トップ > 議会報告 > 2014年6月議会> 議案に対する反対討論

議会報告

2014年6月議会

議案に対する反対討論

2014年6月30日 熊谷敦子市議

私は、日本共産党市議団を代表して、本議会に提案されている諸議案のうち、議案第125号、126号、141号に反対し、討論を行います。

まず、議案第141号、人工島の埋立造成地の処分についてです。この議案は、人工島の埋立事業において造成した土地のうち、港湾関連用地2.7ヘクタールを、26億円でヤマエ久野株式会社に分譲するものです。本議案の分譲土地単価は平米あたり9万4,100円と、埋立単価11万7,252円を大きく割り込んでいます。加えて同社は立地交付金によって3割の補助を受け取っており、それをふくめると実質分譲単価は6万5,870円に下がり、当初の計画単価である13万円の半値となっているのであります。売れば売るだけ赤字が出る、このような処分のあり方を、わが党は認めるわけにはいきません。


次に、議案第126号、福岡市市税条例の一部を改正する条例案についてです。そのうち、法人市民税については、法人税割を14.7%から12.1%へ引き下げる国の地方税法改定をうけ、市税条例の規定を同様に変更するものです。また、軽自動車税については、四輪自家用車への課税額が1.5倍に引上げられるなどの法改定にともない、市税条例における軽自動車税の税率規定を同様に変えるものです。

法人市民税の引き下げについては、国税である地方法人税を新設するためその分を引き下げるとされていますが、そもそもこの地方法人税の創設は、消費税増税のさいに地方消費税の増収が引き起こされ、自治体の間での格差が拡大したことにより、国が集めた地方法人税の税収をすべて交付税の原資にして、格差の是正をおこなうとするものです。

しかし、法人市民税を引き下げた分が新たに補われる保証は何もありません。結局、今回の改定は、本市の減収をもたらすうえに、消費税が地方の税収の中で大きな割合を占めるようになるだけであり、消費税増税と一体に、消費税を地方財政の主要財源として整備・定着させるものに他ならず、わが党として容認することはできません。

また、軽自動車税の増税については、環太平洋経済連携協定、TPPの先行協議にむけ、アメリカの自動車業界がこの税制の見直しを強く要望してきました。軽自動車は、税負担が軽く、所得の低い層も購入しやすいために、自動車保有台数全体の約4割を占めています。福岡市でも乗用車の保有台数が横ばいの中、軽自動車の保有台数は増加しており、住民の貴重な足になっています。バスなどの公共交通を拡充させる見込みが立たないまま軽自動車の負担が上げられたら、地方の住民は足を奪われかねません。自公政権が自動車業界の要望に応え、自動車取得税の税率の引き下げと段階的な廃止を行う一方で、このような庶民増税は許されません。よって、わが党は本議案に強く反対いたします。


次に、議案第125号一般会計補正予算案のうち、「地域人づくり」に係る予算補正についてです。

本市は、政府が始めた「地域人づくり事業」の活用を図るとして、本議会に「高齢者生活支援人材育成事業」および「地域高齢者雇用創出事業」についての計5,221万円の補正予算を提案しています。

「高齢者生活支援人材育成事業」は「高齢者の在宅生活を支えるため、外出支援や買い物など、低廉な料金で利用できる、様々な生活支援サービスが必要になってくる」として、複数の事業者に委託を行い、生活支援サービスの創出・拡大、それらを担う人材育成にモデル的に取り組むというものです。また、「地域高齢者雇用創出事業」は、「シルバー人材センター会員で未就業の方に対する就業促進と、新たな就業先の開拓や獲得に向けて、同センターに委託」するとして、研修や企業向け冊子の作成などに取り組むものです。

自民・公明政権が、「医療・介護総合法」を強行し、要支援者への訪問・通所介護を介護保険給付から外し、市町村の地域支援事業に置きかえることになりました。国会の審議で、地域支援事業に移行した場合の専門的サービスは2025年度に半減するという試算が示されました。新たに要支援と認定された人には、専門的サービスが提供されなくなる恐れがあります。また、要支援者への給付費の伸び率5.6%が3.7%に抑制され、2035年度での給付抑制は2,600億円にのぼることも、国会の審議の中で明らかになっております。

市は審議の中で、「高齢者生活支援人材育成事業」および「地域高齢者雇用創出事業」が、このような制度移行に備えた事業であることを答弁していますが、現在と同じ専門的サービスが将来にわたり維持される保証を示せませんでした。

