け、入所待ちの多い特別養護老人ホームや保育所の整備もまったく足りません。子ども医療費助成制度は市民の世論と署名運動に押されて入院費無料化の対象を来年1月から中学3年までに拡大しますが、通院を拡大しないのは子育て世代の願いにも市長公約にも反するものです。教育費は教室エアコン設置や第2給食センター整備分を含めても一般会計の7.3%と相変わらず抑制されています。また、市長の経済政策は「呼び込み型」が中心で、多数を占める既存中小企業・業者への応援策に乏しく、住宅リフォーム助成制度導入も公契約条例制定もまったくやる気がありません。さらに「行革」と称して、市営渡船志賀島航路の大岳廃止、脇山保育所の民営化、公共施設の駐車場有料化など市民犠牲を続けています。

一方、かつてない大型開発路線を突き進む破滅的予算だということです。

高島市長は、人工島事業の推進と破たん救済のため、新年度101億円もの予算を付けました。市長就任後5年連続で100億円を超える人工島事業が予算を圧迫しており、この異常を無反省に続けることは許されません。さらに、人工島の次の大型プロジェクトとして市長は、ウォーターフロント地区の大規模な再整備を推進し、「天神ビッグバン」と称した天神地区の再開発を新たに打ち出しました。最大規模の開発事業を同時に3つも推進した市長はかつていません。いずれも巨額の税金・公金投入は避けられず、借金をさらに膨らませ、財政危機を招くのは必至であります。にもかかわらず、根拠のない「活性化」を口実に民間と一体となって推進するのはあまりにも無責任と言わなければなりません。

わが党は、このような人工島事業をはじめ無駄な大型開発の推進にかかる予算を削除し、福祉、子育て、教育の充実や地域経済・雇用対策、安全・安心なまちづくりと環境保全など、市民生活の応援を基本にした市民本位の予算へ抜本的に組み替えるよう要求しましたが、市長は拒否したのであります。

したがって、わが党は高島市長の予算案と関係議案に反対いたします。


次に、わが党が反対する議案のうち、いくつかの問題について、その理由を明らかにしておきます。


第1に、福祉、子ども、中小企業対策など市民生活に関する問題についてです。

わが党市議団は昨年、市民アンケートを行い2000通を超える回答が寄せられました。それによると、生活のお困りごとの一番は「国保料・介護保険料が高い」ことで、61%の人が引き下げを求めております。高すぎる国保料の滞納世帯は2割を超え、払いたくても払えない人から無慈悲に保険証を取り上げる資格証・短期証の発行は4万世帯以上にも及び、生計費である預貯金の差押えはあまりにも過酷であります。市長提案の新年度予算は国保会計への法定外繰り入れを減らし、介護分を除いて据え置きにとどめると同時に、賦課限度額を引き上げて中間所得層に負担増を課すものとなっています。年金生活者や非正規労働者など低所得者が加入者のほとんどを占めていることをふまえて繰り入れを増額して国保料を抜本的に引き下げるべきです。

介護保険はすでに重い負担となっている高齢者の保険料を、新年度から始まる第6期でまたも引き上げようとしています。市民税本人非課税の場合、年額約5000円、最大では年額1万円以上もの引き上げは高齢者の暮らしを苦しめるものです。また、重い利用料のため使いたくても使えない介護保険となっています。特別養護老人ホームは入所待ちが多いのに、新年度の整備数はわずか4か所215人分にとどめています。

先に紹介した市民アンケートでは「高齢者・障害者の公共料金の福祉減免」に賛同する人が44%にも達しました。わが党もかねてより要求してきたものであり、市長は拒否し続ける態度を改め、実施を検討すべきであります。

子ども医療費助成制度については、6万7790筆の請願署名が提出されたように市民の願いは「入院・通院とも中学3年まで医療費の無料化」であります。入院の来年1月からというのはあまりにも遅く、夏休み前へ早めるよう求めるとともに、政令市最低レベルとなっている通院を拡大しないのは子育て世代の願いにも市長公約にも反するものであり、ただちに財源を確保し、通院についても中学3年まで拡大するよう強く要求致します。

保育については、引き続き待機児童・未入所児童が増え2716人もいますが、市当局のやり方は既存保育所への詰め込みや小規模保育事業が中心であり、これでは現場に困難をもたらすものです。新設を抜本的に増やすとともに、保育の公的責任と相いれない民間営利企業の参入を阻止すべきです。また、市長は国の公定価格引き上げを理由に保育協会への補助金カットをたくらんでいますが、言語道断であります。

