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議会報告

2014年12月議会

2013年度決算諸議案に対する反対討論

2014年12月15日 綿貫英彦市議

私は、日本共産党市議団を代表して、2013年度一般会計及び特別会計並びに企業会計決算諸議案のうち、議案第149号ないし152号、155号、156号、158号ないし160号、162号、164号ないし166号、168号ないし170号、173号に反対し討論を行います。

周知の通り、2013年度は安倍政権のもとで、消費税大増税、集団的自衛権行使の容認、原発再稼働などの準備がすすめられるとともに、生活保護の切り下げ・介護保険外しなどの社会保障切り捨て、秘密保護法、アベノミクスによる物価騰貴などが国民に押しつけられ、まさに政権の暴走が加速してきた年度でした。

こうした中、本市の行財政運営に求められていたのは、国の悪政に対する防波堤となり、市民の暮らしと福祉、命を守るという自治体本来の使命を果たすことでした。

ところが髙島市長は、集団的自衛権、原発の再稼働については国の判断にゆだね、消費税の増税については「安定的な財源確保」とのべるなど、国言いなりの姿勢をあらわにしました。格差を広げるアベノミクスについても、髙島市長は賛成してきました。髙島市長が編成した2013年度当初予算は、「アジアのリーダー都市」をめざすと称して開発優先にお金をつぎ込むものでした。他方で、「生活の質の向上と都市の成長の好循環を創り出す」という言い方で、大企業や開発の「おこぼれ」を市民向け施策に充てるという、時代遅れの「トリクルダウン」の考え方に立ち、市民の暮らし・福祉・教育は厳しく抑制されたものとなりました。2013年度決算は、この当初予算の悪しき特徴を拡大したものとなっています。

歳入についてみると、市税収入は2761億円となり、「過去最高額」になったとされています。市税収入の中で著しくのびたものは法人市民税ですが、髙島市長が就任した2010年度と比較すると資本金5億円超の大企業が1.2倍、とりわけ資本金100億円超の巨大企業が1.4倍と大きくのばしている一方で、逆に資本金1億円以下の中小企業は95%に減らしているのが実態です。個人市民税における給与所得者の一人当たりの平均収入額は、髙島市長就任前の454万円から2013年度は442万7000円へと落ち込んでいます。

しかもこのようにして得られた「史上最高の税収」とやらは、市民には回されていません。

歳出をみると、人工島事業などムダな大型開発に湯水のように税金がつぎ込まれる一方で、教育費は史上最低水準、中小企業対策費は決算全体の0.3%以下と厳しく抑えられ、国民健康保険料は値下げどころか値上げされています。生活保護は市長就任前と比べ世帯・人員・率ともに全国の増加率をはるかにこえる大幅な増加となり、過去最多となりました。

髙島市長が言うような「好循環」どころか、安倍内閣の暴走と一体となった髙島市政のもとで、もうけたのは一部の大企業と富裕層のみ、圧倒的多数の市民と中小企業は貧しくなり、格差と貧困の悪循環が広がったというのが実態です。

本市の借金も依然高水準です。市債残高は全会計合計で2兆4190億円、市民一人当たり164万円です。これは政令市の中で2番目に悪い水準です。髙島市長になっての2011年度以降2013年度までの一般会計における市債の新規発行額は、全体が減る中で港湾関係は8割もふえ、新たに発生した債務負担行為の半分は人工島関連で占められています。まさにムダな開発分野は聖域のままになっています。

したがって、わが党は2013年度決算諸議案を認定することはできません。


次に、わが党が反対する諸議案のうち、主な問題について、その理由を明らかにしておきます。

第1は、子ども、子育てと教育についてです。

保育所の待機児童は2013年4月時点で695人、未入所児童は1664人、そして今年8月現在待機児童267人、未入所児童は1598人に及んでいます。「待機児童・未入所児童解消」を公約に掲げながら、それにふさわしい保育所整備をしてこず、詰め込みで対応したことが原因であり、4年前の選挙で選挙公報に書いた公約を問いつめられた市長は「選挙公報はイコール公約ではない」などと開き直る有様でした。

中学3年生までの医療費無料化については、2013年度も現在も実施されておりません。20ある政令市のうち16までが中学3年まで助成の対象年齢を引き上げているのに対して、髙島市長は助成制度をわずかでも充実させることを頑なに拒んできました。中学3年までの無料化を求める6万7000もの署名運動に押されて、10月の決算特別委員会でようやく拡大に言及したものの、実施時期などを未だに明らかにしていないのであります。

2013年度 福岡市立病院機構 病院事業債 管理特別会計 歳入歳出決算などに含まれている、こども病院の人工島移転も多くの市民の怒りを買っています。前市長が人工島移転を押しつけたのに対し、髙島市長は移転見直しを掲げて当選したにもかかわらず、市長になるとやはり人工島移転を決定しました。しかも、唐人町跡地への「小児科新設」という約束もまったく顧みず、西部地域の小児医療体制は空白になったままとなっています。

