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議会報告

2013年6月議会

議案に対する反対討論

2013年6月28日 熊谷敦子議員

私は、日本共産党市議団を代表して、本議会に提案されている諸議案のうち、議案第119号および120号、124号ないし126号ならびに129号に反対し、討論を行います。


まず、議案第120号、福岡市職員の給与の特例に関する条例案、および議案第129号、福岡市立学校職員の給与の特例に関する条例案についてであります。

今回条例案は、本市職員および市立学校職員の給与について、地方公務員の給与引き下げ要請と地方交付税の削減措置を受け、今年7月から9カ月間にわたって大幅に引き下げるものであります。引き下げ率は4.5~9.5%、平均24万円、課長級で見れば50万円、校長では最高54万円もの引き下げです。全体で9500人が対象となり、引き下げの総額は27億円にのぼります。

もともと地方交付税をカットして地方公務員の給与引き下げを押し付けてきた安倍政権のやり方は許されないものです。全国市長会は「地方公務員の給与は、公平・中立な知見を踏まえ、住民や議会の意思に基づき各自治体が自主的に決定すべきものであり、ましてや、地方の固有の財源である地方交付税を地方公務員の給与削減のために用いることは、地方分権の流れに反し、地方の財政自主権を侵すものであり、誠に遺憾である。」「現下のデフレ基調のなか、厳しい地域経済を回復基調に乗せるためにも地方公務員の給与削減は、極めて問題である。経済界に対し民間給与の引き上げを要請している政府の立場とも矛盾すると言わざるを得ない。」という大変厳しい内容の緊急アピールを発表しました。国が7月からの実施を要請したにも関わらず、多くの政令市をはじめ地方自治体は実施を先延ばしにしているのであります。

ところが、高島市長は、何も抗議しないばかりか、今年1月の国の要請に対して、翌々日には「職員の給与水準を絶対堅持することは市民の理解を得ることは難しい」などと表明し、唯々諾々と従ったのであります。このような卑屈な態度は異常だと言わなければなりません。

市当局と市労連との交渉で、貞刈副市長は「国から言われたから減額を提案するのではない」と言いながら、ほぼ国の言う通りの引き下げ内容となっています。市長は、わが党の議案質疑に対し、「引き下げは非常に厳しいが、地方交付税が減額される中、市民サービスへの影響を回避することが市長としての責務だ」と開き直られました。交付税を減額された分を、市民サービスの低下で穴埋めするのか、それとも給与引き下げか、という二者択一を職員に迫るのはあまりにもひどい脅しであります。市民サービスに大ナタを振るってバッサリ切り捨てる「行革プラン」を押し付ける高島市長に、市民サービスを語る資格はありません。

交付税カットによって財源不足が生じるというなら、人工島など不要不急の大型開発を今こそ凍結すべきであります。ここには指一本触れずに「聖域」にしたまま、職員に給与の大幅引き下げを押し付けるなど断じて認められません。

本来、住民奉仕という特別な職務を担う公務員には一定水準の給与が保障される必要があります。本市はそれに反し、この10年間、毎年のように給与引き下げを繰り返してきました。その結果、職員の生活に影響を与える事態も生み出しており、悲鳴があがっております。これ以上の大幅賃下げを強行すれば、職員の生活設計を壊し、公務員としてのモチベーションを著しく引き下げ、住民サービスにも影響することになります。憲法と地方自治法に基づく公務労働の根幹にかかわる重大問題であります。

さらに、今回の引き下げは、公務員の労働基本権の代償措置としての人事委員会の勧告さえ受けていません。なおかつ職員労働組合との合意もないままの議会上程は過去に例がありません。人事委員会からは今回条例案に対して「このような措置は、例外的かつ時限的に実施されるべきもの」との厳しい意見が出されております。

また、地域経済への影響について、27億円もの給与引き下げが消費購買力を奪い、地域経済に多大な影響を及ぼすことは火を見るよりも明らかであります。すでに地元業者から心配の声が上がっています。ところが、市長も総務企画局長も「影響を把握することは困難だ」などと現実を見ない、無責任な答弁を繰り返されました。

高島市長も参加した5月の九州市長会の決議は「大幅な地方公務員給与の削減は、地域経済に多大な影響を及ぼす」と明確に述べておりますが、この点について市長は「決議には敢えて異を唱えなかった」という答弁をされました。これは、決議には実は同意したくなかったという本音を語ったものであり、驚くべき発言だと言わなければなりません。市長としての資格が問われるものであります。

したがって、わが党は、今回給与引き下げ条例案に強く反対致します。


次に、議案第119号、福岡市屋台基本条例案についてです。

今回条例案は、屋台を持続可能な存在にするとして、屋台営業の適正化などを目的に、市、屋台営業者、利用者の責務を定めるなどの内容となっています。

本市は現在、屋台営業に関して、「屋台指導要綱」を定めております。要綱の第1条、目的に「本市が行う行政指導その他の施策に関し必要な事項を定めることにより、安全で快適な歩行者空間及び良好な公衆衛生の確保を図るとともに、屋台が利用者に親しまれ、市民生活と調和したものとなるように誘導すること」とあるように、この要綱のもとに屋台営業への指導が行われてきました。