教育の充実は市民みんなの願いですが、本市は教育費を抑制し続け、少人数学級を今年も拡大せず、過大規模校対策の先送り、志賀島小学校の廃止計画、市立幼稚園全廃計画、給食費の値上げなど削減路線となっており、さらに学校給食や施設運営の民間丸投げに続き、東図書館・総合図書館への指定管理者制度の導入をしようとしていますが、これは教育の目的を歪めるものです。

わが党は、地元中小企業・業者の仕事起こしと市内循環型の有効な景気対策として、また適正な賃金確保策として、市営住宅や児童館など生活密着型公共事業の拡大、住宅リフォーム助成制度の導入、公契約条例の制定、小規模工事登録制度を提案しましたが、市長は背を向けました。経済対策と言えば大企業の儲けづくりと外国企業やベンチャー企業の誘致しか頭にない高島市長のもとでは、市内中小業者の苦境はますます深刻となり、アベノミクス不況とあいまって倒産・廃業の激増は避けられません。

市長は「行革プラン」を新年度も推進し、市営渡船志賀島航路の大岳廃止、脇山保育所の民営化、公共施設の駐車場有料化など市民犠牲を続けています。市民サービス低下につながる職員削減・非正規への置き換えも改めていません。

こうした市民いじめの予算に賛成することはできません。


第2に、かつてない大型開発路線についてです。

人工島事業は、必要のない港湾機能整備に約60億円のほか、売れない土地を処分するため税金を投げわたす企業立地交付金17億円、マンション業者や住宅メーカーを優遇する住宅市街地総合整備事業の住宅補助10億円など、新年度も101億円もの予算を付け、都市高速道路の延伸や体育館移転にも着手しました。破たん救済に多額の予算をつぎ込む泥沼は深刻であります。

呼び込み型の大型開発は、すでに人工島事業の失敗で明白だというのに、高島市長はウォーターフロント再整備の具体化を進め、天神ビッグバンなるものを新たに打ち上げたのであります。

ウォーターフロント再整備は、第2期展示場やクルーズセンター、サンパレス建て替えなどハコモノ建設に踏み出していますが、必要性も需要も曖昧なまま、総事業費も税金・公金投入がどこまで膨らむのかも市民に明らかにせず、民間主導で進めるやり方は許されません。

天神ビッグバンについては、新年度予算に新たな地下道整備関連が盛り込まれましたが、天神のビル群の総建て替えの事業費の規模は人工島を上回るものになる見通しです。市長はハード、ソフト両面で支援するなどと言って旗を振っていますが、大企業、ゼネコン、銀行の要求に応じて様々な形で巨額の税金・公金を投入することは避けられないと警告しなければなりません。

こうした無謀な3大開発が本市財政を破滅的危機に陥らせるのは必至です。その他、福岡空港滑走路増設や五ケ山ダム建設、土地区画整理事業など不要不急の大型開発を推進するための予算も盛り込まれていますが、こうした開発路線のもとで、市債残高が2兆4026億円、市民一人あたり162万円、政令市2番目の深刻な借金財政が作りだされており、わが党の容認しがたいところです。

開発路線の背景に、市長の大企業応援の政治姿勢があることがわが党の質疑で改めて浮き彫りになりました。また、市長が市の受注企業の幹部から政治資金パーティー券購入の形で多額の資金提供を受けながら、事実関係を明らかにすることもなく「問題ない」と開き直る態度は政治不信を広げるものです。いま国会で大問題となっている補助金企業からの政治献金と同じ税金の還流の構図が高島市長にもあるとすれば重大であります。また、麻生グループなど特定企業との癒着関係で市政を歪めることは許されません。

今回副市長人事に関わって、退任する大野副市長を本市顧問に起用する方針を固めたとの報道がされ、当局も「4年間の多大な貢献」などと評価して検討していることを明言しました。もともと県警からの天下りである大野氏はこの4年間、財界奉仕の大型開発推進と市民犠牲・市民無視の高島市長支えてきた人物であり、市民から見れば評価に値するとは言えず、顧問などという形で報酬を払って市政に関与させることは認められません。


第3に、国家戦略特区についてです。

わが党が繰り返し質問してきた結果、高島市長が推進する特区は市民生活と市財政に悪影響を及ぼす重大問題を抱えていることが次々明らかになってきております。

市長が肝いりで設置した雇用労働相談センターについて、「公平な立場」との市長の説明に反して、実際には使用者側の立場に立って「正社員でもこうすればトラブルなく解雇できる」と具体的に指南するものとなっていることを、わが党は第1回セミナーの独自調査に基づいて質しました。同センターは本市の施設に設置され、本市も運営委員会に加わり、セミナーには職員を派遣したのに記録もなく、講演内容について市として把握しておらず、問題意識さえ持っていないことが発覚しました。事実を突き付けたわが党の追及に対し、市長は「問題ない」との答弁を繰り返しましたが、無責任かつ道理のない態度は断じて許されません。解雇自由化、ブラック企業呼び込みとなっている雇用特区は今すぐ中止すべきです。

