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議会報告

2015年12月議会

2014年度決算諸議案に対する反対討論

2015年12月14日 倉元達朗議員

私は、日本共産党市議団を代表して、2014年度一般会計及び特別会計並びに企業会計決算諸議案のうち、議案第167号ないし170号、172号ないし178号、180号、182号ないし191号について反対討論を行います。


周知の通り、2014年度は、4月に消費税の8%への増税が強行され、安倍政権がアベノミクスと称して大企業応援と円安を進めるなかで、その恩恵を受けた一部の大企業が利益を大幅に伸ばした一方で、国民は所得減少と物価上昇に苦しめられ、中小零細業者の営業も落ち込み、貧困と格差がいっそう加速されました。

アベノミクスに追随する高島市長の2014年度決算は、市長選を意識して組んだ当初予算の基調そのままに、「成長戦略」「アジアのリーダー都市をめざす」などと言って、人工島事業に続き、ウォーターフロント再整備や「天神ビッグバン」など、大企業奉仕と呼び込み型の大型開発路線に大きく踏み込み、人もカネも集中させました。そして、そのために福祉や教育など市民生活と子ども関連の施策を切り捨て、また行政責任を放棄して営利企業の儲けづくりを進める、「高島行革プラン」を強行したというのが、最大の特徴となっています。

本来、地方自治体の役割は、住民の生活と福祉を守ることです。国の悪政に対し、市民の立場からきっぱりモノを言い、市民生活を守る防波堤となること、また、市民の暮らしと中小企業・業者の営業を支える景気対策で地域経済を活性化させることこそ、求められています。

ところが、昨年度の歳入歳出決算を見ると、高島市政が自治体本来の役割を放棄し、市民の願いを無視し、背を向けたことが顕著に表れていると言わなければなりません。高すぎる国保料、介護保険料の引き下げも、足りない保育所の大幅新設も行いませんでした。介護や保育の人手不足を解消するための独自の賃上げも行いませんでした。市民が要求した中学3年までの医療費無料化や住宅リフォーム助成制度の創設を市長は拒否しました。教育費は一般会計のわずか6.63%と、25年前の半分程度にとどめたのであります。生活保護も就学援助も厳しく抑制しました。中小企業対策予算を前年度から減らし、一般会計のわずか0.26%にとどめました。安定雇用を拡大させる対策も皆無でした。このように、暮らし、福祉、教育など市民生活に関わる分野で削減・抑制路線を進めたのであります。

歳入について言えば、地下鉄、上下水道、市営渡船などの料金に消費税の8%への増税分を転嫁し、市民生活に多大な影響を及ぼしました。

市債残高は減ったとはいえ2兆4000億円を超えて高止まりし、市民一人あたり162万円と、政令市ワースト2位というのが実態であり、本市の借金財政は依然として深刻であります。高島市長の開発路線のもとで新たな借金を増発していますが、今後その返済が迫られ財政をますます悪化させることは必至であります。

以上のように、2014年度決算は、財界奉仕の大型開発と呼び込み型を推進する一方、福祉、教育の削減、行政責任の放棄など市民に冷たい内容が基調となっており、わが党はこのような決算諸議案を認定することはできません。


次に、わが党が反対する諸議案のうち、主な問題について、その理由を明らかにしておきます。


第1は、子ども・保育・教育についてです。

市長は2014年度当初、保育所が足りずに入りたくても入れない子どもが1,116人もいたのに、見せかけだけの「待機児ゼロ」を作り出し、適正規模の認可保育所を新設するという抜本的な対策は後回しにしたのであります。新設をわずか340人分にとどめ、既存保育所への詰め込みや小規模保育事業で取り繕うやり方に終始したため、未入所児は今年4月に1,532人、8月には1,811人へと激増し、きょうだいが別々の保育所というケースを多数生み出しました。子どもと保護者の苦難に背を向けたのであります。さらに、保育の質を保障するために本市で長年禁じられてきた民間営利企業の参入を、新制度の実施を口実に容認しました。また、保育士の処遇改善も現場が求める水準には程遠く、人件費に係る協会補助金5億円の廃止を突然提示し、今年度当初から一方的に凍結したことは許されません。