一昨年9月、学識経験者や地域住民、屋台営業者などで構成する「屋台との共生のあり方研究会」が設置され、1年半にわたる計7回の会議を経て、昨年4月に、今後の屋台のあり方として4つの将来像を示した提言書がまとめられ、市長に提出されました。市長はこれを受けて、市幹部による屋台共生推進本部を立ち上げて、条例化を検討し、決定したのであります。しかしながら、なぜ指導要綱の厳守や必要な改正ではなく条例化しなければならないのか、様々な立場の方々から出されてきた多様な意見をくみ取る努力がどのようにされたのか、市長と推進本部がどのような検討をしてきたのか、本会議と委員会での質疑を通じて質してきたものの、明確になったとは言えません。なぜ要綱で対応できないのか、なぜ条例化を急ぐのか、他会派からも疑問の声があがりました。

条例案は、指導要綱にはなかった、指導に従わない屋台に対する営業許可の取り消しや、基準不適合の屋台の営業許可不更新を新たに規定するものとなっています。この点について、わが党は、特定の屋台を排除するような行政の強権化ではないかとただしましたが、当局は「訴訟対策」と答え、事実上認めました。

屋台の基準については、屋台営業者に厳しい責務と基準を求める一方で、市当局が営業者からの要望を聞こうとしない態度を続けていることも問題です。関係組合からは、市に協力する立場から、営業時間や屋台の規格の見直し、汚水処理施設の設置を求める嘆願書が市長に対して提出されています。ところが、市長はこれにこたえようとしていません。さらに、屋台営業者に対する説明会や個別面談を行ったとの答弁でしたが、当事者からは「意見を言う場ではなかった」という声があがっており、市が「守ってもらわないと困る」と一方的に押し付けただけです。

地域住民についても、市当局は声を聞いてきたかのように言われますが、市としてアンケートは行っておらず、説明会も開いていません。パブリックコメントに寄せられた意見はわずか26人からであり、地域住民の意見を汲みつくしたとは到底言えません。このように、地域住民や屋台営業者など関係者の合意は得られていないことは明白です。すなわち、条例化は時期尚早だと言わなければなりません。

利用者の責務についても、地域住民の生活環境に配慮することを努力義務としていますが、これについても、屋台に限らずモラルの問題であり、屋台基本条例で定めなければならない理由になるのか疑問であります。

屋台は、観光客だけでなく広く市民に飲食を提供し、市民の食文化を担ってきた、福岡市の財産です。ところが高島市長は、屋台を観光の拡大に利用するとともに、都心部再開発の実験の一環と位置づけているのであります。そして、条例制定を自分の手柄にしようとして、関係者に混乱を持ち込んでいますが、こうしたやり方は大いに問題があります。

したがって、わが党は、屋台基本条例案を撤回し、時間をかけて市民的議論を行うよう求めるものであります。


次に、わが党が賛成する議案のうち、議案第121号、福岡市こども・子育て審議会条例案について意見を述べます。

本条例案は、子ども・子育て支援法の施行に伴い、現行の児童福祉審議会を廃止し、新たな審議会を設置するものです。この審議会は40人以内で組織され、子ども・子育て支援に関する重要事項を審議するものであります。委員の選任にあたって、保育・幼児教育の両分野の関係者を入れて幅広く意見を聞くことが大切です。

いま、高島市長は、行革を優先して市民サービスの切り捨てを進めるなか、その矛先を子ども・教育施策にも向けています。「民間が担うことができるものは民間に委ねる」などと言って、今でも8カ所しかない市立幼稚園をすべて廃止する計画は、幼児教育における公的水準のモデルをなくすとともに、経済的困難を抱える家庭の子どもにも教育の機会を保障してきた役割を放棄し、長年築いてきた地域の子育て支援の絆や小学校との連携を壊すものであります。また、市長は、少年科学文化会館の移転に伴い、子どもの観劇や表現活動の発表の場として長年愛されてきた文化ホールをなくしてしまおうとしているばかりか、行政責任を曖昧にする民間ビル賃借入居方式を導入しようとしています。さらに、中央児童会館の建て替えも、西鉄など地元大手の儲けづくりを優先し、中央保育園を追い出して、風俗営業店に近接する、周辺環境も交通事情も保育にふさわしくない、まさに不適切な場所に移転させようとしております。いずれも、子どもの権利を守り、良好な保育・教育環境の整備に努めなければならない市長が、それに真っ向から反する態度をとり続けていることが最大の問題であります。これに対し、市民が怒りの声をあげ、署名などの運動が広がっており、「子どもに冷たい高島市長」ということが市民に浸透し始めております。

こうしたなか設置される子ども・子育て審議会の委員については、教育と保育を専門とする学識経験者はもちろん、当事者の意見を反映させるため、保護者代表や、教育・保育の従事者の代表を選任するとともに、市民公募枠を一定数確保して、子育て世代の市民を委員にすべきであります。こうすることによって、市長と教育委員会が市民の願いに反して暴走した場合に、これを市民の立場から食い止めることができるような仕組みを作る必要があります。子ども・子育て支援の審議に市民がしっかり参加し、意見が反映されるよう要望するものです。


以上でわが党の討論を終わります。


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