2015年予算議会
志賀島航路の大岳を廃止するな、保育士の処遇改善を
2015年2月19日 綿貫英彦市議の議案質疑
2015年2月19日に福岡市議会定例会が始まり、日本共産党から綿貫英彦市議が議案質疑に立ちました。
髙島市長は市営渡船志賀島航路の大岳(東区)を4月から廃止し、航路編成を志賀島−西戸崎−博多に変える条例を提案しました。大岳の住民への説明会は昨年8月に1度開かれただけで、次の11月の説明会は廃止決定を通告するだけの一方的なものでした。
綿貫市議は、住民が一貫して廃止反対を要求しており、説明会では「生活に渡船が必要な人の足をまずなくそうという発想が間違っている」「生活できなくなる」「自治会としては廃止は絶対反対」など厳しい意見が続出したことを紹介。こうした意見を反映したのかと追及しました。また、廃止の代替として市側があげたバスや駐車場の手だても住民の納得が得られておらず、観光振興などの住民側の提案も市はまともに検討していないことが明らかになりました。
市長が年1000万円の「節約」のために大岳の渡船場を廃止し、住民の貴重な生活の足を奪おうとするのは、大型開発に財源を集中するためだと批判。綿貫市議は、廃止条例案の撤回と地域の振興を要求しました。髙島市長は「見直しは避けられない」「ご理解いただきたい」と答え、住民の声をふみにじる姿勢をあらわにしました。
また、綿貫市議は、国の子ども・子育て新制度発足による公定価格の改定にともない保育協会の補助金をカットする動きをみせていることも追及。物価高騰や消費税増税で、もともと低賃金の保育士の生活が困窮に追い込まれている中で、補助金カットは処遇の劣悪化につながるもので、やめるよう求めました。市長は「関係団体と協議していく」と答弁し、削減を否定しませんでした。市内保育所の待機児童が昨年11月で562人、未入所児童は2,433人に達し、3,000人もの子どもが入れない実態であることが質疑で明らかとなり、綿貫市議は認可保育所を新築中心に抜本的に増やすよう求めました。
この他、人工島事業についても質問。みなとづくりエリア・まちづくりエリアで土地が売れたことによる補正予算案ですが、実態は原価を大きく割り込み、立地交付金の「プレゼント」までつけた計56億円もの大盤振る舞いをしたうえでの「叩き売り」であることが判明しました。人工島への総合体育館の移転のための土地購入についても、もともと売れない土地を税金で買い取るためのものですが、綿貫市議は「人工島の土地が売れないので、銀行への返済金をひねりだすために、突然これまでの言明をくつがえして前倒しで年度内に購入をしたのではないか」と指摘。人工島事業の破たんを示すものとして、「人工島での総合体育館用地購入をするな」「税金・公金による破たん救済をやめ、事業を凍結すべきだ」と市長に迫りました。市長は「着実に推進する」として破たんした事業に固執する姿勢を示しました。