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2014年度決算特別委員会(2015年10月)
市が土地全体の半分買い支える人工島事業の破たんを追及、
公園の指定管理者制度の問題点をただす
2015年10月22日 星野美恵子市議の質問
2015年10月22日、日本共産党の星野美恵子市議は決算特別委員会で総会質疑に立ち、人工島事業、市財政運営、公園の指定管理者制度などについてとりあげました。
人工島事業について髙島市長は土地が順調に売れているかのように宣伝していますが、事業全体のうち、こども病院・新青果市場・拠点体育館など市と住宅供給公社が買った土地は半分以上(54%)を占めていることが明らかになりました。
また、民間が建てる住宅に助成する「住宅市街地総合整備事業」として331億円の税金をこれまで投じてきました。ふつうのマンション開発などでは基盤整備などの費用負担は分譲価格に転嫁されていますが、人工島では多額の助成金によって分譲価格が抑えられています。この助成事業は市全体の86%が人工島につぎ込まれており、星野市議は、あまりに異常な「人工島特別扱い」だと批判しました。
さらに、人工島では、もともとの土地単価を3割も引き下げたり、最大30億円もの「プレゼント」をつける「立地交付金」など、あの手この手の「公費投入」をして破たん救済をはかってきた実態が浮かびあがり、星野市議は「破たん救済のためにこれ以上公金投入することは許されない」と迫りました。
市長は、「事業を着実に進める」と無反省な態度を示しました。
髙島市政は「経済が成長し、それが市民に回る」という「経済の好循環」を掲げて大企業応援をしてきました。しかし、星野市議は統計データをもとに、市内の法人の企業所得や大企業の納税額だけが1.5倍になる中で、労働者の賃金などにあたる「雇用者報酬」や零細企業などのもうけにあたる「個人企業所得」、給与所得者の平均収入などは逆に減っている事実(図)をつきつけ、「これだけ市民が苦しくなっている状況を、どう考えるのか」とただしました。
経済観光文化局長は「格差の拡大は一概に言えない」とのべ、事実を認めませんでした。市長は「都心部の機能強化等に取り組む」として、いっそうの開発行政に突き進む姿勢をあらわにしました。
公園の指定管理者制度について、「楽水園」(博多区)や西部運動公園(西区)の問題をとりあげました。
福岡市三大庭園の一つ「楽水園」では、管理が民間業者にかわってから、「公共工事設計労務単価」では時給換算で1400円なのに、最低賃金すれすれの720円しか払われておらず、また、水代をケチってコケの水やりなども「毎日2時間」のところ30分程度になっているなど、お粗末な管理の実態を示しました。
また、「西部運動公園」でも民間業者になって最低賃金並みに引き下げられ、協会から継続雇用された人たちは全員辞める事態になっていることが明らかになりました。
星野市議はこれらの公園の指定管理者の調査・是正とともに、庭園・公園については市・協会へ管理を戻すよう求めましたが、市長は「民間にできることは民間に」などと述べて、見直さない考えを示しました。