2014年6月議会
青少年科学館、「地域人づくり」、市営住宅の増設を質問
2014年6月20日 宮本秀国市議の議案質疑
6月20日から福岡市の6月議会がはじまり、日本共産党から宮本秀国市議が議案質疑に立ちました。
高島市長は、九大六本松跡地につくられる民間の建物の中に、賃借入居方式で青少年科学館を一体整備しようとしており、今議会にその財政負担を提案しています。これは、市がJR九州に対し、賃借料を30年間にわたって総額95億円支払うという計画にもとづいたものです。
宮本市議は、不動産会社からの聞き取りをもとに、この付近の坪あたりの賃料が6〜8000円であることを示し、市の計画が1万2000円の賃料(最初の10年間)を設定しているのは異常に高いと指摘。30年間の長期間にわたり税金を原資にして大企業の利益を補償する計画ではないかと追及しました。
また、同科学館の整備内容について、市が総事業費で57億円の「財政負担の軽減」ができるなどとして、市民が望んでいる劇場型文化ホール整備を拒んでいることを厳しく批判。一体整備・賃借方式をやめ、劇場型文化ホールをそなえた施設として市単独で整備する計画に見直すよう市長に迫りましたが、市長は「一体整備が最適」と現計画を強行する姿勢を見せました。
宮本市議は、賃金・物価の上昇にともなう市営住宅の工事請負契約の変更についても質問。宮本市議が、賃金上昇分が現場で工事をしている企業からの聞き取り調査の結果をしめし、下請・再下請業者に賃金上昇が反映されていない事実をつきつけました。住宅都市局長はこの事実は否定できませんでした。宮本市議は現場労働者の賃金に反映されるよう指導の徹底とともに、公契約条例の制定を求めました。
また、市営住宅の応募について、市の窓口の案内で応募し当選したのに、当選後「失格」扱いされ、訂正のための返送もなかった事例を紹介し、「十数倍もの倍率のために、窓口や書類整理業務が間に合っていないからだ」と指摘。市営住宅の管理戸数を増やすよう、計画を抜本的に見直せと迫りました。
この他、宮本市議は「地域人づくり事業」についても質問。
国が「要支援」の人を介護保険から外し、自治体に押しつけようとしているもとで、市が同事業で高齢者生活人材育成事業・地域高齢者創出事業をはじめようとしていますが、宮本市議は国の切り捨ての受け皿づくりだと追及。市は「制度移行に備えるもの」として、指摘を事実上認めざるをえませんでした。