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2015年12月議会
東図書館の指定管理者、中央児童会館問題などをただす
2015年12月14日 熊谷敦子議員の議案質疑
2015年12月14日から始まった福岡市の12月議会で、熊谷敦子市議は職員給与の改定、中央児童会館と東図書館の指定管理者の指定について議案質疑を行いました。
今回、市職員給与を平均で年4万8000円引き上げる中身ですが、熊谷市議は17年前と比べると78万7000円も引き下げられている事実を暴露しました。
また、全体の16%にあたる50歳台後半の職員の給与は据え置きとされたことに対し、厚生労働省の調査でこの世代の半分が住宅ローンを抱えている実態などをつきつけ、モチベーションを上げることにはならないと指摘しました。
さらに、市長は2016年4月1日をめどに国の指示通り「給与制度の総合的見直し」をねらっており、もし実施されれば平均で2%、50歳台後半では最大4%もの引き下げになると批判しました。
熊谷市議は、今回給与改定での50歳台後半の据え置きをやめることと、「給与制度の総合的見直し」の中止を市長に迫りましたが、市長は「人事委員会勧告を尊重し、国、他自治体の状況を勘案して決定したもの。今後とも適切に対処する」と述べ、見直さない姿勢を示しました。
中央児童会館の問題では、ビルの建替えに西鉄が参入し、低層階にカフェをつくりますが、中学生・高校生(8万人)が新たに利用対象になるにもかかわらず、スペースが事実上7階の1フロアしかありません。熊谷市議が「これで十分といえるのか」とただすと、こども未来局長は「適切な広さ・機能を確保している」などと強弁。熊谷市議は中学生・高校生についても児童福祉法の定める「健全な遊びを提供」することができないと批判し、中高生の利用できる施設配置へ拡充を迫りました。
同時に、早良区の地域交流センターに中高生の居場所をつくることや、各区に児童館をつくることを提案しましたが、髙島市長は「子育て交流サロンや公民館などで子どもの遊び場を確保する」と述べ、住民の切実な要求に背を向けました。人口150万の政令市で児童館がたった1館だけという子どもに冷たい市政を顧みず、開き直りました。
千早駅前の公共施設内に新たにできる東図書館を市直営とせず、紀伊國屋書店と日比谷花壇(花屋)へ管理運営を委ねることについて、熊谷市議は①指定管理者では期間が決まっており継続性がそこなわれる危険がある、②直営にした場合と指定管理にした場合のコストの差が年間2万8000円しかないとの当局試算を示して、直営をやめる根拠がない、③民間業者の利益を生むために職員の給与が低く抑えられる危険がある、④利用者の個人情報が守られない恐れがあり、市民一人ひとりの利用情報を民間業者がにぎることになる、と警告しました。
また、熊谷市議は、日比谷花壇が選定された理由が「花と緑を楽しみながら閲覧できる憩いの空間づくりとしての花図書館」とされている点をとりあげ、図書館法には図書館サービスの目的にこのような項目はない、選定の仕方がおかしいと追及。日本図書館協会の報告でも、図書館サービスの「基本」は「住民の求める資料や情報を提供すること」とされていることをつきつけましたが、教育長は答弁を避けました。
熊谷市議が「東図書館における指定管理者制度の導入は、やめるべきだ」と迫ると、教育長は「民間能力の活用をはかるため、指定管理者制度を導入する。一方、図書館行政の根幹にかかわる部分は行政が責任をもって担う」と答弁しました。