「行革」を口実にして市立幼稚園の全廃計画がかかげられ、反対署名が7万をこえて集まったにもかかわらず、髙島市長はいまだにこの計画にしがみついています。

教育費の2013年度決算は構成比で6.23%と髙島市政の中でも最低に落ち込みました。ここ半世紀で悪い方から3番目のひどさです。過大規模校、校舎の老朽化や危険箇所は放置され、少人数学級は髙島市長になってからとうとう1学年もふえませんでした。特別支援学校では教室不足のために生徒があふれるなど、まともな教育環境も保障されなくなっています。

少年科学文化会館の九大六本松跡地への移転については、髙島市長のもとで「財政負担の軽減」を理由に、文化ホールをなくした青少年科学館となってしまいました。UR都市機構は九大から平米単価15万2600円で土地を買い、それをJRに55万3272円で売り、80億円もの転売益を生じさせています。他方でJRは高額の賃料で30年間本市に貸し付ける方式をとることで、安定した収入を得られるしくみになっています。URとJRはぼろ儲け、市民は税金だけ吸い取られて、「お金がない」という理由で子どものための文化ホールを切り捨てられる――このような子ども犠牲を我が党は断じて認めるわけにはいきません。


第2は、福祉、医療、介護など市民生活に関わる問題です。

まず、国民健康保険についてです。国民健康保険世帯の所得も年々下がって、年所得200万円以下の世帯はついに国保世帯全体の86.0%にまで達しました。国民健康保険料は、市自身も「高い」と認識せざるを得なくなっているにもかかわらず、髙島市長就任時には介護分を含め1人あたり9万4994円だったものが9万5716円にまで引き上げられました。しかも市から国保会計への法定外繰入は予算ベースで髙島市長就任前と比べて30億円も引き下げられ、決算でみても低いまま抑えられました。髙島市長は「国保料の軽減化」を公約しながら、逆に引き上げを行ってきたのであります。

特別養護老人ホームについては、2013年度の待機者を2093人としていますが、本年10月20日付の日経新聞は本市への照会結果として、直近で4047人の待機者がいることを報道しているとおり、入所待ちは依然深刻な実態です。市長は「特養ホームの待機者解消」を1期目の公約に掲げながら、初めから特養ホームの整備量を要介護3以上に絞り込み、もともとあまりに低かった前市政の整備ペースに比べて「2倍にした」とするだけで、解消という公約に見合う努力を全くしていません。しかも次期の整備計画はこの貧弱な整備量よりもさらに3割減らそうとしており、2期目の市長公約からも「待機者の解消」は消えてしまったのであります。

生活保護は、厳しい経済情勢にもかかわらず、開始世帯は髙島市政の前と比べ、2013年度は半分近くの4820世帯に減らされています。これは、窓口に相談に来た市民に申請させず追い返す間違った対応がいまだに行われ、生活保護を必要とする人が受けられない事態の表れだと言わねばなりません。


第3は、雇用・中小企業対策などについてです。

髙島市長は「3年間で128社、1万人以上の雇用を産み出した」などと宣伝しているものの、最新の2012年の経済センサスでみれば、約5万人が働く9574の事業所が新設された一方で、その倍にあたる約12万人が働いていた1万7035の事業所が廃業しています。政府の統計では、髙島市長就任前と比べ正社員が2万5400人も減る中で、非正規労働者は4万3300人増加し、市内企業から働く人に渡される「市内雇用者報酬」は582億円も下がりました。

こうした中で本市の雇用対策は短期、非正規労働者を増やすものが多く、あまりにも貧弱だと言わなければなりません。それどころか、市の窓口の職員を派遣に置き換えるなど、正規の非正規化を率先して進めてきたのが髙島市政であり、2013年度は前年度に比べ1.7倍もの派遣職員を導入し、同年度の我が党の調査では窓口の派遣職員が月9万円の手取りしかないことも明らかになっています。

地域経済の主役である中小企業にも冷たい仕打ちを続けています。中小企業対策費は昨年度からさらに減って22億円に落ち込み、一般会計の0.3%を切る事態となったのであります。中小企業・業者の仕事を確保するための施策として、住宅リフォーム助成制度の創設を求める声が高まっているにもかかわらず、いまだ実施されていません。

地場の中小業者への仕事をふやす生活密着型の公共事業についても、保育所や特養ホーム、児童館などは、まったく足りていないにもかかわらず、建設されていません。とくに市営住宅は、高齢単身者の平均で37倍、一般でも17倍と入居希望者が殺到していたのに、新設は1戸もありませんでした。