子どもの医療費助成制度については、中学3年までの無料化を求める6万7千筆もの請願署名が提出されたにもかかわらず、市長はこれに背を向け続けています。9つの政令市がすでに中学3年まで通院費を助成しており、本市でも実施することは急務であります。

いじめや体罰・暴力、過度の競争教育など、教育の深刻な行き詰まりの打開が求められているにもかかわらず、安倍政権は財界要求に沿った「グローバル人材の育成」や教育予算カットを推し進め、高島市長もこれに追随し「グローバル教育」「企業家教育」偏重へと歪めようとしています。教育費を最低水準に抑制し、学校施設の老朽化や特別支援学校の教室不足、過大規模校、教職員の異常な長時間過密労働と非正規化などを放置しました。また、教育効果の大きい少人数学級を拡大しませんでした。現場から反対の声があがっている土曜授業の実施や夏休みの短縮を押し付けることは許されません。就学援助の削減を検討した教育委員会は今年度、生活保護基準の引き下げに連動して就学援助の支給対象範囲を狭めたため、これまで支給されてきたのに来年度支給されなくなる児童生徒を1,700人も生み出すことが明らかになりました。子どもの貧困を解消する取り組みに逆行するもので、断じて許されません。平和と民主主義を土台とし、憲法と子どもの権利条約を生かし、全ての子どもの「人格の完成」を目指し一人一人が大切にされる教育の再建こそが急がれており、教育環境整備に責任を果たすべきであります。


第2は、社会保障、福祉についてです。

国民健康保険については、加入世帯の86%以上が年所得200万円以下、平均所得が約87万円と、ほとんどが低所得層となっていますが、市長は負担軽減のための法定外一般会計繰入金を昨年度6億円も減らし、最高時と比較して約40億円も減少させました。一人当たり保険料を引き下げず、介護分で引き上げた結果、とりわけ子育て世代の負担が増え、また年金が減らされ続ける高齢者に重い負担となっています。異常に高い国保料が「払いたくても払えない」事態を生み出しており、滞納世帯が20.4%にのぼる深刻な事態となっています。払えない人からの保険証取り上げ、治療費が窓口全額自己負担となる「資格証明書」交付世帯が1万世帯4.5%、期限を区切った「短期証」の発行も2万8,000世帯12.7%にも上って全国最悪となり、受診を我慢して重症化・死亡するなど、医療を受ける権利を奪う許されない事態を引き起こしています。また、差し押さえが昨年度4,833件、前年の2倍以上、金額で約9億7,000万円、1.5倍と過去最高となり、なかにはわずか3円の預金を差し押さえる事例や公的手当が入る口座を狙い撃ちにしたものも含まれるなど、そのなりふりかまわぬやり方はあまりにも異常です。冷酷で機械的な国保行政をただちに改めるべきであります。

介護保険については、国が制度改悪を進めるなか、本市においても「負担あって介護なし」の実態は深刻となっています。介護保険料と利用料は重く、負担軽減策はまったく不十分です。特別養護老人ホームの待機者が6,500人にのぼっているにもかかわらず、整備計画を804人分にとどめています。また、現場の介護労働者の処遇の悪化は深刻で、離職者や事業所の廃業が相次いでいます。改善はまったなしであります。

生活保護については、貧困と格差が広がるもとで、本市の保護世帯は3万世帯を超え、増え続けています。市長は保護費引き下げについて国に何らモノを言わず、捕捉率が2割と言われるにもかかわらず保護が必要な市民の申請を抑制し、さらに保護を受ける人に対する人権侵害とも言える現場対応、市民からの密告を推奨する「ホットライン」を設置したことも問題です。本市のケースワーカーは入職して間もない職員が3年程度で入れ替わる体制にもかかわらず、一人当たり100件も担当し、国の標準をはるかに超える過酷な状況です。正確で丁寧な対応へと改善するために、経験を蓄積できる体制や専門職の配置が必要であります。

障害者施策については、障害者とその家族からサービスの改善・充実や負担軽減を求める声があがっていますが、本市の冷たい対応は改善されないままであります。他の政令市で広がっている障害者差別禁止条例の制定が必要です。