法人税減税についても市長は諦めていない態度を表明していますが、税収に穴をあけるだけです。医療特区や高さ規制緩和などについてもわが党は問題点を指摘し、撤回を要求しましたが、市長は強行する態度をしめしました。もともと特区は、営利第一の企業活動から国民を守るための大事な規制を「岩盤規制」などと攻撃し、特定地域を突破口にして崩していくものに他なりません。本市が安倍政権と一体になり、全国に先駆けて悪いリード役を果たすなど許されず、特区はきっぱり返上すべきです。


第4に、まちづくりの諸問題についてです。

九大箱崎キャンパス跡地利用については、九大まかせにして、民間主導の開発を容認するような態度は許されず、箱崎中学の移転や総合環境防災ステーションなど地元4校区提案を生かすよう、市として用地確保に踏み出すべきです。

地域交流センター整備については、早良区では団地住民追い出しにならず、住民の合意のうえで進め、施設内容や交通アクセスについても住民の意見を十分反映させた計画とするよう要求するとともに、南区でも急ぐよう求めるものです。

JR香椎線の駅無人化計画が利用者、住民の不安を無視して強行されていることは許されず、本市として安全確保の立場から対策を急ぐべきです。

屋台基本条例改正案については、屋台が水道、下水、電気の使用料とは別に、設備の費用を強制的に、永久に分担させられるものであり、まさに二重の負担となって経営に与える影響が大きく、しかも使用を拒否すれば営業権利を奪われる仕組みであるため、わが党は反対します。


次に、議案第105号、地方教育行政法改正の施行に伴う関係条例改正案についてですが、これは昨年成立した法にもとづき、本市の教育委員会制度を変更するものです。

安倍政権は教育委員長をなくし市長任命の教育長を教育委員会のトップにするなどの法改悪を強行しました。教育委員会を政治の支配下におくことは、下村文部科学大臣が教育勅語を「至極まっとう」と評価したことに象徴されるように、侵略戦争美化の安倍流「愛国心」教育を押し付け、また異常な競争主義を教育に持ち込むことが真の狙いであります。わが党は、教育委員会の独立性を奪い、国や首長が教育内容に介入する仕組みをつくり、憲法が保障する教育の自由と自主性を侵害する法改悪に反対しました。

今回条例改正案は教育委員会委員長と教育長を一本化した新教育長に係る規定の整備とのことですが、今後、市長と市長が任命する新教育長との調整の場と位置付けられる「総合教育会議」や、市長が策定する「大綱」によって、市長が教育に介入する仕組みが作られます。本市の教育行政においては、すでに高島市長が「行革」を口実に教育を切り捨て、また民間の儲け道具に変質させるなど、教育への不当な介入を強めています。新年度予算をみても、学校施設など教育環境整備や教職員の配置、障害児教育の拡充などを後回しにしながら、起業家の人材育成団体に委託して生徒に会社の起こし方を授業で教えるなど、およそ公教育とは相いれないことを推進していますが、これらは高島市長の政治的思惑に基づくものであり、教育委員会の新制度のもとでさらに暴走することは火を見るよりも明らかです。わが党は、教育と教育行政の自主性を守り、住民合意を大切にした教育委員会改革・活性化を求める立場から、本条例改正案に反対します。


最後に、新年度予算に反映された市民要求実現について述べます。わが党市議団は、市民の切実な要求の実現にむけて、住民運動と共同し力を尽くしてきました。父母と子どもたちの願いにこたえた学校教室エアコン設置は、新年度35億円の予算措置がされ、小学校すべてで完了します。中学3年まで医療費無料化を求める署名運動の力で、今回入院に限ってですが中学3年まで拡大されることになりました。同じく「高齢者乗車券のタクシー利用拡大」も、わが党市議団が住民とともに署名運動に取り組み、議会で請願採択され、新年度実施が決まりました。非婚母子家庭に対する寡婦控除みなし適用による保育料や市営住宅家賃などの軽減についても、市民の切実な願いを受け、関係省庁や他都市調査のうえで議会質問で要求したものです。東福岡・生の松原両特別支援学校の教室不足の問題では、わが党市議団は相談を受けていち早く現地調査し、困難を強いられている実態を議会で示して緊急対策を要求してきましたが、増築予算が付きました。

議会の役割は、市政のチェック・監視役とともに、市民の願いを市政へ届け、市民生活の向上に寄与することであります。わが党市議団は、今後とも市民と力を合わせ、その要求実現を一歩でも前に進めるために、いっそう頑張る決意を表明するものであります。


以上でわが党の討論を終わります。

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