2013年6月議会
6月議会を終えて
2013年7月2日 日本共産党福岡市議団
福岡市の6月議会は6月28日閉会しました。日本共産党市議団は、高島市長の暴走市政と真正面からたたかうとともに、市民要求の実現へ奮闘しました。
地域経済への悪影響及ぼす27億円もの市職員給与引き下げに反対
市職員・市立学校職員の給与を今年7月から9カ月間、4・5~9・5%、平均24万円(課長級で50万円、校長では最高54万円)の大幅引き下げる議案が提案されました。9500人の総額は27億円です。わが党の綿貫英彦市議は、地域経済に多大な影響を及ぼすことを追及しましたが、市長は「影響を把握することは困難だ」「影響があるとする九州市長会の決議には敢えて異を唱えなかった」などと無責任極まりない態度でした。もともとこの問題は、安倍自公政権が地方自治体の財源である地方交付税をカットして、地方公務員の給与引き下げを押し付けるという乱暴なやり方から始まったものです。全国市長会が「地方の財政自主権を侵すもので、誠に遺憾」と猛反発し、多くの政令市が6月議会に上程しなかったのに、高島市長は唯々諾々と従いました。しかも、一方で人工島などムダづかいを温存し、「行革プラン」で市民いじめを進めておきながら、「財源不足による市民サービスへの影響を回避するため」などと、市職員給与カットはあたかも市民を守るためかのような言い訳をしたことは許しがたいものです。さらに、公務員の労働基本権の代償措置としての人事委員会の勧告さえ受けず、なおかつ職員労働組合との合意もないまま議会に上程されたのは過去に例がありません。自民、公明、民主、みらい、維新と、社民市政クラブ(社民党)も賛成に回って可決させました。反対した会派は共産党だけでした。
屋台基本条例の問題点をただす
屋台基本条例が成立しましたが、この条例は、これまでの指導要綱にはなかった営業許可の取り消しや不更新などの権限を市に与える「権限強化」を含むものです。わが党市議団は「一方的に屋台を排除するのか」「なぜ条例化を急ぐのか」「屋台営業者や近隣住民など関係者の意見は十分聞いたのか、合意は得られたのか」など質しましたが、明確な答弁はなく、福岡の食文化を担い、生業でもある屋台をないがしろにし、都心部再開発の道具と位置付ける高島市長の強引さだけが浮き彫りになりました。わが党の熊谷敦子市議は反対討論で、市民を置き去りにした条例化は時期尚早だとして、撤回と市民的議論を要求しました。
子どもに冷たい高島市長の暴走ぶりを追及
一般質問では子どもに関わる諸問題で高島市長を追及しました。星野美恵子市議は、中央児童会館の建て替えに伴う中央保育園の移転計画について、移転先が風俗店に囲まれ風営法に抵触する重大問題であること、また一方通行の狭い道路にしか面していないことなど、保護者や保育園関係者から心配の声があがり、署名運動が始まったことも示して追及しました。市長は問題ないと開き直りました。さらに市と不動産会社「福住」(河野孝雄社長)との売買をめぐる「土地転がし」の疑惑を指摘しました。少年科学文化会館の移転問題では、市が進める民間ビル賃借入居方式では「経費節減」にならず、全国に前例がないとの文科省見解も示して、計画見直しと、文化ホールを含め施設を直営で建設するよう要求しました。こども病院移転問題では、市長が人工島移転を決定した際の「現地周辺の新たな小児科」の約束を踏みにじり、浜の町病院に小児科医を1人増やすだけでごまかそうとしていることを追及しました。また、市民に隠して人工島病院用地の耐震対策の地盤改良工事をしていたことを暴露しました。
中山いくみ市議は、市立幼稚園の全廃計画について、この間の教育委員会の地域説明会で存続を求める切実な声が多数出されたことを示し、保護者らが面会を求めたのに市長が拒否したこと、全廃計画を決定した教育委員会会議を非公開にしていることを批判しました。「存続を求める会」は短期間に6万6000筆もの請願署名を集め、6月議会に提出しました。市長は相変わらず「民間で担うことができるものは民間に」と繰り返すばかりでしたが、このまま強行することは許されません。保育所待機児問題については、企業参入を許さないこと、保育士が働き続けられるよう抜本的に賃上げすることを求めました。障害者問題では、移動支援に散歩などを加えること、知的障害者への支援の差別をやめること、精神障害者への運賃割引の実施、総合福祉法の制定などを求めました。
わが党は「子どもを守れ」と広がる市民の運動とさらに共同し、その実現のためにいっそうがんばります。
ダンス規制の見直しを求める意見書を採択
わが党市議団が立案し他会派に呼びかけた「風営法のダンス規制の見直しを求める意見書」が賛成多数で可決しました(自民、みらい、無所属1人計26人が反対)。クラブカルチャーを守れと取り組んでいる方々から喜びの声があがっています。
いよいよ参議院選挙が公示されます。日本共産党市議団も躍進・勝利にむけて全力を挙げる決意です。