2015年9月議会
マイナンバーの実施をやめよ、新青果市場は業者・生産者の声を聞け
2015年9月10日 熊谷敦子議員の議案質疑
日本共産党の熊谷敦子市議は、2015年9月10日、議案質疑に立ち、マイナンバー法にもとづく個人番号の利用に関する条例案・補正予算案、新青果市場に関する条例案などについてとりあげました。
マイナンバーについて、熊谷市議は、内閣府の世論調査では「内容を知らない」と答えた人が56.6%と過半数となり、理解もすすんでおらず、不安にも応えられていない現状をとりあげ、国民の声から始まったものでないことを示しました。その上で、「財界が早くから提唱してきたものだ」とそのねらいを暴露し、「税と保険料の徴収を強化し、給付削減をすすめ、社会保障にかかる大企業の負担の軽減をねらったもの」と指摘しました。
熊谷市議は、個人情報の漏えいを100%防ぐことはできないとして、年金機構、韓国、アメリカなどの例を示して、市の認識を質しました。総務企画局長は国でも市でも防止対策がとられていると強調するだけで、漏えいの可能性については頑なに認めませんでした。
熊谷市議はドイツやフランスの例を紹介し、人格権やプライバシーの侵害から国民を守ることこそ世界の流れだとして、条例案を撤回し、国に実施中止を求めるよう市長に迫りました。市長はマイナンバー制度を「利便性向上のための社会基盤」などと持ち上げ、安倍政権に追随する姿勢をここでも示しました。
新青果市場については、3市場の移転統合によって人工島に移されることで高速・ガソリン代やかかる時間など負担増に悲鳴をあげている小売業者・生産者からの切実な声を紹介。訪問した八百屋8軒のうち2軒が人工島移転をきっかけに閉店すると述べた事実をつきつけました。
質疑の中で、高速道路料金の軽減措置が結局実現されていないことが明らかとなり、その代替とされた施設使用料の「軽減」措置も、現在と同じ料金は6年間しか維持されず、その後は負担が増大すると批判しました。熊谷市議は「移転により小売業者や生産者を苦境に追い込むことは許されない。関係者の要望に十分こたえよ」と迫り、市長も「市場・業界の要望に真摯に応える」と答えざるをえませんでした。
中継所についても、利用希望者が多いことを指摘した上で「1箱100円の手数料をとられたら大変だ」という小売業者の声を紹介。「負担を生じさせるのは、やめるべきだ」とただすと、農林水産局長は「過度の負担とならないよう努める」と答弁しました。
また、西部など3市場の跡地利用については、民間に売りとばすのではなく、地元の意見をよく聞いて、公共利用優先で土地を活用するよう求めました。
この他、熊谷市議は、博多駅・天神とウォーターフロント地区を結ぶ連節バス(BRT、2台のバスをつなぎ120名の輸送が可能)を運行させる計画についてとりあげ、西鉄をもうけさせるためだけに導入根拠もあいまいなまま、3億円もの税金をつぎ込むべきではないとして、調査予算の削除を求めました。