市立病院については、市民病院職員の不当解雇事件に続き、特定業者との癒着・不正事件、患者に対する診療費の誤請求問題も起きています。市長が昨年度、こども病院の閉鎖と人工島の新病院の開業を強行した結果、とりわけ西南部地域で小児専門医療にかかれない子どもを生み出したことは大問題です。新病院への公共交通手段も抜本的な解決が図られないままであります。


第3は、中小企業・経済・雇用対策についてです。

経済対策については、市民の懐を直接温める施策、地元中小業者の仕事おこしにつながる地域循環型の景気対策が求められたにもかかわらず、市長が推進したのは市外や海外からの呼び込みばかりで、経済波及効果もまったく不明です。行政発注事業における適正な労賃確保などのために欠かせない公契約条例の制定も、経済効果バツグンの住宅リフォーム助成制度の創設も、高島市長は拒否し続けています。小規模企業振興基本法が制定されましたが、本市の中小企業振興条例と中小企業対策は小規模企業の実態把握や支援を位置付けたものとなっていません。商店街振興のための予算増額と体制強化が必要です。また、安定した正規雇用を抜本的に増やす対策がまったく取られませんでした。本市独自のブラック企業対策もほとんどありません。

市営住宅については、低家賃の住宅の需要が大きく、応募倍率が空き家一般で16倍、高齢単身者では31倍となったにもかかわらず、新設を一戸もしませんでした。


第4は、人工島など大型開発の問題についてです。

昨年度の人工島関連事業費は総額で201億円に達しました。破たん救済のための、新青果市場整備費75億円、拠点体育館の用地代48億円、住宅販売促進のための住宅市街地総合整備事業に10億円、企業立地交付金に1億円など、人工島を特別扱いし莫大な税金・公金を投入しましたが、ムダづかいに他なりません。「税金は一円も使わない」との約束を反故にし、売れない土地を次々税金で買い取り、これまでの土地分譲収入1,231億円のうち市と住宅供給公社が買った金額は664億円と半分以上を占めています。人工島の土地を買ってくれた企業に1社最大30億円の税金をばらまく立地交付金は、この4年間で総額130億円になります。まさに税金丸抱えというのが実態であります。定期借地方式の導入や大幅な土地分譲単価の引き下げなど、高島市長による事業計画見直しによって、最終収支は160億円から最大421億円もの大幅赤字という大破たんとなりました。人工島推進勢力が何の責任も取らない態度は断じて許されません。港湾関連用地の需要がないことは明らかであり、今後540億円もつぎ込む4工区の埋め立ては凍結すべきであり、また292億円もかける都市高速道路の人工島延伸も中止すべきです。

高島市長は賑わいや観光集客を名目に、ウォーターフロント再整備と「天神ビッグバン」を推進していますが、その事業費の規模も明らかにせず、市民負担が一体どうなるのか分からないまま突き進むのは、あまりにも無責任です。身の丈以上の呼び込みによって、観光バスの不足で市民や子どもが迷惑をこうむり、都心部開発で地場の業者が追い出されるなどというのは、この路線の誤りを明白に示すものです。ウォーターフロントの集客・商業施設の誘致を含む大規模な再整備は、一部の開発企業のみを儲けさせ、市財政を破たんさせるものです。「天神ビッグバン」は、一方で地場業者の追い出しまで伴う大企業のビルの建替えに、容積率の規制緩和や税制の優遇、金融支援を行うとともに、市として新たな地下道の設置や天神通線の整備、さらに連節バス導入等々、大企業のための至れり尽くせりに他なりません。銀行やゼネコンなどの儲けづくりのために、さまざまな手法で、莫大な公金投入の計画をつくることは異常であります。

