2014年予算議会
生活保護「密告」、学校「日の丸」常時掲揚、自治協への押しつけなど追及
2014年3月18日 中山いくみ市議の総会質疑
中山いくみ市議は、2014年3月18日、条例予算特別委員会の総会質疑に立ち、生活保護「密告」、学校の「日の丸」常時掲揚、自治協への押しつけなどの問題をとりあげました。
高島市長は「生活保護ホットライン」と称して、新年度から生活保護世帯の「アルコール」「ギャンブル」「不正受給」などについて市民からの「密告」を奨励する電話を開設しようとしています。
中山市議が「保護世帯がお酒を飲むことは禁止なのか」「タクシーに乗る、立派な服を着る、外食をする、こんなことも通報対象なのか」とただすと保健福祉局長は「アルコールは禁止ではない」「市民のいろんな疑問にこたえる」などと答えました。中山市議は、「そもそもだれが保護世帯かは守秘義務が課せられていてわからないはず。想像や予断にもとづく情報を集めるのに公金を使うのは許せない」と指摘。「こんなやり方は相互監視体制であり、明らかに人権侵害だ」と厳しく批判すると、市長は「人権侵害とは考えていない」と言い放ち、傍聴席からどよめきが起こりました。
中山市議は、国連の委員会から日本政府に対し、保護世帯に「恥辱」を与えるやり方を是正する勧告が出ていることや、さいたま市で同様のホットラインを開設し市民の批判の前にチラシ内容を是正せざるをえなくなったケースを示して、「適正実施というならケースワーカーこそふやせ」と要求。無法な「ホットライン」の抜本的見直しを求めました。市長は「幅広く情報を受け付けていく」と開設にしがみつきました。
高島市長は、予算議会のさなか、市立学校の「日の丸」掲揚台の整備予算をつけていくことを突如打ち出しました。
中山市議は「日の丸」が侵略戦争のシンボルになった歴史を紹介し、ドイツもイタリアも戦後国旗を変えたのに、日本だけでは変えていないこと、そのために国民の中に少なからぬ抵抗があることをつきつけました。
常時掲揚となれば子どもにも地域の人々にも常時押しつけられることになり、内心の自由をふみにじる強制になるではないかと追及。国旗国歌法制定時の「国民には強制しない」とした国会答弁にも反することをつきつけました。教育長は「子どもたちが国旗に慣れ親しむものであり、強制ではない」「設置は校長の判断」とごまかしの答弁をしました。
高島市長は地域の自治協議会(自治協)に高齢者の見守りなどを押しつける案をうちだしています。この問題で日本共産党市議団は、個別自治会長へのアンケート調査をおこない、回答したほとんどの自治会長が市の検討案に反対・修正の意見をもっていることが明らかに。
中山市議は、アンケートで浮き彫りになったのは、あれこれ行政の仕事を押し付けられて過重負担となり、担い手づくりが困難になっている実態だとただしました。また、共同募金会からの助成金の交付先を校区社協から自治協に変更できる案も共同募金会福岡市支会から厳しく批判する意見書が出ていることを紹介。これらの市の検討案を撤回するよう迫りました。
市長は「地域の意見をうかがいながらとりくむ」として撤回を拒みました。
この他、中山市議は市立幼稚園の廃園問題、中央保育園の移転問題、待機児童の解消問題について質問しました。