また、本事業では、民間の営利企業への参入に道を開こうとしており、支援が必要な人から専門的サービスを奪う一方で、民間のもうけづくりには手厚くするなど許されるものではありません。

こうしたやり方が、サービス単価や人件費の切り下げ、利用者の負担増につながり、介護サービスを量質ともに低下させることは明白です。これでは、介護の専門的サービスを受ける機会を、市民から奪うことに手を貸すものにならざるをえず、わが党としては賛成することはできません。


次に、同じく議案第125号、一般会計補正予算案のうち、「青少年科学館」の債務負担行為についてであります。

本年3月3日、UR都市機構とJR九州は、九州大学六本松跡地のうち、面積2万1,146平方メートルの土地を単価50万3,272円、117億円で売買契約しました。これを受けて高島市長は同日、JR九州が買い取った土地のうち、1万平方メートルを活用して、商業施設などを含む複合施設を建設・整備させ、その施設に青少年科学館を入居させることを決定いたしました。本議会に提案されている債務負担行為は、本市とJR九州との賃貸借契約にもとづき後年度負担となる賃借料約95億円の財政支出を、賃借期間である30年にわたって義務づけるものです。

本議案には重大な問題があることが、議会での審議を通じて明らかになりました。


第一に、本市がJR九州に支払う賃料が異常に高いことです。30年間の坪あたりの平均賃料は約1万1,000円で、6,000円から8,000円という周辺の相場からも大きくかけ離れており、わが党が算出根拠をただしても、市はまともな答弁をすることができませんでした。JR九州の言い値で賃料を設定したと言われても仕方のないものです。

さらに、JR九州がUR都市機構から購入した土地単価自体も平米単価50万円となっており、UR都市機構が取得した15万円と比べ、3倍になっていることも明らかになりました。

UR都市機構は高値の土地売買を短期でおこなって多額の差額利益をあげ、JR九州はその高値購入分を福岡市への異常に高い賃料に転嫁することによって補填しようとしております。しかも、税金を財源として30年間にわたって多額の収入が確実に補償されることになります。まさに、URとJRにいたれりつくせりの計画といわねばなりません。


第二に、その一方で「財政負担の軽減」などといって、市民や子どもたちが切望している劇場型文化ホールは外されたことです。市は「多目的スペースを入れた」と言い訳しましたが、固定席もない、講演会むけのものであり、市民が要望してきた演劇や音楽活動の専用ホールではありません。また、市は「今後の拠点文化施設整備の中で検討する」とも言いましたが、現在の市の計画では少年科学文化会館のホールを廃止した後は、音楽・演劇・舞踊などができる中規模の劇場型文化ホールは「ももちパレス」しかなく、市の言い分は成り立たないことが明らかになりました。

高島市長のこの暴挙によって、本市における子ども文化の拠点施設が消滅してしまうのです。まさに子ども文化の圧殺に他なりません。民間のもうけづくりを最優先し、その結果、子どもたちを犠牲にする本議案に、わが党はとうてい賛成することはできません。単独整備に切り替えて、市民の強い要望である劇場型文化ホールを建設すべきです。

本議会でこの議案について、わが党だけでなく、与党をふくめた多くの議員・会派から本議案を見直す声が出たように、子どもの根本的な利益や市民の切実な願いをふみにじる高島市長の姿勢に対し、立場をこえて疑問や批判の声があがっております。

本議会で保育についての公約を問われた市長が、「選挙公報はイコール公約ではない」という驚くべき暴論を展開したのも、同根の問題だといわねばなりません。

例えば、内閣総理大臣は選挙公報について、国会で次のように答弁しております。

「選挙をする制度として法律的にその候補者が選挙公報を出すということになっておりますから、これは私は選挙民に公約するものとして選挙公報というものが存在しているものだというふうに理解をいたしております」――これが政治家としての当たり前の答弁ではありませんか。首相答弁を持ち出すのも愚かしいほど、選挙公報に書かれたことが市民に対する公約であることは、少なくとも高島市長以外のすべての人にとって、常識中の常識であり、それすら理解しない高島市長は、政治家として失格と言わねばなりません。

このような姿勢では市民の厳しい審判はまぬかれえないことを指摘しておきます。


以上でわが党の反対討論を終わります。


>>>「2014年6月議会」トップへ戻る

>>>「議会報告」一覧ページへ戻る

PageTop