必要性も緊急性もない福岡空港第二滑走路の建設は中止すべきです。


第5は、国家戦略特区と市長の政治姿勢についてです。

国家戦略特区は安倍政権がアベノミクスの「第3の矢」として大企業応援の「成長戦略」の柱にすえたものであり、特区を突破口にして儲け拡大のじゃまになる規制を取り払い、全国に広げるのが狙いであります。高島市長が打ち出した「グローバル創業・雇用創出特区」は、外国企業の呼び込みと企業の創業を促すとされていますが、市民を守るルールを壊す規制緩和など重大な市民犠牲の危険をはらんだものであり、さらに大企業優遇の法人税減税まで企んでいます。本市に設置された「雇用労働相談センター」は、昨年末のセミナーで代表弁護士が「解雇指南」とも言うべき内容の講演を行っていたことが国会でのわが党の追及で問題となったように、経営側に立って助言や指導を行うものとなっています。「創業支援」を名目にして、事実上の「首切り自由化」「総ブラック企業化」に道を開くやり方は許されません。規制緩和と呼び込み型の特区の推進はやめるとともに、雇用のルールをないがしろにし、非正規雇用を拡大する「雇用労働相談センター」をただちに廃止すべきです。

大企業が儲かれば市民におこぼれが回ってくるなどというのは幻想であります。それは、高島市政のもとで、市内の大企業の利益が1.5倍に大幅に伸びた一方で、労働者の賃金も自営業者の所得も減少したというデータに示されているのであります。こうした大企業奉仕の背景に、政治資金パーティーで繰り返し資金提供を受けるなど、高島市長の財界との癒着があることは重大問題であります。


第6は、「行財政改革プラン」についてです。

高島市長の「行革プラン」は、大型開発を聖域にしながら、市民には「財源不足」などと脅して、福祉や教育など市民サービスを「スリム化、効率化」の名で切り捨て、負担増を押し付けるものです。昨年度には、特別支援学校スクールバス民間委託化や市営渡船志賀島航路の大岳廃止などを、関係者や住民の反対の声を踏みにじって強行しました。市立幼稚園の存続を願った保護者、関係者らの切実な声を無視し、全園廃止の方針を撤回することなく、ついに廃止を決定しました。公共施設の使用料の値上げ、高齢者利用料減免の廃止も検討され、敬老金の削減も打ち出しました。市長が進める「行革」は、まさに子どもと高齢者を狙い撃ちにした切り捨てに他なりません。

また、文化、スポーツ、公園など公共施設に指定管理者を導入し民間営利企業の参入を拡大したことによって、適正・公正・公平な管理に行政が責任を持たず企業に丸投げし、公共施設が儲け道具に変質させられ、市民サービスの低下、人件費カットや非正規化、手抜き管理など、問題が広がっています。さらに、中央児童会館や科学館など公共施設の整備・管理にPFI方式など民間参入が推進されていますが、市民の財産である貴重な公有地・公共施設を西鉄やJR九州などに投げ渡すものです。公的責任を放棄し、大手ゼネコンなど大企業だけが儲けて地場中小企業に恩恵のないやり方は問題です。

加えて、今でも政令市一少ない職員をさらに減らすのは公務職場の困難を拡大し、市民サービス低下にもつながるものであり、必要な部署の増員こそ図るべきです。わが党は、市民に犠牲を押し付ける無責任な「行革」を撤回し、その具体化を中止するよう要求してきました。財政再建は不要不急の大型開発のムダづかいを一掃するなど市民本位で行うべきであります。


第7は、防災とエネルギーについてです。

防災については、地震、津波、台風、集中豪雨などあらゆる災害に対し、ハード面をさらに強化するとともに、住民の命を守る視点から配備体制や情報提供などソフト面を見直す必要があります。

また、九州電力が原発事故避難計画に何の責任も持たずに再稼働を強行していますが、市長が何もモノを言わずに容認していることは許されません。再生可能エネルギーの大幅な拡大が求められていますが、高島市長の姿勢は見えません。


最後に、いま安倍政権が、憲法違反の戦争法を強行して戦争する国づくりを進めながら、原発再稼働、沖縄辺野古の米軍新基地建設、TPP、消費税増税、社会保障と労働法制の大改悪など、国民の願いに反する暴走政治をつきすすんでいます。歴史的な高まりを見せている国民運動と共同して、戦争法廃止の国民連合政府を実現することによって、日本の政治に立憲主義と民主主義を取り戻し、個人の尊厳が大切にされる政治をめざして全力をあげるとともに、安倍政権にべったりの市政の抜本的な転換をめざし、いっそう奮闘することを表明して、わが党の反対討論を終わります。


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