この10年間で市内の商店数が4割も減っているにもかかわらず、市の商店街支援策が十分活用されているとは言えず、商店街活力アップ事業は2013年度1802万円で髙島市政になって最低の決算額になっています。

福岡市の官公需契約実績にしめる中小企業の割合は金額ベースで昨年度の79.8%から68.3%に大きく落ち込み、中小企業はますます苦境に立たされています。

農林漁業については、2013年度の農林水産業費は前年度より4億円、髙島市長就任前と比べると18億円も減らされています。我が党は予算の増額とともに、低迷する所得と経営を支援するための各種助成制度、販売促進の支援、後継者づくりの支援、鳥獣被害対策の強化などいっそうの拡充を求めるものです。

地場の中小企業や農林水産業を手厚く支援してこそ、地域循環型の経済発展が実現するのであり、髙島市長の進める「大企業応援のトリクルダウン政策」を大本から転換しなければなりません。


第4は、原発問題と防災についてです。

安倍政権が原発の再稼働へむけ暴走を続ける中で、髙島市政は原子力災害対策編を新設した地域防災計画の見直しを検討しましたが、現在に至るまで実効性のある避難計画はできておりません。このような現状で玄海原発の再稼働などおよそ認められるものではないにもかかわらず、髙島市長は「国が判断すべきもの」としてこれを容認しようとしています。

人口密集地帯にある警固断層帯で直下型の大地震が起きれば甚大な被害が予想されますが、木造戸建住宅は5万戸が耐震化されていない重大事態です。ところが、住宅の耐震改修工事費補助事業による、木造戸建の耐震改修と建替えは前年度よりも減って80件しかありません。耐震化の支援強化をはじめ、水害対策や津波対策などのいっそうの推進が必要です。


第5は、大型開発などの問題についてです。

人工島事業には2013年度129億円もの費用がつぎ込まれました。髙島市長は土地が売れたと大宣伝していますが、実際には原価を大きく割り込んだ「叩き売り」であり、さらに企業立地交付金を「プレゼント」しているのであります。しかも多くは、市が買い取って穴埋めをしているのが現実です。厳しい実態はかわらず、市長の甘い見通しでも160億円、最大でも421億円もの最終赤字になるとされています。

その他、土地区画整理5事業、五ヶ山ダム建設関係28億7338万円など、大型開発に莫大な事業費を費やしました。

また、2013年度は「ウォーターフロント再整備推進準備室」が設けられました。同地区には、今後の事業費が明らかにされないまま、新たなふ頭の埋立、第二期展示場や交通機関、巨大歩道橋の建設などに数千億円ものお金が使われようとしています。一部の開発企業のみを儲けさせ、生活向上に何も役に立たないこうした再整備はまったく必要ありません。

2013年度決算には「総合特区制度の推進」という事業の中に国家戦略特区の提案が含まれています。国家戦略特区で使われる「雇用指針」は、使用者にだけ都合のいい判例を用いた「解雇指南」ともいうべきものになっており、雇用ルールが破壊されるおそれがあります。さらに法人税の減税まで打ち出しており、税収はいっそう空洞化します。まさに「ブラック企業特区」「大企業優遇特区」であり、貧困と格差を加速させるものであります。


第6は、行財政改革の問題です。

髙島市長が推進する「行財政改革プラン」により特別支援学校スクールバス・指導員の民間委託化などが強行されました。他方で、住民の強い反対の声で事実上撤回されたり、執行できずにいるものも少なくありません。そのこと自体がこのプランの道理のなさを示しています。市立幼稚園の全廃、市営渡船志賀島航路の大岳廃止など、市民いじめの計画はただちにやめるべきであります。

市民には「行革」の名で犠牲を押しつけながら、市長の出張の支出に見られる、市長自身の公金の使い方のけじめのなさは、言語道断です。出張自体の必要性の無さ、公務と私的用務の混同が大きな問題となりました。高額なハイヤーの利用についても、市長が訪問したという内閣府には1件も記録がないことが我が党の調査で明らかになりました。2013年度の出張について、出張命令書や航空運賃の領収書、情報公開文書を偽造したのではないかという疑いは依然解明されておりません。市長は「事務処理のミス」などと言い逃れしようとしましたが、市長自身がこれらの書類の決裁者であり、その責任はきわめて重いという自覚が市長にはまったくありませんでした。出張命令書の訂正作業と過年度支給の手続きさえ終わらせず、市長から何の報告もないまま決算に付したなどというのは前代未聞であり、決算特別委員長から「今後このようなことがないように市長に強く要請する」という異例の注意がされたのは当然であります。

市民いじめの一方で、市長自身がこのようなデタラメな公金の使い方をすることを、我が党はとうてい認めることはできません。


以上で、我が党の反対討論を終わります。


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